小沢民主党は「捨万求一」、ただ一点「長寿医療制度廃止」を争点に総選挙を戦えば、「政権交代」できる

2008年04月07日 18時51分36秒 | 政治
◆参議院予算委員会が4月7日開かれ、「社会保障などに関する集中審議」が行われた。このなかで、福田政権の命運、ひいては自民・公明連立与党の崩壊から「政権交代」を暗示するような質疑が展開された。それは、15日から75歳以上高齢者の「年金」から「天引き」という形で強制徴収される保険料である。後期高齢者医療制度というややこしい名前がついているので、制度の内容が分かりにくいばかりでなく、高齢者の評判が悪いことから、福田康夫首相自ら、「長寿医療制度」と別称を考えついて普及に努めている制度である。小泉純一郎元首相時代に発案され、強行採決により法制化された。
 後期高齢者医療制度という名前のややこしさから、国民の大半が一体どんな制度かを理解しないまま、施行時期が到来し、15日からの実施を前に、市町村から新しい健康保険証が届いて初めて、この制度の恐ろしさを思い知らされた75歳以上の高齢者は少なくない。当初は緩和措置が施されているとはいえ、年金から有無を言わさず天引きされると知って、高齢者の怒りが大爆発している。
◆この怒りは、当然、福田首相や舛添要一厚生労働相に向かう。そして、「小泉が悪い」と言う声とともに、矛先は、与党である自民党と公明党に及んでいる。民主党、社民党、国民新党、そして共産党は、この制度の施行停止から廃止を求めているのだが、次期総選挙の「争点」になれば、福田政権が倒れるだけでは済まされず、自民党・公明党が、枕を並べて惨敗し、野党に転落し、「政権交代」が現実化する可能性が大である。
 福田首相は「この制度は高齢者にとって大変よい制度だ」と公言して憚らないけれど、しかし、投票率の高い高齢者に叛旗を翻されては、与党が政権を失う恐れがあることを最も痛感しているからこそ、「長寿医療制度」と美化せざるを得なかったとも言える。
◆これの状況を民主党をはじめ野党側から見ると、総選挙の争点を「長寿医療制度廃止」のただ一点に絞って戦えば、必勝は間違いない。小泉元首相が平成17年8月8日、「郵政民営化」のただ一点を争点にして衆議院を解散し、9月11日の総選挙で自民党大勝をもたらした。小泉元首相は織田信長を尊敬し、加藤廣の歴史小説「信長の棺」を熟読玩味、この小説のなかで書かれた「捨万求一」という言葉に着目して、「郵政民営化の賛否を国民に聞いてみよう」とタンカを切ったのが功を奏したのである。
◆今度は民主党の小沢一郎代表が「捨万求一」、ただ一点に絞り、「長寿医療制度廃止の賛否を国民に聞いてみよう」とタンカを切る番である。したがって、野党は、これ以外の政策論を挑んで争点を拡散しないことが肝要である。争点がボケると与党の思うツボに落ちてしまうからである。いよいよ「政権交代」への夜明けが見えてきた。

板垣英憲マスコミ事務所

にほんブログ村 政治ブログへ
ブログランキング

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

靖国神社は戦死者の御霊を祭る神聖な場所であり、映画「靖国」ごときで騒ぐな!

2008年04月05日 19時49分07秒 | 政治
◆今年の桜は、早く咲いて、長持ちして、ゆっくりと散っていきそうである。4月1日夜、JR市ヶ谷駅からお堀端の桜並木を歩き、そのまま靖国神社の境内に入る。満開の桜の木々の下では、花見の宴が終わりつつあった。俄か作りの簡易「飲み屋」さんも店じまいの支度を始めていたけれど、飲み足りない花見客は、椅子から離れがたそうであたった。
帝国陸軍の創立者・大村益次郎の銅像を見上げ、失礼してその台座の下に座り、人肌に温められたワンカップ「大関」を一本500円の鮎の塩焼きにフーフー息を吹きかけながらほうばる。
 桜の木の下では、いまは神と祭られている帝国陸海軍の戦士たちも約束通り集い、戦友たちと旧交を温めているような雰囲気だった。そのなかには、母の兄である伯父も混じっていたに違いない。
◆巷では、映画「靖国 YASUKUNI」の上映をめぐって、「表現の自由を守れ」などとマスコミがワイワイ騒いでいた。映画館の多くが右翼からの妨害を恐れて上映中止を決めていた。
しかし、映画は、映画館で上映できなくても、会場にこだわることはない。戦後しばらく、映画と言えば、小学校の校庭や講堂で鑑賞していたものだ。マスコミ各社は、映画館での上映妨害をいかにも「言論弾圧」でもあるかのように大騒ぎしていて、何とも滑稽な光景である。
◆そんなに騒ぐくらいなら、新聞社が持っている「会館」や「ホール」を上映のために開放し、提供すればよいのにと思ったが、どの新聞社もそんな措置を講じるところがない。これも不思議な話である。そんなに右翼が恐いのだろうか。論説委員たちは、映画館に「勇気を持って上映せよ」と偉そうに論じているけれど、万一被害を受けた場合、責任を持てるのも怪しい。無責任極まる論調である。
◆しかし、「靖国神社」は、戦死者の御霊を祭るまさに神聖な場所である。映画監督がどんな映画をつくろうと、それをだれが鑑賞しようとしまいと知らないが、神聖な場所を汚したり、不敬を働いたり、誹謗中傷したりすることだけは、何人たりとも避けるべきである。それが「礼儀」というものである。アメリカのアーリントン墓地や中国の戦勝記念碑などに無礼を働く者がいたら、アメリカ人や中国人は、怒らないだろうか。
 もし、騒ぎたいのなら、桜の木の下で、戦死者の御霊を感じながら、酒盛りした方が、戦死者への供養になる。
にほんブログ村 政治ブログへ
ブログランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しい才能・佐藤レオさんの映画「ビリン・闘いの村」は、ドキュメンタリーに無限の可能性を予感させる

2008年04月04日 16時47分40秒 | 演劇・映画
◆ドキュメンタリー映画「ビリン・闘いの村―パレスチナの非暴力抵抗」(監督・撮影・編集:佐藤レオ、製作・配給:HAMSAFilms)の試写会(4月3日)に招待され、東京都渋谷区宇田川町37―18 トツネビル2階「アップリンクX」に鑑賞に行ってきました。

私は今年2月22日、大手民放テレビの編集主幹・Tさんと懇談した際、「是非、イスラエル・パレスチナを訪問してみてください。世界観が変わりますよ」と言われていました。Tさんは、かつてロンドン特派員時代、湾岸戦争取材のため、イスラエル・パレスチナにも入り、ユダヤ人とも激論を交わした経験があります。Tさんの言葉が脳裏から離れないなか、試写会の案内を受けたのです。
◆ビリンというのは、パレスチナ暫定自治区・ヨルダン川西岸にある人口1800人の小さな村です。監督の佐藤レオさんが、2006年5月から6月にかけて現地で取材・撮影したドキュメンタリー作品です。イスラエル軍とパレスチナ人との武力闘争が続いているなかで、このビリン村では、若者たちが「非暴力の闘い」を行っているのが特徴です。映画は、わずか「61分」の短編で、ストーリーは、以下のように構成されています。
「パレスチナ暫定自治区・ヨルダン川西岸にあるビリン村では毎週金曜日、イスラエル政府の建設した分離フェンスに対するデモが繰り広げられる。強大な軍事力を持つイスラエル軍に対し、ビリン村の民衆委員会はパレスチナ人、イスラエル人そして外国人の活動家たちを率いて、非暴力を掲げ闘う。
分離フェンスにより生まれているのが経済格差。グリーンラインと分離フェンスの間の土地にはイスラエルの高層マンションが次々に建ち並ぶというのに、パレスチナ側ではヤギを追う生活なのだ。その差たるや、東西ドイツの場合の比ではない。そして、パレスチナ側には水さえも十分に送られない。イスラエル兵による検問や尋問は日常茶飯事に行われ、人々の暮らしに支障をきたしている。あらゆる面で“兵糧攻め”にされた村は、ますます窮地に追い込まれていく。
長く続くが故に、人々の心深くまで侵すこの問題。『解決には、イスラエルへの外からの圧力が必要だ』(イスラエル人ドキュメンタリー作家のシャイ・ポラック)だからこそ若者たちも、非暴力のデモで状況を世界にアピールしようとする。そして、『デモは、カメラがないとデモにならない』(イスラエル人活動家・ヤ―リ)
カメラとはつまり私たちの目であり耳。彼らが闘いを通して伝えてくるメッセージを、まず受け止めなければ―。この作品は、遠く離れたビリン村と私たちの対話の場でもある」
 第二次世界大戦の最中、ユダヤ人は「民族浄化」を掲げたヒトラー率いる第3帝国により約600万人が虐殺されるという酷い目にあいました。いわゆる「ホロコースト」ですところが、いまユダヤ人国家・イスラエルは、パレスチナ人に対して「民族浄化」を進めているというのは、何とも皮肉なことです。中国で生まれた漢字である「正義」の「正」という文字がその成り立ちから、「侵略者である勝者」を意味しているということからすれば、「正義」が、「イスラエル」にあると考える人が少なくないのかも知れません。しかし、「バレスチナ人」が、「不正義」
であるとは、とても考えられないことです。
◆佐藤レオさんは、東京芸術大学美術学部デザイン科を卒業し、CGデザイナー、ノンリニアエディターを経て、映像ディレクションを手がけ、2002年より、見聞を広めるため、タイ、台湾、アメリカ、ヨーロッパ各地、中東など、40カ国以上を歴訪。2004年6月に帰国し、イスラエル/パレスチナで知り合った写真家・八木健次氏と共にドキュメンタリー「THE WALL」を編集、助監督を務めています。2006年にイスラエル/パレスチナを再訪問して、ビリン村を取材して製作したのが、初監督作品「ビリン村・闘いの村」です。
近年、テレビでも映画でも、社会派はもとより国際派の「告発型」のドキュメンタリー作品が少なくなっています。イスラエル/パレスチナ問題では、エンドレスな「武力攻撃とテロの応酬」が報道されていますが、この激闘のなかで「非暴力闘争」が生まれているのは特筆すべきであり、日本の若者の多くが、政治的「無関心層」「無関係層」と言われているなかで、この新しい動きに心を動かされた佐藤レオさんの感性には、感服させられます。ユダヤ人国家・イスラエルに対する抗議デモに飛び込み、イスラエル兵が発射する催涙ガス弾を浴びながら危険をも顧みず、カメラを向け続けるのは、大変勇気のいることです。佐藤レオさんは、次のようにコメントしています。
「イスラエル政府は、国際社会が決めたグリーンラインを無視し、パレスチナに与えられたはずの西岸の土地に120以上の入植地を建設し、主な入植地を分離壁・フェンスでさらに囲み、チェックポイントを設けてパレスチナ人たちの行動を制限しています。この政策は、国際司法裁判所から停止勧告を受けています。そういった見えにくい土地収奪、水資源の確保などが民族浄化の一手段として継続的に行われており、そういった日常が、パレスチナ人の困難をさらに難しいものとしているということを、この映像を通して広く理解されるきっかけになればと思います」
◆ビデオ・カメラの発達など取材のための機器が、ますます小型化し携行しやすくなってきているという、まさに「映像技術の進歩」は、ドキュメンタリー作品をよりつくりやすくしています。佐藤レオさんは、この映像機器の発達によるメリットをいかんな活用し、単なる映像文化の世界に止まらず、ドキュメンタリー手法を通して「国際報道」にさらに新境地を切り拓いていくのではないかと楽しみです。
佐藤レオさんは、カンヌ映画祭で「新人賞」と「グランプリ」を受賞した女流監督・川瀬直美さんに続く、無限の可能性を予感させてくれています。この若くて新しい才能の登場に期待したい。なお、この映画は、「2008年初夏」、アップリンクXで公開されます。


にほんブログ村 政治ブログへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「チャ―リー・ウィルソンズ・ウォー」は、日本のマスコミに出ない国際政治・軍事の裏話が満載!

2008年04月03日 10時56分32秒 | 演劇・映画
◆アメリカ映画「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(CHARLIE WILSON'S WAR)の試写会(4月1日)に招待され、東京都千代田区一番町18川喜多ビル一階にある東宝東和の試写会室で鑑賞させていただきました。

「チャーリー・ウィルソン」というのは、アメリカ下院議員を務めた実在の政治家(テキサス州第2選挙区選出、国防歳出小委員会委員)で、現在も健在だそうです。
 プログラムには、「トム・ハンクス主演最新作―たったひとりで世界を変えた、お気楽議員の『破天荒』な物語」と銘打ってあり、これだけでもドキドキさせられます。
 「たったひとりで世界を変えた」とは、一体何だったなのか。まず、チャーリー・ウィルソンは、国際的に知名度の高い政治家ではありません。この人が、歴史に残る大偉業を成し遂げたというところに、この物語(映画)のミソです。
 「歴史に残る大偉業」とは、米ソ東西冷戦下、アメリカのカーター政権はソ連軍に侵略されたアフガニスタンの反乱軍への武器供与という娃秘密作戦をCIAとともに行い、ソ連軍に大打撃を与えて、撤退させるのに成功したということです。アフガニスタンの民衆を苦しみから解放しようと「ちょっとした良心」から動き出し、この秘密作戦に必要な軍資金を調達したのが、チャーリー・ウィルソンだったのです。
◆ソ連軍がアフガニスタンに突如侵攻したのは、1979年12月27日のことでした。アフガニスタンは、アレキサンダー大王の時代からアジアとヨーロッパを結ぶ「文明の十字路」と言われる交通の要衝でした。ソ連はアフリカの資源を獲得する野望を抱き、「アフガニスタン―アラビア半島―アフリカ」につながる「回廊」をつくろうとしていました。
 ソ連軍がアフガニスタンに侵攻したころ、私は、毎日新聞政治部記者として大平正芳首相を担当し、かつ文部省の記者クラブにいて、「モスクワ・オリンピック」についても取材していました。「オリンピック」は、文部省の所管事項です。
 ソ連は世界から批判され、各国が「モスクワ・オリンピック」をボイコットする動きをしていました。結局、日本政府と日本オリンピック委員会は1980年4月25日、ソ連軍のアフガニスタン侵攻に抗議して「モスクワ大会不参加」の最終見解を発表しました。
 アフガニスタン反乱軍の猛反撃を受け、人的物的に甚大な被害を被ったソ連軍は、ついに1989年2月15日、アフガニスタン撤退を完了しています。
◆映画「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」は、この間にチャーリー・ウィルソンが、CIAの秘密作戦の推進役として果たしたその奮闘ぶりを描いているのです。原作は、1976年にCBSに入社してジャーナリストとして活躍したジョージ・クライル(2006年3月15日、すい臓がんで死去)という人です。ソ連にも情報源を持つ辣腕の国際ジャーナリストで、豊富な情報で構成したノンフィクション作品「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」は、ベストセラーになったそうです。2001年の「9.11事件」以来、「オサマ・ビンラディンや戦闘的イスラム教徒の世界を内側から情報提供した」というのですから、同世代の私の目から見ても、物凄いジャーナリストです。他界されていると知り、惜しい人物を失ったと残念でなりません。
 この映画は、チャーリー・ウィルソンが、ソ連軍撤退後にアフガニスタンの復興、とくに子どもたちのために学校づくりの支援をすべきだと国防歳出小委員会の同僚議員ら説得したにもかかわらず、理解されず、アメリカ政府は、アフガニスタンを見捨ててしまい、チャーリー・ウィルソンが、「最後にしくじった」という言葉を残しところで終わっています。
アフガニスタンは、以後、10年にわたり部族間の勢力争いという死闘が繰り広げられ、パキスタンに逃げた難民の子どもたちのなかから、「タリバン」が生まれ、タリバンと結びついたオサマ・ビンラディンが、「ユダヤ人とキリスト教徒ョを皆殺しに」という宗教命令「ファツ-」を発令し、それが「9.11事件」を引き起こす引き金になったことを思えば、チャーリー・ウィルソンが、「最後にしくじった」という言葉は、アメリカ政府の外交・軍事政策の失敗を告発しているようで、歴史的にも大変重みのある「予言的な言葉」であります。
◆私は、「9.11事件」直後「ブッシュの陰謀―対テロ戦争、知られざるシナリオ」(KKベストセラーズ刊)という本を著しました。その際、「もしアメリカがソ連軍撤退後にアフガニスタン復興支援に力を入れていれば、9.11事件は起きなかったのではないか」という思いにかられました。イラクにおけるブッシュ政権の苦難もいまとは、違っていたかも知れません。この映画は、日本のマスコミに出ないアメリカ議会の舞台裏や大国の外交戦術をはじめ「国際政治・軍事の裏話」をリアルに描いていて、秀作です。世界がどのように動かされているかを知るのに、絶好の映画です。
 主演のトム・ハンクスは、フレイボーイの不良政治家が突然、良心に変身し奮闘する姿をよく演じていて、「プライベート・ライアン」の将校とは違った味を出しています。「プリティ・ウーマン」で一世を風靡したジュリア・ロバーツ(富豪・チャーリー・ウィルソンの愛人役)は、女傑の貫禄十分、シリ・アップルビー(チャーリーズ・エンジェルの一人)は、「ロズウェル/星の恋人たち」のリズ役で人気を博したころと比べると、随分、色っぽく好演していました。この映画は、来る「5月17日」、全国の映画館で公開されます。


チャーリー・ウィルソンズ・ウォー 2008年5月17日(土)ロードショー

にほんブログ村 政治ブログへ
ブログランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福田康夫首相の謝罪会見は支離滅裂、自民党は次期総選挙で必ず敗れる

2008年04月02日 23時43分01秒 | 政治
◆「政権交代」すれば、「新しい日本」が到来する。ガソリン税の暫定税率失効という事態から、国民の多くがそう実感したのではないか。福田康夫首相は、「3分の2条項」を使って4月末に「復活」を図るつもりのようだが、民主党の小沢一郎代表が仕掛けた「ネズミ捕り」にまんまとかかってしまいそうである。
 諸物価の高騰に対する無策、75歳以上高齢者を対象とした公的医療保険「後期高齢者医療制度」の実施など、国民いじめのオンパレードである。これらに追い討ちをかけるようにガソリン税の暫定税率を復活すれば、福田首相のイメージは、完全に「値上げ首相」ということになる。企業倒産が増え、高齢者の自殺も多発するに違いない。これこそ、小沢代表の思うツボである。
◆それにしても、このごろの福田首相は、支離滅裂になっている。3月31日の首相官邸での記者会見で、「政治が本気になれば防ぐことができた。政治のツケを国民に回す結果になったことは、心よりおわびする」と謝罪してみせたけれど、首相就任以来、「本気」で政治を行ってこなかったことを自ら認めてしまった。要するに「いい加減」「ウソ気」「デタラメ」「行き当たりバッタリ」だったということである。
 しかも、謝罪会見を装いながら、口から出まかせを言い続けていたのには、あきれ果てた。それは「ガソリン価格の引き下げだけを主張し、人気取りに走ることは簡単だが、しっかりした見通しもないままでは、子や孫たちにツケを回すだけだ」と民主党など野党を批判したからである。ガソリン税の暫定税率を失効させることが、どうして「子や孫たちにツケを回すだけだ」ということになるのか意味が解せない。
◆むしろ、道路特定財源のうち2兆6047億円もの巨額の税金が特殊法人や独立行政法人に垂れ流し、随意契約による「丸投げ」や天下り官僚の給料・退職金に当てられているにもかかわらず、これらにメスを入れるでもなく、ただ入れるフリをするだけで当座の難関を潜り抜けようとしているのが、福田首相の真の姿である。
「子や孫たちにツケを回すだけだ」というなら、こちらのムダ使いの方が、よほど大きな「ツケ」になっている。だから、福田首相のこれらの言い草が、何とも胡散臭く聞こえるのである。その場限りの苦し紛れの言い逃れにすぎない。
◆謝罪と言いながら、少しも「実がない」のである。こんな無様な格好を国民に見せつけていると、福田自民党は、次期総選挙で必ず敗れる。
にほんブログ村 政治ブログへ
ブログランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リーダーシップ能力が疑われている福田首相は財務官僚の使い走りなのか?

2008年04月02日 23時06分14秒 | 政治
◆「福田首相は財務官僚の使い走りなのか」とリーダーシップ能力が疑われている。日銀総裁人事をめぐり、「東大法学部卒の財務事務次官(大蔵事務次官)経験者」にあまりにも固執し続けて、参議院本会議で2人「不同意」の採決を招いてしまったからだ。
 日銀総裁ポストは従来、東大法学部卒の財務事務次官経験者と日銀生え抜きとが「たすきがけ」で就任する「既得権益」。民主党など野党は、「天下り禁止」や「財政金融分離」を盾に、事務次官経験者の総裁就任を嫌った。それでも「財務省ナンバー2」である「財務官(東大経済学部卒の指定席)経験者」を政府が提案してくれば、同意する姿勢を示していた。
 早稲田大学政経学部卒の福田首相が頭を切り替えられないのは、「旧制高崎中・一高・東大法学部・大蔵官僚といった超エリートを父(赳夫元首相)に持っていたためではないか」との説も。福田首相がリーダーシップを発揮できないのは、ファーザー・コンプレックスと東大法学部コンプレックスが元凶らしい。
◆自民党の麻生太郎前幹事長は、麻生派のレッキとした領袖だが、他派閥に所属の国会議員から派閥を超えて政治資金集めパーティの来賓や研修会の講師に招かれるなど、このところ引っ張りダコで人気が急上昇中だ。「次期総選挙に勝てる自民党の顔」として「ポスト福田」への期待感が高まってきているためで、「麻生政権」誕生を先物買いする国会議員が日を追って増えている。
そのなかで麻生氏は最大派閥・津島派所属の山口泰明副幹事長の後援会などが3月16日、埼玉10区内の坂戸市で開いた研修会に講師として招かれ、年金問題などについて一席ぶった。これを受けて山口氏は「現在、二度目の党副幹事長を務めている。一度目は安倍さんに指名された。その後、安倍さんは総理になった。二度目は麻生さんに指名された。私を指名した人は総理になる」と持ち上げ、「次の勝ち馬」への目利きぶりと嗅覚の鋭さを披瀝。総選挙前の自民党総裁選挙を予感させている。
◆自民、民主両党ともに次期総選挙に向けて、小選挙区公認候補者の選定をめぐり、それぞれ悩みのタネを抱えて混迷している。自民党は、岐阜1区で佐藤ゆかり衆院議員が東京5区に転出が決まったほかは、小泉チレドレンの公認問題が難航。山梨3区の小野次郎(比例区南関東ブロック)らの調整が未だに決着していない。杉村太蔵(比例区)らの身の振り方は宙ぶらりんのままだ。
 一方、民主党は小沢一郎代表が、「福田首相を4月解散・5月総選挙に追い込む」と威勢はいいけれど、前回総選挙の落選者の多くが昨年7月の参議院議員選挙で当選しており、「勝てる見込みのある有力候補者が枯渇」しており、空白区が目立つ。千葉7区の補欠選挙で当選した太田和美氏は、千葉県内の他選挙区に転出を言い渡され、「選挙区は党に任せている」状態。東京10区では公明党の太田昭宏代表に対抗する候補者が決まっていない。
 こうした状況から小泉元首相や古賀誠元幹事長らが提唱する「来年9月の任期満了選挙」が現実味を帯びつつある。
にほんブログ村 政治ブログへ
ブログランキング
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする