一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1689   不如帰古今東西世を嘆く

2016年05月27日 | 

(ほととぎす ここんとうざい よをなげく)

今から800年前の、鴨長明の「方丈記」の現代語訳(一部) 

「後鳥羽天皇の元暦二年の頃であったろうか。ものすごい大地震があって、ひどく揺れた。その揺れ方は、並のものではない。山は崩れて川を埋めてしまい、海は傾いて海水が陸地を浸した。大地は裂けて水が湧き出し、岩石が割れて谷に転げ込んだ。海辺を漕ぐ船は波に翻弄され、道を行く馬は立つ足元が定まらない。

京都近辺では、あちこちで堂舍廟塔が被害を受け、満足に残ったものは一つもない。ある物は崩れ落ち、ある物はひっくり返った。塵灰が立ち上って盛んに吹き上げる煙のようだ。大地が動き家屋がつぶれる音は、雷鳴と全く同じだ。

家の中にいると、すぐにでも押しつぶされそうになる。外へ走り出れば、地面が裂ける。羽根がないので空を飛ぶわけにもいかない。龍なら雲にも乗れるが、人間の悲しさ、それも叶わぬ。恐ろしいものの中でも、特に恐れなきゃならないのは、地震だなあと、しみじみ痛感したことだった。

こんなにものすごく震動することは、しばらくして止んだけれど、余震はしばらく止まなかった。これが大地震の後でなく、普段ならびっくりするくらいの地震が、一日に2,30回揺れない日はない。10日、20日と日が経つと、だんだんに間隔が遠くなって、あるいは一日に4,5回、2,3回、又は1日おき、2,3日に1回などになったが、おおよそ余震は3か月ほどもあっただろうか。」

シラン(紫蘭)

 

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1688   酔って出て箱根空木の花零す

2016年05月22日 | 

  我が家周辺に咲く空木は、ニシキウツギではなくどうやらハコネウツギらしい。箱根ウツギと言われるのに、箱根には少なく海岸に多いらしいが、

ハコネウツギは、花冠基部が急に膨れる。葉は無毛か裏面脈上に毛が散生する。

ニシキウツギは、花冠基部からロートの口部まで緩やかに広くなる。葉の裏面脈上には縮れた伏毛が密生する

「昔から、箱根ウツギは山地の隣地境界線にしばしば植えられた」と聞いたことがあるから、移植されたものかもしれない。

花冠基部が急に膨れている、葉裏は無毛

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1687   河骨の水を出でたる浮世かな

2016年05月17日 | 

 夕べからの雨は、我が家の庭でおよそ70ミリも降った。卯の花腐し、又は迎え梅雨、走り梅雨と言えるかもしれない。いづれにしても、梅雨入りが間近だ。

 毎年越冬できずに枯れてしまう熱帯性睡蓮が、どういう訳か今年は生き残っている。花付きは悪いが、寒さに強い品種らしい。毎年同じホームセンターで買っているが、生き残ってくれたのが嬉しい。

 河骨は、尾瀬でも咲いているから、当然寒さには強い。

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1686  ミラーレス一眼レフで初夏を撮る

2016年05月13日 | 

  1年前に、バカチョンカメラのピントが合わなくなっって、何を撮ってもいつもピンボケ・・・・・仕方なしに、ブログの写真は昔のものを再び使っていた。

  それから1年、迷った末ようやく新しいカメラを買った。何故時間がかかったと言えば、カメラの知識がほとんどない素人で、調べるのは面倒くさいし、親切に教えてくれる詳しい知人もいないし・・・・・。

 というわけで、買うきっかけになったのは、「小型の一眼レフ、ミラーレス」がなんとなく良さそうだ、ということ。ITで調べてみたら、初心者向きのミラーレスというのをがあった。

 ブログ用に使えるかどうか、草花を撮ってみた。

以下の写真は、カメラ→パソコン→トリミングなど→ブログ用に縮小しています。

 

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1685   薫風や阿弥陀の耳朶に金かすか

2016年05月12日 | 

(くんぷうや あみだのじだに きんかすか) 

 静岡県田方郡函南町桑原の「かんなみ仏の里美術館」に行って来た。ボランティアのガイドさんの丁寧な解説によると。

 頼朝が鎌倉幕府を開いた建久年間(1190~1198年)の末頃、「慶派」と言われる平安末期から始まった仏師集団があった。康慶の子の運慶や、弟子の快慶と共に活躍した実慶が作ったという阿弥陀三尊像(重要文化財)がある。

 特筆すべきは、鎌倉時代から800年もの間、寺ではなく桑原の村人たちによって、大切に守られ崇拝されてきたことだろう。

 そして、24体の仏像が、平成20年に桑原区から函南町に寄贈され、美術館が建設され、保存されることになった、と言う。

ムスカリ

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1684   連休の明けて竹の子細かりし

2016年05月10日 | 

 山中にもかかわらず近くの竹林は、連休ともなれば市民の竹の子掘りで大いに賑わったらしい。勿論そういう時には、私は決して行かない。

 そして久し振りに、今朝行ってみた。だーれもいない静かな竹林。何と、あちこちに2メートル程の伸びすぎた竹の子が、無残に折られている。折角竹の子掘りの間隙を突いて、生き延びたと思ったら・・・・・若竹になりそこねて実に可哀想。

 来年の竹林のことを考えたら、無意味に折ってはいけないよ。

キランソウ(金瘡小草)、ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)とも

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1683   返照や水着干しある波ころし   ふきのとう

2016年05月06日 | 

 「波殺し」とは、消波(しょうは)ブロックのこと。消波ブロックは、コンクリート製で、様々な製品がある。その中の一つが、フランス生まれの「テトラポット」これが一番有名なので、「消波ブロック=テトラポット」になっってしまった。陶磁器で、「セトモノ」が「陶磁器そのもの」をいうようなものだ。

 思い出せば、20才の頃の私は、放の途中の数か月、奄美大島で3トンのテトラポットを作る仕事に携わった。確か「治水工業」という会社だったが、いまでもあるだろうか。私の作っていた消波ブロックを調べてみたら、テトラッポットではなく、正式名は「三角中空ブロック」であった。

 200キロの鉄の型板を二人で担ぐ。アルバイトではあったが、そこで学んだ肉体労働の基本は、今でも私の中に生きている。

 ところで、日本の美しい自然を妨害しているものに、電線、看板、ビル、高速道路、砂防ダムなどと共に、過剰な消波ブロックも含まれていることを忘れてはならない。

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1682   青鳩やしみじみ笑う朝の風呂

2016年05月05日 | 

 アオバト(青鳩、緑鳩、)は、ハト目ハト科アオバト属に分類される鳥。学名「Treron sieboldii」は、命名者テミンクがシーボルトへ献名したそうである。

 神奈川県大磯町の照ケ崎海岸では、毎年5月初旬から10月ごろまで数百羽が飛来し、岩礁の上を飛び回り、岩場に降りて、窪みに溜まった海水を飲んだり、海面に浮かんだり、尾羽や脚を海水につけたりするそうである

 私は、一度も青鳩の姿を見たことはないが、「ウーアオーアオー、アオーアオー」という鳴き方が、「いやよーいやよー」とも聞こえ、すねているようにも、情けないようにも、又ふざけているようにも聞こえ、実に楽しくなってくるのだ。

タンポポ(蒲公英)

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1681   竹の子や核ミサイルも土の中   炎火

2016年05月03日 | 

 製紙会社所有の竹林が近所にあって、この時期になるとしばしば筍掘りに出かける。朝一番に行けば、採り放題。とはいっても、2,3本掘れば十分だ。

 家に帰ってすぐ茹でれば、アクはほとんどないから、薄く切って刺身で食べられる。栄養があるかないか知らないが、私の大好物である。

 さて、作者は筍からミサイルを想像した。アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエルなどが核弾頭を装着したミサイルを所有しているらしい。北朝鮮も間もなく仲間入りするかもしれない。

 毎年何度も筍を掘るが、私は筍からミサイルを連想したことがない。それは、幸か不幸か。想像力が欠けている不幸とも、想像力がある故の不幸とも。

ヤブレガサ(破れ傘)

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