ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

埼玉ポーズ

2015年12月10日 15時40分18秒 | 県全般
埼玉ポーズ

15年12月初め、NHKテレビの夕方のニュースを見ていたら、「埼玉ポーズ」という独特のポーズが若い人の間ではやっているという。
(写真はグーグル画像から)

ネットで調べてみると、ほとんどのテレビでも紹介され、朝日新聞のデジタルニュースにも出ており、知らぬは仏さまばかりだったようだ。

「両手の人指し指と親指で丸い輪をつくり、手を胸の前でクロスさせて、左足を少し前に出す」という簡単なしぐさである。二つの丸い輪は、埼玉の「玉」、手は県鳥シラコバトの羽をイメージさせるのだという。

確かに県章はまが玉16個を円形に配置したデザインで、県旗は県章を白地に赤く染め抜いたものだ。

「埼玉県名の由来である「幸魂(さきみたま)」の「魂」は、「玉」の意味でもあり、まが玉は埼玉県にゆかりの深いものだ」と、県章の説明にある。

これを仕掛けたのは、上尾市出身の広告プロモーターでクリエーティヴ・ディレクター鷺谷政明さん(35)。14年9月、埼玉県初の情報発信サイトで、埼玉をPRするための動画「そうだ埼玉com」を立ち上げた際、「そうだ埼玉」の歌の振り付けとして初公開した。

県内の40の市の市長さんに呼びかけたところ、21の市長さんが賛同、ポーズをとってくれたという。

動画創作のきっかけになったのは、神奈川県が作っている「恋するフォーチュンクッキー神奈川県ver(版)」だった。

AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」の曲に合わせて、県内の観光地や県の魅力を紹介しながら知事から県職員、県民まで約1500人が集団で踊りまくるもので、You Tubeで公開4日目で400万回以上再生されたという人気動画である。

この曲は、13年夏に発売され、人気を呼んだ。曲は選抜高校野球大会の入場式に使われた。振り付けがシンプルで覚えやすいので、まず企業がPRに使用し始め、地方公共団体でも佐賀県、鳥取県などが取り入れて、話題を呼んでいた。

県内の市町村でも取り入れたところがいくつかあるようだ。

一見、お金のサインにも見えるこのポーズ、どれくらい埼玉のPRに貢献してくれるかな。

小林もみじ園 川口市安行

2015年12月04日 17時21分16秒 | 盆栽・桜・花・木・緑・動物



「植木の安行」として知られる川口市の安行の中でも、「小林もみじ園」は特異な存在である。

「東京外環自動車道」の南沿いの安行領家にあり、すぐ近くに「県花と緑の振興センター」、「興禅院」がある。

国内でも数少ないもみじ専門の植木屋で、販売が専門ながら、シーズンには観光客が続々訪れる。“もみじの植物園”といった感じだ。

なにしろ3000坪の敷地に原種、園芸品種合わせて400種類もあるのだから。

15年12月1日に久しぶりに訪ねてみると、園主の小林和治さんが「暖冬で今年はメチャメチャ。冷え込みが必要なのに、冷え込んだのは最近の数日だけ。払い落としたいぐらいだ」とぼやいていた。

いつもの年ならシーズンは11月から12月中旬ごろまで。この季節には、赤を中心に各種のもみじの葉が鮮やかに輝いているはずなのに、早くも枯葉に変わり、落葉寸前の状態だった。

「紅葉狩り」というより、イブ・モンタンのシャンソン「枯葉」を口ずさみたくなるような雰囲気だ。「もみじまつり」ののぼりが可愛そうなくらいだった。(写真)

3日の朝日新聞の「天声人語」にはたまたま、「最低気温が8度以下になると色づき始め、5,6度で一気に進む」と書いてあった。

「10度くらいで2週間から20日冷えないと紅葉しない」と書いてあるものもある。

新聞に、「暖冬で冬物の売れ行きが悪く、百貨店の売れ行きが落ち込んでいる」と書いてあったのを思い出し、初めて暖冬を実感した。

「もみじにも色々あるものだ」と、その奥深さを知ったのは、数年前このもみじ園に来たときだった。

木の葉が色づくのは、葉の老化作用で、紅葉は緑色のクロロフィルが分解して赤色のアントシアニンが増えるため。黄葉は黄色のカロチノイドが増えるためだ。褐葉もあるが、タンニン状の物質などが目立ってくるかららしい。

紅、黄、褐葉は、木の葉の色の違いである。葉の形状が、イロハモミジのように切れ込みが深く人の手に似たものはモミジ、トウカエデのようにカエルの手のように切れ込みが浅いのはカエデという分け方もある。

紅葉で切れ込みが深い代表がイロハモミジである。

モミジはカエデの仲間も含めて総称として使われていることが多い。だが面白いのは、植物分類学上ではモミジという科も属もないことである。正式には「カエデ科カエデ属」だ。

だが、園芸や盆栽の世界では、「葉の切れ込みが多く、深いもの」はモミジ(紅葉)、「切れ込みの浅いもの」はカエデ(楓)と明確に区別されているから、まぎらわしい。

モミジは高木になるが、木の形状から「シダレモミジ」もあるらしい。

尾瀬ヶ原で有名な、草や低木の葉の色が変わる「草紅葉」もある。

盲点になっているのは、ゴールデンウイークとその前後の「春紅葉」である。美しさは「秋紅葉」にひけをとらないという。

今度の「紅葉狩り」は、秋ではなく「春紅葉」の季節に来てみよう。