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208万人!「生活保護」の闇を暴く

2012-07-18 22:34:33 | Weblog

         208万人!「生活保護」の闇を暴く  

          なぜ、大阪だけ保護率が突出か  

なぜ、大阪だけ保護率が突出か

生活保護は、インターネット上で、「ナマポ」と呼称され、どうすれば申請が通るかなどの具体的な情報交換が日夜行われている。財政難はさらに厳しくなることが予想されるのに、働きもしないで毎月収入を得ている人間が、この日本に208万7092人(2011年12月現在。厚生労働省調べ)いる。受給者の増加に伴って、不正受給も増えている。10年度の不正受給は全国で2万5355件あり、128億7426万円に達した。

なかでも、全国で最も生活保護受給者が多い町として知られている大阪の状況はひどい。保護率は、大阪府全体で3.36%。全国平均が1.62%だから2倍以上だ。さらに大阪市だけだと5.71%に跳ね上がる。これは指定都市別のランキングで断トツの1位。市では、日雇い労働者の町「あいりん地区」があることや、失業率、離婚率、高齢者の割合が高いことが原因だと分析しているようだが、「大阪は生活保護をもらいやすい」というイメージが先行していることが背景にある。

これまでの大阪府や市の行政が悪いわけではないだろう。近畿、中国、四国等、大阪に近い地方で職を失ったり、過疎化が進んで生活に行き詰まったりした人々が「大阪に行けば何とかなる」と集まってくるのだ。大阪市の調査によると、新規に生活保護を申請した人のうちの1割が、6カ月以内に転入したばかりだった。

あまりに大阪市の生活保護申請が増えるので、「他の自治体が、生活困窮者に大阪行きの片道切符を渡している」という話がささやかれたほどだ。

生活保護をもらう生活は魅力的だ。大阪府内の場合、最低賃金は時給786円。1日8時間ずつ週5日間、4週間働いたとすると、月給は12万5760円となる。一方、国民年金を40年間きちんと払った人に対する月々の支給額は月額6万5741円。

しかし、生活保護の基準額は大阪市のあるケースで、生活扶助7万9530円と住宅扶助4万2000円の計12万1530円に加えて、医療扶助で医療費は無料だ。40年間まじめに働いて、国民年金を納めてきた人の2倍近い額を、まったく働かない人がもらえることになる。こんなオイシイ話はない。勤労者をバカにしているし、財政悪化にもつながる。

ここで、老後の安心を誰でも簡単に手に入れる方法を読者に紹介したい。

その方法とは、定年前になった時点で、会社を辞め、家族と豪遊するというもの。豪遊といっても、限度を超えるぐらいでなくてはいけない。「使う額は、貯金の10分の1ぐらいまでにしておこう」とか、「移動はちょっと豪華だけど、ホテルは安く」などと生半可な使い方ではダメだ。

飛行機はすべてファーストクラス、ホテルは五つ星で、スイートルームがいいだろう。食事も「あれもってこい、これもってこい。高いモノを上から順に出せ」と贅の限りを尽くす必要がある。貯金が底を突いても、まだまだ怯んではいけない。ギャンブルをし、女を抱き、酒に溺れる。住宅を売り、クルマを売り、あらゆる財産を売り飛ばす。さらには、60歳からの年金で返済するとして、借金をして使いまくる。

完全に誰からも相手にされなくなった段階で、近くの市役所に駆け込んで、こう言うのだ。

「生活保護の受給申請をしたい」、と。

そして、財産がなく、借金があること。年金もほとんど返済にあてなければならず、生活が成り立たなくなっていると言えば、簡単に生活保護の受給許可が下りる。今後、医療費も住居費も介護保険料も国家から支給されることになり、老後の不安はすべてなくなる。遊べば遊ぶほど、老後の心配が消えていくという魔法のような錬金術だ。

なぜ、まじめに働くと損をするか

モラルハザードは受給者だけでなく、生活保護福祉を担う業者にも広がっている。受給者の数が多い、そして増加中ということは、生活保護費を搾取しようという貧困ビジネスが成り立つことにつながる。大阪には手続き業者や、受給者専門の簡易宿泊所や病院なども増加中。あまり知られていないかもしれないが、いま、生活保護の患者しか受け入れない病院というのが全国で72もある。90%以上が生活保護の患者、という病院も300以上あるのだ。こうした病院が生活保護の患者を好んで受け入れるのは、100%国が払ってくれるという保証があるためだ。一般の患者との医療費トラブルも多発する中で、生活保護受給者はとりっぱぐれがない、よい患者ということになる。受給者を対象としている限り、病院は確実に儲かる。

さらに悪質な病院になると、通院した受給者の患者数を水増しするなどの診療費の過剰請求を行っているところもある。「生活保護先進地域」の大阪では、病院の手口も進んでいる。診療報酬の規定では、通院よりも訪問診療のほうが高額に設定されているが、大阪市内のとある病院では、月に12回以上も訪問診療が行われたという記録が見つかった。

深刻な医師不足の中で、一人の患者を月に12回も訪問するというのは常識として考えられないが、国の診療報酬基準の上限ぎりぎりの回数だったため、不正請求としての摘発は免れ、高額の診療報酬が病院に支払われてしまった。

こうした不正請求は発覚しにくいため、各自治体の医療扶助費がかさんでいくことになる。大阪市の10年度の医療扶助費は1292億円だった。

医療扶助に関する不正は、病院も儲かるうえに、患者も過剰な医療サービスを受けられて、損するのは行政だけ、という構図だが、生活保護費をむしり取る「貧困ビジネス」というのも横行している。悪徳業者にどんなに搾取されても、労働の対価として得た収入ではないので、周囲からはあまり同情されないのか、対策も進んでいないように見える。

大阪市西成区では、生活保護世帯のための施設が多く存在している(写真と本文は関係ありません)。

ホームレスなどに生活保護を申請させたうえで、あらかじめ悪徳業者が用意したアパートやマンションに入居させて、家賃やさまざまな物品代などで保護費を巻き上げるというパターンだ。実際、こうしたビジネスが絡んだ「簡易宿泊施設」が増加した結果、この数年、ホームレスの数自体は減少しているのだ。敷金・礼金がゼロの物件でも、不動産契約に詳しくないホームレスをだまして、敷金・礼金を巻き上げる。アパートの一室をベニヤ板で仕切っただけのプライバシーが確保されていない部屋でも高額の家賃を徴収する。食費から部屋に用意した布団代まで、悪徳業者たちは、あらゆる名目で月々の生活保護費のほとんどを吸い上げる。

さらに悪質な業者になると亡くなった受給者にまでたかる。実際には行われていない読経料や、高額な死体保存料(ドライアイス代)の不当請求、霊安施設でなく倉庫に遺体を放置していながら葬祭費を取るといった例まで報じられている。

私はこの問題でもっと光をあてるべきなのは、生活保護よりもまじめに働いてきた国民年金生活者が過酷な環境に置かれていることだと思う。60歳になるまでまじめに仕事をしても、国民年金の支給額を考えれば、生活保護世帯よりも生活が苦しいのは自明だ。

「再診料を払えないので、薬を多めに出してほしい」「1日3回飲まなければならない薬を2回しか飲まないようにしている」という事例は全国に頻発している。生活保護のモラルハザードの克服も大事だが、本当の弱者を見失ってはいけない。