試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3552[3520F-4] 更新車 現行仕様 前面貫通幌再追設施工(グリーンマックス製貫通幌) ※TOMYTEC製

2018-07-31 21:55:10 | 京成線:3500形
復活。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車現行仕様(3520F-4)は3552の前面に貫通幌を追設していた。
グリーンマックス製貫通幌の加工は今一つで水切り部からの漏光による冴えない前面見附が弱点だった。
貫通幌第一次試作品は3531更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)へ転用されたため3552が再入場となった。


京成3500形3552F 更新車 現行仕様 PT-7131形パンタグラフ換装編成。
3552F-1:[3552]-[3551]-[3550]-[3549]。
※TOMYTEC製:3520F-4 基本編成。

新たに3552へ起用するグリーンマックス製貫通幌は3531で現物合わせを行った第二次試作品である。
狭幅貫通路側への仮装着では水切り部が上手く回避され上部からの漏光を防げた。
M2車とM1車の幌座幅は殆ど同一と考えて良いだろう。
第一次試作品では水切りとの競合回避に重点を置き過ぎた。
再追設に当たっては漏光防止を第一義とし必要であれば貫通幌の現物合わせを行う。


入工中の3552更新車現行仕様(3520F-4)。

3552からの貫通幌撤去は実に呆気ないものだった。
変則3点止めは全く機能しておらずゴム系接着剤と共に取り外せた。
車体に残ったのは試行時に塗布した水切り直下のゴム系接着剤だけである。
通用しなかった上下2点止めの名残で見切りは速かったらしい。
3531の仮装着時は上下2点止めを採用した。
第二次試作品ならば同様の固定が行えると考えた。
最初の作業は僅かに残るゴム系接着剤除去と言う地味なものになっている。


機能する機会に恵まれなかった幌座上部のゴム系接着剤。

ゴム系接着剤の除去を終え第二次試作品の仮合わせに入った。
貫通幌は大凡理想的な位置に収まる。
ただ若干の前傾が生じたため貫通幌裏面を更に#400のペーパーで鑢掛けしている。
貫通幌下部断面の整形は固定強度を考慮し廃止した。
これにより幌座とは天地方向が窮屈になる。
第一次試作品に対し下方向へのずれが避けられなくなった。
TNカプラーSPのアプローチアングルに支障すると思われたがぎりぎりで確保出来た。
強烈な急勾配区間を迎えない限り走行は支障ないと思われる。
二度目の現物合わせを終え貫通幌の追設に移る。


上下2点止めで固定した貫通幌。

3531での試験装着はゴム系接着剤の使用量を絞った。
本格装着となる今回はやや多目にしている。
車体側は貫通路渡り板裏面と幌座の上下に塗布した。
貫通幌裏面も大方同様の位置に乗せ強度を高める対策を採った。
接着面積に対して多分に盛られるため貫通幌取付後のはみ出しは止むを得ない。
ゴム系接着剤の固着後に巻き取りを行い見附を保つ事にした。
追設は3530(3532F-2)の方式を引き継ぎ渡り板側から行っている。
その後貫通幌を起こし上部を合わせた。
狙い通り水切りを回避しつつ幌座に密着させられた。
後は固定を待つのみとなる。




3552 [■■■ 普通 上野]:前面貫通幌再追設施工。

固着を確認し余分なゴム系接着剤の除去を行った。
取付直後は貫通扉側に張り出す程で慎重さが裏目に出たらしい。
貫通幌を抑えながら巻き取りを進め違和感の無い仕上がりまで持ち込んでいる。
貫通幌下部断面の整形廃止により若干取付位置が下がった。
それでも前面見附を狂わせる移動幅ではなく問題は無い。
水切り部からの漏光は完全に抑制できた。
錯覚で傾いたように見える貫通幌から脱出している。
安定度は上下2点止めが実現し交換前より遙かに高い。
この状態であればマイクロエース製貫通幌追設車と同様に取り扱えると思う。




3519+3552 (3520F-4:3552 前面貫通幌交換施工)。

側面見附も第一次試作品装着時と変わらなく見える。
TNカプラーSPとの間隔が狭まったがその差は小さい。
可能な範囲で連結器部品を上下動させたが貫通幌との接触は生じなかった。
少なくとも平坦線ばかりの御座敷レイアウトでは再入場する機会はやって来ない。
仮に干渉した場合でも貫通幌底面を削れば対応出来る。
上部に手を加える必要は無く見附を崩す事態には陥らないと思う。




3552F-1 (3552 貫通幌再追設施工)。


3300形3316F-1 (モハ3313 貫通幌追設施工車)。

2+4編成で固定している3520F-4では3552が先頭に出る機会は無い。
ただ運転台付車である以上前面見附には拘りたかった。
3552はマイクロエース製3300形3316F新赤電色クロスシート試作車(3316F-2:4+2編成)のモハ3313に近い存在と言える。
モハ3313はライトユニット撤去により失われた前尾灯レンズの代用再現まで施工した。
中間組込車は運転台機能が停止された状態だが編成単位では逆に引き立つ連結部となる。
スケール上曲線区間では前面を伺える機会が多々あるため小細工する価値はあると思う。

幌座より幅が広いグリーンマックス製貫通幌の起用は手持ち部品都合に拠るものである。
手段が限られた環境ながら第一次試作品を凌ぐ答に結び付けられたと思える。
3552の貫通幌再現追設施工で3532F-2とは異なるM1車+M2車の連結面になった。
各々に長所と短所が混在するが2編成で相殺されると考えている。

京成3500形3531,3530[3532F-2] 更新車 現行仕様 狭幅貫通路側グリーンマックス製貫通幌追設試行 ※TOMYTEC製

2018-07-30 21:35:06 | 京成線:3500形
統一。

TOMYTEC製京成3500形3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)は2+4+2編成を組む。
M2車の運転台側は三平面折妻のため切妻のM1車とは連結面間隔が他より広がって見えてしまう。
錯覚に頼る誤魔化し方策として3552更新車現行仕様(3520F-4)の運転台側にグリーンマックス製貫通幌を追設した。


京成3500形3532F+3544F 更新車 現行仕様 PT-7131形パンタグラフ換装編成。
3532F-2:[3532]-[3531]+[3544]-[3543]-[3542]-[3541]+[3530]+[3529]。
※TOMYTEC製。

3520F-4は2+4編成であり3552が貫通幌追設試行車となった。
側面見附はそれなりの手応えを得られたが前面見附には物足りなさが残っている。
TOMYTEC製3500形の幌座再現とグリーンマックス製貫通幌は幅が合わない。
幌座上部の水切りとも干渉しゴム系接着剤による上下2点止めが採用できなかった。
その後も安定感に欠ける状態が続いている。
3532F-2は3544F更新車現行仕様(3544F-2:4+2編成)を兼ねているため3544(3544F-1)の前面貫通幌追設は難しかった。
3531+3544,3541+3530(3532F-2)の見附を統一するには3531,3530への貫通幌取付が有利だった。
よって3532F-2では3541への貫通幌追設は行わずM1車の狭幅貫通路側へグリーンマックス製貫通幌を装着する。


入工中の3531更新車現行仕様(3532F-2)。

3552までTOMYTEC製品の貫通幌追設は見送ってきた。
そのため要領を掴めないままマイクロエース製品と同一方式で貫通幌の加工を行った。
これが芳しくない結果に終わったため3532F-2では現物合わせを取り入れる。
M1車も幌座と貫通幌の全周が合致しなかった。
水切りも再現されており3552での加工と同じ気配が漂う。
先発入場は貫通扉が目安になりそうな3531とした。
貫通扉窓と貫通幌の中心を合わせ装着すれば大凡左右均等に配される算段である。


幌座より一回り大きいグリーンマックス製貫通幌。

早速グリーンマックス製貫通幌の細工に取り掛かった。
3552では水切りに支障する上部を一段分削り落とした。
この措置は早々に上下2点止めを放棄せざるを得ない状況に追い込む元凶となっている。
ただ削る箇所は3531でも変わらないため参考にはなった。
該当部を#400のペーパーで少しずつ薄くする。
水切りは幌座の縦方向に回り込みを持つ。
この部分だけは逃げを設ける必要があり一段分を切除した。
完成した貫通幌裏面は上部が凹形になった。


整形方式を変更した貫通幌裏面。

貫通路渡り板との接触面積を増やすため貫通幌下部断面の整形は取り止めた。
物理的に水切りとの競合が避けられず貫通幌位置を上方向へ偏位させても余り効果は得られなかった。
むしろ下側の安定度を低める副作用が現れている。
現物合わせが物を言い貫通幌第二次試作品は幌座上部の空間発生を防げた。
上下2点止めで仮装着した後も隙間は現れていない。
正式採用に決まりかけたが考えが変わった。
M1車とM2車の狭幅貫通路は等幅だと思われる。
収まりが改善された第二次試作品は3552への転用が決定した。
3531には3552から撤去した第一次試作品を取り付ける。


3552へ転用される貫通幌第二次試作品。

3552に取り付けていた貫通幌第一次試作品は抵抗も無く取り外せてしまった。
変則的な3点止めは全周が幌座と合わなかったため貫通路渡り板の1箇所しか機能していなかった。
何れは脱落したと思われ第二次試作品への交換で改善を期待する。
第一次試作品は上部からの漏光が弱点であった。
M1車では余り気にしなくても良かった。
しかし3530への貫通幌追設が控えておりゴム系接着剤の塗布方式を変更している。




3531 貫通幌追設:成田寄(第一次試作品転用)。

現状ではM1車も上下2点止めが採用できなかった。
貫通幌下部断面を削ってしまったため貫通路渡り板が支点の役目を果たしてくれない。
渡り板裏面へのゴム系接着剤塗布を廃止し貫通幌裏面の上下のみへ改めている。
基準は水切り直下の幌座に定め漏光防止策とした。
貫通幌表面は製品原形を保っており下部断面への細工は伺えない。
急遽転用となった第一次試作品は3552への装着時とは異なり高い安定度を持つ。
上下2点止めに拘った成果と言えよう。




3531+3544 (3532F-2:3531 貫通幌追設試行)。


3519+3552 (3520F-4:3552 前面貫通幌追設試行車)。

TOMYTEC製3500形M1車の貫通幌追設車は初登場となった。
既に撤去してしまったが3519+3552(3520F-4)と比較しても錯覚は健在だと思える。
取り敢えずM2車の三平面折妻による後退代は貫通幌で埋められた。
無理矢理ながら第一次試作品と同一形状でも狭幅貫通路に合わせられると判明している。
続く3530では現物合わせを廃止しマイクロエース製品向けの細工へと戻す事にした。


入工中の3530更新車現行仕様(3532F-2)。

マイクロエース製品向け貫通幌の加工は手慣れている。
細工箇所は水切りと接する部分のみへ縮小となった。
よって3530用貫通幌の製作は短時間で終えられた。
貫通幌下部断面の整形も中止されており貫通路渡り板裏面が支点に活用できる。
但し3530は貫通扉が無く中心を揃える目安に乏しかった。
先ず渡り板を基準に下側を貼り付けた。
その後貫通扉内側から覗く幌座が左右均等になるよう上部を合わせている。
水切りとは競合しないため位置調整は思いの外容易に進められた。




3530 貫通幌追設:上野寄。

3530へ追設した貫通幌は3531とほぼ同様の結果に至った。
但し貫通幌への加工は縦方向に削り過ぎた模様で水切りとの間に空間が生じている。
幸いにして漏光までには至らなかった。
貫通扉が設置されていない成田寄M1車に救われたと言える。
上下2点止めの安定度は3531を上回る。
何より渡り板裏面へのゴム系接着剤塗布が復活が大きく垂直に近い位置に収める事が出来た。




3541+3530 (3532F-2:3530 貫通幌追設試行)。

3541+3530も3531+3544と同様の側面見附に改められた。
これで3532F-2の連結面差異は生じない。
一時は3541への前面貫通幌追設も考えた。
3552での消化不良がM1車への追設を決定付けている。
第一次試作品が3531に転用されるとは思わなかったが無難に纏められたと思う。




3531+3530 (3532F-1:狭幅貫通路側貫通幌追設試行)。

3532F-2は4+4編成に対応していない。
そのため3531+3530(3532F-1)を組む機会は皆無である。
組成都合で狭幅貫通路側に貫通幌が追設されたため試験的に組合せを行っている。
やはり貫通幌の存在は大きいと思わされた。
しかし他TOMYTEC製品への波及は考えていない。
在籍車両数の問題もあるが加工を要する車両が多くなる可能性が否定できない。
3532F-2は特例措置と言え今後貫通幌追設車が登場するかは製品リリース次第だろう。

京成3500形3552[3520F-4] 更新車 現行仕様 前面貫通幌追設試行(グリーンマックス製貫通幌取付) ※TOMYTEC製

2018-07-18 22:03:38 | 京成線:3500形
検討要素。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)の現行仕様化(3520F-4)を終えた。
3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)も出場直前に抑止が掛けられた。
同時回着した3500形更新車は試行項目の思い付きにより連続して足止めを喰らっている。


京成3500形3552 更新車 現行仕様(3520F-4)。

3532F-2は3532,3529へのアルミテープ式前照灯リフレクター簡易再現が出場に待ったを掛けた。
追加施工は好感触を得られ正式採用へと至る。
3520,3549(3520F-4)では第二次整備中に施工し3532F-2と3520F-4はほぼ同等の外観に達している。
今回の素人発想は3552(3520F-4)への貫通幌取付である。
三平面折妻と切妻の連結面は他に比べ間隔が広がってしまう。
これを貫通幌取付で狭まったように見せる。
物理的に手の施しようが無く単なる錯覚効果への期待でしかない。


入工中の3552。

3520F-4は2+4編成での限定走行が確定していた。
よって3552の前面窓セルも運行番号表示器貼付も見送られ簡易化が図られている。
貫通幌は3519(3520F-4)の狭幅貫通路側に追設する方法も採れた。
2+4+2編成の3532F-2は3544F-2(2+4編成)にも対応させている。
仮に3532F-2へ貫通幌を取り付けるならば先頭に立つ3544(3544F-1)は幌座のまま存置する必要がある。
一方3541+3530(3532F-2)はどちらに貫通幌を取り付けても構わないと思えた。
優劣の判断に悩んだため3552で貫通幌追設の試行が決定した。


幌座幅と合わないグリーンマックス製貫通幌。

TOMYTEC製品で貫通幌を追設した事例は無かった。
京成形式は4両編成が大半を占める上に4+4編成も逆組成の都合で貫通幌を必要としない。
どのメーカーの貫通幌が相応しいか皆目見当が付かなかった。
ひとまず貫通幌は手持ちのグリーンマックス製を起用する。
ところが幌座と仮合わせを行うと各種問題が明らかになった。
先ず貫通幌の幅が成形された幌座に対し広くなる。
中心を揃えるには現物合わせで凌ぐしかない。
次に水切りと貫通幌上部裏面が競合し車体と面一にならない。
これはマイクロエース製京成3300形モハ3333現行色特急成田山号仕様(3344F-4)等への施工例を参照出来ると思われた。
更に天地も不足気味で貫通扉上部を塞いでしまう。
安直に追設出来ると考えていたがそう簡単には行かなかった。


上部一段だけを切除した貫通幌。

取り敢えず水切りとの競合を防ぐ対策から着手した。
モハ3333での貫通幌加工に倣い裏面上部の一部を薄型化する。
何も考えずに一段分を切除した。
ここで見落としたのはマイクロエース製3300形とTOMYTEC製3500形更新車に於ける水切り再現の差異である。
3300形は掘りが深く一段だけの切除が適していた。
しかし水切り長の短い3500形更新車には深過ぎた。
結果的にこの細工は後々まで響く。
車体に合わせると水切りとの競合は解消に至った。
水切りと貫通幌の隙間が気になったが天地拡大対策が残る。
これで全体的に貫通幌は上方向に移動するはずでどうにか誤魔化せると思えた。


傾斜を設けた貫通幌下部断面。

次に貫通幌が貫通扉を覆わない位置まで引き上げる。
車体には一切手を着けず貫通幌だけに手を加えた。
仮装着時に渡り板が貫通幌より張り出すと掴めていた。
渡り板は楔形に成形されている。
従って貫通幌下部断面を削れば取付位置を改められると思えた。
貫通幌全周の幅は原形を守る。
クラフトナイフで徐々に貫通幌断面下部を斜めに整形し理想的な位置を探った。
この間何度も現物合わせを行い貫通扉が全て視認出来る状態に持ち込んでいる。
ようやく適正角度に達した。
ところが貫通幌上部裏面の切除代を大きく取り過ぎたと判った。
設置位置こそ問題無かったが車体との接触部が限られた。
固定はゴム系接着剤での上下2点止めを採用するつもりだったが上部の支点が失われてしまった。


貫通幌取付中の3552。

止むを得ず下1点止めを試行したところ不安定さが拭えない。
保管時にウレタンと触れるだけで外れそうな雰囲気だった。
ここままではせっかく取り付けた貫通幌を無駄にしかねない。
余り気は進まなかったが両貫通扉把手付近にもゴム系接着剤を塗布する3点止めとなった。
固定と同時に貫通幌と車体中心を合わせる作業も並行しなければならない。
上下2点止めであれば調整は垂直方向に限られるため楽だった。
しかし急遽3点止めに変更したため貫通扉把手付近からのゴム系接着剤はみ出しが厄介となった。
手を加えた貫通幌を歪ませてしまった事も重なり妥協点を見出すまでに時間を要している。




3552 [■■■ 普通 上野]:前面貫通幌追設試行。


3300形モハ3333 [A01 () 成田]:3344F-4(前面貫通幌追設車)。


3300形モハ3313 [B29 ]:3316F-2(前面貫通幌追設車)。


1000形モハ1029 [81K 急行 急行 西馬込]:1037F-4(前面貫通幌追設車)。

何とか貫通幌を所定の位置に収め車体を組み立てた。
引きでは3500形M2車に新たな表情が加わったように見える。
水切りとの位置関係も悪くない仕上がりにはなった。
ただ貫通幌上部裏面の削り過ぎが影響し水切り部から漏光を招いてしまった。
漏光は貫通幌を前傾させたように見せる。
実際には垂直に固定しているが違う錯覚効果を呼んでいる。
先に竣工したマイクロエース製京成形式貫通幌追設車では漏光が生じておらず見劣りは否めない。
3552への貫通幌取付は手間の割に弱点が多く感じられた。
この結果で3541への前面貫通幌取付は消滅した。
3532F-2は3531,3530への追設(狭幅貫通路側)が有力になっている。




3519+3552 (3520F-4:M1車+M2車 前面貫通幌追設試行)。


3552+3551 (3520F-4:M2車+M1車)。

前面見附は今一つの手応えに終わった。
しかし側面見附は手を加えたなりの効果が伺える。
M2車の後退角により広く見えた連結面間隔は貫通幌が補っているように思う。
削り過ぎた貫通幌上部裏面も水切りが露出する演出に繋がった。
この状況であればM1車の狭幅貫通路側に貫通幌を取り付けても同様の効果が得られると読む。
前面見附を加えると微妙な結果に終わった。
ただ3532F-2への前座作業としては良い答を得られたと言えよう。

京成3500形3549[3520F-4] 更新車 現行仕様 塗装補修施工,運行番号・行先方向幕貼付,走行部品組込 ※TOMYTEC製

2018-07-17 21:56:41 | 京成線:3500形
一区切。

ようやくTOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)の最終入場車を迎えた。
最後を飾るのは成田寄M2車の3549である。
3520更新車現行仕様(3520F-4)よりは印刷の破綻が少なく当日竣工が目指せる位置にあった。


京成3500形3549 更新車(3520F)。

塗装状態が芳しくなかった3520Fは3550(3520F-4)以降から作業開始工程を車体補修にしていた。
しかし3549の第二次整備では再び床板関連へと戻した。
これには極細字側マッキーのペン先を更に解す狙いがあった。
金属部分と擦れる輪心黒色化を先行させ3520の竣工直後よりも塗り潰しに適するペン先を作り上げる。
輪心は溝状に掘られた成形により段差が設けられている。
その断面まで塗り潰しておりそれなりに効果が得られると思えた。


入工中の3549。

TT-04R走行部品は3520で使用した端数分を用いる。
3520の輪心黒色化施工では4軸とも塗り潰し時の手応えに変わりは無かった。
ところが3軸目から輪心断面までインクが行き渡り始める。
4軸目には各断面を1周するだけで輪心黒色化を終えた。
どうやらペン先熟成作戦は成功した模様である。


完成したFS-089非動力台車(上野寄)。

ここで車体関連の整備に入ると如何にも中途半端だった。
このまま床板一式を完成させる。
座席部品と台枠の一体化は両側ともダミーカプラー取付孔から流し込み接着剤を投入した。
運転台側は座席部品で完全に覆われないため角度と投入量に注意している。
TNカプラーSPのフレームとカバーも同時に溶着した。
これにより着脱時に於ける分解は防げると思う。


スカートを取り付けた3549用床板一式。

スカートの固定も並行した。
塗装補修が待つため3552(3520F-4)の車体に床板を仮装着する。
台枠取付脚の片面にゴム系接着剤を塗布し角度を合わせた。
3549も前面幕板運転台側青帯の折り返しを除去する必要があった。
更に波打つ運転台側黒色窓枠の塗装剥離も行う。
補修を終える頃にはスカートが固着しているはずである。
3552へ3549用床板を取り付けたまま完成線に留置した。


前面塗装剥離中の3549。

3549の前面塗装状況は3520に近かった。
先ず前面幕板運転台側青帯の折り返しを爪楊枝で剥離する。
またしても雨樋漏斗断面は力が及ばなかった。
先の尖った爪楊枝でも限界があり3520とほぼ同等の見附に至った時点で除去を打ち切った。
次に運転台側黒色窓枠の補修へ取り掛かる。
窓枠モールドへの影響を小さくする工夫を施したが無力だった。
結局1/4程は銀色塗装に変わっている。


銀色塗装が覗く側面窓枠(山側)。

側面の塗装補修は塗料撥ねが少なく思いの外手が掛からなかった。
黒色窓枠も著しいずれは無い。
その代わり山側は銀色塗装の露出が激しかった。
隠蔽はマッキーでの窓枠塗り潰しに懸かる。
そこで解れたと想われる極細字側マッキーが戦力になるか試験塗布を行った。
3500形更新車M2車は乗務員室直後の側面窓が極端に狭い。
従来から極細字側マッキーではないと車体断面の黒色化が行えない箇所だった。


断面を黒色化した乗務員室直後側面窓。

従って新マッキーの実力を試すには打って付けである。
3520で痛い目に遭った塗装剥離は行わず直接マッキーを塗布する。
するとペン先こそ幾度か詰まったものの全周を塗り潰せた。
これで広幅側面窓の各部黒色化に目途が立った。
広幅側面窓では超極細字マッキーの使用も開始した。
かなり解れた極細字側マッキーでもユニット窓の四隅には敵わない。
超極細字マッキーはペン先が詰まる事無く各部を黒色で覆えた。
もう少し早く使い始めれば苦戦を強いられなかったと思う。




小細工後の貫通扉と前面窓セル。

一気に側面窓枠モールドの黒色化を進め前面窓セル及び貫通扉の小細工へ移行した。
項目は3520と同一で各施工方式も踏襲した。
この小細工は3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)から変更していない。
よって出場後の3520F-4は3532F-2と同一の前面見附を保てる。
神経を使う前面窓セルへの細工は途中から余計な手出しをしたと思うようになっていた。
しかし3549が最後の施工車となる。
気持ちを切り替えに塗装補修や前面窓漏光対策を施した。


マッキー再現に変わった上段黒色窓サッシ(山側)。

工程が全て逆順になった3549は側面窓セルへの各種加工が組立前に変更された。
行先方向幕基準表示化を終えた後に清掃を行う。
3532F-2で悩まされた謎の粘着物質除去が最後に待ち構えているとは思わなかった。
山側の側面窓セルは表面,裏面に粘着物質が付着していた。
一部は窓サッシに掛かっており黒色印刷を失っている。
ここで遂に超極細字マッキーの務めがやって来た。
本来は3532F-2で黒色窓サッシ印刷の補修に苦労したため投入したものである。
0.3mmのペン先はモールド断面へインクを進出させる事無く黒色窓サッシへと復旧に導いてくれた。


表貼の運行番号表示:グリーンマックス製京成3150形用ステッカー。

窓セルを嵌合させ運行番号表示,行先方向幕の貼付に移る。
グリーンマックス製京成3150形用ステッカーの[B01]幕は予備が無く最初に切り出しを行った。
幸い失敗には至らず3520F-4の行先表示類は[B01 普通 上野]で確定となった。
運行番号表示は異例と言える表貼のため仔細に見るとステッカーの断面が浮かび上がる。
直接光源を受けないよう僅かに前面窓セルを引き込ませ遠目では黒色塗装に馴染む措置を採っている。
京成形式の運行番号表示器は裏貼を原則にしており3532F-2と共に異端編成となった。
自作運行番号表示器ステッカーの中途起用によりグリーンマックス製京成3150形用運行番号表示器は殆ど使用されていない。
間接的に自作ステッカーがTOMYTEC製3500形更新車の運行番号表示を納得出来る範囲へ納める要因になったと思う。




3549 [B01 普通 上野]:塗装補修,前照灯リフレクター簡易再現施工,運行番号・行先方向幕貼付。


3529 [A01 特急 成田空港]:3532F-1(前照灯リフレクター簡易再現施工車)。

行先方向幕は当然富士川車輌工業製ステッカーである。
英字併記[上野]幕は比較的予備があり多少は楽な環境で切り出し作業に当たれた。
一時[上野]幕採用編成の削減を図ったため余裕があった。
3532F-2の英字併記[成田空港]幕も本線系統用充当形式に偏りが生じ使用機会に恵まれなかった。
偶然が重なり両編成に使用したステッカーの統一が図れている。
行先表示類の貼付を終え3552に装着していた3549用床板一式を組み合わせた。
スカートは微動だにしない安定度を誇る。
3549は成田寄先頭車であり余程の事が無い限り着脱を行う場面は訪れないだろう。




3549更新車現行仕様(3520F-4:塗装補修施工,側面行先方向幕基準表示化,走行部品組込)。


3529(3532F-1:側面黒色窓枠補修施工車)。

3549更新車現行仕様(3520F-4)の竣工で長い3520Fの第二次整備が終了となった。
3532F-2よりも塗装状態が思わしくなく修繕,修正が繰り返された。
途中で3519(3520F-4)を補修の基準とした事を後悔した。
どうにか3549を送り出せたため一応の区切りは付けられたと思う。

3520F-4は1つだけ検討課題が残る。
運転台側が三平面折妻のため3519+3552は連結面間隔が広がったように見えてしまう。
これを貫通幌の取付で誤魔化せるか試行する。
同様に3532F-2でも見られる弱点の解消に繋がると期待している。

京成3500形3520[3520F-4] 更新車 現行仕様 塗装修繕施工,運行番号・行先方向幕貼付,走行部品組込 ※TOMYTEC製

2018-07-16 21:45:37 | 京成線:3500形
墓穴。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)の未入場車は何れも先頭に立つ車両だけである。
塗装状態は3520より3549が上回っていた。
しかし先に入場したのは塗装剥離を要する3520であった。


京成3500形3520 更新車(3520F)。

3552,3551,3550更新車現行仕様(3520F-4)は全て塗装剥離に至った。
苦戦こそしたが最低限の見附は守れたと思う。
ただ補修工程は所要時間が膨大で余り数を捌きたくない。
出場まで2両を残す地点まで来ていた3520F-4の第二次整備は軽度の作業で終えたかった。
敢えて手間の掛かる3520を抜擢し3549を最終入場車へ廻している。
結果的に竣工まで2日を要する入場となった。
この選択が正しかったかは何とも言えない。


入工中の3520。

3520は海側の黒色窓枠塗装が乱れ側面見附を崩していた。
3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)ではこれほど酷い車両は無く唖然とした。
黒色塗料が窓枠モールドから大幅にはみ出しており第一次整備時には補修が決定している。
側面に同様の症状を抱えていた3551では窓枠塗装を剥離しマッキーで塗り直した。
また前面幕板運転台側上部には青帯の折り返しが見られる。
運転台側窓枠黒色塗装も波打ちがあり修正が必要だった。
これも3552で先行措置が行われている。
従って3520の補修工程は3552と3550での修繕を積み増した内容になった。


塗装の乱れた側面黒色窓枠塗装(海側)。

側面黒色窓枠のはみ出しは海側行先表示器下部が最も酷かった。
窓枠モールド断面の塗料剥離の進行と並行してモールド部も黒色が崩れ始めた。
黒色窓枠は一度崩壊すると歯止めが効かなくなる。
各部で波打ちが激しくなったため総剥離を選択した。
山側も黒色塗装が全体的に上方向へずれている。
部分剥離が上手く行かず両側に銀色窓枠が現れてしまった。


塗装剥離を終えた3520(山側)。

赤色塗料の撥ねも3552と同様だった。
これに前面幕板運転台側青帯の折り返しが加わる。
塗装被膜は赤帯より青帯の方が脆いと考えていた。
側面の赤色塗料はコルゲート板に爪楊枝を沿わせるだけで簡単に除去できた。
ところが青帯の折り返しは一筋縄では行かなかった。
2種の爪楊枝と消しゴムを駆使し前面だけの剥離に結び付けた。
残念ながら雨樋漏斗断面は青色塗料が残ったままになっている。


無事撤去出来た側面窓セル。

3552では側面窓セルの運転台側嵌合爪を破損させてしまった。
側面窓セル自体の嵌合精度は高く3552は車体との噛み合わせで面一を保たせている。
ただ同じ過ちを繰り返す訳にはいかない。
取り敢えず個体差を前提に前面窓セルと側面窓セルの嵌合部へニードルを立てた。
その代わり折損対策として進入速度を極端に落とした。
ニードル深度の増大に比例し少しずつ側面窓セルが押し出される。
その結果原形を保ったままでの撤去に成功した。


超極細字マッキーで補修した前面黒色窓枠。

前面窓枠の黒色化はこれまで出番に恵まれなかった超極細字マッキーを起用した。
0.7mm側で車体断面を塗り潰し0.3mm側で窓枠モールドにインクを乗せる。
窓Rにも十分対応出来たため即戦力になっている。
引き続き側面窓枠にも極細字マッキーを用いようと考えた。
しかし度重なるペン先の詰まりに悩まされ続けてきたため新兵器は温存となった。
ペン先の詰まりは側面窓車体断面黒色化時に必ず発症する。
根本原因は黒色塗装被膜にあると予想し側面窓車体断面全周の塗料剥離を選択した。


成形色を露出させた側面窓車体断面(山側)。

残念ながらこの方法は大失敗に終わる。
塗料剥離は爪楊枝で進めたが如何せん時間が掛かり過ぎた。
1箇所での試行ではなく全面採用してしまった。
剥離完了まで何本も爪楊枝を折る有り様だった。
しかも肝心なペン先の詰まりは全く解消されない。
結局無駄な工程を挟んだだけとなり窓枠モールドの黒色化にも影響を及ぼす。
既に入場から100分が経過していた。
集中力は限界に達し窓枠モールドからペン先を外す機会が増えた。
その都度マッキーを剥がし再度塗り直しを行う羽目に陥っている。


修繕された側面窓枠窓枠。

何とか側面黒色窓枠の修繕を終わらせたところで力尽きた。
この後は前面窓セルへの細工が控える。
失敗は許されずこの日の作業は打ち切られた。
そのため中途半端な作業再開を迎えている。
3552とは異なり前照灯リフレクターはアルミテープ式の簡易再現に変更される。
前照灯リフレクター採用の嚆矢となった3532,3529(3532F-1)は第二次整備後の追加施工だった。
前面窓セル単体でのアルミテープ貼付は初となる。
尾灯との判別が難しいと思われたが裏面前尾灯モールドの境が浮かび上がり逆に作業は行い易かった。
なお前面窓漏光対策は表面を軸に据え3532F-2と共通化している。


前照灯リフレクターが追設された前面窓セル。

窓セルを復旧し行先表示類の整備を行う。
種別幕は3532F-2の色地[特急]種別幕と同様に印刷済色地[普通]種別幕を活用する。
従って工程は運行番号,行先方向幕ステッカー貼付だけに限られた。
3552では製品付属ステッカーを使用したがこれは富士川車輌工業製ステッカーの節約名目である。
先頭に立つ3520には富士川車輌工業製[上野]幕を貼付した。
運行番号表示器はグリーンマックス製京成3150形用ステッカーから白枠以外を切り出している。
基本的には3532,3529と同一方法であり2編成目の強味が発揮されたと言えよう。


新品を投入したTT-04R走行部品。

TT-04R走行部品は予備品が解消された。
取り敢えず3520,3549の2両には新品を充当する。
廃車発生品は走行音増大が気になり積極採用し難い。
3532F-2も車輪交換を行いたい程である。
走行音に関しては3520F-4の低騒音化が確実になった。
床板関連はTOMYTEC製品での共通仕様化を図った。
輪心黒色化は京成形式独自項目だがいんちき黒染車輪化の延長線上にある。
マッキーによる塗り潰しは変わらない。


スカート固定を待つ3520用床板一式。

但しペン先を解すため新たなマッキーを用いた。
新品のマッキーは細部への色挿しに向かない。
今後に備え輪心黒色化で極細字側を使い易くさせる。
都合4軸では3549の車体断面黒色化には間に合わないかもしれない。
ただ少しずつ解していけばグリーンマックス製3700形M2c車の改修に繋げられると思う。
3520のTNカプラーSPは上野寄,成田寄共にフレームとカバーの一体化を図った。
流し込み接着剤による溶着だが連結器部品の可動範囲には影響せず性能上の不都合は無い。




3520 [B01 普通 上野]:塗装修繕,前照灯リフレクター簡易再現施工,運行番号・行先方向幕貼付。


3552 [■■■ 普通 上野]:3520F-4(前照灯リフレクター超簡易再現施工車)。

最後にスカートをゴム系接着剤で固定し車体を組み立てた。
前面見附は3532,3529に近付けられたと思う。
TOMYTEC製3500形更新車で運行番号,行先方向幕のメーカーを統一したため上手く馴染んでくれた。
運行番号表示器は表貼ながらフィルムタイプが味方し凹凸を気にしなくて済む。
しかしグリーンマックス製[B01]ステッカーは残1であり3549への貼付は背水の陣を敷く事になる。
前照灯リフレクターの簡易再現はアルミテープを反転内貼しており3552との違いを見せ付けた。
幕板運転台側の青帯折り返し部はほぼ解消されたと思える。




3520更新車現行仕様(3520F-4:塗装修繕施工,側面行先方向幕基準表示化,走行部品組込)。


3520(3520F-2:側面行先表示器基準幕化施工車)。
※マイクロエース製。

かなり遠回りをしながらも3520更新車現行仕様(3520F-4)の竣工に漕ぎ着けた。
3520Fの第二次整備は補修及び修繕項目が重なり苦戦が続く。
マイクロエース製京成3500形更新車では運行番号表示ステッカーの貼付に難航した。
どちらも容易には竣工させてくれない妙な共通項を持つ。
中でもマイクロエース製3520F更新車中期仕様(3520F-2),現行仕様(3520F-3)に続く三代目となった3520は別格の難関車だった。

時間は掛かったものの3520Fで残る未入場車は成田寄M2車の3549だけになった。
ようやく6両目を迎えるがもっと両数を捌いた気がする。
3549の塗装状態は3520ほど酷くはない。
しかし見附向上への道程は険しく出場を前に最後の山を迎える。
最早お約束となった塗装補修が待つ。
ここが3520を先行入場させて良かったのか悩む箇所になっている。

京成3500形3552[3520F-4] 更新車 現行仕様 塗装修繕施工,前面行先方向幕貼付,走行部品組込 ※TOMYTEC製

2018-07-15 22:02:05 | 京成線:3500形
視認性。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)はM1車全てが竣工した。
M2車は3520,3552,3549の3両で各々塗装に問題がある。
取り敢えず中間組込車となる3552で各種対策を施し何処を分解点にするか考える。


京成3500形3552 更新車(3520F)。

3519,3551,3550更新車現行仕様(3520F-4)でも塗装補修は避けられない課題だった。
爪楊枝式印刷剥離が通用したのは収穫と言えた。
M2車は更に塗料撥ねが著しくなる。
前面幕板への青色塗料付着は全車で見られた。
3552は前面幕板助士側に青帯が折り返されていた。
最低でも前面見附だけは向上させる。


入工中の3552。

窓セル撤去前に側板の塗料除去を進める。
幸い謎の粘着物質は車体に付着していなかった。
そのため計算外の塗装剥離は回避できる。
爪楊枝で赤色を中心とする塗料撥ねの除去に取り掛かった。
コルゲート板にも赤色塗料が散見された。
よって溝部へ達するよう先の尖った爪楊枝を用いている。


各部で見られた赤色塗料撥ね。

銀色塗装上部は支障なく塗料を剥がせた。
しかし青帯に被る箇所は力の入れ具合が難しい。
3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)では青帯を劣化させた事例があり慎重に爪楊枝を当てている。
青帯を失うわけには行かず多少目立たなくなる程度で塗料剥離を打ち切った。


赤マッキーで補修した腰板赤帯。

続けて赤帯及び青帯の補修に移る。
3551では微細な塗料剥離を見落としてしまった。
これを反省し車体を光源に当てながら該当部を探し当てた。
点状剥離が主で極細字側マッキーを用い修正した。
ただマッキーは広範囲の補修には向かない。
前面の腰板青帯に青マッキーを当てたところ色温度に大きな差が出てしまった。
中間組込車ではあるが余りに見附が悪くなりその後消しゴムでインクを落としている。


爪楊枝で除去した前面幕板助士側青色塗料。

青帯補修都合で前面に手を着けたため幕板助士側青色塗料の剥離へ移行した。
再び爪楊枝に持ち替え青帯の折り返し部を擦り続ける。
ようやく銀色塗装に戻ったが見附が今一つであった。
原因は雨樋漏斗の断面に残る青色塗料だった。
側面幕板の青帯がそのまま前面に回り込んだ模様で漏斗も青く塗られていた。
断面積が小さく難航したが無事除去に至った。
3520,3549の前面幕板運転台側青色塗料も同様だと思われる。


海側運転台側嵌合部を破損させた側面窓セル。

3552の側面窓セルは嵌合が固かった。
妻面側面窓セル押えから取り外しに苦労している。
これまで通りニードルに頼ったが海側側面窓セル運転台側嵌合爪を折損させてしまった。
これで海側側面窓セルは車体との嵌合に依存するしかなくなった。
同様の失策を防ぐには前面窓セルを車体もろとも撓ませるしか思い浮かばない。
但し個体差の確率が高く3520,3549の側面窓セル撤去はひとまず従来方式にて行う予定である。


半分だけ黒色塗料を剥離した運転台側窓枠。

完全分解後は黒色窓枠及び車体断面黒色化の準備を進める。
前面窓枠は運転台側の黒色塗装が波打っていた。
これを整えている最中に窓枠モールドの塗料が剥がれ始めた。
波打ちが廃された頃には黒色窓枠は断続的にしか残っておらず最終的に半分を残し剥離している。
総剥離を行った3544(3544F-1)よりは軽度であり修復への不安は一切無かった。


窓枠修繕を終えた3552。

3551にて太字側マッキーが使用不能に陥った。
そのため車体断面は細字側,極細字側のペン先を用いるしかない。
一断面を塗り潰す都度ペン先を整え少しでも詰まりを抑えた。
時間を割かれると考えていた工程だったが思いの外早く終了を迎えている。
この後細字側マッキーで側面窓枠モールドを黒色化した。
露出していた銀色塗装はマッキーで上塗りされ引き締まった見附へと改められたと思う。


施工を一部変更した前面窓セル。

前面窓セルは同じ中間組込車の3541(3544F-1)に倣う予定だった。
しかし各種試行案が思い浮かび仕様変更となった。
3532F-2の前面窓セル漏光対策は表面を主にしていた。
これを裏面主軸へ改め表面の黒色化面積を縮小した。
省略予定だった前照灯リフレクターも銀色油性ペイントマーカーでライトレンズ裏面を塗り潰し再現を行っている。
ただ効果は今一つだった。
アルミテープ式に比べ存在感は低くなる。
塗料も光輝力が少なく前面窓セル単体でさえ灰色に見える。
中間組込車専用に発案したもので3520,3549には採用されない。
よって失敗に終わった打撃は殆ど感じなかった。


嵌合が緩い山側側面窓セル。

不発に終わった前照灯リフレクター再現だが凹部へ塗料を流し込んだため除去は見送った。
前面行先方向幕は[うすい]表示を青マッキーで塗り潰し付属シールの貼付に備えた。
青帯の補修を行った貫通扉を前面窓セルに嵌込み組み立てへ戻る。
前途の通り山側側面窓セルは運転台側嵌合爪部を失っていた。
妻面側面窓セル押えの装着前は不安を抱くほど安定感を欠く。
幸い全ての窓セルを組み付けると多少剛性感が出た。
この隙に乗務員室扉窓を車体に押し付け外観からは不手際が伺えない嵌合に漕ぎ着けている。


初使用に至ったTOMYTEC製製品付属ステッカー。

3552を入場させる前に3520F-4の運行番号,行先表示が決定した。
中間組込車に富士川車輌工業製ステッカーを充当するつもりはさらさら無かった。
代役に起用したのは製品付属ステッカーである。
これまで使用車は1両も存在せず初登場になった。
長らくシールかと思っていたが今回の切り出しでステッカーだったと判明している。
但し品質はそれなりで今後の主戦力にはならない。


床板関連整備を残すだけの3552。

前面行先方向幕ステッカー貼付で車体関連の整備を終えた。
床板関連の項目は第一次整備である程度措置を進めていたため3532F-2より少ない。
金属車輪は最後の予備品が充当された。
廃車発生品が残るものの3520F-4には使用しないため3520,3549は新品を装着させる。
FS-389,FS-089非動力台車はTNカプラーSP対応化までを終えており車輪交換だけで完成した。
輪心黒色化はTOMYTEC製京成3500形グループでの標準項目で漏れなく施工している。


歪みを吸収させながら固定したスカート。

座席部品と台枠の溶着を終えスカートの固定に着手した。
製造ラインでの無理な装着により生じた歪みは解消されないまま残っている。
平行の目安はTNカプラーSP胴受部に定めた。
スカートと胴受を平行に保ちながら台枠取付脚を再整形する。
なかなか調整が上手く行かなかったがゴム系接着剤を各部に塗布し歪みを解消させた。
車体と床板を組合せた後に下方向から押し付け台枠裏面へ固着を図っている。




3552 [■■■ 普通 上野]:塗装修繕,前照灯リフレクター超簡易再現施工,行先方向幕貼付。


3541 [■■■ 特急 成田空港]:3544F-1(前照灯リフレクター簡易再現未施工車)。

運行番号表示器は[■■■]から変更してない。
3541に近い存在だがその印象は若干異なる。
初貼付したTOMYTEC製[上野]幕ステッカーは製品印刷が残る3541の[成田空港]幕に比べ極端に視認性が下がった。
ステッカー切り出し失敗予防策の基準幕化も裏目に出たと思う。
仮にTOMYTEC製ステッカーを使用するのであれば[上野 Ueno]の裏面を白色で覆った方が良いだろう。
ただかなり薄手のステッカーであり色斑は隠せない可能性が高い。
前照灯リフレクターの超簡易再現は透過色が黒色から灰色に変わった程度に留まる。
この効果では特に手を施す必要性を感じない。
中間組込車ならではの試行は全て空振りに終わった。
但し前面黒色窓枠の修繕は3520,3549に繋がると思われる。




3552更新車現行仕様(3520F-4:塗装修繕施工,側面行先方向幕基準表示化,走行部品組込)。


3544(3544F-1:準中間組込車)。

3551で攻め切れなかった側面行先方向幕の消去は一度青地をマッキーで塗り潰すよう改めた。
これにより[普通]種別幕との境が分かり易くなり[うすい]表示を綺麗に除去出来ている。
付帯効果で基準幕の色斑も抑えられ好結果を得られた。
塗装補修の分界点は修繕まで至ったため掴めていない。
特に3520は側面黒色窓枠塗装に大幅な乱れがあり3552より補修規模が広がる。
結局は個々の状態に合わせるしかないと思う。




3552+3551 (3520F-4:M2車+M1車)。

なお3552でも車体不等沈下は生じなかった。
3532F-2のM2車から継続しており3500形更新車では改善された模様である。
竣工した3552は中間組込専用車で3520,3549とは取扱いが異なる。
グリーンマックス製3150形用運行番号表示器ステッカーの貼付も加わるため更なる慎重を期したい。

京成3500形3551[3520F-4] 更新車 現行仕様 塗装補修施工,方向幕基準表示化,動力ユニット搭載 ※TOMYTEC製

2018-07-14 21:46:13 | 京成線:3500形
強行突破。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)のM1車最終入場となる3551を迎えた。
3520Fは回着時から千葉線系統への投入が確定した一方で行先表示類を絞り込めていなかった。
そのため上り方面行,下り方面行にも対応可能な3551の動力車化に至っている。


京成3500形3551 更新車(3520F)。

3551の第二次整備は下廻りが全交換となる。
非動力車で竣工した3519,3550更新車現行仕様(3520F-4)に比べ工程は大幅に増加する。
M1車の入場順としては順当であった。
しかし塗装状態が芳しくなく補修に時間を要すると思われる。
取り敢えず進められる時点まで作業を行う。
仮に押した場合には動力ユニット搭載の日時を持ち越す前提で作業を開始した。


入工中の3551。

塗装は各方面で詰めの甘さが見られる。
側面黒色窓枠のうち3箇所で窓枠モールドからの塗料のはみ出しがあった。
何れも点状に車体へ付着する状況で剥離は厄介である。
3550では窓枠モールドの塗装剥離を行った。
修繕結果は良好で一応誤魔化せる外観に戻せている。
よって黒色塗料の部分除去に難航するようであれば当該の窓枠塗装剥離しマッキーで塗り潰す。


部分的に窓枠モールドからはみ出す黒色塗料。

塗装剥離は全て爪楊枝式を採用した。
繊細な箇所のため普段使用している爪楊枝より先が尖った別の物を持ち出している。
これが奏功したかは判らないが波打ちこそ生じさせたものの窓枠モールドの黒色塗装は保持された。
その他にも赤色塗料の撥ねが散見され爪楊枝で剥がした。
擦過痕は磨きクロスで目立ち難くする措置を採っている。
塗装剥離の後に車体を分解する。
3551は側面窓セルの組付けが甘く両端が僅かに浮いていた。
これにより上野寄妻面側面窓セル押えは容易に取り外せた。
側面窓セルと成田寄妻面窓セルの嵌合部も比較的緩い。
ここは仕様に助けられたと思えた。
しかし組立時に竹篦返しを喰らう事になる。


全窓セルが撤去された3551。

一応塗装補修へ向けての目処は立った。
塗装剥離を行った箇所は擦過痕が残る。
消しゴムで塗装面を均しクロスで包んだ爪楊枝を当てる。
この作業を繰り返し大分塗装被膜に近くなった。
磨きクロスに持ち替え仕上げに移る。
かなり均したとは言え側扉引込部等のモールド段差には多少の擦過痕が伺える。
これ以上の措置は成形色が露出する確率が高まるため取りやめた。
側面黒色塗装の補修は車体断面から開始した。
ところが山側を塗り終えた所で太字側マッキーの解れに気付いた。
継続使用は余計な箇所へインクを付着させる。
海側の施工は細字側と極細字側を使い分け黒色化を進めた。


先行した車体断面の黒色化。

ここで太字側マッキーが使用不能に陥ったのは痛手だった。
3回転程でユニット窓の隅までインクが行き渡る太字側マッキーは救世主に近かった。
海側からは再びペン先の詰まりに悩まされる。
太字側マッキーの解れを招くほど仕上げは芳しくないのだろう。
作業進行は極端に遅くなり車体断面の塗り潰しだけで約30分も使ってしまった。
但し断面さえ黒色化してしまえばペン先の詰まりから解放される。
残る窓枠モールドの補修を一気に行った。
黒色窓枠補修作業両数を捌いただけありここから塗り潰しの進捗は早くなる。
モールドからのペン先脱落に注意を払い補修を終えた。


窓枠補修が完了した3551。

銀色塗装が露出していた側面窓は完全に廃された。
続いて側面窓セルの細工に入る。
黒色窓サッシ印刷は謎の粘着物質が付着していなかったため全て健在だった。
各モールド断面の清掃を済ませた後に行先方向幕の基準表示化に取り掛かった。
ペイントリムーバーで[うすい]表示を消去する方式は変わらない。
しかし3551では両側とも幕間まで攻められなかった。
印刷済の青地が残り側面窓セル単体だと斑に見える。
ただ[普通]種別幕への影響を考え深追いはしていない。
車体に組み込めば光が透過しなくなり多少見栄えは良くなるとも考えている。


[普通 ]:行先方向幕基準表示化。

車体関連項目は側面行先方向幕基準表示化で全て完了した。
早々に組み立て動力ユニットの整備に入るつもりでいた。
これを側面窓セルの嵌合が阻む。
側面窓セルの復旧は3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)から一貫して下作用式にて装着を行ってきた。
何故か3551では車体に収まらない不可思議な現象が生じている。
3551の側面窓セルは車体との相性が良くないらしい。
製造ラインでも苦労したと思われその結果が入場前から生じていた建て付けの悪さに現れている。
結局下作用式での組み付けは断念せざるを得なくなった。
嵌合精度に苦しみ嵌合爪の無い側面行先表示器部はなかなか車体と面一にならない。
上作用式へ変更し執念で挟み続け3519,3550と同一の位置まで持ち込んでいる。


難航した側面窓セルの復旧。

屋根板の取付前に歪んだパンタグラフ踏板が目に入った。
回着時に逆向きだったものを簡易的な措置で応急復旧させていた。
まだ整形が不十分で形状には不満が残る。
既に成形色が覗かせている事もあり駄目元で再整形に挑む。
パンタグラフ踏板は屋根板に溶着したため現状で作業を行う。
単体では整形に限界があり逆に都合は良かった。
精密ドライバーを持ち出したところ脚台と屋根板の隙間に入らないと判明した。
どうにか庇形だけは作り出したい。
隙間に入りそうな工具はニードルしか残っていなかった。
多目的に使用しているニードルだがパンタグラフ踏板の修正でも活躍を見せる。


再整形を施したパンタグラフ踏板。

潰れた車体外側の踏板を針先で起こし径の太い部分で屋根板との空間を広げた。
踏板の潰れは5mm弱ほどに達しており少しずつ庇形へ近付ける。
ニードルのお陰で屋根板と脚台の間隔はほぼ均等化された。
問題は踏板の仕上げである。
この際成形色には目を瞑った。
ラプロス#6000で波形の踏板を一直線状に均す。
初めから潰れていた箇所は塗装が失われていた。
加えて踏板天面にも欠損がありそこそこの力は加えられる。
整形跡が露骨に現れたものの波打ちはかなり解消されたと思う。


強行した動力ユニット整備。

気付けば入場から約120分を越えていた。
ただTOMYTEC製動力ユニットの整備は手慣れている。
TOMYTEC製京成200形モハ208更新車晩年仕様(206F)の様な特殊工程は無く作業続行を選択した。
工程はウエイト及び輪心黒色化,FS-389動力台車枠取付,床下機器部品移設の3区分である。
先ず輪心黒色化に手を着けた。
3542(3544F-1)からフライホイールを回転させ全輪心にマッキーのインクが行き渡るよう変更した。
手の届く範囲の輪心を塗り潰し車輪を回転させる。


輪心黒色化中の動力台車(成田寄)。

台車集電板の形状都合により塗り残し部は1/4程度となる。
車輪回転後は殆ど時間を要さずに輪心黒色化を終えた。
3542で方式変更を思い立っていなければ下廻り関連の作業を翌日に廻していただろう。
FS-389動力台車化はランナーから台車枠を切り出すだけである。
予備品の存在が思い切ってニッパーを入れさせてくれる。
その結果全側梁とも整形を行わずに装着まで持ち込めた。
FS-389動力台車枠は上野寄の嵌合が異様に固く標準的だった成田寄とは異なった。
単なる個体差だと思われ気にしていない。
但し動力ユニットの故障交換を行う際には注意が必要となる。
最後にアーノルトカプラー用マウントを切除しFS-389動力台車を完成させた。


側梁を取り付けたFS-389動力台車(上野寄)。

床下機器部品を供出する3551用非動力車用台枠はFS-389非動力台車と共に予備品へ廻る。
過去に動力ユニット搭載で捻出された台枠と非動力台車は一部の転用を除き保管されたままになっている。
今後も余程の事態に遭わない限り出番は無いと思う。
動力ユニットへ移設した床下機器部品は何れも嵌合爪受部を中心とする一点止めを採用した。
ゴム系接着剤に頼った3542に対し3551では流し込み接着剤へ変更している。


移設された床下機器部品。

床下機器部品の嵌合精度が芳しくなく止むを得ない選択となった。
なお上野寄に取り付けたTNカプラーSPは第一次整備で仮装着したフレームとカバーを溶着したものである。
スペーサーへの取付時も分解には至らず好成績を収めた。
これに倣い成田寄TNカプラーSPも一体化を施した。


上手く埋没した腰板赤帯補修箇所(上野寄)。

完成した動力ユニットを車体と組合せ3551の全工程を終えた。
入場当初に行った塗装補修は十分ではなく他作業中に一部追加施工している。
黒色窓枠補修時には腰板赤帯の斑点状剥離が目に止まった。
光源へ当てないと判別し難い小さなもので見落としたらしい。
各々極細字側赤マッキーのペン先を当て隠蔽した。
ちなみに海側の上野寄側扉は各補修が集中した箇所である。
赤色塗料撥ねの剥離や赤帯補修が重なったかそれなりに纏められたと思う。




3551更新車現行仕様(3520F-4:塗装補修施工,側面行先方向幕基準表示化,動力ユニット搭載)。


3500形未更新車モハ3590(3592F-2:側面行先方向幕基準表示化施工車)。

約170分を要して3551更新車現行仕様(3520F-4)が竣工した。
懸念された側面行先方向幕の基準表示はセル単体に比べ若干斑が押さえられたと思える。
印刷済の[普通]種別幕存置はTOMYTEC製京成3500形3592F現行色晩年仕様(6次車:3592F-2)以来となる。
3592F-2は印刷剥離を行わず青マッキーで直接塗り潰し基準表示化を行った。
基準幕色温度は3592F-2の方が実車に近い。
その代わり[高砂]表示痕が何となく浮かび上がっている。
3520F-4では[うすい]表示を消去したが今後どちらを正式採用とするか悩むところである。




3552+3551 (M2車+M1車:パンタグラフ踏板修正)。

再整形を施したパンタグラフ踏板は屋根板との空間が大凡均等化され波打ちが小さくなった。
側面見附はましになったが俯瞰は製品由来のメーカーエラーを隠し切れていない。
ここは欠損が目立ち何とも惜しまれる箇所である。
ただ現状から更に手を加える予定は無い。
脱落対策の溶着は部分的に施した。
よってジャンク車両での置き換えは可能な状態である。
TOMYTEC製3500形未更新車用パンタグラフ踏板と同一形状であり地道に交換策を探る。

3551の竣工で3520FのM1車は全て第二次整備を終えた。
以後の第二次整備は塗装補修規模が大きくなるM2車となる。
先ず先頭に立たない3552を入場させ3520,3549に備えたい。

京成3500形3550[3520F-4] 更新車 現行仕様 塗装修繕施工,行先方向幕基準表示化,走行部品組込 ※TOMYTEC製

2018-07-13 21:55:54 | 京成線:3500形
誤算。

TOMIX製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)の塗装状態は3550が一番良いと思えた。
M1車から進めている第二次整備だが3551は動力ユニットの搭載工程が追加される。
車体塗装都合もあり非動力車化する3550が先に入場となった。


京成3500形3550 更新車(3520F)。

先に竣工した3519更新車現行仕様(3520F-4)の塗装補修は予想通り大幅な時間を割かれた。
多少状態の上回る3550ではあるが各部の修正が必要である。
床板関連は走行部品の組込が主でTOMYTEC製品に於ける標準工程と変わらない。
まだ3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)の出場から期間が開いておらず要点も掴めていた。
集中力の維持を考えると塗装修正を行う車体関連から整備に着手する方が良いと考えた。
再び施工順を改め車体補修を先行させる。


入工中の3550。

この工程変更は3550の塗装状況も少なからず影響を与えた。
少なくとも3519よりは進捗が速まると思えた。
作業効率化に結び付くと思われたが入場早々に難航すると判ってしまった。
確かに塗料撥ねや印刷乱れは少ない部類に入る。
ところが山側の黒色窓枠塗装が成田方向にずれており上野寄端部側面窓は窓枠モールドからはみ出す始末だった。
ずれは見逃せない幅であり塗装剥離が避けられない状態に陥った。
そこで車体剛性が高い窓セル撤去前にある程度手を加えその後の塗装補修に備える体制を採った。
最初に目が止まった海側上野寄側扉上部の塗料撥ねは爪楊枝で簡単に除去を行えている。
一方側面黒色窓枠の塗装剥離は難航した。
モールド断面まで黒一色に染まっておりなかなか銀色塗装が顔を出してくれない。
しかも窓セルを装着したまま作業を進めたため消しゴムでの仕上げまでは行えなかった。


窓セルを撤去した3550。

塗装剥離はステンレス車体が灰色で留まる状態で一旦打ち切った。
窓セルを全て撤去し再度塗装剥離部の修正を続行する。
黒色窓枠は最終的にマッキーで塗り潰される。
製品印刷への未練を断ち切り窓枠モールド部もろとも消しゴムで擦り続けた。
どうにか銀色に近付けたが塗装剥離痕がかなり目立つ。
黒色塗装部の総剥離は3544更新車現行仕様(3544F-1)の前面で施工済だった。
開き直り窓枠モールドを全て銀色にしようと試みたものの何故か3550には通用しなかった。
止むを得ず再度爪楊枝に持ち替え戸袋吹寄部の黒色塗料を完全に除去している。
マッキーによる黒色化時までに何度か消しゴムで均し引きでは誤魔化せる状態に至ったと思う。
一箇所だけ赤色塗料の撥ねが見られたがこれは爪楊枝で直ぐに銀色塗装へ戻せた。
逆に赤帯及び青帯の斑点状剥離が多く各々赤マッキー,青マッキーで印刷へ馴染ませた。


剥離痕が痛々しい山側車端部側面窓枠(上野寄)。

塗装剥離を終えた山側上野寄側面窓枠は無残な姿に変わった。
3544の前面とは異なる方向に進んでしまったため塗装補修は山側から開始した。
上野寄車端部窓枠モールドへの措置は先送りとし側面窓車体断面黒色化を先行させる。
3550からは全面的に太字側マッキーを用いた。
車端部側面窓もペン先の角度を変える事で使用できると判った。
そのためペン先の詰まりを気にせずに対策を進められた。
ただ極細字側マッキーでの仕上げは欠かさずに行っている。
課題の窓枠モールド黒色化は細字側マッキーだけで整えられた。
山側上野寄側面窓枠も黒色が入り相対的に印刷消去痕が目立たなくなったように見える。
補修前の状況を考えると合格点を与えて良いだろう。
側面窓枠塗装の瑕疵が少なかった海側は3519並の補修で終えた。


塗装補修が完了した車体(山側)。

車体補修は側面窓セルの各種措置より先に行った。
黒色窓サッシに剥離があると厄介だったが問題なかった。
但し黒色窓枠の塗料滓と思われる汚れが多く側面窓断面と同時に清掃を施している。
側面行先方向幕の基準表示化はペイントリムーバーで[うすい]幕を消去する3520F-4での標準方式である。
3519は後から裏面を青マッキーで塗り潰す失策をした。
その直後だけあり漏れなく措置を行っている。
同時に天面も青色化したが効果を得られるかは分からない。


最終工程に入る3520。

車体の塗装補修時間は約60分で3519と大して変わらなかった。
大半は山側上野寄窓枠の印刷剥離に充てられている。
ここまで行えば補修ではなく修繕と言えるだろう。
思惑は外れたものの残る工程は下回りへの走行部品組込となる。
後は手慣れた作業であり一気に竣工を目指す。
金属車輪の輪心黒色化は予備品の転用と新調したマッキーが重なり順調に進められた。
極細字側だけで捌けるため3550でも用意した超極細字マッキーの出番は無かった。
一端TNカプラーSPを撤去し座席部品と台枠を一体化する。
3532F-2,3520F-4向けに準備したTNカプラーSPは全てカバーが外れ易かった。
着脱の都度分解してしまうTNカプラーSPに嫌気が差しフレームとカバーを溶着した。


流し込み接着剤を投入したダミーカプラー取付孔(上野寄)。

現在ウエイト装着を第二次整備に廻しているためTNカプラーSPの着脱は避けられない工程になっている。
二度手間を廃止出来ればフレームとカバーの溶着は不要となる。
TOMYTEC製3500形更新車は3520Fから第一次整備で床下機器部品の固定まで進めた。
これも車体塗装状況に恵まれなかったためだが更に効率化を図るには床板一体化まで行っても良いと思える。
6両単位での入場は決して多くないと思われ個体差次第では第一次整備へ組み込むかもしれない。
座席部品と台枠の溶着はダミーカプラー取付孔から流し込み接着剤を投入する2点固定へ改められた。
従来は追加投入により座席部品の塗装が溶け黒色に変わっていた。
嵌合具合の芳しくない個体に出くわさない限り2点固定から変更しない方向である。
従って座席部品の塗料溶解は廃されるだろう。


ラベンダー色を保つ座席部品端部(成田寄)。

3520F-4では3551,3550に旧LOT品のTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフを充当した。
換装当初は嵌合精度に不安を抱いた。
特別な措置は施さずパンタグラフ取付脚と屋根板を木工用ボンドで覆う3532F-2からの固定方式を踏襲した。
その後木工用ボンドの固着が進み上昇時,下降時共に安定した動作を見せるようになっている。
よって現行LOTへの再換装は必要無いと思われる。
但しホーンは水平を保ち難く旧LOT品を採用した弱点になった。
しかし何度も破損させているシングルアーム式パンタグラフだけに取扱いには十分注意したい。


屋根板から浮き上がらなくなったTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ(旧LOT品)。

パンタグラフの動作確認を済ませ車体を組み立てた。
既に整備開始から130分を超え日付を跨ぐ作業になった。
第一次整備での点検ではもう少々早く進行できると考えていたが全く逆方向に出てしまった。
山側の塗装ずれは錯覚により見落としたらしい。
計算外の大改修になったが破綻した箇所は少ないと思える。
ここは更に印刷,塗装が乱れたM2車の入場を前に良い予行演習になったと言えよう。




3550更新車現行仕様(3520F-4:塗装修繕施工,側面行先方向幕基準表示化,走行部品組込)。


3519(3520F-4:塗装補修,側面行先方向幕基準表示化施工車)。

難航した末に3550更新車現行仕様(3520F-4)が竣工した。
外観は山側,海側とも3519に酷似しており施工差異は感じられない。
多少見切った箇所も散見されるが3520F-4の編成見附を乱す存在にはならないと思う。
取り敢えず所期の目的だった3519と同等の仕上がりに持ち込めた。
ちなみに天面まで塗り潰した側面行先方向幕基準表示は変化が見られなかった。
以後踏襲するかは作業の進捗状況に拠ると思われる。

次の入場予定は3551で車体補修は3519,3550と同様の展開に至ると予想している。
動力ユニットの組み上げは軽加工のウエイト及び輪心黒色化とFS-389動力台車枠取付に重点が置かれる。
やはり車体補修の規模が進行を左右すると思う。
3550より塗装状態が悪いため展開によっては工程を2日間に分割する事も考えている。

京成3500形3519[3520F-4] 更新車 現行仕様 塗装補修施工,行先方向幕基準表示化,走行部品組込 ※TOMYTEC製

2018-07-12 21:15:39 | 京成線:3500形
補修基準。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)の第一次整備には時間を割いた。
これにより第二次整備の工程は集約化され走行部品組込と車体塗装補修に集中出来る環境となった。
3520Fは3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)よりも塗装状態が芳しくなく補修工程に充てる時間を確保している。


京成3500形3520F(2両口)+3552F 更新車。
3520F:[3520]-[3519]+[3552]-[3551]-[3550]-[3549]。
※TOMYTEC製。

入場はM2車より整備項目の少ないM1車からとする。
3552F更新車での暫定出場は考えておらず順次竣工させた後にM2車の入場へ移る工程とした。
第二次整備の先陣を切ったのは上野寄M1車の3519である。
3519,3551,3550各々の塗装状態は3550が多少ましだった以外ほぼ変わらなかった。
このうち3551は動力ユニット搭載が工程に加わる。
塗装補修に然程時間を割かれないと思われる3550は後の入場でも差し支えない。
消去法で3519が入場となった。


入工中の3519更新車(3520F)。

3520Fで残る床下関連整備項目は金属車輪化,ウエイト装着,座席部品と台枠の一体化である。
車体関連は車両毎に措置を検討する方向とした。
3519の車体は側面黒色窓枠の印刷ずれや塗料撥ねが散見される。
対策に時間を要するのは明らかであり先に床下関連から着手した。
走行部品に廃車発生品を転用した3532F-2は走行音が極めて大きくなってしまった。
まだ2両分の発生品が残っていたが3520F-4には3両が不足する。
騒音との兼ね合いもあり予備品の起用へ変更した。


金属車輪化したFS-389非動力台車(成田寄)。

金属車輪は新品同様で清掃の必要が無く3532F-2より輪心黒色化も行い易かった。
FS-389非動力台車枠はTNカプラーSP対応化済である。
よって車輪交換を終えた直後には座席部品と台枠の一体化へ取り掛かっている。
ウエイトは従来通りゴム系接着剤で固定する。
座席部品と台枠の溶着はダミーカプラー取付孔から流し込み接着剤を投入する両端2点止めである。
長らく座席部品と台枠の空間への追加投入を続けてきたが3520F-4を以て廃止する。
流し込み接着剤の追加を行わなくても十分な強度が得られるため作業の簡略化を図った。


整備を終えた3519用床板。

いよいよ車体関連の整備に移る。
3520Fの側面種別・行先表示器は[普通 うすい]表示が印刷済で千葉線系統への充当には相応しくない。
ただ[普通]種別幕は支障なく活用する方向とした。
当初は青マッキーで行先方向幕を塗り潰し基準表示化を行った。
しかし[うすい]表示跡の隠蔽が上手く図れずインクの塗斑が目立ってしまった。
ここで路線を切り替え塗り潰した[うすい]幕ごとペイントリムーバーで消去する。


[うすい]幕消去中の側面種別・行先表示器。

幕間と[普通]種別幕に影響を及ぼさないよう少しずつ[うすい]幕の剥離を進める。
行先方向幕の印刷は白地と青地が二重で行われていた。
極細綿棒と爪楊枝を捌き幕間の境手前まで消去を終えた。
この状態であれば[うすい]表示跡は覗かない。
残った箇所は青マッキーで塗り潰し印刷消去部へ馴染ませている。
第一次整備字の清掃で側面窓セルに付着した謎の粘着物質は大半が除去された。
しかし側面窓縦桟との隙間は未措置であった。
側面窓セルは断面を中心にクロスで拭き上げ問題の無い状態まで引き上げている。


清掃を施した側面窓セル。

側面窓セル窓サッシ印刷の欠落は見られなかった。
万が一に備え準備した超極細字マッキーは出番が来ないまま終わっている。
今後の入場車次第では使用機会が巡ってくるかもしれない。
早く極細字側との違いを確かめ仕様箇所の棲み分けを図りたい。
なお側面窓セルの整備は白地ウレタンを下地にした。
側面行先方向幕基準表示化が切っ掛けだったが他箇所の補修にも向いていた。
今後黒色窓サッシ車両の入場時には予め準備する方向である。
側面窓セルの整備が完了すると本題の車体塗装補修へ突入する。
工程は黒色窓枠補修及び側面窓車体断面黒色化と塗料撥ねの修正に区分できる。
先ず3532F-2で実績のある前者から開始した。
3519は窓枠モールドから黒色印刷のずれた箇所が山側に集中して生じていた。
このまま補修を進めても歪んだ窓枠が残ってしまうためはみ出した黒色塗料は全て剥離している。
その上でマッキーを当て黒色窓枠に復旧させた。




側面黒色窓枠を補修した3519(海側)。

塗料撥ねの修正は車体へ窓セルを装着した後の施工へと変更した。
車体剛性を高めた方が爪楊枝に掛けた力が抜けないと思えた。
補修箇所が比較的多い3519は今後の塗装修正へ向けての試験車になっている。
黒色窓枠と同じく補修対象は山側が大半を占める。


銀色塗装に戻った成田寄側扉腰板部(山側)。

中でも成田寄側扉腰板部は縦方向に赤色塗料が線状に走る酷い状態であった。
爪楊枝式印刷消去はTOMYTEC製品でも通用する事例がある。
特にステンレス車体を模した銀色塗装には有効だった。
従って側扉は殆ど跡を残さずに修復を終えられている。
腰板部の赤帯と青帯に間隔が無くなっていた箇所も爪楊枝式で筋を通し銀色塗装を露出させた。
塗料撥ねは主にステンレス部への飛散が大半を占めたため側面見附はかなり改善された。


乱れたまま残る幕板青帯(海側)。

その一方で修復に至らなかった箇所も存在する。
海側幕板青帯成田寄端部は雨樋の変形が重なり塗装被膜の変質を招いたと思われる。
ここだけは爪楊枝が全く通用しなかった。
潰れた雨樋はどうにか平行まで戻せた。
しかし幕板青帯端部はみ出しを残したまま修繕を打ち切っている。


3531の塗装状態に近付いた3519 (3531,3519:3532F-2,3520F)。

各部の塗装補修だけで60分を越える作業となった。
ただ集中して作業に当たれたため大凡納得できる塗装状態には達したと思う。
第一次整備の内容を深めた効果は十分に得られた。
車体を組み立て3531(3532F-1)と比較した。
ほぼ見附は同等で離合させても違和感は抱かないと思える。
3532F-2の進行方法を採用していたならば見切られた箇所が増えていただろう。
以後の入場車は3519を基準に補修を行う。


[普通 ]:行先方向幕基準表示化(海側)。

側面行先方向幕基準表示化はTOMYTEC製3500形更新車で初の施工となった。
3532F-2の[特急 成田空港]表示とは雰囲気が異なり青地が群青色系に見える。
但し別途基準幕化を施したマイクロエース製京成形式と同一再現であり統一感は守れた。
むしろ側面行先方向幕を存置した3532F-2が異端と言える。
なお施工時に裏面の塗り潰しを失念してしまった。
竣工直前に気付き両面の青色化へ改めた。




3519更新車現行仕様(3520F-4:塗装補修施工,側面行先方向幕基準表示化,走行部品組込)。


3519(3520F-3:側面行先表示器基準幕化施工車)。
※マイクロエース製。

竣工した3519更新車現行仕様(3520F-4)だが海側車体裾の波打ちは解消されないままとなった。
当初から成形がささくれ立っていたため手の施しようが無かった。
ここは外れを引いた運命だと思うしかない。
取り敢えず第二次整備の所要時間は掴めた。
但し各車の塗装補修次第で状況が変わってくる。
第一次整備での貯金を有効に使い3519に近い仕上がりを目指す方向である。

京成3500形3520F(2両口)+3552F 更新車 回着 (3519,3551,3550 パンタグラフ換装) ※TOMYTEC製

2018-07-11 22:55:47 | 京成線:3500形
品質低下。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)の第一次整備はM1車へ移行した。
先行したM2車では3532F,3544F更新車より品質に恵まれない外れを引いたと判明している。
M1車も一見で黒色窓枠の塗装が甘いと手に取れる程であり急いての竣工は目指さない。


京成3500形3519 更新車(3520F)。

M2車の第一次整備工程は運転台側TNカプラーSP化や誘導無線アンテナ取付が含まれていた。
基本的な整備内容はM2車を踏襲するものの部品交換はパンタグラフだけに留まる。
入場車数も3両と同一で進捗は若干早くなると思えた。
しかし側面窓セルへの粘着物質付着が各車に見られた。
加えて飛んだメーカーエラーにも見舞われ一気に整備終了とは行かなかった。


入工中の3519,3551 (3520F)。

3520Fの第一次整備はM2車とM1車で別工程とした。
M1車では更に上野寄M1車と成田寄M1車へ細分化している。
これにより床下機器配置の取り違えを防ぐ手段とした。
先に上野寄M1車の3519,3551が入場となった
動力ユニットは上野寄M1車の3551に搭載させる。
床板関連の整備工程が省略可能で段取り良く進めるには成田寄M1車の次発が効率的と考えた。


謎の粘着物質が付着していたクーラーキセ(3519)。

3532F,3544F更新車で作業を妨害した謎の粘着物質は3520Fでも漏れなく付いて来た。
3519のクーラーキセ天面は4台中2台が黒く汚れていた。
塗装乱れと見誤った3532更新車現行仕様(3532F-2)での教訓が活き拭き取りにて明灰色へ戻している。
ただ1台だけは正真正銘の塗装乱れだったため一部に成形色である濃灰色が残ってしまった。
当該のクーラーキセはパンタグラフ寄に移設し誤魔化した。
クーラーキセの溶着後にTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへ換装し屋根板関連は整備終了となる。




3519更新車(TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装,屋根板・台枠整備施工)。

床板関連はTNカプラーSP化と床下機器部品の固定が主である。
3532F,3544F更新車から続く嵌合精度の低さは全く改善の兆しが見られない。
主抵抗器部品の緩さは健在で3脚嵌合の基部が台枠から見える。
今LOTは大半が同様の弱点を抱えていると思う。
側面窓セルに付着していた粘着物質は大半の除去を終えた。
しかし構造上側面窓縦桟と側面窓セル窓サッシの隙間までは清掃が行き届かない。
第二次整備では側面行先表示器基準幕化と同時に入念な清掃が求められる。
次の整備対象は動力ユニット搭載予定の3551である。
3519の工程から床板関連項目が無くなるため直ぐに3550へ取り掛かれると思っていた。
ところがとんでもないメーカーエラーが待ち構えていた。


逆向きに取り付けられていた海側パンタグラフ踏板(3551)。

車体から屋根板を撤去すると同時に海側のパンタグラフ踏板が外れ掛けた。
3500形更新車では嵌合の甘い個体が少なく珍しいと思いながらもそのまま押し戻した。
しかしどう見ても外観がおかしい。
屋根板との嵌合は緩いままでパンタグラフ踏板には脚台再現が見られなかった。
改めてパンタグラフ踏板を撤去すると海側と山側が逆に嵌められていたと判明した。
最悪な事にパンタグラフ踏板の上端部は欠けておりモールドも潰れている。
代替品は無く欠損部も修正出来ないため諦めた。
ただ変形したモールドだけは精密ドライバーを駆使し立体形状に近付けている。
残念ながら一直線状へ戻すのは不可能で何とか庇形を作り出した時点で力尽きた。




3551更新車(3520F:TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装,屋根板・台枠整備施工)。

床板関連項目以上にパンタグラフ踏板の整形に時間を費やした。
3551での躓きが尾を引き最終的な所要時間はM2車と変わらなくなってしまった。
しかも手を加えた割に成果は薄く修正痕は丸出しである。
逆向き装着との二択に限ればまだ修繕後がましだと思える。
波打つパンタグラフ踏板を前にすると落胆しか湧いてこない。
追い打ちを掛けるように3551は腰板赤帯の塗料掠れが多かった。
試験的に一部を赤マッキーで補修を行い見附改善への道筋だけは付けられた。
側面黒色窓枠も銀色塗装の露出が激しく塗装修正に追われる第二次整備になるだろう。
下廻りは一切手を加えない予定だったがFS-389非動力台車のTNカプラーSP対応化だけ施した。
灰色成形FS-389非動力台車は4組目の予備台車が捻出される。
緊急時を考慮し即応可能な形状へ改め台枠と共に保管する。


[1136]の品番が維持された台枠(3550)。

なお3551と3550のTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフは発掘した旧LOT品を用いた。
マイクロエース製新3000形3051F(7次車:3051F)のパンタグラフ換装用に入手したと思われる。
3051FにはTOMIX製PT-7113-D形パンタグラフを起用したため出番が来ないまま約2年間も眠っていた。
これが起因か不明だが現行LOTに比べ嵌合が甘い。
木工用ボンドでの固定は3532F-2以来の方式ながら今後の経過に注意したい。
最後に入場した成田寄M1車の3550は3543(3544F-1)からの台枠転用が中止となった。
そのため全部品を流用し第一次整備を終えた。
TOMYTEC製品の台枠には小さな製品番号が印刷されている。
外観への影響は全く無いが車両番号と品番の法則は守れた。




3550更新車(3520F:TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装,屋根板・台枠整備施工)。

3550は3520Fの6両で一番状態が良い。
多少の印刷乱れは隠せないが他5両が惨憺たる状況で整備性は高いと予想される。
海側上野寄側扉上部の塗料撥ねは幕板青帯に掛かっておらず単独で剥がせると思う。
平板に近い箇所の銀色塗装部であれば爪楊枝式印刷剥離で凌げる確率が高まる。
余所は大きな瑕疵も確認出来なかったため黒色窓枠補修前に修正を試みる予定である。




3550+3549 (3520F:TNカプラーSP化)。


3552+3551 (3520F:TNカプラーSP化,パンタグラフ踏板修正)。

3519,3551,3550の第一次整備が完了し3520Fは6両全車がほぼ同一仕様で揃った。
一旦完成線に引き上げ順次第二次整備に入る。
床板関連項目を省略した3551は上野寄にTNカプラーSPを仮装着し転動防止策を採っている。
このTNカプラーSPは動力ユニット搭載入場時に流用するためフレームとカバーの一体化を図った。
これで移設時にばらばらになる事態は防げると思う。
海側パンタグラフ踏板の修復を行った3551だが3550と比べてしまうと見劣りが隠せない。
既に屋根板へ固定されており梃子の原理でもう少し波打ちを抑えたいところである。




3519+3552 (3520F:TNカプラーSP化)。

製品仕様では連結出来なかった3519+3552はTNカプラーSP化によりスマートな連結面へと変わった。
3552の変形したスカートの具合が引っ掛かるものの台枠への固定で多少改善が図れると期待したい。
マイクロエース製3500形更新車に比べ三平面折妻の前面は然程角度が設けられていない。
しかし切妻と三平面折妻の組合せは連結面間隔が広がったように見える錯覚を招く。
3532F-2では先送りとした貫通幌取付も検討課題に挙がった。
まだ取付対象車を3519,3552の何れにするかさえ決まっておらず施工自体を見送る可能性もある。
TOMYTEC製品では取付事例が無く熟慮が必要だろう。




3520F (第一次整備完了)。

3520F(2両口)+3552F更新車現行仕様の編成管理番号はマイクロエース製3520Fが2編成在籍する都合で3520F-4とする。
第二次整備はM2車の項目が数に勝るためM1車を先に入場させる方針とした。
想定より塗装状態が芳しくなく3520F-4の出場は時間を要すると思われる。

京成3500形3520F(2両口)+3552F 更新車 回着 (3520,3552,3549 誘導無線アンテナ取付) ※TOMYTEC製

2018-07-10 21:56:45 | 京成線:3500形
分散整備。

TOMYTEC製京成3500形3520F(2両口)+3552F更新車(3520F)の第一次整備を開始した。
先に出場した3532F更新車現行仕様(3532F-2:3532F-1+3544F-1)では黒色窓枠の補修に手を焼かされた。
同様の展開が予想される3520Fは工程を見直し第二次整備の負荷を軽くする。


京成3500形3520F(2両口)+3552F 更新車。
3520F:[3520]-[3519]+[3552]-[3551]-[3550]-[3549]。
※TOMYTEC製。

3532F-2の整備は3532F-1と3544F-1に分けられた。
しかし2+4編成の3520Fは3520+3519(3520F:2両口)が常時増結されるため6両を一括として扱う。
TOMYTEC製品は組込部品数が多く工程が多岐に渡る。
そこでM2車とM1車で区切りを設け別途第一次整備を行う。
誘導無線アンテナ取付に工具を持ち出す必要のあるM2車の先発入場が決定した。
回着編成は残念ながら外れに該当してしまった。
銀色塗装が露出する黒色窓枠はもちろん各所で塗料撥ねが目立つ。
中でも3520,3549の前面運転台側幕板に張り出す青帯は痛い。
3552も同様だったが先頭には立たない車両でまだ我慢できる。
先頭を締める3520,3549だけは第二次整備で塗装剥離に挑み少しでも違和感の無い見附にしたい。


3519+3552 (3520F:アートルトカプラー+ダミーカプラー)。

ディスプレイ用途で設計されているTOMYTEC製品だが3552はダミーカプラーが装着されていた。
説明には3552を付属のアートルトカプラーへ交換する事で2+4編成に出来るらしい。
ただ付属品は誘導無線アンテナとFS-389動力台車枠のみでアートルトカプラーは見当たらなかった。
幸いM2車の運転台側はTNカプラーSP化する。
影響が無いとは言え余り気分は宜しくない。
なお誘導無線アンテナは3組が封入されていた。
3532F,3544F更新車の誘導無線アンテナが3組とされたのは予備ではなく3520Fとの混同を防ぐ狙いだったと思われる。


入工中の3520,3552,3549 (3520F)。

第一次整備は今後の進捗を考え深度を取る。
屋根上機器部品は3532F-2で悩まされた謎の粘着物質の清掃を行った後に溶着を済ませる。
運転台側用TNカプラーSPはTOMIX製スカート取付台座を完全に切除する本設仕様とした。
座席部品と台枠の一体化を施さない代わりにスカートも取付脚撤去部を完全に均す。
スカートは垂直を出せる状態としゴム系接着剤での固定は第二次整備に廻した。
更にぐらつきの激しい床下機器部品は予め固定しTT-04R走行部品組込を残すだけまで進める。


スカート取付に完全対応させた運転台側TNカプラーSP(3520)。

当初FS-389,FS-089非動力台車のTNカプラーSP対応化は先送りする計画だった。
これを翻し動力ユニットを搭載した3543(3544F-1)から捻出されたFS-389非動力台車を転用した。
3543が出自の台枠とFS-389非動力台車は3550(3520F)にて活用する予定を組んでいた。
既にアートルトカプラー台座は撤去済だったが整備工程の見直しにより各々3520,3549に装着している。


3520 [■■■ 普通 うすい]:誘導無線アンテナ取付,運転台側TNカプラーSP化。

行先表示類は[■■■ 普通 うすい]が印刷済である。
[成田空港]表示だった3532F,3544F更新車に比べ圧縮された印象が軽減されている。
3文字と平仮名表記が違和感を弱めたと思われる。
本線系統で[うすい]表示を採用されるオーナーさんには福音だろう。
3520Fは千葉線系統に投入するため行先表示変更を要する。
ここは3532F-2で富士川車輌工業製ステッカーの使用可能が判明しており影響は無い。
種別表示器上部の赤帯に剥離が見られる3520は赤マッキーでの補修にて対処する。
より症状の酷かった3532(3532F-1)は上手く措置出来たと思えこれに続きたい。




3520更新車(3520F:誘導無線アンテナ取付,屋根板・台枠整備施工)。

3520Fは全車の屋根板嵌合が甘かった。
車体中央部が盛り上がっており嵌合脚が奥まで挿入されていない。
この点も3532F,3544F更新車に劣る箇所である。
同一LOTではあるものの個体差が激しいTOMYTEC製品だけに止むを得ないとは思える。
ただ3520の側面黒色窓枠は大幅に乱れがあり対処を悩ませる。
場合によっては3544(3544F-1)の前面黒色塗装修繕と同様に総剥離を選択するかもしれない。


ウエイト装着及び座席部品との一体化直前まで整備を進めた台枠(3552)。

3552はスカートの嵌合が雑で枕木方向にずれが生じていた。
TNカプラーSPに支障する縦桟を切断すると台枠と嵌合しなくなってしまった。
剛性確保を狙った取付脚基部存置は余り効果が無いらしい。
形状記憶してしまった両側取付脚を内側へ絞り込み辛うじて台枠に引き掛かるようにした。
床下機器部品は2脚嵌合式が3/4を占めており1箇所を除き流し込み接着剤での2点溶着とした。
取付台座部への進出は抑えられたと思え台枠破損時の交換には差し支えないと思われる。


3552 [■■■ 普通 うすい]:誘導無線アンテナ取付,運転台側TNカプラーSP化。

入場したM2車のうち3552だけはスカート台枠取付脚前面側の黒色化を省略している。
3552Fの単独走行は考えておらず前面車体裾から覗く銀色塗装部を気にする必要は無い。
整形したスカートは歪みが残るものの中間組込車が幸いした。
ゴム系接着剤での固定は上下両方向から行った方が無難だろう。
第二次整備項目も3541(3544F-1)に準拠する予定である。
よって前照灯リフレクター再現も省略される。
但し3500形更新車は連動式行先表示器であり[うすい]表示は改めるつもりである。




3552更新車(3520F:誘導無線アンテナ取付,屋根板・台枠整備施工)。

3552での難関は印刷撥ねの措置と言える。
山側は至る所,海側は乗務員室付近を中心に赤色塗料の付着が多々見られた。
一部は腰板青帯の上に被っており完全修復は難しい。
何処を妥協点とするかが課題と言え退き際が重要だと思う。
心配された謎の粘着物質は側面窓セルを中心に散在していた。
表面上はクロスで拭えたがまだ不安を抱える。
また側面窓セル窓サッシ印刷の状況も掴めておらず補修を前提に準備したい。


誘導無線アンテナを取り付けた屋根板(3549)。

クーラーキセの清掃は一旦取り外して行った。
そのため回着当時の配列とは異なる。
再塗装までに至る成形の乱れた個体は存在せず粘着物質の除去だけで終えられた。
溶着に際してはクーラーキセ下部が屋根板に接する位置まで押し込み各台の全高を揃えている。
誘導無線アンテナは屋根板を車体へ嵌合させ垂直を出した後に流し込み接着剤で固定した。
第二次整備時に再度取り外される屋根板だが機器類が浮く心配は無用だと思われる。


3549 [■■■ 普通 うすい]:誘導無線アンテナ取付,運転台側TNカプラーSP化。

前面黒色窓枠の塗装状況は各車でまちまちだった。
状態の良い車両は一切存在せず車体断面黒色化施工で何処まで誤魔化せるか分からない。
各々に合わせた対処方法を随時採り入れる予定である。
なお3549には痛恨のエラーがあった。
助士側アンチクライマーの貫通扉寄に打痕が見られ三枚とも変形している。
2+4編成では上野寄M2車入れ替えが行えずこのまま先頭に立たせるしかない。




3549更新車(3520F:誘導無線アンテナ取付,屋根板・台枠整備施工)。

検品を兼ねたM2車の第一次整備だったが厳しい現実を突き付けられている。
ある程度のエラーは仕方がないと思っていた。
しかし3532F,3544F更新車を下回る仕上がりに愕然とした。
まだM1車が未入場で今から気が重くなる。
つい雑にならないよう引き締めて作業に当たりたい。

京成3500形3532,3529[3532F-1] 前照灯リフレクター簡易再現試行(前面窓セル内アルミテープ貼付) ※TOMYTEC製

2018-06-30 21:47:16 | 京成線:3500形
反射力。

TOMYTEC製京成3500形3532F,3544F更新車現行仕様(3532F-2)は出場が目前だった。
3544F更新車現行仕様(3544F-1)の出場と同時に2+4+2編成が現れる予定は急遽撤回されている。
先頭に立つ3532,3529更新車現行仕様(3532F-1)の再入場を思い立たせたのは3541(3544F-1)だった。


京成3500形3532F 更新車 現行仕様。
3532F-1:[3532]-[3531]-[3530]-[3529]。
※PT-7131形パンタグラフ換装編成。

3544F-1は原則的に3532F-1と仕様を揃えた。
但し富士川車輌工業製[成田空港]幕の捻出により35443541では行先表示類の再現が異なる。
製品原形に近い3541は運転台側のTNカプラーSPとスカートの両立を果たした程度であった。
整備の簡略化が図られた前面見附は圧縮された[成田空港]幕が拍車を掛け何処か物足りなさを抱いた。
TOMYTEC製品は点灯機構を持たず前尾灯の再現を別部品に頼る形式が大半を占める。
前面腰板に一体形の前尾灯を持つ3500形更新車は尾灯のみ赤色印刷が施されていた。
前照灯は完全な前面窓セル依存であり黒色成形の台枠が透過してしまう。
欠けていた何かは前照灯のリフレクターだった。


入工中の3532(3532F-1)。

黒色に見える前照灯の改善を図れば物足りなさが払拭されるはずだと思えた。
リフレクターの簡易再現はマイクロエース製京成3600形3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)で採用していた。
施工対象はライトレンズへの蒸着処理が省略されたモハ3621,サハ3608,サハ3601で何れも中間車化改造車だった。
3600形中間車化改造車の前照灯は曲線通過時に見える機会がある。
少しでも雰囲気を向上させるため座席部品元運転台側端部にアルミテープを貼付した。
ライトレンズとの距離がありながらもモハ3628に近い仕上がりに至り一定の成績を収めている。
これを3532,3529にも施し前照灯リフレクターを再現する。


アルミテープ貼付位置を検討中の3532。

TOMYTEC製品での前照灯リフレクター再現は初となる。
従ってアルミテープの貼付は現物合わせとなった。
再現方法は3668F-1に倣う。
前照灯と台枠の位置関係を外側から探るため3532を分解し仮床板を装着させた。
比較した結果アルミテープ上端は座席部品の凹形底面までで構わないと判った。
しかし成形都合により底面に合わせた貼付は難航が予想された。
前面窓セルとの嵌合に支障しない箇所まで上端を引き上げ作業性を確保している。


リフレクター用アルミテープを貼り付けた運転台側床板。

枕木方向の幅は台枠成形とスカート取付脚が行く手を阻み全面貼付が行えない。
そこでアルミテープの湾曲を防げるスカート取付脚間隔相当まで幅を詰めた。
切り出したアルミテープの寸法は12mm×3mmとなった。
下端は台枠の張り出しに収まるよう僅かな隙間に差し込んでいる。
3600形中間車化改造車での貼付状況に近く施工は十分だと思えた。
車体への嵌合も差し支えなく行え不都合は無い。
結果に期待し前面見附を確認した。




3532 [A01 特急 成田空港]:前照灯リフレクター簡易再現試行(失敗:反射力不足)。

ところが答は意に反した。
前面窓セルと運転台側台枠の間隔が想定より広かった模様で効果は今ひとつに終わった。
俯瞰はおろか前面からでさえ再現した手応えが得られない。
しかもアルミテープの幅を詰めた事によりリフレクターが前照灯から見切れてしまった。
これでは逆効果で施工する意味が無い。
3600形中間車化改造車と同じ手法は通用しなかった。
安直に施工できると考えていたため思考が停止した。
ここまで進めたからには何としてもリフレクターを再現したい。
車体と台枠を比較しながら改善方法を探る。


前面窓セル裏面への反転内貼としたアルミテープ。

検討を進めているうちに台枠へのアルミテープ貼付では思うような見附に至らないと掴めた。
前途の通り前照灯は前面窓セル依存でありライトレンズ部表面からはかなりの厚みとなる。
透明度も影響し独自のライトレンズを有する3600形中間車化改造車とは事情が異なった。
台枠へのスペーサー追設は車体との嵌合を阻害する恐れがある。
如何に前面窓セル裏面に近付けるかが分かれ目と言えた。
3668F-1での方式から離れた結果TOMYTEC製3500形更新車に相応しい再現は前面窓セル裏面への直接貼付だった。
糊面とは逆向きに貼り付けなければならない上に尾灯を塞がない措置が要求される。
余白の広いマイクロエース製3200形3240F現行色付属ステッカーから透明部分を持ち出した。
糊面同士を合わせ前照灯とアルミテープが重なる位置で透明ステッカーを密着させた。




3532 [A01 特急 成田空港]:前照灯リフレクター簡易再現試行(前面窓セル裏面アルミテープ反転内貼)。


3600形サハ3608 [■■■ ■]:3668F-1(前照灯リフレクター簡易再現施工車)。

前面窓セル裏面へ反転内貼されたアルミテープでも前照灯リフレクターは奥まった位置となった。
余り前進させ過ぎても見附の悪さを倍加させるためまずまずの再現に漕ぎ着けられたと思う。
初めから3668F-1の施工を踏襲するには無理があったと言える。
根本的に車体構造が異なる場合には1から方式を考え直した方が良いと痛感した。
3532での試行を基に3529ではアルミテープの寸法を確定させた。
リフレクター用途としては2mm×2mmで十分だった。
当初切り出した12mm×3mmのアルミテープを再用したため貼付前に表面を均している。




3529 [A01 特急 成田空港]:前照灯リフレクター簡易再現施工(前面窓セル裏面アルミテープ反転内貼)。


3541 [■■■ 特急 成田空港]:3544F-1(前照灯リフレクター再現未施工車)。

前面窓セル裏面は貫通扉嵌合に備えた成形がなされており全てが平面ではない。
アルミテープ固定用の透明ステッカーが凸形成形部に被ると傾斜が生じてしまう。
安定性を高めるため平面部のみに接するよう爪楊枝で前面窓セル裏面に押し付けた。
余分な透明ステッカーはデザインナイフで切除し台枠との接触を未然に防いでいる。
リフレクター簡易再現施工への発端となった3541は製品原形の前照灯を保つ。
各種差異に前照灯リフレクターが加わり印象を変えられたと思う。
立案の契機だった3541は中間組込車で固定されるため施工対象外になっている。


俯瞰でも存在が判る前照灯リフレクター(3529)。

台枠貼付時とは打って変わり俯瞰でも前照灯リフレクターが存在感を放つようになった。
前尾灯非点灯だからこそ演出できたとも言える。
新たな前面見附となった3532F-1は3544F-1との明確な違いを打ち出せたと思う。
好感触を得て3532F-2は出場となる。

京成3500形3544F 更新車 現行仕様 PT-7131形パンタグラフ換装編成 (4両編成:暫定出場) ※TOMYTEC製

2018-06-29 22:41:41 | 京成線:3500形
持越。

第二次整備が完了しTOMYTEC製京成3500形3544F更新車現行仕様(3544F-1)が仮出場した。
3544F-1としては出場を迎えられたがこの後編成を組む3532,3529更新車現行仕様(3532F-1)を再入場させる。
従ってTOMYTEC製3500形更新車は2編成が続けて暫定出場となった。




京成3500形3544F 更新車 現行仕様。
3544F-1:[3544]-[3543]-[3542]-[3541]。
※PT-7131形パンタグラフ換装編成。

4Tで暫定出場した3532F-1ではTM-06R動力ユニット搭載工程が存在しなかった。
基本組成の2+4+2編成(3532F-2)は動力源を専ら3544F-1に頼る。
TOMYTEC製3500形更新車で初施工となった動力ユニット搭載だったが原則的に既存車の仕様に揃えた。
工程そのものは順調に進められたが初歩的な失策をしている。
計画では3542を動力車化するはずだったが誤って3543に動力ユニットを搭載させてしまった。


3543(非動力車化:床板交換施工)。

先発入場は3542での動力ユニット搭載を意図したものである。
しかし3532F-1に釣られたせいか非動力車化してしまった。
誤りに気付いたのは3543が竣工した後である。
3500形M1車は上野寄,成田寄とも床下機器配置が同一で3542との床板交換で対応出来た。
3544の連結試験前に両車で振替えを行い正規位置へ修正している。


3542(動力車化:動力ユニット搭載施工)。

3544F-1は当初から3544,3541の中間組込車充当が内定していた。
作業簡略化を目指し行先表示類は製品印刷の[■■■ 特急 成田空港]を流用する方向だった。
諸事情により3544だけは3532から富士川車輌工業製[成田空港]幕が捻出されたため[A01 特急 成田空港]へと改めた。
一方3541はアンチクライマー3枚目の打痕も響き計画通りの製品印刷を保持している。
そのため3544F-1は編成前後で異なる行先表示類となった。
逆組成を考慮した4+4編成では幾つかの採用事例があり決して珍しい存在ではない。
但し固定編成ではグリーンマックス製京成3150形3174F現行色前期仕様(3174F-1→3174F-2:4+2編成)以来となった。


3150形3174F-1。

第二次整備も3532F-1とは別の原因で遅れが目立った。
当初から3544F更新車(3544F)は3532F-1より塗装状態が劣っているように思えた。
これは残念ながら的中してしまった。
4両全車に付着していた謎の粘着物質が全ての元凶である。
特に3544は車体への付着が見られるほど状態が良くなかった。
振り返ると塗装乱れと思わされたクーラーキセから前兆があった。
車体清掃を行った結果幕板青帯は劣化が進んでしまった。
前面窓枠の黒色塗装も小手先での修正では手に負えない状況へ陥り総剥離に追い込まれている。


塗装剥離を経た窓枠修繕(3544)。

他3両に比べ塗装被膜が厚く粘着物質もろとも除去されてしまい窓枠モールド天面は凹凸が激しくなった。
もう少し耐性が高ければ剥離には至らなかったと思われる。
不運が重なった結果だが返って諦めがついた。
一旦銀色化された前面窓枠だったがマッキーで修繕を行い製品同等の見附まで持ち込めた。
皮肉な事に3532F-1,3544F-1各編成の前面見附は3544が最も引き締まって見える。
早々に印刷剥離へと切り替えたため逆に黒色化が行い易かった。
怪我の功名となったが心境は複雑である。


3544 [A01 特急 成田空港]:前面窓枠修繕施工車。

側面黒色窓枠の補修は無難に終えられている。
度重なるペン先の詰まりは途中から太字側マッキーを用いた事で殆ど気にならなくなった。
仕上がりは従来方式に劣らず編成見附は3532F-1と変わらない。
作業効率の向上にも直結し難航した各種整備の中でも数少ない当たりとなった。
車体断面の黒色化はTOMYTEC製3500形更新車以外でも進行中の項目である。
太字側マッキーは今後他形式への採用も考えている。


太字側マッキーで黒色化した側面窓車体断面(3541)。

基本工程こそ3532F-1に準拠したが個体差には敵わなかった。
側面窓セルの黒色窓中段サッシは粘着物質の影響もあり3541を除いた3両で補修を要した。
1窓だけマッキー再現となった3542まで出現したが幸い大怪我には至っていない。
中段窓サッシは極細字側マッキーでも修正し難い。
モールド断面までインクが進出すると異様に太いサッシに変わってしまうため厄介な施工であった。
取り敢えず3544F-1ではマスキングテープの併用で乗り切った。
ただ勝手の悪さは拭えない。
通用するか不明だが新たに超極細字マッキーを仕入れた。
対策時に早速用いる予定だがこの様な措置が不要となる品質保持に期待したい。


3532F-1,3544F-1 (更新車現行仕様)。

3544に行先表示類貼付を行ったため現時点では3544F-1と3532F-1の上野寄先頭車は同一見附になっている。
僅かな施工時差しかないが目指す方向性は合致したと思う。
この並びも3532,3529への小細工で今回限りになる可能性が高い。
成功した場合には先頭車と中間組込車での差別化が顕著になるはずである。
また3544,3541への貫通幌取付計画も存在しその差は更に拡大するかもしれない。
流動要素か多く含まれる両編成は完成形に辿り着くまで時間を要すると思われる。
推移を見てから3520F(2両口)+3552F更新車の回着整備を開始するのも一手だろう。


3544F-1サイドビュー(3541)。


3532F-1サイドビュー(3529)。

走行部品は廃車発生品の再用だが3532F-1とはLOT差がある。
より経年の高い金属車輪は清掃と輪心黒色化により同等の質感まで持ち込めた。
但し駆動音は大きめで出自の差が現れてしまった。
一方側面黒色窓枠の補修は3544F-1への施工が上回った。
3529の運転台後部側面窓上部にはマッキーがはみ出した跡が残る。
消しゴムで容易に修正出来るため3532F-2の正式出場までには間に合わせたい。

京成3500形3541[3544F-1] 更新車 現行仕様 黒色窓枠補修,側面・前面窓車体断面黒色化施工 ※TOMYTEC製

2018-06-28 22:02:38 | 京成線:3500形
中間組込車。

TOMYTEC製京成3500形3544F更新車(3544F)の第二次整備最終入場車は3541となった。
3544更新車現行仕様(3544F-1)は3532更新車現行仕様(3532F-1)から富士川車輌工業製[成田空港]幕を譲り受けた。
今入場で3529(3532F-1)に繋がるような施工項目は無く3544は製品印刷による[成田空港]幕を守る。


京成3500形3541 更新車(3544F)。

3544F-1は3532F-1と2+4+2編成(3532F-2)を組ませる。
そのため3544が先頭に立つ機会は巡ってこない。
何れにせよアンチクライマー3枚目に打痕があるため成田寄先頭車には相応しくなかった。
この点は前面額縁部に瑕疵があったマイクロエース製京成3500形3528更新車中期仕様(3528F-1)の扱いに近い。


入工中の3541。

大改修を行った3544から一転し3541の塗装状態は標準的と言えた。
謎の粘着物質は山側側面ユニット窓の1組にしか付着していないように見える。
車体にさえ影響を及ぼさなければ3543,3542(3544F-1)と同等に仕上げられると思えた。
よって工程順は3532を基準にしている。
3541に於ける重要項目はスカートの角度である。
先ずTNカプラーSPのフレームを再加工し早急に垂直固定を行う。
TOMIX製スカート取付台座の欠き取りが甘かった3544では入念に整形を施した。
第一次整備でまずまずの形状に収まっていた3541ではリブ状のようなものを取り除くだけで所定位置を確保できた。


枕木方向の位置が定まったスカート。

スカートの取付脚基部は3532以来存置し続けている。
但し切除に一捻りを加えないと前面から僅かに覗く張り出しが意外と目立ってしまう。
第一次整備での取付脚切断は斜め方向に入れたが天面の均しを先送りにしていた。
3544に続き俯瞰からスカート取付脚切断部が埋没する形へ整えた。
台枠へスカートを取り付けても見附及び角度に問題は無くそのままゴム系接着剤で固定している。
座席部品と台枠の一体化を施した床板の剛性を高める。
その後FS-389,FS-089非動力台車は輪心黒色化済の金属車輪へ嵌め替えられた。
3532F-1から続く走行部品の廃車発生品再用は変わっていない。


一箇所だけの措置で留まった粘着物質除去(海側)。

クーラーキセの溶着を済ませ本格的に車体整備へ入った。
粘着物質は予め付着箇所を抑えており側面窓セル撤去前に除去を行っている。
車体を分解し清掃を施した箇所の窓サッシ印刷を確認する。
黒色印刷まで削がれる個体が多数を占めてきたが3541は単独での除去に成功した。
他の窓サッシも塗装欠けは見られず側面窓セルへの細工は殆ど行っていない。
車体の清掃へなだれ込んだ3544とは異なり前面窓セルの色挿しに取り掛かった。
行先方向幕は3544,3532,3529よりやや上に印刷されていた。
しかし肝心の表示は相変わらずの圧縮再現である。
少しでも青地幕が広がるように見せるため前面窓セル天面も青マッキーで塗り潰した。
当初前面窓周囲の漏光対策は行わない方向だった。
しかし今後も[A01 特急 成田空港]と2+4+2編成を維持するか自分でも読めない。
念のため措置を施し3532F-1と仕様を揃えている。
ただアンチクライマーに欠損がある以上3541を先頭に出す機会はまず無いと思う。


共通仕様化した前面窓セル(裏面)。

前面窓車体断面の黒色化は漏れなく行う。
3544での結果が示す通り中間組込車の運転台側連結部は塗り潰す効果が高まる。
ここだけは3532,3529並の仕上がりを求めた。
塗料崩壊には至らず3544とは対照的な作業進捗になっている。
所々に見られた青帯の欠落は全て青マッキーで補修した。
点状剥離が多く極細字側を当て銀色塗装の隠蔽を図った。


窓枠補修を先行した前面。

十分に注意を払ったが当該箇所に見落としがあるかもしれない。
幸い3541は中間組込が原則であり見切っても誤魔化せるだろう。
側面の拭き上げ後も赤帯や青帯に剥離は生じなかった。
やはり謎の粘着物質は塗装に大きな影響を与えるらしい。


補修施工前の側面窓枠。

その代わり側面黒色窓枠は銀色塗装の露出が激しかった。
3543まではペン先の詰まりに悩まされたが3544から太字側の使用を解禁した。
この変更は施工を速める良い判断だったと思う。
車体断面内側を3回程なぞるだけでユニット窓の隅までインクが浸透してくれる。


太字側マッキーで補修した広幅側面窓車体断面。

広幅ユニット窓にしか起用できないがペン先を気にする必要は全く無い。
塗布失敗の危険性が減ったため今後の標準としたい。
従来方式を踏襲した狭幅窓枠も同等の仕上げに持ち込んでいる。
この後細字側で窓枠モールドを塗り潰し予定より早く車体補修が完了した。


組立を待つ3541。

3541は[■■■ 成田空港]印刷を流用するためステッカー貼付工程が存在しない。
車体補修終了と同時に組み立てへ移れる。
接着固定したスカート,クーラーキセは微動だにしない状況で3544での遅れを少しだけ取り戻せそうだった。
しかし直後に壁が立ちはだかる。
下作用式での側面窓セル取付が上手く行かなかった。
症状は3542と同様だった。
一度対処していたため側面窓セル下段内側の凸形モールドを強目に押し込み車体と嵌合させている。
確率は低いと思われるが分解時には注意を要すると思われる。


車体に収まったスカート付床板。

台枠へのスカート固定は安定期に入りつつあると思え車体のと試験嵌合を行わなかった。
結果は良好で前面車体裾に支障する事無く収められた。
スカートはゴム系接着剤で接着しているため仮に嵌合が上手く行かなくても修正は容易である。
運転台側TNカプラーSPの形状が確定したと言え手直しに迫られる機会は考え難くなった。
TOMYTEC製3500形更新車では今後スカートの位置調整に追われる事態が配されるだろう。
TNカプラーSPフレームの整形を第一次整備に廻しても作業遅延に繋がる確率は下がったと考えている。




3541 [■■■ 特急 成田空港]:前面窓枠黒色化施工。


3544 [A01 特急 成田空港]:前面窓枠修繕,運行番号・行先方向幕貼付車。

行先表示類は全て製品原形を保っており印象変化に欠ける前面見附となった。
前面窓枠車体断面の黒色化で窓セルと車体の一体感は演出出来た。
なお3544,3532,3529まで施してきたスカート台枠取付脚前面への塗り潰しは見合わせた。
先頭に立つ機会の無い3541では全く効果が得られないため作業の簡略化を優先している。
3544への各種措置は富士川車輌工業製[成田空港]幕の貼付が絡み例外的なものである。
むしろ貫通幌取付を行った方が新たな表情か生まれ面白いと思う。
貫通幌に関しては3532F-2の編成見附を確認してから判断したい。




3541更新車現行仕様(3544F-1:側面黒色窓枠補修施工,金属車輪化)。

第二次整備は工程を見直した結果約90分程度で終了した。
省略した内容は前面に関わるものが大半占めたため必要十分な対策を採れた。
但し3532F-1からの標準化項目は全て施しており側面見附の見劣りは感じられない。
黒色窓枠はステンレス車体に映え車体断面まで塗り潰しを進めた効果が得られたと思う。
太字側マッキーの使用開始も作業進行に寄与した。
未入場の3520F(2両口)+3552F更新車の整備も3541程度の進捗率が期待できるかもしれない。




3541+3530 (3544F-1+3532F-1)。

3541更新車現行仕様(3544F-1)の竣工により編成を組む3530(3532F-1)との連結試験も行えた。
TOMYTEC製3500形未更新車各編成で生じたM2車の車体不等沈下は見られなかった。
3529,3532,3544,3541とも運転台側が浮き上がる事無く連結部の傾斜は殆ど無い。
近似の構造ながら3500形更新車では改善が図られた模様である。

3544F-1は全車の回着整備を終えた。
同時に出場となる3532F-2の登場に繋がるはずだったが3541の前面見附に物足りなさを抱いた。
いんちき加工で印象を向上させる計画が急浮上し3532F-2は出場に抑止が掛けられている。
ひとまず3544F-1を仮出場させ3532,3529の小細工に入りたい。

京成3500形3544[3544F-1] 更新車 現行仕様 黒色窓枠修繕施工,運行番号・行先方向幕貼付 ※TOMYTEC製

2018-06-27 21:24:24 | 京成線:3500形
大改修。

TOMYTEC製京成3500形3544F更新車(3544F)は3544,3541のM2車が入場待ちになっている。
3544,3541のうち3544は粘着物質の付着が多く先発入場させた。
各部の清掃を進めるに連れ問題が次々と生じ約130分を要する難関整備の末に竣工を迎えた。


京成3500形3544 更新車(3544F)。

3544は第一次整備の際に搭載するクーラーキセ3台で塗装乱れがあると惑わされた。
結局塗装乱れではなく謎の粘着物質だった。
クーラーキセを相互交換した3543,3542更新車現行仕様(3544-1)は不都合無く竣工した。
当初予定していたクーラーキセの配置変更は不要となった。
3532F更新車現行仕様(3532F-2)の基本組成では3544F-1が中間に組み込まれる。
よって行先表示類は製品印刷の[■■■ 特急 成田空港]を全て流用する方針とした。
不要不急の工程は省略し3544F-1の出場に向け作業速度を上げる予定だった。


入工中の3544。

第一次整備では運転台側TNカプラーSPのスカート対応化を暫定措置に留めた。
3500形更新車の2+4+2編成は中間組込車(M2車)のスカートが側面見附に彩りを添える。
先頭に立つ3532,3529更新車現行仕様(3532F-1)と同様の措置を施し引けを取らない外観を確保する。
先ずTNカプラーSPマウントの整形から着手した。
ニッパーで切り落としただけのTOMIX製スカート用取付台座のままではスカートの枕木方向にずれが生じる。
これを抑止するため運転台側TNカプラーSPを分解しフレーム側面に残るリブ状のようなものを均す。


整形中の運転台側TNカプラーSPフレーム。

TNカプラーSPを組み立てスカートとの位置関係を確認する。
想定通り枕木方向のずれは解消の見込みが立った。
床下機器部品は取付脚を流し込み接着剤で溶着するTOMYTEC製京成3500形更新車の共通仕様である。
座席部品と台枠の一体化を施したした後にゴム系接着剤でスカートを固定した。
金属車輪は予め輪心黒色化等の整備を済ませていた。
プラスチック製車輪との交換を行い下廻りの整備を終えた。


整備を終えた3544用床板一式。

問題は車体に付着する粘着物質の除去である。
3543,3542では粘着物質の拭き上げで側面窓セルの黒色窓サッシ印刷を失う憂き目に遭っていた。
最悪な事に3544では車体にまで付着が及んでおり措置を悩ませた。
車体塗装までを剥がしかねない清掃には危険が潜む。
ただ放置しても将来的に同じ結末が待つと考え印刷剥離を覚悟の上で清掃する決断を下している。
銀色塗装被膜はある程度の強度を有する模様で表面の艶が無くなる程度であった。
赤帯もまずまずの耐久性を誇ったか一部で剥離してしまい赤マッキーにて誤魔化した。
対照的に脆かったのは青帯である。
TOMYTEC製3500形3592F現行色晩年仕様(6次車:3592F-2)は腰板青帯の大幅な劣化が進んでしまった。
青マッキーの極細字側で補修したところ青帯塗装は更に崩壊が進み車体に殆ど残らなかった。
3500形更新車でも耐久性向上には至っていないらしい。
清掃は終えたものの青帯は各所でひび割れが目立っている。


各所で目についた粘着物質。

なお3592F-2での施工結果を基に青帯の補修は見送った。
今後劣化進行が激しくなった場合に対策を考えたい。
車体塗装は全体的に甘く黒色塗装にも波打ちが見られた。
モールド断面のはみ出しは見附を悪くさせる。
爪楊枝での除去を行ったがこの作業が裏目に出た。
3544の黒色塗料は塗装被膜が比較的厚く窓枠モールド天面の黒色まで削がれている。


各色マッキーで補修した車体と側面窓セル。

まさか黒色塗装部全てを持って行かれるとは考えてもいなかった。
前面,側面窓枠は至る所で銀色塗装が露出する最悪の事態に陥った。
現状のまま窓枠を補修する事も可能ではある。
しかし塗装被膜の厚さが災いし窓枠モールド天面に段差が生じると判明した。
そこで中間組込車となる組成を逆手に取り前面窓枠モールドの印刷全剥離に手を着けた。


一旦塗装を剥がし黒色化を行った前面窓枠。

モールド天面へのマッキー塗布は3532F-1から続く作業で滞りなく黒色へ戻せた。
見附は悪くなく思え同様の状態に変わってしまった当該側面窓枠も塗装を剥がしての対処となった。
この方法は銀色塗装の塗装被膜が強かったからこそ採り入れられたようなものである。
結果的に誤魔化しが利いたものの3541(3544F)の取り扱いには十分注意したい。
側面窓車体断面の塗り潰しは太字側のマッキーへ改めた。
極太字側は角断面で効率的に黒色化が進められる。
但し寸法都合により広幅側面窓にしか採用できず車端部の狭幅側面窓は従来を踏襲した。


3532から移植した富士川車輌工業製[成田空港]幕 (3544,3532F-1)。

粘着物質除去の影響から車体補修が優先され前面窓セルへの色挿しは後に廻された。
3544は種別表示器周囲の青帯が端部まで達しておらず銀色塗装が顔を出していた。
青マッキーを乗せるだけで露出部をそれなりに補えてしまった。
調子に乗り3532も小細工を加えたが貼付していた富士川車輌工業製[成田空港]幕へ皺を寄せる失策をした。
3532には新たな富士川車輌工業製[成田空港]幕を貼付する。
皺の寄った[成田空港]幕は破棄とはせず3544への転用が決まった。
計画に無かった行先方向幕貼付に連動し運行番号表示器も[■■■]表示から[A01]へと変更になった。
運行番号表示器ステッカーは3532,3529と同じくグリーンマックス製京成3150形用を起用した。
外観は3532F-1と同一になり先頭にも立てる仕様に格上げされた。
3532の青帯補修は残念ながら貫通扉行先表示器周囲の成形不良が災いし失敗に終わっている。


全工程を終えた3544。

車体補修と3532の小細工失敗が響きクーラーキセ等の溶着に入るまで大幅に時間が押してしまった。
ただ最後の工程が軽度であり日付を跨ぎながらの整備となった。
クーラーキセが明灰色で統一され第一次整備終了時より見映えは良くなったと思う。
初めから3544Fは謎の粘着物質に振り回されたと言える。
そもそも何が原因か判らない。
最終入場車の3541(3544F)も既に側面窓セルへの付着を確認しており整備には神経を使うだろう。




3544 [A01 特急 成田空港]:前面窓枠修繕,運行番号・行先方向幕貼付。


3529 [A01 特急 成田空港]:3532F-1(通過標識灯擬似点灯化施工車)。

製品印刷の[■■■ 特急 成田空港]はステッカーによる[A01],[成田空港]表示へ改められた。
但し皺が寄ってしまった[成田空港]幕は前面窓セルを余り押し出さず3532,3529よりも引き込ませた位置にしている。
前面窓セルへの色挿しは3532(上野寄M2車)と全く変わらない。
従って通過標識灯擬似点灯化は見送られ3529とは僅かに雰囲気が異なる仕上がりとなった。
行先表示類は印刷流用のはずだったが別方向に進み中間組込車としては贅沢な見附を有する。




3544更新車現行仕様(3544F-1:クーラーキセ交換,側面黒色窓枠修繕施工,金属車輪化)。

一時はどうなるかと思われたが何とか3544更新車現行仕様(3544F-1)の竣工まで漕ぎ着けた。
粘着物質の除去が招いた塗装剥離は青帯の掠れに垣間見える。
特に幕板青帯への影響が大きく第二次整備で退化した箇所になってしまった。
3592F-2での実例があるため3544は要注意指定車となる。




3544+3543 (3544F-1:M2車+M1車)。

側面窓枠補修方式の異なる3543とは思ったより差異が目立たない。
塗装剥離による黒色窓枠の復活は細部の甘さこそ隠せないものの窮余の策としては無難な着地点になったと思う。
窓枠の銀色塗装露出は黒色塗料の塗布が成形部に行き渡らず生じたと予想している。
皮肉にも根本原因を取り除いた事が黒色窓枠化を容易にさせた。
しかし膨大な手間を要するためこの様な個体には当たりたくない。
なお誤って動力ユニットを搭載させた3543はこの機会を利用して本来の非動力車に改めた。


3531+3544 (3532F-1+3544F-1)。


2000形クハ2003+200形モハ208 (206F)。

3544は3532F-2の組成時に3531(3532F-1)と連なる。
前面窓の車体断面は当初から塗り潰す予定だった。
TOMYTEC製京成200形206F更新車晩年仕様(206F)は2000形クハ2003モハ208が突き合わされる。
200形より前面窓天地が広い2000形は車体断面の黒色化でこの差異を簡易再現した。
三平面折妻の3500形更新車は車体断面が連結部から見えるため中間組込車への黒色化採用が決まっていた。
措置自体は3532F-1から採り入れているが本来は3544F-1向けの工程であった。
狙いは的中し成形色の隠蔽に繋がったと思う。

3544F-1の出場は3541の竣工を待つだけになった。
大改修に至った3544ほどの施工内容にはならないと思う。
今度こそ製品印刷の[■■■ 特急 成田空港]が維持されるはずである。
車体断面の黒色化は必要条件だがその他は簡略化を考えている。
厄介な粘着物質が車体に付着していなければ3544F-1,3532F-2を出場させられるだろう。