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鳩山首相は、沖縄県民の「反米基地感情」に火をつけ、対米交渉に取り組む腹を固めたのだろうか?

2010年05月05日 18時27分40秒 | 政治
◆民主党の川内博史衆院議員(県連会長)が5月5日昼、テレビ朝日系番組「ワイドスクランブル」に出演して、「沖縄が反対することで、国内は無理、国外移設しか無いことを鳩山首相が身を持って示した」と発言した。鳩山由紀夫首相の計算ずくの行動だったという解説である。鳩山首相が4日、沖縄を訪問して発言した内容に激しい非難の声が上がっていることについての解釈である。鳩山首相は、米海兵隊が抑止力にとって必要性を学び、県内移設はやむを得ないと思うに至ったとの趣旨の発言をしていることについて、川内氏は「防衛省やらの官僚に信じ込まされて、思ってもいないことを口にしたのであり、首相の真意は、あくまで国外移設にある」と解説した。これに対して、横に同席していた丸山和也参院議員(弁護士)が「それは買いかぶりすぎる」と批判していた。しかし、丸山氏は怪訝そうな顔つきをしながらも、「沖縄基地を国外に移設させようとするなら、10年単位の長期戦で臨む必要がある」という趣旨のコメントをしていた。確かにその通りである。
◆川内氏の解釈が本当であるなら、鳩山首相は、外務・防衛両省の官僚から連日レクチャー攻勢を受け、その圧力のなかで、官僚たちが止めるのを押し切って沖縄入りし、沖縄県民の「反米基地感情」に火をつけ、本腰を入れて対米交渉に取り組む腹を固めたのだろうか? おそらく普天間基地に限らず「沖縄の基地の国外移設」あるいは、「完全撤去」を求めてアメリカと交渉する覚悟を決めているのかも知れない。当面は、普天間基地の県内移設を沖縄県民に飲んでもらい、沖縄県民による「反対運動」にまで盛り上げ、さらに日本国民全体に「基地問題」についての意識を高め、この世論を背景に、「米軍基地の完全撤去」に向けて、運動を展開して行こうとしているようにも見える。そこまで腹を決めたのであれば、立派なものであり、戦後史を飾る画期的な動きとなり、成功すれば、歴史教科書にその名を留めることができる。そこまで見通しているのであれば、相当の高等戦術である。
◆米オバマ政権は、移設先について「住民の賛成」を条件としているので、普天間基地の移設先については、自民党・公明党連立政権時代に合意していた「辺野古沿岸埋立案」ですらいまや住民の多数が反対していることから、結局は、現在の普天間基地を継続使用し続けざるを得なくなる。沖縄県民の大多数は、米軍に「沖縄から出て行け」と言っているのである。今回の鳩山首相の言動は、沖縄米軍基地問題を国民全体の問題として、世論喚起の大きなキッカケを与えた。惜しむらくは、アメリカをはじめ外国メディアの報道陣を同行取材させて、世界中に発信させるべきであった。
◆さらに米軍海兵隊の機能、役割などについて、陸海空3自衛隊の最高手司令官である鳩山首相がよく知らなかったというのは、実にお粗末な限りではあるけれど、日本国民の多くが、認識と知識不足であることもバレバレであった。アメリカの軍隊が陸海空と海兵隊の4軍で編成されているという基本的な知識すら関心外だったのである。世界最強の海兵隊が最も消耗率の高い危険な任務を与えられて、世界各地に展開しているのかを平和ボケ日本人は、基礎の基礎から学ぶ必要がある。そうでなければ、海兵隊が極東アジア地域で果たしている「抑止力」の意味も理解されない。軍備増強中の中国、暴発の危険が高いテロ国家・北朝鮮に対する「抑止力」を海兵隊は、本当に持っているのか、日本を守っているのかを、少し立ち止まって、しっかりと確かめるべきである。日本国民は、鳩山首相をバカにしている暇はない。
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