一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1779   いま暗殺されて鍋だけくつくつ   風天

2016年12月30日 | 

 先日、NHKBSで、「寅さん、何考えていたの?」を観た。寅さんは、尾崎放哉の俳句が好きだったらしく、小豆島まで訪ねて、放哉の役を演じたいと言ったという。残念ながら、その願いは叶わなかったが。だから、この句も575を無視した自由律俳句である。

 暗殺と言えば、5.15,2.26事件を、特に、お父さんを目の前で殺された渡辺和子さんの話を思い出す。人間は平気で、正義のために人を殺す、平和のために戦争をする、どうやらそれが本性らしい。

 さて、寅さんこと風天さんは俳優ではあったが、映画監督の資質も十分にあったらしい。この句からそれが窺われる。

ヤブコウジ(藪柑子)

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1778   ジャケットのジッパー直る年の暮

2016年12月26日 | 

 3年前、ユニクロでダウンのジャケットとベストを買った。軽くて暖かいので、気に入っていたのだが・・・・・去年の冬、二つともジッパーがバカになってしまった。

  ユニクロの店に持って行って、「こんな粗悪品を売って恥ずかしいと思わないか。社長の柳井を出せ」とか、文句を言ってやろうか・・・・・などと思ったのだが・・・・・勇気無く、捨てるに忍びなく・・・・・

 捨てる前に、とりあえずインターネットで「ユニクロ・ジッパー」で検索してみると、壊れた苦情が沢山出てきた。どう見ても、ジッパーが粗悪品なのだ。

 ところが、「ジッパーの修理方法」というブログがあって、言われるままにやってみると、元通りという訳にはいかなかったが直ってしまった。意外と、ジッパーの修理方法を知らない方が多い、ということを私は知った。

 それでも、ユニクロのジッパーが、粗悪品であることは間違いない。

クマザサ(熊笹)

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1777   闇の夜に沈む山寺狐鳴く   章子

2016年12月25日 | 

  弥生時代、日本に本格的な稲作がもたらされるにつれ、ネズミが繁殖し、それを捕食するキツネが、豊作をもたらす益獣であることを人間は知った。人々は田の付近に祠を作り、油揚げ等を餌付けすることで、鼠を忌避する効果を得た。そしてキツネを神聖視する民間信仰が芽生えた、という。

 キツネ施行、キツネの嫁入り、キツネ火、キツネの提灯、キツネ雨などの様々な伝承が生まれ、キツネが神格化された稲荷神社が全国に建てられた。実に人間との関わりが深い動物だったのである。

  しかし、それも昔の話、電車、車、ジェット機の時代になって、人間からキツネは完璧に忘れ去られた、と言っても言い過ぎではないだろう。

マンリョウ(万両)

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1776   常緑樹のような生涯日向ぼこ   佳津

2016年12月23日 | 

 はてさて、「冬の常緑樹」とはどんな木を指しているのだろうか。万両、千両、百両、十両、山茶花、椿だって今咲いている。普通の常緑樹、杉・桧、楠など・・・・・数え上げたら切りがない。

 又、「生涯」と言っているのだから、作者自身のことというより、亡くなった人を偲んでいる、と解釈した方が良さそうだし・・・・・。「常緑樹のような生涯」とは、いつも変わらぬ平凡だった人生、困難があっても耐え抜く強靭な身心を持っていた人生。

 いづれにしても、幅が広すぎて解釈が困難だからこそ、面白い句だと言える。

フユイチゴ(冬苺)

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1775   碧空に雲を増やして落葉積む

2016年12月19日 | 

 都会では、落葉をゴミ袋に入れてゴミ置き場に置かねばならない。しかし、都会の落葉も、ゴミではないはずだ。何故なら大量の落葉を集めて積めば、堆肥・腐葉土になるからだ。堆肥・腐葉土は疲れた土の再生に役立ち、野菜やコメなどの栄養となり、大きな実りを与えてくれる。落葉は再生可能エネルギーであり、宝物なのだ。だから、今日も落葉を集め堆肥に積んだ。しかし、今日の積み切れない落葉を、一体どうしたら良いのか・・・・・・私は悩む。

カラスウリ(烏瓜)

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1774   初霜や青汁に摘むブロッコリー

2016年12月12日 | 

 今朝の気温は3度で、初霜を観測。霜は土の上のみで、白菜やブロッコリーには全く降りていなかった。やがて朝日が射し始めたら、あっという間に霜は解けてしまった。

 毎日飲む青汁は、蜜柑に林檎、キャベツに人参が主で、ミニ菜園の白菜とブロッコリーの葉を加える。特にブロッコリーの葉は、2,3枚加えただけで濃緑の青汁に変化する。

 窯焚き、窯出しはなんとか無事に終わったが、身体も頭もボーっとしてままならない。

初霜

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1773   付き添いの娘の解れ髪開戦日

2016年12月08日 | 

(つきそいの このほつれがみ かいせんび) 

  窯詰めや窯焚きのお陰で、筋肉痛になってしまった。こんなにひどいのは初めてだ。背中の肩甲骨の内側から首にかけて、寝違えたような症状が更にひどくなって、腕に力を入れると激痛が走る。寝返りもままならない。

 まず、内科を受診してみた。症状を聞いた医師は、パソコンを眺めながら湿布薬を処方してくれた。家に帰って早速湿布薬を貼ってみる。夕方、湿布薬を剥がして風呂に入り、出てから再び湿布薬を貼ったままその日は眠る。次の日の朝、少し痒みがあるので鏡で見てみると、赤くなっているようだ。その後、1日、二日と経てば経つほど腫れが大きくなり、痒みが増していった。

 そしてとうとう、我慢できず再来受診となった。医師は、腫れを取り除くための、内服薬と塗り薬を処方した。彼は、腫れの状態を全く見ようともしなかった。呆れてものも云えない。

 私達患者は、医師を頭から信用してはいけない。薬の使用方法、禁忌事項、副作用などをしっかり調べてから、使用する必要がある。唯一の救いは、筋肉痛が治ったことだ。しかし、i未だに腫れは痒くてたまらない。

白菜の無水鍋と菊酒 ご馳走様でした

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1772   ガラス窓三百号の冬の海     炎火

2016年12月03日 | 

 島根県安来市の足立美術館は、130点におよぶ横山大観の作品と日本庭園で有名。庭園は「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」など6つに分かれ、5万坪に及ぶという。展示室には、窓ガラスの枠を額縁にして、実際の庭園を絵画として見せる趣向がある。

 米国の日本庭園専門雑誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』が行っている日本庭園ランキング(Shiosai Ranking)では、初回の2003年から2015年まで、13年連続で庭園日本一に選出されている、という。

但しこの句は、「冬の海」だから、足立美術館ではなく、どこかのホテル、旅館、又は一般住宅かもしれない。ちなみに300号の絵画のサイズは、およそ3m×2mである。

第91回穴窯の窯焚きの火入れ式

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