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「燃えよドラゴン」はOJTには向かない

2013年09月20日 | コンサルティング

OJT(On the Job Training)とは人材育成の手段のひとつで、職場の上司や先輩が部下や後輩に仕事を通じて知識・技能・態度などを意図的、計画的、継続的に指導することです。

OJTはほとんどの企業で実施されており、新人の頃にOJTを経験された方も多いと思います。

「誰もが知っているOJT」ですが、正しい定義を分かっている人は意外と少ないようです。

特に「意図的、計画的、継続的に指導すること」がきちんと実践できていないと、トレーニングとしての効果は半減してしまいます。いや、この3点が押さえられていないものはOJTではないとさえ言えます。

問題は、組織の中で「意図、計画、継続」がどれだけ具体的に文書化されているかです。多くの企業では、OJTマニュアルがあっても内容が古かったり、抜けがあったりすることがよくあります。他のマニュアルと違って一度作ったら改訂されず、そのまま放置されてしまうことが多いからでしょう。

さて、私が新卒で入った会社でOJTを受けていた頃の話です。

その頃のOJTはまさには「師匠と弟子」という感じでした。

先輩の仕事を見てそれと同じことをする、上手く行かない、もう一度やる、少しできるようになる、もう一度やる・・・その繰り返しでした。習うより慣れろで、教える側にも、教えられる側にもマニュアルはありませんでした。

まさに次の「燃えよドラゴン」の一節のような感じです。 

Don't think! Feeeel! (考えるな! 感じろぉぉぉ・・・!)※

今思えば合理的ではありませんでしたが、確かに「身に付いた」感はありました。

しかし、今ドラゴン流OJTを行うことは不可能です。

なぜなら、現代の職場にはブルース・リーのような高度な技を持ち、優れた指導ができる人材はほとんどいないからです。仮にいたとしても、そういう人は極めて忙しいのが普通です。

もしOJTトレーナーに指名されたら、自分一人で後輩を育てようなどと思ってはいけません。会社中の人を巻き込んで「寄ってたかって育てる」ためにできることを行うべきです。

http://www.youtube.com/watch?v=2d5o8d1kitM

(人材育成社)