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こちらはCDのみ↓
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しばらく坂本龍一から遠ざかっていたのだが、先日入手した「ユリイカ」の特集号をよみ再び興味が沸き、最新アルバムを購入。
で、さっそく聴いてみましたが、これが予想外によい!
というか、あまり期待はしていなかったのですよ。
『音楽図鑑』『未来派野郎』『エスペラント』あたりまでは聴いていたのですが、そのあと若干ブランクがありつつ、『Beauty』を聴いてみたら、どうも今ひとつのれず・・・あのワールドミュージック的コラージュが、もはや古くさく感じてしまったのですね。そういう方法論ならすでに細野さんのクラウン時代に消化されてしまっているだろう、と。
これなら『音楽図鑑』のほうがよっぽど無国籍/ノージャンルだと。
というわけで、ちょこちょこと耳にしつつも避けていた坂本君。
しかしこの『out of noise』はよいですね。
形式や構造から自由であろうとしてきた音楽家の一つの試みは、しかし意外なほど音楽的で、使われているノイズもアンチ楽音という意味合いさえも与えられずに、音として屹立することの「無」を感じさせる。
またピアノによる楽曲は意外なほど坂本色を否定せず、また古楽器(ヴィオール系)による楽曲はルネサンスやあるいはアルヴォ・ペルトかマイケル・ナイマンを思わせる静謐な趣で、モノトーンで統一されているようで、実は多彩に響く音世界でした。
アーティストが参加して北極圏の様子を船で観に行くというツアーがあるそうですが、それに参加した経験が反映しているのと、そこで採取してきた音が使われているそうです。
長い音楽生活の果てに、なにやらようやくいい意味で無私な作品にたどり着いたという感のある作品でした。
CDというパッケージでの音楽流通に対して否定的な発言もあった教授ですが、本作ではカーボンオフセットCDというシステムによる流通を考えたようです。パッケージの魅力というものを捨てきれないワタシのような人間には、よろこばしいスタイルです。
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↓自伝本も読みたいです。
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↑なにとぞぼちっとオネガイします。