ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

花咲徳栄高校に「彩の国功労賞」

2017年09月18日 16時24分22秒 | スポーツ・自転車・ウォーキング


県は17年9月7日、知事公館で夏の甲子園で県勢初の優勝を果たし、参加3839校の頂点に立った花咲徳栄(とくはる)高校(加須市)に「彩の国功労賞」、創部36年目の快挙となった野球部には「県体育賞会長特別賞」を贈呈した。

功労賞は、県民に希望と活力を与えた個人や団体を表彰するもので、13年に春の第85回選抜高校野球大会を制覇した浦和学院高校(今夏県大会では準優勝)にも贈呈されている。選抜では大宮工業高校も第40回で優勝している。

ちなみに花咲徳栄の女子硬式野球部は全国タイトルが計7回(選手権2回・選抜3回・ユース選手権2回)の強豪である。

関東1都6県で、夏の甲子園で優勝したことの無い県は埼玉県だけ。優勝は県民の夢だった。県初の快挙に、加須市などを中心に「これで埼玉を“ださいたま”とは呼ばせない」との声が高まっていたので、730万の県民感情に応えた授賞となった。

第99回全国高校野球選手権大会の決勝戦は8月23日、埼玉代表として、3年連続で甲子園に出場し、県勢として24年ぶり3度目の決勝に進出した花咲徳栄と、広陵高校(広島)の間で行われ、14-4で花咲徳栄が圧勝した。上田知事は同日、同校に「彩の国功労賞」を送る方針を示した。

甲子園には夏に5回(83回大会、93回大会、97回大会、98回大会、99回大会)、春に4回(75回大会、82回大会、85回大会、88回大会)、夏春通算9回目出場で果たした悲願の初優勝だった。

県勢ではこれまで、夏に決勝まで進んだのは33回大会(51年)の熊谷と75回大会(93年)の春日部共栄だけで、惜しくも準優勝に終わっていた。

花咲徳栄の身上は、破壊力のある圧倒的な打力。甲子園での6戦全てで2桁安打、平均得点は10.2点。チーム打率は3割5分を記録した。

岩井隆監督(47)は、重さ10~15kgもあるハンマーをタイヤに振り下ろす特訓を課し、打撃強化を図った。

1992年、花咲徳栄のコーチになってから25年。身長163cmと小柄で、川口幸並中学時代、県内の強豪高校を目指したものの「小さいから」と夢を絶たれた。

神奈川県の桐光学園に進学、稲垣人司監督の野球部で野球理論を学んだ。東北福祉大を経て、社会科教諭として花咲徳栄に赴任した。稲垣監督が花咲徳栄の監督に転じていた縁からだった。

ところが、稲垣監督が2000年にグラウンドで急逝、岩井監督が01年から監督を引き継いだ。

高校は、加須市花崎江橋にある。東武伊勢崎線「花崎駅」下車徒歩10分。学校法人「佐藤栄学園」が運営し、普通科と食育実践科を併設する男女共学の私立高。生徒数約1800人。

「花咲」の名は、所在地の「花崎」から。「徳栄」は「とくはる」と読むが、「生徒一人ひとりが『徳』を積み、それぞれの『花』を咲かせる」願いが込められているという。

埼玉新聞社は、この優勝を祝って、写真のような表紙の「優勝記念グラフ」を発行した。県内の高校野球関係者やファンにとっていい記念になるだろう。

 


「政活費」公開度 全国ワースト 埼玉県議会

2017年09月17日 17時32分58秒 | 県全般

「政活費」公開度 全国ワースト 埼玉県議会 

「政活費」とは、議員の政務活動費のことである。「政務活動費」とは、議員報酬とは別に、地方議員の政策立案を支援する経費として、それぞれの自治体が都道府県議と市区町村議を対象に支給する公費だ。

本来、議員の調査・研究のためだけに支給される補助金なのに、領収書が公開されていないことが多く、その使途があいまいで不正が多いことから、全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)では、不当な行為を監視し、これを是正することを目的とし、その情報公開を求めて活動を進めている。

この連絡会議は17年9月1日、今年度の「政務活動費 情報公開度ランキング」を発表した。その結果、全国47都道府県のなかで埼玉県議会(定数93人 月額50万円)は最下位であることが分かった。県議会の透明度が全国最悪であることが明らかになったわけである。

ランキングは、6月1日時点の状況を全都道府県、20の政令指定都市、48の中核市の計115議会を対象にアンケート調査を実施した。

「住民が議会の情報にアクセスしやすいか」を知るために、領収書などのネット公開の有無、支払先の個人名の公開の有無、閲覧時の情報公開請求の要不要など12項目を100点満点で評価した。

 その結果、全国平均は39・8点なのに埼玉県議会は計11点で最下位だった。(写真は東京新聞埼玉版から)

全ての資料がネットで公開されておらず、会計帳簿の提出や活動報告書の作成が義務づけられていないことなどで、「ゼロ」がずらりと並んだ。領収書の閲覧にも、情報公開請求が必要な県が埼玉と神奈川だけだった点も最下位の一因となった。

オンブズマンは「議会内での議論は『どこまで情報を公開しなくてもいいのか』という後ろ向きの視点でなされ、『公開しなくてもいい部分』や『制度の裏』で不正が繰り返される」と指摘した。

その上で「こうした悪循環は、埼玉県議会で政活費の不正が取り沙汰されていることからも裏づけられる」と批判している。さらに、「埼玉は透明化が遅れているから不祥事につながったと言わざるをえない」として、資料の早急なネット公開などを求めている。

 政令指定都市と中核市も同じ採点方法でランク付けされた。政令市のさいたま市は22点で14位、中核市の越谷市は7点と県同様48市中最下位で、県ぐるみで情報公開が進んでいないとされた。

 県では17年7月、政活費の不正受給が発覚した県議が辞職したほか、8月末には、さいたま地裁が知事に対し、約900万円の支出の返還を求める判決を出したばかりなのは記憶に新しい。

一方、「号泣県議」が全国の注目を集めた兵庫や不正受給が相次いだ富山など、不祥事の発覚で改善を迫られた県議会は、兵庫が97点で1位、富山が92点で2位と上位に並んだ。このため埼玉県や県議会の対応が注目されていた。

 ところが、平成23~25年度に県議会2会派の政務活動費に不適切な支出があったとして、市民団体「狭山市民オンブズマン」の男性が県を相手取り、2会派に計約2000万円を返還させるよう求めていた裁判で、さいたま地裁が約970円を返還させるよう上田清司知事に命じた判決について、知事は9月13日、地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。

県は事前に、各会派から意見を聞いたうえで控訴を判断したという。政務活動費に費やされる県税は年5億円超に上る。