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菅直人副総理が「普天間問題に関与していない」とは無責任、これで「ポスト鳩山」とはおこがましい

2010年05月10日 16時50分12秒 | 政治
◆最近、どうも「マニフェスト政治」の弊害が、あまりにも無秩序に出ているようである。マニフェストとは、元来、西欧共産党の「党綱領」のことであった。それを英国労働党がブレア政権樹立を目指して国民に提示する「政策カタログ」、「誓約書」としてリメイクして用いるようになった。「何をいつまでに、どれくらい行うか」、すなわち「いつ(実施時期)」と「予算(目標設定)」「何(具体的な施策)」を盛り込み、実現させることを明文化する。とくに「期限付きマニフェスト」といわれるものは、「何をいつまでに、どれくらい行うか」を具体的な施策、実施期限、数値目標を明示し、同時に事後検証性を担保しなければならない。ということで、単なるビジョンではなく、「政権公約」といわれる所以である。
◆「期限付きマニフェスト」は、100%達成されることは、望ましい。しかし、政治は、経済活動とは違い営業目標や成約目標、あるいは、生産目標、販売目標を達成するようにはいかない。政治的公約は、「コミットメント(必達目標)」にはなり得ず、せいぜい「努力目標」に止まる。だから、100%達成を目指すにしても、一定期間経過後の成果は、「何%
達成」というように「達成度」を示せれば、十分なのである。とりわけ外交交渉のように国家の暴力装置である軍事力や警察力を背景として、威嚇や脅しを伴う場合、交渉成立に期限を区切るのは難しい。そもそも、英国を真似した日本における「期限付きマニフェスト」は、まだ経験が浅く、言うなれば、いまは実験段階にすぎない。
◆にもかかわらず、自民党の谷垣禎一総裁をはじめ、野党政治家、報道をリードするマスコミ、そして一般国民の多くは、民主党の政策が「期限付きマニフェスト」通りに実現されていない部分があるのを取り上げて、「公約違反」「嘘つき」などと口汚く罵っている。沖縄米軍普天間基地移設については、鳩山由紀夫首相の「国外、県外、最低でも県外へ」と発言してきた言葉尻を捉えて、「大嘘つき」と罵倒し、「責任を取って退陣しろ」と追及している。アメリカという軍事超大国を相手に「ああそうですか」と言って国外に移設してくれるはずはない。ここは、粘り強く交渉し続けるしかない。
◆一番無責任なのは、鳩山首相が歴代首相のなかで初めて、「国外、県外、最低でも県外へ」と堅い殻をプチ割ろうとしているのに、マスコミの大半が、この志を無に帰きせようとしていることである。だから、失望感を抱きながら、沖縄県民の大半は、「鳩山首相やめろ」とは言わない。最低なのは、菅直人副総理・財務相である。「普天間移設問題に関与していないから何も発言することはない」とうそぶいている。副総理は、首相を補佐するのが、役目のはずであるのに、責任逃れして、鳩山首相を援護しようともしない。情けないではないか。これでは「ポスト鳩山」とはいかない。おこがましい限りである。かつて、鳩山首相が「菅さんを信用していない」と言っていた意味が、いまさらながらによくわかった。
コメント (1)
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