試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ100-192[ツヌ123F] 動力ユニット整備 (段付加速・異音解消:導電板・2エンド側用DT21動力台車用ギア整形施工) ※'旧製品

2020-02-19 23:46:03 | 国鉄/JR101系
フラット音。

KATO製国鉄101系ツヌ123F(Tc78:弁天橋区仕様+旧製品)の入場車はモハ100-192(旧製品)を迎えました。
計画を変更したため非動力車と動力ユニット搭載車が入れ替わっています。
ツヌ123Fは動力車位置偏位未対策の7+3編成で動力ユニット搭載車はモハ100-192(3号車)でした。


国鉄101系モハ100-192(ツヌ123F:動力ユニット搭載車)。
※旧製品。

7+3編成での動力車位置偏位解消対策はクモハ100形への動力ユニット搭載を主軸にしています。
五代目ツヌ118F(Mc155)を組成変更して出場させた旧ツヌ123F(Mc155:旧製品)時代から未だにこの措置は採られていません。
モハ100-192用種車はモハ100-208(ツヌ118F)ですが回着当時から車体に歪みがありました。
従って余り手を伸ばしたくない車両と言え現在でも東行設定に限定される要因と化していました。
現在モハ100形用床板を切らしておりクモハ100形動力ユニット搭載車は竣工が不可能な状況にあります。
ただ何れはクモハ100-149(7号車:旧製品)へ転用する予定でモハ100-192用動力ユニットの整備を行います。


入工中のモハ100-192。

まだモハ100-192には側板湾曲が残っているため動力ユニットとの嵌合精度は高くありません。
特に2エンド側の噛み合わせが緩く軽い衝撃で車体から直ぐに脱落する状態でした。
非動力車化が控える現状での改装は不向きで改修規模は大きくなると考えました。
類似症状を抱えていたモハ100-210(ツヌ116F:旧製品)では流し込み接着剤での長期溶着が奏功したらしく一応の答が得られました。
しかしモハ100-192も同様に復元できるとは限らず動力ユニット整備と車体整備の日程を分割しています。
モハ100-192用動力ユニットは段付加速に妙な異音が加わる曲者で作業時間が伸びると予想しました。


プラスチック硬化には及んでいなかったユニットカバー。

直近で動力ユニット整備を行った車両は元モハ100-31(トタムコ3F:Mc78)用を廻したモハ100-200(ツヌ104F:Mc159)です。
モハ100-208(ツヌ118F:旧製品)用よりも経年の浅い2ndLOT動力ユニットでしたがプラスチック製部品は硬化が進んでいました。
再び旧製品LOT動力ユニット整備へ戻るに当たりユニットカバーの取り扱いを一部変更しました。
予めユニットカバー嵌合爪周囲の柔軟性を確認した上で台枠から撤去しています。
幸いモハ100-192用ユニットカバーに経年劣化は伺えずモーター支持部品もモハ100-210用並でした。
万が一に備えドライヤーを用意していましたがモハ100-192用動力ユニットには不要でした。


状態が悪かった導電板。

モハ100-192用動力ユニットはフラットの様な異音を発する今までに無い症状を抱えています。
異音と段付加速の因果関係は不明で何が関わっているか判りません。
取り敢えず摺動系統に注意を払いながら整備を進め原因特定へ向かう算段としました。
1-3位側用,2-4位側用導電板には指紋を象った酸化が見られる等その状態は芳しくありませんでした。
裏表面双方ともラプロス#2400で研磨しましたが真鍮色へ戻す時間は過去最長を記録しています。
なお2-4位側用導電板は2エンド側の成形角度が寝ていたため1-3位側用に準じた直角へ修正しました。


導電板と安定して接するモーター端子部(1-3位側)。

また1-3位側用導電板もモーター端子との接触部直近に波打ちがあり整形しています。
共に通電性能へ直結する箇所のため段付加速を招く一要因になっていたと思われます。
モーターは中速域から伸び悩む癖が見られ注油後に単独高速度試験を繰り返しました。
常用外の回転数は多少なり刺激を与える効果があるように感じます。
余り多用したくないモーター性能復元策ではありますがモハ100-192でも一定の成果を得られました。
台枠へモーター一式を組み込んだ後も接触不良には至らず1-3位側用導電板の整形は当った模様です。


第一次整形を施したDT21動力台車用プラスチック製大ギア(2エンド側用)。

ここまでの過程では異音と関係する不具合は一切見られないままでした。
よって発生源はDT21動力台車に絞られたため1エンド側用,2エンド側用を区分する工程にしました。
意外にもDT21動力台車内部の状態は良好で油脂除去及び台車集電板研磨を要した程度に留まっています。
但し両者で異なっていたのはロアフレームに組み込まれるプラスチック製大ギアでした。
組立完了直前まで達した2エンド側用DT21動力台車ですがロアフレームが嵌まりませんでした。
改めて確認したところプラスチック製大ギアの一山が真横に傾いていました。




経年整備を終えた動力ユニット構成部品。

予備品のDT21動力台車は手元に無く修正でしかモハ100-192用動力ユニット復旧を果たせません。
取り敢えずマイナスドライバーで大ギアの山を起こし組付可能な状態まで持ち込みました。
これだけでは当該部がスパイラルギアと噛み合う毎に異音を発するため更なる精度改善が必要です。
第二次整形はシャフトで手動回転させつつ都度ギア山角度を微調整する地道な作業でした。
頂点が潰れかけたギア山は少しでも行き過ぎると引っ掛かりを招いてしまうため一進一退が続きました。
当初の変形が酷く完全修復には辿り着けませんでしたがどうにか異音発生だけは押さえ込めました。


改修が完了したモハ100-192用動力ユニット。

何とか妥協点を見い出しモハ100-192用動力ユニットの整備が終わりました。
駆動試験では段付加速,異音共に解消され快調な動きを示しています。
まさかフラットの様な異音がDT21動力台車用ギアを起因にするとは思いもしませんでした。
だが欠損まで達していなかった幸運に恵まれただけで整備結果よりも反省点が上回ります。
まだモハ100-192は車体整備が残りますが約5年8箇月の疲労を強く伺わせています。
モハ101-198(ツヌ123F:旧製品)以上に苦戦を強いられる作業が続くでしょう。
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