映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
コメントのところをクリックするとコメントできます。

『善き人のためのソナタ』

2007年10月14日 | Weblog
善き人のためのソナタ - goo 映画
よい
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 監督
ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ、ウルリッヒ・トゥクール、トマス・ティーマ、ハンス=ウーヴェ・バウアー、フォルカー・クライネル、マティアス・ブレンナー 出演

1984年、東西冷戦下の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラーは、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。成功すれば出世が待っていた。しかし予期していなかったのは、彼らの世界に近づくことで監視する側である自分自身が変えられてしまうということだった。国家を信じ忠実に仕えてきたヴィースラーだったが、盗聴器を通して知る、自由、愛、音楽、文学に影響を受け、いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく。ふたりの男女を通じて、あの壁の向こう側へと世界が開かれていくのだった…。

ストックホルム・シンドロームの変種。
リアルな社会情勢が加味されて、ドラマに深みを与えている。
国家に忠実な主人公の目からみると、大臣さえも不純な人間と捉えているところがおもしろい。

C.M.Sの変節は、前半の盛り上がりからするとあっさりしすぎていて拍子抜けした。

映画と直接関係ないが、まだ壁がある時代に川か湖を越境しようとした人間を追ってきた東ドイツのボートが、「お願い、撃たないで。おなかに赤ちゃんがいるの」という声を聞いて引き返した様子を撮ったビデオを思い出した。