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第961話 オンライン研修で消えたカリスマ講師

2020年10月04日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

カリスマという言い方はちょっと古いのですが、技術(ワザ)を売る業界であれば、そういう人たちは必ず存在します。その技術に対して顧客から非常に高い評価を得ている人、たとえば、カリスマ美容師といえば何カ月も先の予約が埋まるほど「特別な技術を持っている美容師」です。

研修業界にもカリスマ講師はいます。いや、「いた」というべきでしょうか。

今年の春先から、典型的な「3密」業態である研修も否応なくオンライン型に移行しています。多くの研修会社が、今まで集合型の研修を担当していた講師を「オンライン講師」として売り込んでいます。こうした状況に対応できていないのが「カリスマ講師」なのです。

ここで、カリスマ講師とはどういう人たちなのかを振り返ってみます。

まず、講義の内容が優れていることはもちろんですが、「受講者のあしらい方」が抜群に上手いのです。

集合型の研修では、目の前に受講者がいます。その表情や動作、声の調子や息づかいが講師にリアルに伝わってきます。そうした複雑な情報を肌で感じ取り、瞬時に自分の言葉や動作で受講者に返していく、さらにその反応を見て対応する、それができるのがカリスマ講師です。だからこそ受講者のアンケートに「あの先生の講義はすごかった!」と書いてもらえるわけです。

オンライン研修では、こうした「場の雰囲気」をコントロールすることはほぼ不可能です。決して「オンラインになると受講者が醒めてしまう」というわけではありません。むしろ集中力を要求されるので、講師の話をよく聴くようになります。オンラインは単純に(物理的な意味で)伝わりにくいのです。

オンライン研修では、講義内容を言葉と画像で「きちんと」伝えることが最も重要です。雰囲気をよりも、情報を確実に伝えるために工夫をして誠実に講義を進めることができる講師こそ真に優れた講師です。そして、そういう講義が結果的には受講者の知識やスキルアップにつながるのです。

「面白かった」、「すごかった」、「笑った」と受講者に言わせるカリスマ講師よりも、「ていねいだった」、「よく理解できた」、「仕事の役に立ちそうだ」という声を引き出すことができる誠実な講師こそ、これからますます必要とされることでしょう。

経営者の皆さん、あなたの会社の研修講師選び、一度じっくり見直してみてください。

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