試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-212+モハ102-367[ラシ335F-2] 車体改修 (KATO製現行LOTベンチレーター換装施工) ※グリーンマックス製

2019-04-23 21:59:22 | 国鉄/JR103系
急減。

KATO製103系用現行LOTベンチレーターは艶有品を含めると10両編成1本を賄えるまで保管品が増えていた。
ところがグリーンマックス製JR103系サハ103-250,サハ103-265(ラシ327F:Tc473)の車体更新よりベンチレーター換装が開始された。
続けてラシ335F-2(M213)が改修入場を迎えKATO製現行LOTベンチレーターは急速にその数を減らしている。


JR103系モハ103-212(ラシ335F-2)。

2社混結のラシ335F-2はグリーンマックス製103系の組成比率が高い編成である。
そのため編成単位のベンチレーター統一はグリーンマックス製103系用にて行われた。
KATO製クハ103-461,クハ103-726,サハ103-342が車両更新対象に浮上した関係で一転してベンチレーターの交換が必要になった。
先に竣工したグリーンマックス製モハ103-213+モハ102-368,サハ103-144はKATO製現行LOTベンチレーターへ振り替えている。
当然グリーンマックス製ベンチレーターしか捻出されず保管品のKATO製現行LOTベンチレーターは減少の一途を辿る。
その結果グリーンマックス製モハ103-212+モハ103-367,モハ103-215+モハ102-370まで賄えるか不透明な状況に陥った。
車両更新より先に4両のベンチレーター換装を行い数量不足へ至らないか確認する。


入工中のモハ103-212。

モハ103-212+モハ102-367,モハ103-215+モハ102-370(ラシ335F-2)は1エンド側金属ワッシャー式車体高嵩上以来の入場となる。
妻面窓セルの固定化は分解時に脱落しかけていたため単独施工で済まされていた。
基本的に車体は再塗装入場以来手が加えられておらず側面窓セルの擦過痕や曇りも気になり始めた。
グリーンマックス製103系自家塗装車も車体更新が可能になったが一部を除き存続させる予定でいる。
ラシ335F-2は更新費用が高く付く弱点があり現時点での自家塗装車廃止対象には向いていない。
よって2014年2月の初竣工から約5年2箇月が経過したモハ103-212+モハ102-367,モハ103-215+モハ102-370は車体改修にて対応する。


ゴム系接着剤で固定した全窓セル。

これまでの施工例からグリーンマックス製103系塗装変更車のベンチレーター換装は難航が予想された。
原因はベンチレーター取付孔へ侵入した塗料でありこれを除去しない限り定位置まで押し込めない。
そこで改修は2両単位としモハ103-212+モハ102-367(ラシ335F-2)を先発入場させた。
初期竣工車は比較的柚肌が抑えられた塗装となった代わりに薄い被膜を持つ癖がある。
分解したモハ103-212は妻面窓セルを撤去すると同時に側面窓セルが大きく傾いた。
車体断面に残る塗料片は除去しなければならず更なる嵌合精度低下が明らかだった。
唯でさえ密着度が低かった側面窓セルは車体での保持が困難となり固定化が決定した。
TR-200床板用嵌合爪はKATO製103系用床板用嵌合爪よりも糊代が少ない。
これを補完するため車体中央側面窓上部にもゴム系接着剤を塗布する3点止めとした。
従来通り妻面窓セルの固定も施工しており窓セルは全て車体支持化されている。
なお擦過痕が付いたと思われた側面窓セルだったが全て曇りで済み磨きクロスにて拭き上げた。


KATO製現行LOTベンチレーターに置き換えられたモハ103-212用屋根板。

モハ103-212+モハ102-367が搭載するAU75E冷房機はKATO製AU75G冷房機を代用したものである。
グリーンマックス製AU75B(M)冷房機搭載車のKATO製AU75E冷房機換装は屋根板取付孔を拡幅する手法が採用された。
しかし思うような嵌合精度が確保できずゴム系接着剤と木工用ボンドを併用する強引な固定方法とした。
モハ103-212用屋根板のAU75E冷房機は強力に屋根板へ固着しておりTOMIX製PS16形パンタグラフだけを取り外している。
塗料が侵入したベンチレーター取付孔はグリーンマックス製ベンチレーターの撤去でさえ難しくする。
屋根板裏面より竹串でベンチレーター取付脚を押し上げた後に屋根上から引き抜いた。
そしてモハ102-368から採用した取付孔をΦ2.0mmのドリルで浚う方式にて製品原寸に近付けた。




モハ103-212(側面窓セル清掃,窓セル固定化,KATO製103系現行LOTベンチレーター換装施工)。
※車体改修。

予めKATO製現行LOTベンチレーターの艶有品を全て保管品から除外しておいた。
従ってベンチレーター換装時に於ける注意点は灰色塗装が廻りきっていない個体の識別となる。
この塗装斑にはベンチレーター毎に差があり中には見逃せるものも含まれた。
まだ使用に追い込まれる場面ではなくAU75冷房機前後のベンチレーターへ起用した。
竣工したモハ103-212(ラシ335F-2)はやや側面窓セル窓サッシ印刷に劣化の兆しが伺えなくもない。
ただサハ103-144(ラシ335F-2:車両更新車)の状態に近く補修の必要は無いと判断した。


入工中のモハ102-367(ラシ335F-2)。

続いてユニット相手のモハ102-367(ラシ335F-2)が改修入場を迎えた。
工程はモハ103-212と同一であったが屋根板の撤去で大きく出遅れている。
AU75E冷房機の浮き上がりに苦戦したモハ102-367は屋根板取付脚へプラ板スペーサーが埋め込まれた。
それでもAU75E冷房機が安定せずゴム系接着剤に加え木工用ボンドまで盛り付けた。
この木工用ボンドが車体天井中央の開口部に掛かっていたため屋根板は事実上固定化されていた。
始めは理解に苦しんだものの車体中央部から嵌合を解き屋根板の撤去まで持ち込んでいる。


屋根板の取り外しを阻んだ木工用ボンド。

変則的なAU75E冷房機の取り付けが判明し工程順を改めベンチレーター換装より着手した。
モハ102-367用屋根板はモハ103-212ほど厚塗りになっていないにも関わらずグリーンマックス製ベンチレーターが固着していた。
押し出し時には乾いた音を発する有り様で取り扱いに注意を払っている。
不安定要素を抱えるAU75E冷房機は強度が判らず前後のベンチレーター撤去は慎重を期した。
塗装被膜の厚みに関係無くベンチレーター取付孔は製品原形へ戻さなければならない。
確実に屋根板成形色が現れるまでドリルを当てAU75E冷房機への負荷及びベンチレーター取付作業の軽減策とした。


Φ2.0mmのドリルで浚ったベンチレーター取付孔 (未施工部,施工部)。

結果的にベンチレーター取付孔はモハ103-212用屋根板よりも拡大された。
原寸通りの取付孔径へと至りKATO製現行LOTベンチレーターは容易に挿入出来た。
念のため着脱試験を行ったところ入場前とは打って変わり全く引き掛かりが無くなった。
この状態であればAU75E冷房機への影響も無いはずであり以後は順調に作業を進められている。
ベンチレーター取付孔の塗料除去はモハ103-215+モハ102-370(ラシ335F-2)でも欠かせない。
Φ2.0mmのドリルによるベンチレーター取付孔復旧は今後の標準方式としたい。




モハ102-367(ラシ335F-2:側面窓セル清掃,窓セル固定化,KATO製103系現行LOTベンチレーター換装施工)。
※車体改修。

屋根板の整備を終え車体断面清掃及び側面窓セル拭き上げに取り掛かった。
車体断面の塗料片除去は綿棒を当てる軽い措置だが片側に施工しただけで黄色5号へ染まった。
塗装被膜が薄く余り擦り過ぎると車体成形色を露出させる危険性があり程々で留めた。
側面窓セルは1-3位側の曇りが酷く各窓毎に磨きクロスで清掃している。
これに対し2-4位側は裏面のみの拭き上げで措置が完了する対照的な結果となった。
モハ103-212と同じく車体と側面窓セルの嵌合精度が大幅に低下したためゴム系接着剤での3点止めとした。
妻面窓セルは側面窓セルに挟まれる構造を持つが完全な固定は望めない。
加えて車体断面の平滑化により嵌まり具合が更に低下してしまいゴム系接着剤で固定した。




モハ103-212+モハ102-367 (ラシ335F-2:KATO製現行LOTベンチレーター搭載車+KATO製現行LOTベンチレーター搭載車)。


モハ103-212+モハ102-367 (ラシ325F:KATO製Assyベンチレーター搭載車+KATO製Assyベンチレーター搭載車)。

独自の固定方式が採用されていたAU75E冷房機は入場前の位置を保持出来た。
屋根板裏面に張り出した木工用ボンドは屋根板装着時の目安としてそのまま残されている。
モハ102-367も竣工しラシ335F-2の塗装変更車改修第一陣は無難な滑り出しになったと思う。
KATO製103系用現行LOTベンチレーターは11器減ったが幸いモハ103-215+モハ102-370(ラシ335F-2)用の数量が確保された。
ただこの中にどの程度塗装の甘いベンチレーターが含まれているかが課題となる。
グリーンマックス製103系は搭載するベンチレーターで雰囲気が変わるだけにこのまま上手く分配出来るよう祈るのみである。
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