この山を「ぶなざわやま」とは、なかなか読めない。
名前の通りの、ブナの山を想像して出掛けてみた。
朝からどんより曇り。天気予報では、昼過ぎから雨とのこと。
なるべく昼前までに下山しようと、朝6時には小立岩の集落を出発。
「なだれ注意」の看板が、見慣れたせいか景色の一部となってしまう。
40分ほど林道を歩く。
林道歩きが終わり、取り付けそうな尾根を探して、沢に入る。
数少ないスノーブリッジは、獣達の足跡でいっぱいだ。
彼らにとっても貴重な「橋」なんだな。自分も利用させてもらった。
すると上流に、昨日のものと思われる全層雪崩の跡が。
デブリですっかり沢は埋められていた。
こわいこわい…
取り付けそうな斜面がなかなか見つからない。
しまりの無いざら目の急斜面を、どうにかこうにか枝尾根に取り付く。
950m付近から、若いブナの一斉林となった。
1,285mのピークから、ようやく目指す山毛欅沢山が見えてきた。
1,300m付近の平らな主尾根に出ると、立派なブナの森となってきた。
山の名前にふさわしい、気持ちの良いブナ林がずっと続く。
いました、「ゆきむし」セッケイカワゲラ!
ほんといつも思う。こいつ等はいったい何処から来ているのか?
もし沢だとしたら、途方もない距離と高低差…。不思議だ~
そして、雪の中歩って寒くねえのかなあ…って。
1,490mの尾根に出ると、山頂は目前。山頂まで雪庇が張り出している。
向こうには、ガスに見え隠れした大戸沢岳や三岩岳が。
歩き出して4時間20分。ようやく山頂へ。
山頂から桧枝岐方面を見る。山また山。
山深いな~
元来た尾根をいよいよ滑降。
しっとり湿雪に、しまりの無いざら目雪。
一気に尾根から沢へと降りる。
沢には、今まで見たことも無いカツラの巨木が。
これはデケ~!
思わず、頭を垂れ山行の安全をお願いしました。
何か視線を感じると…
居ました、「倉っぽ」カモシカ でした。雪崩斜面を横切っていました。
林道に戻り、ほっとして集落まで戻ろうとすると、
あれ、こんなんだっけ?
なんと、全層雪崩で林道がすっかり埋まっていた。
しかも、手もまわせない程の大きなブロック…。これに巻き込まれていたらと、ぞっとする。
今朝の「なだれ注意」の看板は、こういう事だったのか…。
山に入る皆さん、この時期、全層雪崩にも十分注意してください!
こわいこわい…