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第1,189話 部下指導は脈々と受け継がれる?

2023年11月01日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「Aさんから教わりました」

これは、先日弊社が担当させていただいた中堅社員を対象にしたある研修で、2人の受講者から異口同音に聞いた言葉です。

2人とAさんは別の部署で働いていますが、仕事の関係で定期的に接点があり、2人はその際にAさんから「仕事で使うと便利だから覚えるように」とあるフレームワークを習い、使うようになったと話をしてくれました。

この話を2人から聞いた際に私の頭に浮かんだのは、かつてAさんの上司だったBさんのことです。当時Bさんはある支社で管理職として働いていましたが、様々な部署のメンバーへもリーダーシップを発揮していたことを覚えています。Bさんはメンバーと積極的にコミュニケーションをとっており、日々気軽に声をかけていましたし、仕事だけでなくアフター5には飲み会や花見会などのレクリエーションも積極的に開催していることなどを、本人や周囲のメンバーからも聞いていました。

こうしたことから、Bさんは直属の部下だけでなく、他のメンバーからも相談事を持ちかけられることも多々あったようで、それに対してBさんからアドバイスをしたり、ときには注意をしたり厳しく指導したりすることもあったということを聞いていました。そのときにBさんから様々に影響を受けたメンバーの一人が、Aさんだったのです。Aさんは当時30代でしたが、Bさんから様々な指導を受けて40代後半になった今、監督職として活躍していることを人事の研修担当者から伝え聞いていました。

そうした中で今回、冒頭の言葉を中堅の2人の受講者から聞いたのです。私は以前から「部下指導を熱心に行う人に育てられた部下は、やがてその人が管理監督職になった際に今度は自身が部下や後輩の育成を積極的に行う人になる」と考えていましたが、かつてBさんに熱心に指導を受けたAさんが、今度は自分が後輩や部下を熱心に指導するようになったということで、これはまさにプラスの意味での「因果応報」とも言えるような気がしているのです。

そのように考えると、後輩や部下育成を時間の流れで考えてみると、それは単なる「点」ではなく、その「点」がつながって「線」となり、それがやがては広がりをもって「面」となるといったように、将来に向かって脈々とつながっていくものなのではないかと思うのです。ですから、もし管理監督職が「部下の育成なんて、大したことではない」などと考え疎かにしてしまうようなことがあると、それが次の世代にも、さらには後々の世代にもマイナスの影響を与えてしまうということになってしまうのではないでしょうか。

たった一人の管理監督職の部下への対応が、その組織の未来にも大きな影響を及ぼすと言っても過言ではありません。そのことをしっかりと考えて対応しなければならないと今回の一連の話をお聞きして改めて考えました。

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