一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3055  水風呂にゆっくり浸かり夕端居  釣舟

2024年08月12日 | 

(みずぶろに ゆっくりつかり ゆうはしい)

 我が家には、扇風機はあるがエアコンがない。昼間、30度を越える時はたまにあるが、静かにしている限りそれほど汗はかかない。夜はせいぜい27度ぐらいで、寝苦しいことはほとんどない。

 但し私は、真夏の早朝の日が昇る前の4時過ぎから2時間くらい外仕事をすることにしている。草刈りや薪割り、畑仕事などだ。しかし、早朝であっても肉体労働は暑くてたまらない。そんな時、汗をぐっしょりかいたら、体を冷やすのに水風呂が最も効果的だ。日中の猛暑でも、水風呂に入って汗を流せば、熱中症になることはまずない。

「水風呂へ流し込んだる清水かな 一茶」という句があるが、長野県信濃町生まれで、晩年は故郷に住んだから、その時の句だろう。江戸時代だから、小川の水を竹の樋で風呂に引き込んだのかもしれない。清水を風呂に引き込むなんて、羨ましい限りである。

ヤブカンゾウ(藪萱草)

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3054  炎帝や微笑含む辻地蔵  豊狂  

2024年08月10日 | 

(えんていや ほほえみふくむ つじじぞう)                      

 真夏の暑さを表現する季語には、暑し、燃ゆ(炎ゆ)、灼く、油照り(脂照り)、暑熱、暑気、大暑、極暑、酷暑、猛暑、溽暑、炎暑、炎天、炎昼、炎帝と、様々である。

 この句の「炎帝」とは、中国太古の伝説的な神の名で、南方に位置し、夏の季節をつかさどる神。五行思想で〈火〉にあたる位置にいるところから,三皇の一人,神農と結びつき,炎帝神農氏と呼ばれ,伏羲と黄帝の間に入る帝王として歴史化されたそうである 姓は姜(きょう)。

 さてこの句、暑さ極まる炎天の中、触ったら火傷するかもしれない高温の石地蔵様、暑がるどころか、微笑んでいるというのだ。それに対して人間は、暑い暑い、何という暑さか、温暖化の影響だろうか、冷房をどうするああする、などと不平不満である。この辻地蔵のように微笑んで過ごしたいものである、と作者は思っているに違いない。 

 ところで、炎帝も神、地蔵も神。天にまします炎帝と地にまします辻地蔵。神と神が対峙して、一体何を語り合っているのだろうか。愚かな人間を懲らしめようと、大災害の鉄槌を与えようとしていなければ良いのだが・・・・・。いずれにしても、その困り果てた人間を救うのが地蔵のはずである。

ヤマユリ(山百合)

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