◆連合の古賀伸明会長が5月21日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれた読売国際経済懇話会で講演し、このなかで鳩山由紀夫政権の政策について、「マクロ経済や産業構造をどう作りかえるのかという社会像、グランドデザインが希薄だ。個々の具体策の議論だけにはしってしまっている」と述べ、将来展望を示すよう求めたという。読売新聞が22日付け朝刊「2面」(総合面)で本文記事、「3面」(政治面)で講演要旨を伝えた。まさに古賀会長の言う通りである。
◆鳩山首相はじめ各閣僚の発言がぶれて、「迷走政権」と言われる根本原因は、これから日本が目指すべき国家像やビジョンを示していないところにある。国家戦略室(局)は、政権誕生から9か月目に入っても、依然として開店休業状態にある。与党民主党は、参院選挙に向けてマニフェスト(政権公約)づくりに取り組んでいるものの、有権者を釣り上げようと利益誘導を企むのに汲々としていて、国家像やビジョンを示していない。選挙が終れば、財源問題に直面して、当然、実現が危ぶまれる。その果てに、「ウソツキ政権」と厳しい批判にさらされる。そんなことなら、いっそ事細かな公約を掲げるべきではない。
◆国民の大半は、おそらく、この日本丸の行く先を知りたがっているのである。ただただ大海を漂流しているだけでは、不安が募るばかりである。不安は、個々人の精神不安、家庭内不安、社会不安を招き、その果てには、治安不安を惹起する。為政者が最も注意を要するところである。
◆しかし、古賀会長は、間違っている。「我々は『野党の応援団』から変化し、要求型から協議実現型へ変化していく」と力説したようだが、鳩山政権に将来展望を示すよう求めるのではなく、連合自ら「日本の将来展望」を描き、政権に提案すべきではないのか。そのためには、古賀会長が率先して連合の政策マンを率いて、たとえば、スウェーデンやデンマーク、フィンランドなど北欧を訪問して、高度福祉社会の姿、あるいは問題点などを整理して、それを基に日本が目指す国家像やビジョンを提示した方が、早い。自分の選挙や地位の保持、すなわち保身のみに専念している政治家に期待しても無駄である。
◆鳩山首相はじめ各閣僚の発言がぶれて、「迷走政権」と言われる根本原因は、これから日本が目指すべき国家像やビジョンを示していないところにある。国家戦略室(局)は、政権誕生から9か月目に入っても、依然として開店休業状態にある。与党民主党は、参院選挙に向けてマニフェスト(政権公約)づくりに取り組んでいるものの、有権者を釣り上げようと利益誘導を企むのに汲々としていて、国家像やビジョンを示していない。選挙が終れば、財源問題に直面して、当然、実現が危ぶまれる。その果てに、「ウソツキ政権」と厳しい批判にさらされる。そんなことなら、いっそ事細かな公約を掲げるべきではない。
◆国民の大半は、おそらく、この日本丸の行く先を知りたがっているのである。ただただ大海を漂流しているだけでは、不安が募るばかりである。不安は、個々人の精神不安、家庭内不安、社会不安を招き、その果てには、治安不安を惹起する。為政者が最も注意を要するところである。
◆しかし、古賀会長は、間違っている。「我々は『野党の応援団』から変化し、要求型から協議実現型へ変化していく」と力説したようだが、鳩山政権に将来展望を示すよう求めるのではなく、連合自ら「日本の将来展望」を描き、政権に提案すべきではないのか。そのためには、古賀会長が率先して連合の政策マンを率いて、たとえば、スウェーデンやデンマーク、フィンランドなど北欧を訪問して、高度福祉社会の姿、あるいは問題点などを整理して、それを基に日本が目指す国家像やビジョンを提示した方が、早い。自分の選挙や地位の保持、すなわち保身のみに専念している政治家に期待しても無駄である。