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第1,208話 イレギュラーな事態の情報の周知はどうすればよいのか

2024年03月20日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「運転再開の目途は立っていません」

鉄道事故が起きたときに、駅でたびたびこのような案内のアナウンスが流されます。令和3年度の国土交通省の鉄道統計年報によると、民鉄269件、JR238件、合計507件もの鉄道事故が起きているとのことです。1日に1件以上何らかの鉄道事故が日本のどこかで起きていることになりますので、これは決して少なくない数だと思います。鉄道事故には列車衝突や脱線や火災をはじめ、踏切障害、道路障害、そして人身傷害があるようですが、いずれの理由の事故であっても復旧にはそれなりの時間を要すると考えられますから、もちろん事故は少ないにこしたことはありません。

事故の状況によるため、一概に言えるものではないとは思います。特に人身事故は負傷者の救出や警察による現場検証をはじめ、複数の対応が必要になるようですので、復旧までには相当の時間を要するケースが多いのではないかと考えられます。

私自身も、これまで電車の利用中に大なり小なりの事故に遭遇していますが、最近では昨日(3月19日)に京浜急行電鉄で発生した人身事故により電車が止まり、大きな影響を受けました。最終的に2時間半ほどで運航が再開されたようでしたが、おおよそ4万人に影響が出たとのことですから、大きな事故だったと言えるのではないでしょうか。

この事故に関しては、発生直後から具体的な復旧見込みなどの報道はされず、私自身もネットの情報などを頼りに、そろそろ復旧するのではなかと思い最寄りの駅に向かいました。ところが、改札の中の電光掲示板には「遅れが出ています」との表示が出ている一方で、構内放送では「あと15分は復旧しない」との案内が流されていました。片方は電車は動いているように捉えられる(「遅れている」)一方で、「復旧までしばらくかかる」という情報が混在し、私を含めた乗客達は改札を出たり入ったりと右往左往することになり、結局はいたし方なくJRの駅まで歩くことになったのです。(おそらく、この「遅れている」は当時運行できていた区間の状況のことであったと思われます。)

以上が今回の私の経験ですが、同様の経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。残念ながら事故が起こってしまうことは仕方がないとしても、その後の対処、たとえば運転が再開するまでの案内アナウンスの方法や精度にもう少し工夫はできないものかといつも思うのです。前述のようにまだ運行が再開していないのにもかかわらず、「遅れが出ています」というような表示が出ていれば、当然乗客は運転が再開されたのだと考え、改札を通ってホームまで行ってしまいますし、その時に逆の内容の放送が流されれば混乱を招いてしまうだけです。

もちろん、事故対応の現場では刻一刻と状況が変化するため、それをリアルタイムで把握して周知していくということは容易ではないだろうとは思います。しかし少なくとも誤解を招かないように「〇〇駅~○○駅間は運転中止、その他の区間は遅延しています。」などの表現にすることはできるのではないかと考えます。

鉄道会社にかかわらずどういう業種であっても、事故やイレギュラーな事態は起こりえるものです。その際に、関連する情報をどのように周知するのか、レギュラーの仕事であるならばルールが徹底できているようなものであっても、いざ事故などのイレギュラーな事態が発生した場合にも対応しうるものなのかということを定期的に点検しておく必要があるのではないか。どうすれば対応の精度を上げられるのかについて、日ごろから準備をしておくことが大切であるということを、今回の事故を経験して改めて思いました。

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