一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3017 鵙高音国宝立正安国論  釣舟 

2023年11月23日 | 

(もずたかね こくほうりっしょう あんこくろん)

 平清盛(1118~1181)が武士政権を起こし、朝廷にまで権勢を誇った平家時代は、壇ノ浦の戦いによって25年の短命に終わった。替わったのは、源頼朝の起こした鎌倉政権であったが、源氏も滅ぼされ、北条氏に取って替わられた。

  鴨長明の「方丈記」によると、鎌倉幕府が成立するまでに、京都では様々な自然災害や大火があった。

1177年      京都の大火 (安元3年4月28日)

1180年      京都の竜巻 (治承4年)

1180年      福原遷都  (治承4年)

1181~1182年 養和の飢饉 (養和年間)

1185年      京都の地震 (元暦2年7月9日)

1185       頼朝により鎌倉幕府が開かれた。(文治元年)

 そういった社会不安の中から鎌倉幕府が誕生し、「鎌倉新仏教」と称する仏教が勃興したのだ。法然(浄土宗)・親鸞(浄土真宗)・栄西(臨済宗)・道元(曹洞宗)・日蓮(日蓮宗)・一遍(時宗)によって始められた六宗である。

 北条政権になってから、室町幕府が成立する1336年(建武3年)までの、鎌倉時代150年間も、地震・暴風雨・飢饉・疫病などの災害が相次いだ。当時鎌倉にいた日蓮は、執権北条時頼に「立正安国論」を提出した。しかし、時頼から「政治批判」と見なされて、翌年に日蓮は伊豆国に流罪となった。市川の中山法華経寺には、国宝の「立正安国論」がある。

鴨長明 1155~1216

親鸞  1173~1263

道元  1200~1253

日蓮  1222~1282

一遍  1234~1289

さて、現今の日本では、2025年問題などと、世界規模での危機意識を煽っている人々がいるようだが、自民党政権による政治の腐敗と堕落、日本の経済的没落のこの30年を鑑みると、あながち荒唐無稽とは言えない。

 社会不安は第一に、(地震、風水害、気候変動、食糧危機)など、政府が関与しても修復できないような大規模な自然災害から始まるのが常である。社会の不安から混乱へ、治安が悪化し、内乱や戦争に発展する危機を孕んでいる。

食用菊(もってのほか)

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3015  下校時の鞄跳ねてる秋麗  豊狂

2023年11月20日 | 

 (げこうじの かばんはねてる あきうらら) 

  新型コロナのパンデミックがようやく収まったけれど、11月なのに早インフルエンザが猛威を振るっているという。10月27日時点の全国では、学級閉鎖2939学級,学校閉鎖55校に及んでいる、という。

 しかし、雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持っている子が、熱海にはたくさんいるようで心強い。

 この句、背中の鞄に焦点を当て、元気な子供の様子をとらえている。秋麗という季語の斡旋によって、作者の微笑みさえ見えてくる。

鰯雲(鱗雲、鯖雲などとも)

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