
孫を連れて加茂水族館に行ってきました。
加茂水族館はリニューアルそてからは2回目(2018年8月11日記事参照)。クラゲの標本ではギネスもので、庄内の観光スポットから、日本の誇れる施設になっていることはご存じのとおり。
この水族館は、クラゲに特化して再生したのだが、調べてみるとその変遷・歴史にも驚かされる。奇跡の水族館と呼ばれ、その再生した経緯については、経済誌なども注目する再生劇があるのだ。
水族館のすぐ傍には、加茂港がある。日本海の開運物流の拠点として、また鶴岡藩の最寄港として江戸時代から栄えていたという。
ただ鉄道の開通、ことさら庄内交通の湯野浜線(廃止路線)が開通して、加茂の市街地を鉄道が通らないこともあって、港はその機能を失い、待ちも衰退していった。
それでも、湯野浜温泉に訪れる客を呼び込める施設として、開館したのは昭和5年と歴史がある。新潟市の「マリンピア日本海」、秋田・男鹿市の「男鹿水族館」が前進の市営施設とオープンしたのがそれぞれ昭和42年。これからすると、かなり早い時期、組合立としてオープンしたのが加茂水族館なのだ。
昭和40年、高度経済成長にも支えられて、各地に水族館がオープンする中、加茂水族館も集客が最高を記録したが、その後客足が途絶える。日に入場者がない日もあったとか。
以前、「潰れかけた水族館」と紹介したが、実は一度、民間(公社)に売却された後、いわゆる経営破綻。昭和46年に水族館は閉鎖し、従業員も全員解雇されるということがあった。
僅かに残った飼育員が、自費で魚たちの餌代などを工面し飼育を続ける姿が報道されることで、市民の関心が集まり寄付が集まるようになり、経営を引き継ぐ会社も現れたものの負債は増えていくばかりだったという。


そんな中、水槽にクラゲが大発生!水族館にとっては厄介もののクラゲだが、誰が思いついたのかそのクラゲを展示物にしてしまった。
当時の館長が悪乗りして、「クラゲは食べると美味しい」とか言い出し、クラゲの料理を紹介したり、売店ではクラゲ入りのお菓子やアイスを売り出す。実は、この館長のトークも人気だったそうです。
お隣の秋田のライバルである男鹿水族館がリニューアル工事のために一時閉館する時期があり、それを機に一発逆転に打って出る!世にはクラゲの癒し効果などもブームになっており、数年後にクラゲの特化した水族館として世界一に認定されることになった。
今やギネス認定やノーベル化学賞の下村先生とのコラボ、クラゲ商品人気、湯野浜温泉や庄内空港からも近く、年間入場者数50万人。庄内の一大人気スポットになった。
それだけでなく、男鹿や新潟が税金を投入して施設運営をしているのだが、加茂水族館は鶴岡市に寄付をしているとか。いったん閉鎖したときに残った飼育員の力や思いを感じざるを得ませんよ。挫折が強くしたんですよね。
この日も大勢の入場者で、昼時のレストランは満員御礼。みんなクラゲラーメンとか食べていたんですかねー。
小さな水槽の前では飼育員が懇切丁寧に解説してくれる。「クラゲには脳も心臓もないんです。泳いでいるのではなく、漂っているのです」。んー、これだけでも癒し効果ありそうですよね。クラゲになりやい?
もちろん、展示の水槽なども随所に工夫がされており、よくできた水族館だなーって思う。旭山動物園の展示方法とその物語に似ているところありますよね。(旭山動物園は行ったことがありませんがー。)


※めちゃくちゃ写真大きくなりましたよね。プロバイダの設定で、標準規格が変更された模様。一眼で撮ったのできれいには映っていると思うのですが、デカすぎません?変更も可能なのですが、もう少し様子見ますか?