南会津流半農半スキー 和泉屋AK.T

夏は南郷トマト農家、冬はテレマークスクール&ガイドの和泉屋AK.T~~
南会津流半農半スキーのブログでーす!

6月19日 今日の畑

2024-06-19 19:04:46 | 里山の暮らし

昨日は久しぶりの本格的な雨が降りました。

5月からずっと雨らしい雨が降らず心配していましたので、恵みの雨となりましたね。

ひとしきり降った雨雲の中から、しっとりした尾白山が姿を現しました。

植え付けを終えた畑では、ひたすら防草シートや通路マットを敷く毎日でした。

やっと畑の体裁も整い、今は誘引や芽欠き作業の毎日なのです。

さーて、畑もひと段落したところでトレーニングと森林浴を兼ねて久しぶりにしっとりした尾白山へ行ってみましょう。

朝のブナ森は実に気持ちがいい!

多雪地帯ブナ林床の代表種、エゾユズリハ。

ただでさえ艶やかな葉が、久しぶりの雨でさらに麗しい!

幽霊のようなギンリョウソウもそろそろ登場です。

さらに奥山へ入るとホオノキの皮が大胆に剝がされていた。よく見ると、白い樹皮が擦られたように黒ずみ、熊の爪痕や毛が着いている。

これは針葉樹でよくあることだが、ホオノキでは初めて見た。尾白山は1,100m付近から上には熊の痕跡が多い。2022年の12月には大きなやつと出くわしたことがある。やっぱりこの山にはでかい熊がいる…。いよいよ今年の冬、この山で熊猟をやろうと決心がついた。

ブナ森を過ぎ、稜線に出る。

麓の南会津古町地区が良く見える。

我が和泉屋トマト農園もよく見えました!

こうして上から見ると、古いビニールと新しいビニールとの違いがよくわかる。この夏の高温対策のヒントになりそうだ。

さらにキツイ登り。

山頂は間近。

向こうには左から大戸沢・三ツ岩・窓明の三峰が見える。

山頂付近にはブルーベリーの仲間、スノキ類も多い。(詳しい樹種は分かりませんでした…)

これらも熟す頃には熊の格好の食べ物になるでしょう。

稜線の灌木地帯に今年も少しだけどヒメサユリが咲いていました!今のところ、ここがヒメサユリの分布南限と言われています。

山形・新潟・福島会津の限られたエリアに自生するこの植物は、多雪急斜面や茅場(人が管理するススキ原などのかやぶき屋根材料の草地。)などの自然または人的管理で維持された草地に好んで生えていました。今となっては雪も少なくなり、人的茅場も維持されなくなったことでヒメサユリの自生地は失われてきました。

この尾白山界隈も昔は(たぶん昭和40年代ごろまで)はかなりの茅場があったことを先輩マタギから聞いています。

さらに今回確認して分かったのは、シカ?の食害が尾白山でもかなり進んでいることです。葉を残して頂部がもぎ取られている株をたくさんみつけました。

気候変動はもとより、このように人間活動の急激な変化によって煽りを食らった生き物の増減をこれほどまで目の当たりにすることは今までなかったでしょう。

都会や地方都市に住んでいれば熱い!豪雨だ!など単なる気候の異常は体験できるでしょうが、じんわり迫る生き物の劇的な変化は僕らのような生き物や雪と携わっている山に住む人間が一番危機感を抱いているのです。これは速すぎる・ヤバいと…。

ま、それでも諦めず今の政治に目を向けながら、自分としてはこの山また山の南会津でトマトを作って、スキーをして、狩猟をして、生き物としての人間の生き方を全うしようと思うのです。

数日前に南郷スキー場と宮床湿原にも行ってきました。

湿原の貴婦人・トキソウ。そしてちょっと盛りを過ぎたワタスゲ。

この宮床湿原界隈。これからのテレマーク・ウロコ板ツアー一押しのエリアでもあります。来シーズンも楽しみですね!

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6月9日 今日の畑

2024-06-09 17:11:34 | トマト

本日、やっとトマトの定植が終わりました~

5月1日から毎日続いたトマト苗の温度と水管理は、今日で解放されました!

苗の温度&水管理はとても繊細なのです。

その日の天候&気温や、苗の生育ステージで朝の水やりの水量を変えなければならない。

今日は90㏄、今日は昨日より少ない80㏄、今日はたくさん100㏄…とか、毎朝空を見上げて、天気図を見て、予想気温みてその日の水量を計量カップで試してからポット苗に一つ一つ水やりするのです。

水が多過ぎると背高わがままボディに。少な過ぎると絞り過ぎの細マッチョに…。

苗つくり半作…、というくらいに苗の段階でトマト作柄の収量前半のカギを握るのですから。

このように我が和泉屋トマト学園では校則厳守・統制された健康優良性格苗を作るのです!

我が家の教育方針とは猛烈正反対ですが…。

今年は外部ファームからここにやって来る前の幼苗期になんらかのストレスがあったためか、花付きが遅かった。

例年より6日遅い育苗卒業となりました。

育苗ハウスを卒業した我がトマト学園の生徒たちは、軽トラ列車に揺られトマト生産工場へ集団就職…てな感じでしょうか。

あとは工場長としての私が、苗一人一人の健康を維持しながら、今後の天候を見極め良質で食味の高いトマト生産にどう采配を振るうかにかかっているのです。汗…。

阪本部長をはじめ、従業員の方たちの力を借りながら定植作業は無事に終了しました。みなさん、ありがとうございました!

ここでまずトマトシーズンの繁忙第一波が終了しました。(あとは猛烈収穫の夏の第二波。晩秋降雪前の一斉片づけ第三波があります。)

わたしもこの7月で52歳となります。歳とはほんとに分かりやすいもので、50代になってからあれれれれ~!というくらい老への変化が分かりやすく訪れました。

まずこの繁忙第一波は膝とプチぎっくり腰に悩まされました。今までは9月にやって来たものが、すでに6月にやってくるのです。

ただこれを単なる外科的に治療するのはどうかと思うので、膝や腰が痛くなる理由を突き止めその改善と予防に努めました。

その一つが、毎朝のストレッチと動かすべき部位・伸ばすべき部位を意識した軽い登山です。

作業の合間をぬって、尾白山の下部をゆっくり上り下り。今日の定植終了までには膝も腰も治りました。

そしてもう一つは、やはりどんなに忙しくてもどんなに働きたくても身体を休めることです。冬場のスキーガイドで身体を作っていても、やはり歳には勝てないことが分かりました。もう若くはないのです!

気づかずに無理するとケガします。遭難します。

これからはこの身体でどうパフォーマンスを維持するか、しっかり休養させるか、が大事なのですね。

5月下旬に植えられたお隣の稲は、

いつの間にか大きくなっていました。

トマト収穫は7月下旬の予定です。それまでハウス内の防草シートやトマト管理が始まって来ます。

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5月22日 今日の畑

2024-05-22 20:22:21 | トマト

今朝の最低気温は6.5℃。日中の最高気温は26℃…。この時期はまだ暑さにも慣れず、しかも気温差が20℃越えはさすがにキツいっす。

さて畑では、トマト苗の定植に向けて急ピッチで準備を進めている。

トマトシーズンには忙しい波が三波ある。その第一波がこの定植までの畑準備なのだ。

いつもなら尾白山を見上げながら、ああ山に行きてーなーなんて思うのだが、今はそんな心と身体の余裕はない。

畑では定植前の支柱立てが真っ最中。

メジャーテープの印に合わせ、きっちり均等に刺していく。

全20棟、合計5,400本。この時期、上半身は年甲斐になくムキムキになる。

この忙しい時期に合わせ、今年も東京から頼もしい助っ人がやって来てくれた。そうトマト応援隊リーダーの阪本部長だ。

東武鉄道や路線バスを乗り継ぎ自ら畑にやって来て、気になっていたハウス内のスギナ刈りを率先して取り組んでいる。

阪本部長は、我が和泉屋トマト農園の敏腕営業販売部長なのだ。南会津のような首都圏消費地から離れた産地では、生産者と消費者のつながりが薄いのが現状。しかしそういった難所に橋渡しをしてくれたのが彼女である。もともと冬季のテレマークスキーのゲストであったのだが、このように夏に畑にやって来てはトマトの生育具合や味を確かめ、和泉屋トマトファンを増やしていってくれた。そしていつしか彼女のお陰で和泉屋トマトファンが遠く首都圏から収穫や草取りの手伝いにやって来てくれるまでになったのだ。

植物学、肥料学、土壌学、気象学、数学、経営学、そして体力。総合力が試される。農業は究極のものづくりだ。

形だけでなく味も評価される。いや、むしろ味が優先して評価される。このように消費者と直接意見を交わせるのがまたトマト作りの励みになっている。

(ちなみに「和泉屋トマト」は南郷トマトの跳ねだしトマト(規格外品)でーす。)

(数年前の地元紙福島民報より)

毎朝の水管理には気を遣う。今のトマト苗はまだ8葉苗。あと10日で定植かなあ…。

その前に身体が悲鳴をあげ始めました…泣。

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5月10日 今日の畑

2024-05-10 20:36:26 | トマト

今朝は冷えましたね~。朝一の畑には真っ白に霜が降りてました。

タンクの上には真っ白なとげとげしい霜が。

今朝の畑の最低気温はー1.1℃でした。

みてください、このイタドリ雑草のしおれ具合。これは今朝の低温による凍害なのです。

こんな厄介な雑草イタドリでさえ萎えてしまうほどの冷え込み!肝心なトマトは…?

ご安心ください。当産地は山間高冷地。毎年この時期の遅霜は慣れたもの。

各農家がそれぞれ工夫しますが、うちでは翌朝の予想気温が3℃以下になる時は、厚手のホットンカバーの上にさらにビニールを掛けます。

今朝の外気温がー1℃で、日中の外気温は22℃になりました。一日の気温差が23℃って、それは人間もこたえますよ。

さらにこの時期厄介なのが慣れてない高温です。明日の最高気温予想が27℃。ハウス内は35℃以上は必至です。

これではトマト苗もガオってしまいます。15日以降も高温が予想されています。

そこで今日は育苗ハウスの屋根ビニールに高温対策を施しました。

トマト苗の管理は「苗つくり半作」というくらい、シーズン収穫の半分を左右するくらい育苗は重要なのです。

さて育苗のかたわら、畑では植え付けのための準備が着々と進められています。

本格的な水管理もこれから始まります…。

先日、南会津マウンテンブルーイング(代表関根タケちゃん)の新工場がお披露目されました。

さっそくトマト仲間たちと祝杯に行ってきましたよ。

山間地の小さな町で、仲間たちとトマトの話をしながら山の話をしながらクラフトビールが飲める…。

最高じゃないですか!

我々のトマトもこれからクラフトビール「トマトセゾン」に生まれ変わるのです。

南会津マウンテンブルーイングの今後の発展を祈りつつ、我々も頑張っておいしい南郷トマト産地を維持していこうと心新たにしたのでした…。

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5月1日 今日の畑

2024-05-02 20:02:54 | トマト

朝の尾白山には、昨日小雨を降らせた寒気の雲が掛かっていました。

それにしてもこの春は本当に暖かい。昨年の今頃は毎日霜が降りるくらい朝は冷え込んでいましたから…。

この暖かさの反動が、この後にやってくるのかと心配ではあります。

山の緑は日増しに色が濃くなっていきます。

さて、我が農園にもいよいよトマト苗がやって来ました!

土壌病害に強い接ぎ木苗です。一昔前は自分で接ぎ木をしていたのですが、どうも下手くそでして…汗。

今は少々高値ですが接ぎ木完成苗を購入しているのです。

我が家は美味しさを重視した苗を採用しています。

大きな市場ではどうしても見た目が重要視されてしまう昨今ですが、やはり美味しさを二の次にしてはいけない。良いトマトを最終判断するのは生産者の僕らではなく、店頭で購入してくれる消費者のみなさんなのです。

この産地があと50年先も生き残らせるためにも、この山の中でこのトマトを作る意味を忘れないようしたいと思います。

さーて、いよいよ目が離せない苗管理が始まりました。

まずはこの一か月が最初の勝負です。

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