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コーチングは上司の自己満足?

2013年09月28日 | コンサルティング

コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の1つ。対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術である。相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促す。(Wikipediaより引用)

コーチングは人材育成、特に部下指導に有効な手法と言われています。

コーチングの特徴は相手(クライアント)が持っている潜在的なやる気を引き出すことです。コーチは答えを教えるのではなく、あくまでも自発的に相手が答えにたどり着くようにガイドします。

コーチングにおいては、コーチとクライアントは対等な立場でなければなりません。

しかし、職場の中には上司-部下というはっきりとした上下関係があります。それが、コーチングが上手く機能しない原因となります。

たとえば、仕事が進んでいない部下を指導する必要があるとします。

コーチングでは部下を問い詰めるのではなく、「あの案件は今どんな段階?」「何か困っていることはある?」という質問をします。

こうした質問をすることで、コーチ(上司)はクライアント(部下)がいろいろなことに気付いてくれるだろうと期待します。

しかし実際は「問い詰める」こととあまり変わらなかったりします。

「いや、そんなはずはない。コーチングの技術を使ったのだから、部下も分かってくれるはず」という反論があるかもしれません。

残念ながらコーチングの技術を身につけただけではコーチにはなれません。部下から見ればコーチではなく、あくまでも「上司」だからです。

ほとんどの場合、「課長がまたセミナーでおかしなことを勉強してきたらしいな。まあ適当に調子を合わせておこう」というのが部下の本音です。

もしも「うちの職場は信頼関係がしっかりとできているから大丈夫!」と言う上司がいたら、かなり危険です。

私の経験から言えば、「部下が何を考えているかときどき分からなくなるんだよね。どうしたものか・・・」と悩んでいる上司の方が、部下からの信頼が厚いものです。

コーチングを学ばれる際はくれぐれもご注意を。

(人材育成社)