試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

JR103系習志野電車区305F [Tc260] (サハ103-196,212 車両振替:グリーンマックス製サハ103形組込)

2019-04-16 21:47:10 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
転身。

JR103系ラシ305F-3(Tc260)は長く続いた1社2種混結編成に別れを告げる再出場となった。
KATO製一般形サハ103-196,サハ103-212の車両振替実施により2社混結編成へ改められている。
元サハ103-250(元ラシ327F:Tc433)に転写していた[弱冷房車]ステッカーインレタは狙い通り温存された。


JR103系ラシ305F (2000/6)。
ラシ305F-3:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc260。
◆サハ103-196,サハ103-212 車両振替。

モハ103-707以下6両を基準に設けるとラシ305Fの源流は国鉄103系ツヌ306F(Tc71)まで遡る。
津田沼区に所属した103系はツヌ301F~ツヌ306F,ツヌ307F~ツヌ310F,ツヌ311F~ツヌ327F,ツヌ328F~ツヌ330Fに大別出来る。
このうちツヌ306Fは101系置き換え用103系投入の第一陣に含まれた。
当初クハ103-61,クハ103-48が非冷房車のまま組成される逆キセル編成であった。
一度組成変更を経た後に原編成へ復帰したが1986年3月のクハ103形入れ替えでクハ103-763,クハ103-780が先頭に立った。
◆ツヌ306F:Tc763-M707-M'863-T468-M708-M'864-T469-M709-M'865-Tc780(1986/4)。
財政難に陥った国鉄が検査入場まで塗装変更を行わない姿勢へと変わった後の組成変更は3本の黄緑6号混色編成を生み出した。
この方針はJR移行直後に撤回となりJRマークが転写された黄緑6号混色編成は短期間で姿を消している。
比較的経年の浅い車両で占められたせいか1987年4月から1997年7月現在まで無風状態が続く。
この間の外観変化は1993年頃から開始された側扉窓黒Hゴム支持化が成された程度であった。
1998年4月現在の編成表によるとサハ103-468,サハ103-469が編成から外されサハ103-196,サハ103-212へ置き換えられていた。
サハ103-468,サハ103-469の廃車は1998年10月付であり予備車若しくは保留車扱いだったと思われる。
ラシ305F:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc780(1999/3)。
編成番号再編にてラシ302F(Tc769)が編成を解かれたためラシ306Fはラシ305Fに繰り上がった。
既にE231系0番代の本格投入が開始されておりラシ305Fはこのまま姿を消すと思われた。
ところが2000年4月頃にクハ103-780が何らかの事情で編成から離脱しクハ103-260(元ラシ313F)へ置き換えられる。
前面窓が金属押え面支持化されたクハ103-260はクハ103-231(ラシ311F:Tc231)と並ぶ異端車であった。
一方千葉方先頭車両はクハ103-763から変更されず前後の見附が揃わない珍しい編成となった。
低運転台初期形冷房改造車,非冷房車と高運転台車の組み合わせはラシ337F(Mc69),ミツ6F(Tc93)が同時期に登場している。
また低運転台一次改良形と高運転台車による編成もラシ321F(Tc188)での組成例が存在した。
淘汰間近の習志野区103系でこの様な変則編成が初登場するとは思いもしなかった。
ラシ313F:Tc259-M402-M'558-[T202]-M719-M'875-T472-M409-M'559-Tc260(2000/4)。
なお編成を組めなくなった元ラシ313F(Tc259)はクハ103-259以下9両が予備車とされた。
2000年7月現在ではE231系0番代の勢力が更に拡大し103系は14編成まで減少していた。
この直後にラシ305Fも運用終了となり変則編成は短期間で姿を消している。


旧ラシ305F。

ラシ305F-3(←旧ラシ305F:Tc763)の初出場は2013年12月で所有編成でも古参組に相当する。
在籍車両が少なく当初はTOMIX製旧製品クハ103-763,KATO製クハ103-260だけの竣工に留まった。
組成もモハ103-331以下8両を旧ラシ315F(Tc213)と共有するイメージ編成であった。
個性が強い旧ラシ305Fの10両編成化着手は早く2014年4月より開始されている。
ちょうどプロトタイプ合致作業と重なりKATO製量産冷房車モハ103-707以下6両への改番も並行した。
正規編成を組むにはサハ103-196,サハ103-212の初期形冷房改造車捻出が壁となる。
当時初期形冷房改造車はKATO製一般形を種車に充てるしか術がなかった。
まだ塗装変更車を続けざまに登場させていた時期でありサハ103-196,サハ103-212は今ひとつ冴えない姿で竣工した。


旧ラシ305F-3。

その後メーカーが異なるクハ103-763とモハ103-707の車体高差が気になり始める。
2014年8月にKATO製クハ103-281高運転台ATC準備車(黄緑6号)にてクハ103-763をKATO製に変更した。
クハ103-763の車両更新により一応KATO製での統一を果たせたが塗装変更車が3両含まれた。
そのため編成見附は芳しくなく後々まで車体更新が繰り返される編成と化している。
更新順はクハ103-763が最優先とされサハ103-196,サハ103-212の入場までは考えていなかった。
ところが屋根板交換入場でサハ103-212の車体を破損させてしまい塗装変更車廃止計画が前倒しされる。
各車の入場時期こそずれたがサハ103-196の更新が完了した2018年3月を以てラシ305F-3はメーカー塗装編成に格上げとなった。




サハ103-196(AU712冷房改造車)。

完成系に達したと思われたラシ305F-3だったがグリーンマックス製塗装済サハ103形初期形冷房改造車の試験投入が影響を与える。
ラシ327Fから離脱した元サハ103-250,元サハ103-265は自家塗装車体ながら貴重なグリーンマックス製サハ103形だった。
しかも[弱冷房車]ステッカーインレタは残数が厳しい状況に追い込まれている。
元サハ103-250の現状を活かす手段としてサハ103-196への改番復帰が決定した。
グリーンマックス製103系用屋根板をAU712冷房改造車仕様へ仕立てるには大幅な手間を要する。
当然見映えも望めないためKATO製101系用屋根板の代替起用に至る。
全長の短縮が必要であったがグリーンマックス製AU712冷房機,ランボードは屋根板Rに合致してくれた。




サハ103-196+モハ103-708 (グリーンマックス製+KATO製量産冷房車)。

グリーンマックス製サハ103形AU712冷房改造車は竣工対象から外していた。
文字通り急転直下のAU712冷房改造車化と言え旧サハ103-196では見られなかった齟齬が生じている。
サハ103形AU712冷房改造車は側面行先表示器追設改造を受けない車両が多数存在した。
これに該当するサハ103-196は初期形冷房改造車転用に於ける数少ない弱点となった。
サハ103-196の窓サッシは側面窓セル再現であり編成見附の向上に繋がったと思える。
そのため実車とは異なる側面行先表示器の存在は黙認する方向とした。
なお捻出された旧サハ103-196にも[弱冷房車]ステッカーインレタが転写されている。
よって今後はサハ103-269(ラシ336F-3:Tc433)の更新種車に充当される公算が高くなった。




サハ103-212(AU75冷房改造車)。

一方サハ103-212は製品仕様に近いAU75冷房改造車として竣工した。
屋根板は予備品に廻っていたグリーンマックス製103系用灰色成形品を初使用している。
KATO製AU75B(M)冷房機の取り付けで作業が滞ったものの全体的には上手く纏められたと思う。
自家塗装屋根板ではKATO製103系用現行LOTベンチレーターの挿入に悪戦苦闘した。
ここは灰色成形屋根板の強味が発揮され取り付けには労さず程良い嵌合精度も保てている。
側面窓セルはKATO製量産冷房車用嵌合爪を持つクハ103-107,クハ103-112(ツヌ318F:Tc107)の発生品とした。
その結果サハ103-196,サハ103-212とも2pcs式側面窓セルになった。
1エンド側連結面寄窓部のみが独立した構造により直後の戸袋窓セルは若干浮く傾向が現れる。
最終的に1エンド側戸袋窓付近にもゴム系接着剤を塗布し面一度を確保した。
再用品を繋ぎ合わせた2pcs式側面窓セルであるが製品原形と近似の外観には持ち込めたと思う。


再用品同士が組み合わされた2pcs式側面窓セル(サハ103-196)。


2pcs式側面窓セルの分割部となる1エンド側連結面寄(サハ103-212)。

側扉窓金属押え面支持も変更となり油性メタリックマーカー再現へ変更した。
油性ペイントマーカー式と比べ塗り斑が少なく落ち着いた窓周りに見える。
グリーンマックス製103系はHゴムモールドが窓セル側にあり本格採用へと踏み切った。
これは車体再現のTOMIX製旧製品,KATO製でも再挑戦を検討している。
床板には保管品のKATO製サハ103形量産冷房車用床板が充てられクハ103-763以下8両と仕様を揃えた。
2エンド側床板湾曲式車体高嵩上は施したものの試行段階からの脱出は図れていない。


ラシ305F-3サイドビュー(クハ103-763:車体更新車)。

今入場はサハ103-196,サハ103-212の車両振替に絞った工程とした。
よって簡易改番式が採用されたモハ103-707以下7両の修正には進んでいない。
間もなく改修時期を迎えるがKATO製クハ103-272(黄色5号)の導入が全ての鍵を握る。
現在ラシ305F-2はクハ103-780の車体更新に目処が立っておらず組成を休止している。
ラシ305F(Tc763)は本来11両体制であり全車が出揃った際に改修を行いたい。
取り敢えずグリーンマックス製サハ103形が4両の布陣となった事を一区切りにする。
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