Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

リチャード・リンクレイター「スキャナー・ダークリー」(やっちまった)

2007-01-05 06:03:37 | cinema
スキャナー・ダークリーオフィシャルサイト

【追記:後にリベンジした記事はこちら


満を持して観た、P.K.ディック原作「スキャナー・ダークリー」
入場整理番号も一桁台をゲットし、パンフを上映前に買って、しっかり席を確保。
いよいよこのときがきた~~っ
と意気込んだが、くっそぉ~~中盤から、す・睡魔がぁっ!!

必死になって画面に集中するが、ブラックアウト。
きっと目を開けたまま眠っていたに違いない^^;
ところどころ断片の記憶が残り、はっと気づくとエンディングロール・・
とほほほ~~;;
エンディングのトム・ヨークを堪能してすごすごと帰って参りましたとさ。

**

つうわけなので、レビュー不可;;
まだ上映中だから復讐戦かぁ?!と思ったけど、DVD出る時までがまんしようかな・・・


前半だけでちょっと思ったことを書いてみると・・

【原作に忠実】
監督がインタビューで語っていたように、かなり原作に忠実につくってありました。なので、どのシーンもなんだか強烈なデジャヴの連続のようで、変な気分でした。
自転車のギアのエピソードなんか、映画的にはかな~り地味だけどちゃんと入っていたし。
原作自体、ディックの作品群のなかではやや特異な位置にあると思うので、これぞディック!という薦め方は違うのでしょうが、小説の神髄をつたえるという点では(おそらく)いい出来なのでは?

【アニメ化】
ロトスコープによるアニメ映像なんだけど、ほとんど実写の世界に近く、アニメ化の理由がいまひとつわかりませんでした。
たぶん、スクランブルスーツの映像化と、冒頭の虫があるからなんでしょうけど、できれば実写で観たい~という欲求不満のようなものを感じました。
それはそれでできるよね?
とくにウィノナ・ライダーのお顔を拝みたかったな。

【スクランブルスーツ】
で、そのスクランブルスーツなんだけど、ディック界(ってなんじゃそりゃ?)では有名な話で、ディック本人の、大量の絵画が恐ろしいスピードで入れ替わり現れるという幻視の体験から思い付いたアイディアだとのこと。
で、原作読むと、150万の人間の人相をランダムにものすごい早さで投影しることによって、人物の人相が、特徴を持たないものになる、ということなのだ。
人相が「おぼろげ」で、思い出したくても思い出すことが出来ないというわけで、おそらくはタイトルの「ダークリー」もここを意志してる。

でまあ、なにがいいたいかというと、映画での表現は、原作とはちょっと違うと思うんだな。映画ではゆっくりといろいろな人相が投影されるので、いろいろな人間に見える、と言う感じ。肝心の「おぼろげ」な「無」人相という表現ではなかった。
ここは大いに不満である。ディックらしい小道具の味を損ねていると思う。
これを実現するためにアニメにこだわったとするならそれは失敗、かえって実写で工夫した方がよりディック的スクランブルスーツが出来たんじゃないかと思うな。

【ビートルズ?】
小説は77年に発表されたので、これはその頃の近未来が舞台。
映画は今から7年後の近未来。
なんだけど、劇中で、「ビートルズの歌詞みたいに窓から入ってくるってか?」みたいなセリフがあってね。
原作に忠実なんだけど、リアリズム的にはどうなんでしょね。まあ2010年代にもビートルズファンはいるでしょうけど、21世紀のジャンキーがビートルズ聴くかなぁ???(しかもアビーロードのBサイド(ってBサイドという概念がね~よもう^^;))

こんなとこにしておこう。

ああっくやしいなやっぱり!観にいっちゃおうかなっ!!

↓原作本3種
スキャナー・ダークリー

早川書房

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暗闇のスキャナー

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暗闇のスキャナー (1980年)

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コメント (16)
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