一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1987   雨降り止まずみんみん鳴き止まず 海人

2018年08月30日 | 

 今年の八月は、台風が九個も発生した。もう一個発生すれば最高記録に並ぶ。先日の台風十九,二十号のアベック台風は、西日本に上陸し、大きな被害を与えたが、遠く離れた熱海でも大雨が降り続いた。唯今、21号が紀伊半島付近に上陸する気配だ。これから台風シーズンの九月だから、関東地方に大型で強力な台風がきっと上陸するだろう。

台風が発生、発達するのは、海水温の上昇が原因しているらしいが、世界情勢を見ていると、二酸化炭素の増加による地球温暖化は止められそうもない。

この句は、一句二行の句またがりで、作者は、みんみん蝉の鳴き声を人類への警鐘と捕らえたのかもしれない。

アゼリア

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1986   第264回 8月 岩戸句会 

2018年08月29日 | 岩戸句会

 

雨降り止まずみんみん鳴き止まず   海人

滅びゆく青き地球や鳳仙花 

   

人気無き路地に気ままの秋茜     豊春

仰向けの蝉の転がる石畳

 

金賞のシールの付いた西瓜切る  炎火

平成の最後の晩夏終活す

   

遠花火二人を結ぶ闇の距離    洋子

バジル摘む男もすなるイタリアン

 

 夏の夜や子供囃子の稽古かな   薪

紙魚走るアンネの日記捨てにけり

  

みんみんの終りがみえし揺るる夏  歩智

終戦日十五の空も遠くなり

  

残酷暑家に止められ句を作る    余白

都会人セミの声など耳通過

 

果てしなく雲ひとつ無き大暑かな   稱子

長生きを嘆く人あり遠花火

 

みんみんや冷やしパスタの出来上がる 雲水 

みんみんのふと鳴き止みし日暮かな

クサギ(臭木)

    

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1985   みんみんの追いつ追われつ鳴き競う

2018年08月26日 | 

 子供の頃と比べて、蝉は随分減った様な気がする。近くの寺を例に上げると、墓地を拡張するため、ほとんどの高木が伐られた。駐車場や道路、通路が舗装された。舗装していない境内は、砕石が敷き詰められている。昔は、境内のあちこちに蝉の穴があったが、今では全く見ることができない。

 さて先日のこと、梅の木でミンミン蝉が鳴いていた。2,3m離れた小楢の木で鳴いていたミンミンが、梅の木にやって来た。二匹が同じ枝で鳴いている。横歩きて逃げるミンミンと追うミンミン。メスを引き付けるため、鳴き声で争っているのであろう。蝉は、どうやら取っ組み合いの喧嘩はしないようである。

炭に群がる鈴虫に、白い紙を敷いたのは不適切だった

紙の上に、保護色の腐葉土を敷き詰めることにした

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1984   霧吹かれ昼の鈴虫散り散りに

2018年08月23日 | 

 鈴虫は夜行性なので、昼はじっとしていることが多い。半分に割った素焼きの湯飲みを入れたら、床にも天井にもびっしり入っている。又、黒炭は保護色だからだろうか、やはりびっしり乗っていて、場所取り争いもしばしば起こっている。

 オスメスの違いは、すぐ分かった。メスには、お尻に12~3ミリの黒い産卵管があるからだ。鳴くのはオスには、当然産卵管はない。大きさ2センチほどの小さな鈴虫。お世辞でも強い虫とは言えない。

 

 

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1983   鈴虫の臭う箱なり悔い少し

2018年08月22日 | 

 世界中から動物を集め、檻に入れて見物させる動物園を嫌っている私が、鈴虫を飼育ケースで飼うのは、やはり矛盾しているのだろう。

 自然界に戻すのが良いのだろうが、生きていけるのかどうか、それが問題だ。というのも、住まいの近辺で鈴虫の声を聞いたことがないからだ。ということで、鈴虫を飼うのは初めてのことで興味もあるので、しばらくは飼ってみよう、と思う。

 匂いの原因は、どうやら糞のようなので、毎日キッチンペーパーを敷いて交換することにした。勿論、食べ物も同様だ。水苔は、卵を産む所らしいので交換しない。

鈴虫

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1982   鈴虫とユーチューブのハワイアン

2018年08月21日 | 

 「鈴虫いる?」「うーん、飼ってみたい気もするけど・・・」次の日友人は、100匹ほど入った衣装ケースを持って来た。ジャジャジャジャーン、「ほんとに持って来た」

 衣装ケースには、湿らした水苔ピートモス(卵を産むため)、バーベキューで使う木炭(保護色からだろう、よく止まっている)、餌のドッグフードと胡瓜が入っていた。

「鈴虫って、何食べるの?」「ミキサーで粉砕したこのドッグフードと、胡瓜、レタスなど青野菜なら何でも良いよ」

  次の日私は、ホームセンターで、虫用らしきアクリル製の飼育ケースを買って来て、移し替えた。鈴虫は、かなりの跳躍力があるが、油虫や竈馬のように逃げようとする気配はない。「うーん、どうして?」

クズ(葛)

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1981   ペディキュアの青貝めくやプール底    さくら

2018年08月12日 | 

 ペディキュア(フットネイル、)とは、足の爪に施すマニキュア、ネイルアートの一種。青貝とは、螺鈿の材料に用いる貝の総称。ヤコウガイ・オウムガイ・アワビなど。また、それらの貝殻を用いた細工。又、ユキノカサガイ科の巻き貝。表面は暗緑色、内面は光沢のある青緑色。

 戦後のいつごろからマニキュアが始まったのか定かではないが、昨今では公に認知されている。他にもタトー(刺青)、ピアス、なども同様である。

 男女平等、女性の社会進出などと共に、ファッションは自由活発になっているが、喜んで良いかどうか。肉食女子、草食男子などという言葉を聞くと、多少の懸念を感じずにはいられない。

ミソハギ(禊萩)

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1980   柿食えば餡が出てくる潮音寺

2018年08月11日 | 

 テニスコートに、熱海間瀬製菓の和菓子を、誰だったか差し入れてくれた。その箱に、本物の干し柿があった。そう、この句の通り、中には餡が入っていたのだ。

 咄嗟に仲間が、「柿食えば餡が出てくる法隆寺」と言った。しかし、それでは子規のぱくりだから「法隆寺をすぐ近くにある潮音寺に替えた方が良いいんじゃない?潮音寺ならパクリにはならないと思うよ」

 というわけで、掲句と相成ったわけだが、干し柿と餡が絶妙の味の「柿食って一句落着潮音寺」でした。

サルスベリ(百日紅)

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1979   火星輝きサボテンの花開く    薪

2018年08月10日 | 

 火星(夏日星、マーズ)は、地球の外側を回る赤く輝く惑星。直径は地球の半分、質量は十分の一。二年二ケ月ごとに接近し、今年は十五年振りに大接近し、七月から九月頃まで観測できる好機。

 ホーキンス博士は、人類滅亡が近づいているため、火星へ移住する宇宙計画を早急に研究、実施すべきだ、と提案しているが、空気、水がほとんどなく、重力少ない火星への移住は、科学技術が達成できても、人間の適応能力は百年かかっても到底無理だろう。

 多肉植物のサボテン(仙人掌)は数千種類もあって、花が美しいカニサボテンや月下美人が有名であるが、日本にはマニアックな収集家や新種を作る多くの育成家がいるそうである。この句のサボテンは、夜だから月下美人かもしれない。

ヤマユリ(山百合)

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1978  第263回 岩戸句会 7月

2018年08月08日 | 岩戸句会

火星輝きサボテンの花開く      薪 

「死に至る猛暑」糸尻よく洗う

炎暑帰路黄色帽子のごあいさつ    豊春

床下の猫の鼻先青蜥蜴

夕立あとどこかで魚煮る匂い     稱子

九体の仏像涼し浄瑠璃寺 

いづこより称明のごと蝉しぐれ    佳津

紅花や古へ人の野にたてり

素っぴんの園芸女子汗清ら      さくら

ペティキュアの青貝めくやプール底

炎昼や跡形も無き川の街       海人

炎天に挑むかのごとボール打つ

この夏の稼ぎ流され海の家      歩智

平成の最後の夏のこの無慈悲

生ビール念仏唱う喉仏        炎火

七夕の話序でに宇宙軍 

蝉時雨より深きもの人の声      一煌

大バケツに今年も元気蓮の花

あいさつが暑いのひと言皆同じ    貴美

今日もまた「命に関わる暑さ」です

山百合がユラユラ揺れて風を呼ぶ   鞠

コオニユリ飛び火の如し日は沖に

音かすか少し淋しき遠花火      沙会

「海の日に」生まれた娘砂時計

蓮の花寄り添いて生く我と犬     洋子

具だくさん冷し中華をもてなせり

掃くゴミの山から蟻のもがき出る   余白

街中のトンボ帰れよ生誕地

吠える犬を吠えるに任す炎暑かな   雲水

桔梗をひょろひょろ咲かす暑さかな

ヒオウギ(檜扇)

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1977   桔梗をひょろひょろ咲かす暑さかな

2018年08月04日 | 

 炎暑の中での窯焚き、窯出しが終わり、ひねもすボーっとしている。それでも、朝晩の1時間ぐらいは、放って置いた庭の草取りをしている。

台風の強風のせいもあって、庭には倒れてしまった草花が多いが、キキョウ(桔梗)、キンミズヒキ(金水引)、ミソハギ(禊萩)などが咲いている。腰に蚊取線香をぶら下げながら、添え木をしたり、雑草を採ったり、からまった蔓を採ったり。

 タムラソウ(田村草)、ノコンギク(野紺菊)、ワレモコウ(吾亦紅)、ハギ(萩)など、秋の草花が今にも咲き出しそうだ。そぶりも見えないが、秋は近い。

キキョウ(桔梗)

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