Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

ピーター・ジャクソン「ロード・オブ・ザ・リング」3部作

2007-01-23 04:53:41 | cinema
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2001/2002/2003アメリカ/ニュージーランド
監督:ピーター・ジャクソン
原作:J・R・R・トールキン
音楽:ハワード・ショア
出演:イライジャ・ウッド(フロド・バギンズ)イアン・マッケラン(ガンダルフ)リヴ・タイラー(アルウェン)ヴィゴ・モーテンセン(アラゴルン)ショーン・アスティン(サム)ケイト・ブランシェット(ガラドリエル)オーランド・ブルーム(レゴラス)クリストファー・リー(サルマン)ミランダ・オットー(エオウィン)ブラッド・ドゥーリフ(蛇の舌(グリマ))アンディ・サーキス(ゴラム(スメアゴル))イアン・ホルム(ビルボ・バギンズ)


友人がDVDを貸してくれたので鑑賞。

以前レンタルで家族が借りてきたんだけれどそのときは、1作目の2枚組DVDの2枚目からみていたにも関わらずそのことに気が付かず(笑)

いや、長い長い。
1作4時間はあるエクステンデッド・エディション。
しかも3作全部観ないと話が見えないし、解決もないからな。
3週間かけてやっと見終わった。
これで特典映像まで見てたら時間がいくらあっても足らん。
でもみちゃおかな。

***

「中つ国」という世界が舞台。
闇の冥王サウロンは世界を支配する力のある指輪をつくり、悪の力で人間とエルフを支配しようとするが、人間の勇者が指輪を奪い取り、世界を救う。
それから数千年が経ち、指輪はホビット族のビルボから甥のフロドの手にわたる。
フロドは9人の仲間とともに、邪悪な指輪を葬るべく滅びの山めざして旅にでる。指輪を取り戻そうと冥王サウロンと魔法使いサルマンは手を結び、悪の国モルドールを配下にフロドたちの行く手を阻む。フロドたちの熾烈な旅と、世界を二分するモルドールvs人間+エルフの壮絶な戦いが描かれる・・・・


ってなわけで、う~ん、ファンタジーだなあ。
トールキンは、神話の残らなかったイングランドに新たな神話を打ち立てようという、ものすごく誇大妄想的動機でこの物語の世界体系を考え出したというから、なんだかすごい。エルフ語とかの言語体系まで考案しているし、こういう徹底した「文明の捏造」は嫌いじゃない。

でも。捏造した文明を図式的に説明されるのは嫌いなんだよな(笑)
なので、1作目の冒頭の設定説明シークエンスを観ている間は、学校で授業を受けているみたいで疲れたよ。いきなりファンタジーの世界にぽんと放り込まれるのが好きだな~目眩するけど。

1作目はその説明と、旅の端緒がRPG風に展開しておしまい。ずっとスーパーマリオやってるような気分だった。特に坑道のとこなんか。
(というかゲームのほうがこの手の物語の構造をパクってるわけだけど、恐ろしいかなゲーム後のこの世では、物語のほうがゲームに似ているように思えてしまうんだなあ・・・)

2作目でやっと本当の旅が始まるといった趣き。9人は3班くらいにわかれちゃって、それぞれで冒険がはじまる。この辺のパラレルな感じは、ひとによっては散漫に思えるのかもしれないが、わたしは退屈しなくてよかった。

3作目はゴラムの出自と葛藤が描かれるのがよい。冒頭いきなり虫がうねうねから始まる一連の、子供に見せらんない一線上をさまようグロテスクな表現は非常にツボ。ここでゴラムに深みがあたえられるので、クライマックスでのゴラムの関わりもなんとなく納得できるわけで、よく考えられた脚本であるわ。
アカデミー賞総ナメしたのもこの3作目。大群衆の戦闘シーンとかいったいどうやって撮ったの?的シーン満載で、確かにすごい作品ではある。

***

この映画、いろんなテーマが盛り込まれているけど、やっぱりメインは、フロドの「使命を課せられた者の思い」じゃないかしら。強い使命感とそのうらはらである望郷の念。「思えば遠くへきたもんだ~」的振り返りは、人間誰しもが感じる思いじゃないでしょか?荒地でふるさとシャイアを思うフロドとサムの姿をみて、ああ、自分も、こんなだいそれた使命じゃないけど、おなじく課せられたもののある身だなあと感情移入できるわけで。

そういう観点でいくと、現代性を持つ物語、というのもよくわかる。
でも神話としてはわかりやすすぎるのかも。

神話らしいと思うのは、死すべき運命にある人間と不死の存在エルフとの愛の物語かな。エルフが人間への愛情を選択し不死の生を捨てるというのは究極の自己犠牲なんだろうけど、そういう現代的解釈以上に神話的な謎の匂いがする。
いいなあ。

**

・個人的にはゴラム/スメアゴルのアンディ・サーキスと、グリマのブラッド・ドゥーリフがよかったな。存在自体気味悪いってのはこの二人だけだったと思う。
スメアゴルがゴラムになっていく過程は、幼児期にみたらトラウマになるかも。

・フロドの伯父さんのビルボは「エイリアン」のアッシュだった。
「エイリアン4」のブラッド・ドゥーリフもいつもの怪演で、エイリアン繋がり。
ドゥーリフといえば「エクソシスト3」だけれど、その手の大御所といえばクリストファー・リーもいるわけで、意味なくわくわくする。

・ニュージーランドロケということで、あの雄大な自然がまだこの世に残っていることにほっとする。けど、そういう自然さえ脅かしている現代文明のヤバさも身にしみた。

**

やっぱり原作を読んでみようかなあ。こういう気運でもないときっと一生読まないからな~少年少女時代にこの作品に没入出来た人は幸せかも。


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