一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

805  2012年12月  岩戸句会

2012年12月27日 | 

風の音窓打つ雨も師走かな      稱子

年用意母真似ていて母遠し

 

包丁の其の先ほどの寒さかな     遊石

その人は一つの咳の様に消えた

 

黄落のじゅうたんめくる竹ぼうき        洋子

窯出しや上がる歓声朴落葉

 

世に飽いてゐる寒月を愛でてゐる   章子

マフラーの中よりひそと君を呼ぶ

 

ハイヒールのつんつん歩く紙マスク     薪

秋鯖の刺青の胴押してみる 

 

万物に隙ありにけり虎落笛         炎火

山枯るる観音堂の露かな

 

虎落笛揺れし立木の長き影        鼓夢

野ざらしの寄生木痩せて冬の天

 

病得て空白のまま古暦       豊春

大根抜く妻の背中を夕日影

 

さし伸べる掌に冬虫のあとずさり     正太

風呂吹や友は昔の恋がたき 

 

癩の惨秘めて静まる冬木立        侠心 

古暦捨てて来福希わんか

 

アイビーに紅葉銀杏が舞い落ちる   空白

ホームレスは見て見ぬふりの廃棄物

 

初雪や窯の余熱はこころにも       雲水

古暦今日も予定がない私

コメント
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