南会津流半農半スキー 和泉屋AK.T

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12月11日 奥日光 刈込湖・切込湖

2021-12-12 19:17:28 | 

毎年この時期恒例となった、群馬たんばらスキー場での初滑り会。今年もいつものメンバーで楽しんで来ました!

TさんAさんいつもお世話になりありがとうございます。WさんFさん毎年滑っていただきありがとうございます。

これでやっとスノーシーズンのスイッチが入りましたよ。

たんばらといえば、やっぱりこの景色。霞の向こうに浅間山が浮かんでいます。

この日は富士山も見えていました。

さて、その群馬初滑りには必ずこの奥日光を通過します。南会津では味わえない、火山が作り上げた独特な景観。

そして単純に太平洋側・日本海側とも分け難い独特な植生景観…。いつかゆっくり味わいたいと思っていました。

ついに今回、初滑り会メンバーのFさんと奥日光火山群の一つである三岳(みつだけ)山麓を巡る自然歩道を歩いてきました。

湯元温泉の源泉湿地から入山です。

源泉地帯では、そこいら辺の水溜まり?お湯溜まりから温泉がポコポコと湧いています。

登り出して直ぐ国道120号を横切り、三岳の裾野の森をトラバース気味に登っていきます。

 

森に入りすぐに目についたのが、カラマツの巨木。福島県のカラマツといえば、ほぼ人工林の生え揃ったカラマツ林だが、ここ奥日光ではカラマツの天然林が見られるのだ。ずんぐりむっくりな木姿にはカラマツらしからぬ野性味で圧倒される…。

溶岩の岩屋がある小峠から、道は少しの登りのあと刈込湖に向けて一気に下ることになります。

下りのすってんころりに備え、ここから軽アイゼンを装着。

森はコメツガ、トウヒ、ヒノキアスナロの亜高山性樹林帯へと変わった。トウヒは南会津の山でお目にかけることはほぼ無い。階段の多い滑りそうな道を慎重に下る。

暗い森から一気に視界が開け、刈込湖・切込湖へ。湖面は半分以上が結氷していた。

先行していた若者グループも去り、不気味なくらい静かな空間でしたが…。

湖畔の雪面には小さな木の葉ぐらいの大なな表面霜。こんなでかい表面霜は見たことがない。

休憩を取りながらゆっくりコーヒーを飲んでいると、湖の向こう側の山から「ポワン!ポワン!…」と何やら変な鳴き声のような大きな音が響いてきた。なんだろう?サルかな…、大きな野鳥かな…?そうこうしていると「ポワワワワーン!バキバキっ!」、なんだなんだ、想像もつかない妙な大音響が!

ここには伝説があり、なんでも 日光開山の祖、勝道上人が大蛇を退治して切り込んでこの湖に沈めたとのことが、この湖の名の由来だとか…。

まさか大蛇の骨を切られ、もがき苦しむ音か? あの大きな表面霜は、大蛇のウロコ…? なんだか気味が悪い…。

あまり長居せず去ることに。

徐々に深くなる雪の道を、湖を左下に見ながら涸沼へ向かう。

そこでまた妙な音響が…。分かった! 音の正体はなんと湖面の氷がきしむ音だったのだ!

水面はわずかながら波打ち、そのたわみが氷をしならせ、あるいはひび割れ先ほどの不気味な音を響かせていた…と仮説を立て気持ちを納得させた。

この不気味な雰囲気、伝説、大音響。自然のいたずらっ子な演出には、ほんと参りました。素晴らしい!

黒い森を下っていくと、広い雪原が見えてきました。涸沼です。

字のごとく水が涸れた状態の沼状地形。小さな盆地のようです。ここが一番雪が深く、一時膝上までのラッセルとなりました。

先ほどの湖もこの涸沼も流れ出る沢がありません。まったくのくぼ地・盆地なのです。三岳の噴火で出来た堰き止め湖だと成因は判明しているとはいえ、地形図を眺めていると時々見つける「くぼ地」。なんで地面がくぼむのか?そのくぼ地に無性に行ってみたくなる「隠れくぼ地フェチ」。今日のこのコースは地形図で見ると「くぼ地」だらけなのです!

黙っていた「くぼ地フェチ」のぼくに、文句も言わず同行してくれたFさん、すみません…m(__)m

さて、くぼ地街道から冬季閉鎖の林道と交差する山王峠へ。ここで大好きなくぼ地とはお別れ。

あとは下山口の光徳牧場まで長い下り道です。

コース前半に見られた天然カラマツとは違い、こちらのカラマツの方が見覚えのある林相です。

ほとんど雪のない光徳牧場へ無事に下山しました。全行程5時間半の山行でした。

神秘の湖、刈込湖切込湖!だとか定番売り文句のトレッキングコースですが、ぼくなら「体感!大蛇伝説と神秘のくぼ地!」とでも冠つけて売り込みたいトレッキングコースでした。

いいとこ見つけたなあ…。

2021-22 テレマークスクール&スキーガイド和泉屋AK.T 

コメント (2)
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