行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

NHKが「トマソン伝説」に迫る(その3)

2010年06月03日 | テレビ・テレビ番組

(つづき)ワールドカップは情報戦。キャンプ地では、取材はシャットアウト。練習場は、囲われて外部から見えないようにするのが普通。確か、十日町(クロアチアのキャンプ地)のグランドにも高いポールが立てられていたことを思い出す。

2002年5月、和歌山に入ったデンマークは違った。練習はすべて公開。練習後は、必ず子供たちを招き入れてサッカースクール。今回の放送でも、トマソンをはじめ、主力選手を含めたメンバーが子どもと試合をする風景が映し出された。そして毎日サイン会。こんなチームありませんよ!

「トマソン伝説」には、もうひとつの話がある。代表団の宿泊先のホテルのシェフが、「好みの、お国の料理を教えてほしい」とオルセン監督の部屋を訪れたときに、監督は「我々は日本に来たのだから、日本のもので!」と言う、シェフは「ほかの国は、コックまで連れてきて母国の料理を食べ、体調管理をしているのに」更に念を押すと、「他国は他国、我々は我々だ。和歌山の一番の食材は?」、5月でしたから「カツオです」、「そのカツオをあなたが考える一番料理法で選手に食べさせてほしい」という話で、シェフは感動をしたという。

NHKはこの点には触れていないが、決定的にオルセン監督とデンマーク代表がいい人であるというエピソードがある。

代表が開催したサイン会で、サインをもらい損ねた親子がいた。親子は、選手団のバスを何キロもある道のりを自転車で追いかけた。母親は、5歳の二男を後ろに乗せていたため、宿舎のを目の前にして、橋の勾配でバスを追うのを諦める。しかし11歳の長男は追い続けた。

親子が宿舎に駆けつけた時には、選手団は食事中であったが、親子を見つけたオルセン監督。従業員の証言では、「監督はバスを追う親子の姿を見ていたんじゃないか?」と言っていたが、笛を吹いて選手を集合させると、兄弟の持つサッカーボールに全員がサインをしたという。取材に、母親と二男はサッカーボールを抱え、「大事な宝物だ!」と嬉しそうに話していた。

先に紹介したとおり、デンマークはこの大会でブレイクした。決勝トーナメントでイングランドに敗れたものの、帰国の際は、和歌山に立ち寄り、報告会を開き地元の人と触れあった(十日町では、そんな話は聞きませんねー)。本当にいい人たちであることから、「トマソン伝説」が生まれたのではないか?と、さすが天下のNHKの締めくくりだった。(おわり)

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