◆参議院予算委員会が4月7日開かれ、「社会保障などに関する集中審議」が行われた。このなかで、福田政権の命運、ひいては自民・公明連立与党の崩壊から「政権交代」を暗示するような質疑が展開された。それは、15日から75歳以上高齢者の「年金」から「天引き」という形で強制徴収される保険料である。後期高齢者医療制度というややこしい名前がついているので、制度の内容が分かりにくいばかりでなく、高齢者の評判が悪いことから、福田康夫首相自ら、「長寿医療制度」と別称を考えついて普及に努めている制度である。小泉純一郎元首相時代に発案され、強行採決により法制化された。
後期高齢者医療制度という名前のややこしさから、国民の大半が一体どんな制度かを理解しないまま、施行時期が到来し、15日からの実施を前に、市町村から新しい健康保険証が届いて初めて、この制度の恐ろしさを思い知らされた75歳以上の高齢者は少なくない。当初は緩和措置が施されているとはいえ、年金から有無を言わさず天引きされると知って、高齢者の怒りが大爆発している。
◆この怒りは、当然、福田首相や舛添要一厚生労働相に向かう。そして、「小泉が悪い」と言う声とともに、矛先は、与党である自民党と公明党に及んでいる。民主党、社民党、国民新党、そして共産党は、この制度の施行停止から廃止を求めているのだが、次期総選挙の「争点」になれば、福田政権が倒れるだけでは済まされず、自民党・公明党が、枕を並べて惨敗し、野党に転落し、「政権交代」が現実化する可能性が大である。
福田首相は「この制度は高齢者にとって大変よい制度だ」と公言して憚らないけれど、しかし、投票率の高い高齢者に叛旗を翻されては、与党が政権を失う恐れがあることを最も痛感しているからこそ、「長寿医療制度」と美化せざるを得なかったとも言える。
◆これの状況を民主党をはじめ野党側から見ると、総選挙の争点を「長寿医療制度廃止」のただ一点に絞って戦えば、必勝は間違いない。小泉元首相が平成17年8月8日、「郵政民営化」のただ一点を争点にして衆議院を解散し、9月11日の総選挙で自民党大勝をもたらした。小泉元首相は織田信長を尊敬し、加藤廣の歴史小説「信長の棺」を熟読玩味、この小説のなかで書かれた「捨万求一」という言葉に着目して、「郵政民営化の賛否を国民に聞いてみよう」とタンカを切ったのが功を奏したのである。
◆今度は民主党の小沢一郎代表が「捨万求一」、ただ一点に絞り、「長寿医療制度廃止の賛否を国民に聞いてみよう」とタンカを切る番である。したがって、野党は、これ以外の政策論を挑んで争点を拡散しないことが肝要である。争点がボケると与党の思うツボに落ちてしまうからである。いよいよ「政権交代」への夜明けが見えてきた。
板垣英憲マスコミ事務所
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後期高齢者医療制度という名前のややこしさから、国民の大半が一体どんな制度かを理解しないまま、施行時期が到来し、15日からの実施を前に、市町村から新しい健康保険証が届いて初めて、この制度の恐ろしさを思い知らされた75歳以上の高齢者は少なくない。当初は緩和措置が施されているとはいえ、年金から有無を言わさず天引きされると知って、高齢者の怒りが大爆発している。
◆この怒りは、当然、福田首相や舛添要一厚生労働相に向かう。そして、「小泉が悪い」と言う声とともに、矛先は、与党である自民党と公明党に及んでいる。民主党、社民党、国民新党、そして共産党は、この制度の施行停止から廃止を求めているのだが、次期総選挙の「争点」になれば、福田政権が倒れるだけでは済まされず、自民党・公明党が、枕を並べて惨敗し、野党に転落し、「政権交代」が現実化する可能性が大である。
福田首相は「この制度は高齢者にとって大変よい制度だ」と公言して憚らないけれど、しかし、投票率の高い高齢者に叛旗を翻されては、与党が政権を失う恐れがあることを最も痛感しているからこそ、「長寿医療制度」と美化せざるを得なかったとも言える。
◆これの状況を民主党をはじめ野党側から見ると、総選挙の争点を「長寿医療制度廃止」のただ一点に絞って戦えば、必勝は間違いない。小泉元首相が平成17年8月8日、「郵政民営化」のただ一点を争点にして衆議院を解散し、9月11日の総選挙で自民党大勝をもたらした。小泉元首相は織田信長を尊敬し、加藤廣の歴史小説「信長の棺」を熟読玩味、この小説のなかで書かれた「捨万求一」という言葉に着目して、「郵政民営化の賛否を国民に聞いてみよう」とタンカを切ったのが功を奏したのである。
◆今度は民主党の小沢一郎代表が「捨万求一」、ただ一点に絞り、「長寿医療制度廃止の賛否を国民に聞いてみよう」とタンカを切る番である。したがって、野党は、これ以外の政策論を挑んで争点を拡散しないことが肝要である。争点がボケると与党の思うツボに落ちてしまうからである。いよいよ「政権交代」への夜明けが見えてきた。
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