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「ジャンボこいのぼり」が大型クレーンを使うのに対して、春日部市西宝珠花の江戸川河川敷の堤防の斜面を使う「大凧あげ」は、小川和紙1500枚を使った重さ800kg、縦15m、横11mもある日本一の大凧を、風と集団の力で上げようというものだ。日本一「百畳敷大凧」が売り物。
重さ150kg、縦6、横4mの女性が引っ張る小町凧も、子供が引く子凧もある。
凧に書かれる文字は年々変わり、11年は「武蔵」と「春風」だった。
江戸時代後期、出羽(山形県)の僧、浄信が養蚕の豊作占いとして凧あげをこの地に伝えた。「凧が舞い上がる」を「繭の根が上がる(繭上がる)」にかけたものらしい。
いつの間にか端午の節句の凧上げに変わり、明治30年ごろから大きくなった。春日部市に合併前は「庄和町の大凧あげ」として知られ、毎年10万人が押し掛ける伝統行事だ。
「国選択無形民俗文化財」に指定されている。全国的に珍しい行事ということらしい。
「世界一」と「日本一」が同じ日にかちあうのだから、見る方も大変。午前中の「こいのぼり」が終わると、急いでバスと東武伊勢崎線を乗り継ぎ、「凧あげ」に向かった。
大凧上げには100人が必要。元気な若手の動員がままならないので、10年、地元の中学生を使ったら、首に引き綱が絡まり、けがをする事故があった。体力に自信のある引き手を公募する。
大凧を川の斜面まで運ぶのも一苦労。皆で担いで斜面に安置して、百人の引き手が綱に取りつき、風を待つ。しかし、それは風の勝手である。(写真)
ちょっと風が来ると、指令が出て、一斉に引く。ちょっと上昇の気配を見せても、降下してしまう。風と人と共同作業なのだ。何度もやっているうちに、帰る人も出てくる。
「風が4、5mはないとな」と長老が教えてくれた。その風はどのような強さか聞きそびれた。毎年上がるというわけではなさそうだ。
例年5日には午前中、日本凧の会による「全国凧あげ大会」も一緒に開かれる。
私にとって、江戸川は映画「寅さん」の川である。春日部はこの川の上流沿いにあるのかと堤防に立って思った。
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