一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1728   百日紅近くて遠き生家かな   海人

2016年08月31日 | 

 サルスベリ(百日紅)を眺めながら考える。この三ケ月ほど生家に行かねばならないのに、忙しくて行く暇がない。

それとも、両親、兄弟が亡くなってしまい、甥姪しかいなくてなんとなく行きにくくなっている。それとも、親、兄弟、などと仲が悪いのだろうか。

 いやいや、既に生家が貸家になっているとか、転売され他人名義になっているとか、そんなことだって考えられなくもない。

 いづれにしても、少し淋しい、この世によくありそうな現実である。

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1727   第240回 8月 岩戸句会

2016年08月30日 | 岩戸句会

百日紅近くて遠き生家かな       海人

夏花火握りしめたる小さき手

  

腹這いて灼ける川原の石を抱く     薪

朝採れの野菜に並ぶ避暑の人

  

送り火や赤き脚爪うずくまる      豊春

ヘルメット目深に走る盆の僧

  

青鷺の釣り師のごとく佇めㇼ      侠心

汗くさき工人蝶にまとわられ

  

あなたには桔梗の花の切手貼り     洋子

チェンジコートオードトワレの香りくる

 

サイレンの一分間や敗戦日       炎火

避暑の群コンピュ―タが捌きおり

  

鳴き疲れたる秋の虫我も寝る      歩智

岩戸窯避暑の気分で一服す

   

牛丼を食べて夕立やり過ごす      余白

セミ飛ぶと俺の心に不安湧く

 

夏惜しむ鎌倉彫りの下駄仕舞う     章子

小さき子をヒョイと隠すや青芒

 

打ち水の浅草界隈蕎麦すする      稱子

石仏に降る木洩れ日と蝉の音と

 

新涼の庭を見回る花鋏         雲水

図書館や六キロ離れ避暑気分

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1727   ヘルメット目深に走る盆の僧   豊春

2016年08月29日 | 

 僧衣(法衣)を着てバイクに乗った僧侶は、どうも似合わない。和服と、例えば革靴がちぐはぐなのと同じだ。僧侶が平服でパチンコ屋から出てきたら、たぶん私はがっかりするだろう。一市民の私がそう思うのだから、僧侶とは、社会的に結構大変な職業ではないのか。

 作者が「目深に走る」としたのは、暑い最中バイクで檀家を回る盆僧への、ちぐはぐ感と同情が入り混じっているのではないか、と想像したのである。

サルスベリ(百日紅)

白いのにね。何でも作っちゃう日本人。

 

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1726   台風一過雷雲倒木敷青葉

2016年08月23日 | 

 台風一過の晴天とはいかなかったが、被害がなくて何よりの安堵。そこで気になるのは、北海道に7号、11号に続き3つ目の9号が上陸したこと。温暖化の影響ではないのか。

 敷き青葉や枯れ枝を掃除したら、コンポスターと自家製の堆肥箱が一杯になってしまった。ようやく片付け終わった頃、急に雨が降りだし、雷が鳴り出した。

 

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1725   台風や折れんばかりに森の木々

2016年08月22日 | 

 去年と同様、9,10,11号のトリプル台風が発生し、唯今我が家に台風9号が接近中。やや右に逸れるようだが、直撃とほとんど変わらない。一歩も外へ出ることができないほど、兎に角風が強い。風速30メートル以上はあろうかと思われる。我が家の防風林と呼んでいる木々が、今にも倒れんばかりだ。木が倒れれば、必ず被害は家屋に及ぶだろう。

 以前にも、近隣の山の木々が根こそぎ何本も倒れたことがあり、これから昼過ぎにかけて更に風が強まるのだから、実に恐ろしい。

ヒメギボウシ

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1724   笹回しては囲の蜘蛛を絡め捕る

2016年08月21日 | 

 盆過ぎの庭巡りは、雑草を取るほかに女郎蜘蛛の巣を笹で絡め捕る。網を張った雌の女郎蜘蛛は、まだまだ小さい。そっとしておけば、次第に大きくなるから観察できるが、来客が嫌がるだろうから放ってはおけない。

 笹に絡め取った蜘蛛を、「そちらで静かにお暮し下さい」と言って、笹のまま雑木林に放り込む。取り逃がした女郎蜘蛛は、翌朝には再び巣を張っている。彼女達は、実に働き者で逞しい。

ムクゲ(木槿)

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1723   盆過や桔梗禊萩切り戻す

2016年08月19日 | 

 キキョウ(桔梗)の最後の一輪が咲いていたので、部屋に活けることにして、残りは半分ほどに切り詰めた。ミソハギ(禊萩)も、名残が咲いてはいたが倒れ掛かっていたので切り詰めた。

 株がかなり大きいオオバギボシ(大葉擬宝珠)は、病気らしく根元から千切れてしまったが、よく見ると新芽が出ているので、思い切ってほとんどの葉を切った。

ミソハギ(禊萩)

(盆花として使われるので、ボンバナ、ショウリョウバナ(精霊花)と呼ばれる。

ミソハギの由来は萩に似て禊(みそぎ)に使ったことから禊萩

又溝に生えることから溝萩とも)

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1722   兄姉の老いには触れず盆供養

2016年08月17日 | 

 4人兄弟の末っ子の私には、姉が3人いる。それぞれに夫がいて、集まると6人。最近は、子供が来ないから静か・・・・・とは言えない。かなり賑やかである。

 さて、次兄によると、次兄の菩提寺には、後継ぎがいない、と言う。住職の息子は僧侶になってはいるが、帰って寺を継ぐ気がないらしい。私の菩提寺では、住職も息子も病気がちで、盆の檀家回りができなくなった。

はてさて、江戸時代に出来上がった日本の檀家制度が、崩壊に向かっているのかもしれない。寺に限らず、様々な社会の制度が変革に迫られているようである。スマホで、ポケモンgoのキャラを探す輩が徘徊する時代である。檀家制度が崩壊しても、驚くことはない。

クサギ(臭木)

 

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1721   新涼の庭を見回る花鋏

2016年08月10日 | 

 早朝の庭を巡るのが、この頃の習慣である。初夏から草刈りした庭に生える箱根竹や蔓性植物などの雑草を、見つけ次第鋏で切るのだ。

 秋の蝉が鳴き始めた。これから一と月余りの秋蝉の世界。

8月1日、 ミンミンゼミ初鳴き

8月3日、ツクツクホウシ初鳴き

ヒグラシ(蜩)

エサキモンツキノカメムシ

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1720   立秋やテニスコートに波の音

2016年08月09日 | 

 一昨日7日は立秋。臨海公園のテニスコートに大きな波の音が聞こえた。波そのものは見えず、風もそれほどではなかったが、久し振りに大きな波音だった。台風5号の影響であろう。

 今年の夏は、梅雨明けが遅れた割には、雨が少なかった。大雨は、九州に集中してしまったようで、関東の水ガメは8日現在、未だ60パーセントだから、積雪が少なかったせいもあるが、やはり少雨を物語っている。

又、麓の公園の蝉の鳴き声が少なかったような気がする。これも、少雨の影響だろうか。いづれにしても、立秋近くなってようやく本格的な暑さがやって来た。

 ストロベリーミント

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1719   過ちを犯し続けて原爆忌

2016年08月07日 | 

  広島平和記念公園の石碑に、「安らかにお眠り下さい。過ちは二度と繰り返しませんから」と書いてある。これは、私達人類の究極の願いではあるが・・・・・

 戦争に使われる最大の武器である核兵器は、広島・長崎以後、確かに戦争には使われてはいない。しかし、核兵器以外にも様々な武器がある。自動小銃やロケット弾、ミサイル、化学兵器、それらを打つ戦車や様々な艦船、ヘリコプター、ジェット機などの航空機などである。

  現在、世界各地で紛争があり、多くの人々が殺され、人権が踏みにじられ、特に子供たちや女性の被害が悲惨だ。それは、核兵器以外の武器による。過ちを犯し続ける輩は、武器を作る軍事工場の経営者であり、紛争地帯に輸出する武器商人であり、彼らをひそかに援護する政治家どもである。

  安倍政権は昨年も、国連に核廃絶決議案を提出したが、核戦力を維持したい核保有国に配慮し、核兵器禁止条約の拘束力のある法的措置や実行には一切触れていない。それどころか、核廃絶条約の交渉開始を求めるなど、他国の提出した三つの決議案に、核保有国であるアメリカ、イギリス、フランスなどと共に日本が棄権したのだ。ロシア、中国、北朝鮮は反対している。

この蝉(ヒグラシか?)とうとう自分の殻を出られずじまいだった

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1718   膝当ての心地よろしく草を引く

2016年08月04日 | 

 どういう訳か、どれもこれも作業ズボンの膝に穴が開いてしまう。継ぎ当てをして、色々工夫してみるがどうもうまくいかない。

「膝当て」なる物を買って使ってみたが作業中にずれてしまって上手くない。「色々買って使ってみたが、良くないので止めた」と言う知人さえいた。

  ところが最近、色々試してようやく我慢できる「膝当て」を見つけたのだ。唯一の欠点は「蒸れる」こと。これさえなければ、完璧なんだがなあ。この膝当てで、ズボンの穴が開かなくなるのではと、ひそかに期待している。

ヤブカラシ(藪刈らし)、ビンボウカズラ(貧乏葛)とも

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1717   第239回  7月 岩戸句会

2016年08月02日 | 岩戸句会

夏の波バッキンガムを崩しけり     炎火

平面図だけで建ちけり蜘蛛の家

 

瘦せ裸十針くっきり手術痕       豊春

坪庭の草の匂いの夏座敷

 

片蔭やエホバの布教師佇めㇼ      薪

夏雲の湧き立つ彼方父母の墓

 

平穏の大地失せゆく油照        稱子 

日盛りの町一瞬の無音かな

 

年毎に縮む身丈や盆灯籠        侠心

立ちんぼの果ての至福やトリス・ハイ

 

身を捩る鮑哀れや献杯す        海人

はたた神夜更けの街を支配せり

  

峯雲と竿いっぱいの体操着       鼓夢 

梅雨明けを待てぬくま蜩あぶら蜩 

 

戴きし茗荷きざみて揖保乃糸      歩智

太陽に向かぬ向日葵そだち過ぎ

 

みどり葉に守られ紛れて実は育つ    余白

梅雨明けの知らせが届き五時起床

 

時計草耳を寄せれば母の声       章子

サングラスお世辞の言へるひと日なり

 

クロワッサンつまみたくなる夏の月   洋子

振り向かずチャレンジのみの夏の旅

 

絞られてタオルは汗を滴らす      雲水

いつまでも裸の子なり風邪引くぞ 

           タカサゴユリ(高砂百合)   

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1716   夏の波バッキンガムを崩しけり   炎火

2016年08月01日 | 

 ウィキペディアによると、「バッキンガム宮殿は、イギリス王室の公式の宮殿。約1万坪の敷地に、舞踏会場、音楽堂、美術館、接見室や図書館等が設置されている。部屋数は、スイート19、来客用寝室52、スタッフ用寝室188、事務室92、浴室78、部屋総数775である。宮殿に勤務する人は約450名、年間の招待客は4万人にもなるという。王族たちを補助する侍従50人は同じ宮殿に住み込み、その他の侍従達は王室厩舎であるロイヤル・ミューズ (Royal Mews) に寄居する。人件費は13億円である」ちなみに、皇居は34万坪、外苑も含めると69万坪。

 さて、「砂の造形、砂の芸術」の展示は、鹿児島から秋田まで、全国各地の浜辺で行われている。近年は、「砂像彫刻家」なる専門家もいて、国内のみならず外国からも招聘され、制作しているそうである。札幌の「氷の彫刻」同様、これらの作品は、祭が終われば壊されてしまう儚い命である。

ムクゲ(木槿)

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