一韶の俳句ブログ

詠うのは、私・人間・社会そして自然・・・俳句は映像のように17文字からどんなイメージが浮かぶか? それは読み手の問題

2195  山笑ふうしろに白き富士も居て  沙会  

2021年04月13日 | 

   この句、前山と、富士山を望む場所はどこだろう。単純に、作者が海老名市に住んでいることを考慮すると、海老名から西を望めば、丹沢山地と大山、その背後に富士山が控えているはずだ。

 只今、日本列島の山々は、山桜の白、薄紅、芽吹きの黄緑、薄緑、濃緑、枝の茶色も交じり、華やかで賑やかで美しい。これを「山笑う」という。

 三月四月の富士山はまだまだ真っ白であり、雪の衣を脱ぐのは「皐月富士」と言われる旧暦の五月頃である。

ヒメオドリコソウ(姫踊子草)

コメント

門灯をまあるくつつみ春の靄    歩智  

2021年04月09日 | 

   門灯や街灯が靄に包まれると、光の輪環が現れ幻想的である。遠くに去った昭和期の住宅街の路地を、一人の女性が家路を急ぐ、闇に隠れては街灯に照らされて行く、そんな情景が想像される。

 ちなみに、これが太陽や月に現れる現象を「暈(かさ)という。太陽の周りに丸い虹となって出現すると、日暈(ひがさ、にちうん)、月に現れると月暈(つきがさ、げつうん)という。又、虹のようにも見えることから白虹(はっこう、しろにじ)ともいうそうです。

ミヤマシキミ(深山樒)

コメント

2193  第295回 岩戸句会 3月

2021年04月08日 | 岩戸句会

門灯をまあるくつつみ春の靄       歩智    

櫻咲く歩く場所なし目黒川

   

春疾風洗濯物を平手打ち         沙会

山笑ふうしろに白き富士も居て

 

早蕨や時代に媚びず背伸びせず      裕

春時雨足湯に空のワンカップ

 

一日に玄米二合と木の芽和        パピ  

三・一一世界を繋ぐ花は咲く

  

春愁ひ履くあてのないハイヒール     凛

タンポポが野原でそっと待っていた

 

霾るやへのへのもへじとボンネット    鯨児

春嵐屋根打つ雨やバルトーク

 

奪衣婆の髪にあおあお春の苔     薪

全集の細かき活字春嵐

  

お彼岸も行けずごめんねお母さん    貴美

春嵐どうせ外出自粛中

 

達磨山臍の辺りでホーホケキョ     炎火 

点と線たんぼの中の蛙の子  

 

春嵐モンロー真似る男達        豊春

遠近にエンジンの音春の山

      

ずっしりと重きおにぎり初音聞く    洋子 

迷いなく花蹴散らして犬走る

   

桜咲く富士霊園へ墓参り        余白

土筆出た若きママさん声高し

 

公園の春青年のジャグリング      稱子

茶を供す吾手描きの帯の紫木蓮

   

 

春嵐くっきり虹を置き土産       光子

春彼岸作りましたよ五目寿司

 

木の芽時空気が微温い雨の朝      さくら

春荒れて双子積み込む乳母車

 

夜座禅お月様雲と夢語り         黄玉

春疾風白いマスクは凧になり

 

たそがれつ雨風さわぎ花は咲く      イヨ

段々のわさび田静か天城山

 

おぼろ月何もかもみな包んでる      鞠

さくら山濃茶と菓子にしあわせよ

 

どなたにも愛想の良き雪柳        雲水

「バカの壁」の「の」の字の意味の種を撒く

コメント

2192  腰痛の富士浮びおり霾ぐもり  薪

2021年03月11日 | 投稿

(ようつうの ふじうかびおり よなぐもり)

 俳句には、句を作った人の連想を追っていくという楽しみがある。たとえば今回のお題「春一番」の句に、「髪揺らす」があれば、それは「春一番」から「揺れる髪」を連想したということがわかる。こうした連想にこそ、それぞれの人の感性なるものが垣間見えて興味深い。個人差はあるとはいえ、その連想は「髪揺らす」のように共有されていて、お互い理解しあえる。しかし時々、その理解の許容範囲を超える連想もある。今回は、この「腰痛の富士」がそうであった。腰痛で苦しむ富士山!???であった。しかしこうした句は、解釈するために、逆に無茶苦茶な連想が必要となり、自らの連想能力にとってよい刺激となり、その意味でとても貴重である。前回の「目借時蒟蒻踊る鉄鍋で(歩智)」もそうだった。

 この句の季語「霾ぐもり」は、中国大陸からの黄砂などの影響で曇った状態。たぶん、ここからコロナを連想したと思われる。それで外出ができず巣ごもりが原因で、富士「富んだ士(人)」つまり富裕層が、太ってしまって腰痛になり、富士山のようにドテっと動けない状態になっている。しかしながら腰痛の富裕層は、多くの人が沈む中、動けなくても浮かんでいてなにも問題ない。実際富裕層は、コロナ期でも焼け太りで、逆に資産を増やし続けているという話である。一見イミフ(意味不明)ながら、世相をあてこすった素晴らしい作品である(鯨児)

ヤシャブシ(夜叉五倍子)

コメント

2191  列島をゆさぶりながら春一番    炎火

2021年03月10日 | 

    日本列島は、最大幅300キロ、長さ3500キロに及ぶ。中新世(2300万年前 – 530万年前)にユーラシア大陸と分離して日本海が形成され、50万年前に伊豆半島が列島に衝突した。更新世の終わり頃の2万年前に、現在の日本列島が完成した、という。

 又、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの2つの大陸プレートの下に太平洋プレートとフィリピン海プレートの2つの海洋プレートが沈み込む運動によって日本列島が形成されたという。プレートの移動は年8~10センチだから、ざっと一万年では一キロメートル、百万年では百キロメートル、という途方もない距離になる。

 死者行方不明者18000人余の東日本大震災から10年経った。三陸では、明治29年の明治三陸地震、昭和8年の昭和三陸地震、昭和35年のチリ地震による津波など、多くの大津波の被害があったにもかかわらず、被害の歴史が役に立たなかった。

 私達に身近な伊豆半島でも、272名の死者を出した昭和5年の北伊豆地震があり、丹奈断層では上下に2.4メートルずれ、北へ2.7メートルも移動した。

 実際、日本列島を揺さぶっているのは、太古から地震である。東京直下地震、東海地震、南海地震が、いつ連動して起きても不思議ではない、と言われているが皆さん意外と無頓着である。

 さてこの句、春一番を目の当たりにしながら作者は、近々起こるかもしれない地震のことを気にしてはいないだろうか。

ホトケノザ(仏の座)

 

 

コメント

2190   蒸蛤とぶっきらぼうな目玉焼き  裕

2021年03月09日 | 

(むしはまぐりと ぶっきらぼうな めだまやき)

 蛤は、春に身がふっくらと肥え、旬を迎える。二枚の貝は、末長い夫婦の縁(えにし)の象徴とされ、婚礼や雛の節句、貝合せなどに用いられる。平安時代には、薬入れとしても使われた。吸物、蒸し物、蛤鍋、焼蛤として食卓に上る。将棋や碁などで使われる「その手は桑名の焼蛤」や西行の「今ぞ知る二見の浦の蛤を貝合はせとておほふなりけり」が有名

 さてこの句、蒸蛤と目玉焼きという取り合わせが、ちぐはぐで可笑しい。一方、この句の目玉は、何と言っても「ぶっきらぼう」だろう。「ぶっきら棒」とは、ぶった切った棒の意から、物の言い方や挙動などに愛想がないことをいう。目玉焼きは、美味しいが愛想のない朝食の定番であり、蒸蛤は、味噌汁や吸い物にも良いが、何と言っても酒の肴に合う。

 貝には、牡蠣、赤貝、帆立、浅利、蜆、バカガイ、色々あるけれど、古来から、やはり蛤が一番上等かもしれない。

サクラソウ(桜草)

コメント

2189   第294回 岩戸句会 3月

2021年03月07日 | 

湯豆腐に鶯まだか問うており    裕

蒸蛤とぶっきらぼうな目玉焼き

 

列島をゆさぶりながら春一番    炎火

春一番オットセイ族蠢きぬ

 

料峭や仄かに草の匂ひあり     さくら

早春賦ハモった頃の若かりき

 

春一番革靴ステッキ濡れ布巾    豊春   

春一番大島初島歪みけり 

 

陽の匂ひ残したままの毛布かな   沙会 

料峭やブランコ一つ揺れもせず

 

歩む季も踵を返す余寒かな     鯨児

冬の果て何やら散るや死の都

   

お互いに生き延びましょう山笑う  稱子

春愁や息でしめらせ眼鏡拭く

 

料峭也窮屈退屈痩我慢       凛

料峭や他人のやうなパスポート

 

門前の沈丁花咲きカラス鳴く    空白

老人臭初めて感じた冬の風呂 

 

窓ガラスぴかぴかにして春が来た  洋子 

草萌えや和菓子抹茶でもてなさん

 

料峭や電車まだ来ぬ無人駅     貴美 

ポリバケツ転がって行く春一番 

 

どこまでも送ってくれる春の月   歩智 

蕨摘むころんでもころんでも

  

風光る水切り石の飛びきりし    薪

封筒に点字ふつふつ梅咲けり

 

取れ立てを鍋一杯にひじき煮る   パピ

光る風長い長い影作り

  

鴉の巣小枝落とすあわてんぼう   一煌

 春一番ドスンと幹騒がしや

   

料峭や電車まだ来ぬ無人駅     貴美 

ポリバケツ転がって行く春一番 

 

だんご喰うずつなしきめて春炬燵  光子

立春や白髪染めたら出かけよう

 

人影のまばらなる街春浅し     イヨ

蕗の薹鼻歌交じりに一つづつ

 

春一番合格絵馬を嘶かす      雲水

探梅や縄文系の黒き髪

コメント

2188  朝焼けの木々ゆらゆらと初音かな  雲水  

2021年02月23日 | 

 毎年、恒例になった鶯が初めて鳴いた日の記録。今年は、2月22日。確かに昨日は、五月頃の気温に匹敵する記録的な暖かさだったから、鶯が鳴いて当然だろう。しかし、三寒四温という季語の通り、2,3日後に再び寒波がやってくるらしい。アメリカ南部テキサスでは、大寒波が来て大変らしいから、日本列島もまだまだ気が抜けない。 

21年 2月 22日

20年 3月 9日

19年 2月 9日

18年 3月15日

17年 3月19日

16年 3月  3日

15年 3月  9日

12年 2月21日

フキノトウ(蕗の薹)

コメント

2187  さあ今朝もワルツの如く掃除かな   光子  

2021年02月11日 | 無季俳句

  新型コロナで緊急事態宣言が出され、店を閉めた、仕事を失った、外出自粛で家に閉じ籠った。うつ病が増えている。自殺者が増えている等々、暗い話が実に多い中で、句会にその影響を受けた句が多くなるのは仕方ない。

 しかし、そこでこの句に出会って、私はホッとする。今朝もワルツを踊るがごとく、掃除をするというのだ。あらゆることを忘れて、明かるく、力強く、優雅に、踊るように集中して掃除をしようというのだ。

 この句に、季語はない。いわゆる無季俳句ではある。「掃除」を「初掃除」とすれば、新年の俳句にはなるが、まあなくても構わないだろう。

サクラソウ(桜草)

コメント

2186  初氷柱ワクチン打つか打つまいか   炎火

2021年02月06日 | 

(はつつらら ワクチンうつか うつまいか)

  新型コロナのワクチンが開発され、イスラエル、アメリカ、イギリスなど、各国で接種が始まった。日本でも二月末には始まるらしいが、アンケート調査によると、打つかどうかの賛否は、ほぼ半々のようである。

 医療従事者、六五歳以上、基礎疾患のある人、一般人の順番らしいが、強制でない限り、私は打つつもりはない。何故なら今回の新型コロナは、

◎例年のインフルエンザと比べて、死者数がほとんど変わらない。又、若年層の死者がいない。

◎高齢者、基礎疾患のある人に死者が多いのは、新型コロナ以外が直接原因である。

◎白人と比べて、アジア人に死者が少ないのは、新型コロナに対する免疫を獲得しているからだ。

◎遺伝子組み換えワクチンは、将来に様々な弊害が出ないことが検証されていない。

さて、この句は、「氷柱」という季語を斡旋したことが成功している。注射を想像させるからだ。

紅梅

コメント

2185  亡き母へ空に向って初電話  洋子

2021年02月05日 | 新年

 この世の77億人には、必ず母親がいる。そして、死んでしまって母親のいない人は、たぶん3割くらいはいるだろう。その中で、新年に「お母さん」と呼びかける人は、結構いるんじゃないだろうか。ちなみに、「妣」は、一字で「なきはは」と読みます。

 ところでお母さん、光秀が信長を討ち、その光秀を秀吉が討ち、秀吉の息子を家康が討って、戦国時代が終わったんだよね。その後、260年続いた徳川幕府を薩長連合が討ち明治維新。

 そして薩長中心の昭和軍事政権をアメリカが討った。そして、腐敗を極めているアメリカの傀儡政権を討つのは、一体どこの誰でしょうか。

 「あらあら、元旦から難しい話だねえ。そうねえ、たぶんもうすぐ分かるわよ。といっても、あなたがこちらに来てからかもしれないわね」

アロエ

コメント

2184  第293回 1月 岩戸句会  

2021年02月04日 | 岩戸句会

楽しみをまず書き入れて初暦     さくら

たっぷりと街並濡らせ冬の雨

 

亡き母へ空に向って初電話      洋子

女正月ひとりトランプ占いす 

     

さあ今朝もワルツの如く掃除かな   光子

手短かに遠慮もありや初電話

 

初つららワクチン打つか打つまいか  炎火

心拍の音ばかりなり雪の夜 

  

ままならぬ事はさておき福笑い    凛

「たんと雪積もっちょるよ」と初電話 

 

春糸に編み針絡むタンゴの足     薪

道具屋にこけし林立小正月

 

東雲を赤く染めつつ初日の出     イヨ

龍のひげ光る瑠璃色抱きしめて

 

春隣診察室の聴診器         豊春

陽の落ちて行方定めぬ寒鴉 

 

雪降れば子供に成って遊びたき    沙会

公園の水辺に鳴けり夕千鳥

 

荒星も夜空の縁にしがみつき     鯨児

ほんのりととぼとぼの先の冬障子 

      

マスクして挨拶交わすあなた誰    パピ

季の語よりはずされそうなマスクかな 

   

メールして初電話して少し呑む    裕

聞き役なるばかりかな初電話

 

初電話不在着信赤い文字       歩智

目借時蒟蒻踊る鉄鍋で

   

飛行雲曲がることなく冬の空     余白

枇杷の花人目を惹かず庭の隅

 

世界中何はともあれ年明くる     稱子

初日の出誓い決心持たずおく

 

目が覚める堀文子絵のカレンダー   鞠

初釜や静寂の釜と花びら餅

 

メールして初電話して少し呑む    裕

聞き役なるばかりかな初電話

 

初電話孫に元気をもらいけり     貴美

二メートル離れて祝う新成人

 

湯豆腐やモダンジャズからバラードに 雲水

噴き上がるマグマの余熱初山河

梅一輪一輪ほどの暖かさ  嵐雪

   

コメント

2183  たっぷりと街並濡らせ冬の雨   さくら  

2021年01月28日 | 

 つい先日まで、たぶん一ト月余り、ほとんど雨が降りませんでした。お陰で椎茸は小さいまま干し椎茸になってしまったし、堆肥箱に集めた落葉も乾き切っていて堆肥にならない。私の個人的感想ではありますが、雨ごいをしたい気分だったのです。

 ですからこの句、山に住む私としては「たっぷりと山並み濡らせ」としていただきたいのですが、都会に住む作者に無理は言えません。「街並み」で結構です。

 そして、ようやくこの数日雨が降り始めました。大寒も過ぎ、春がそこまで来ている証拠です。新型コロナに戦々恐々としている私達ですが、そんなことは気にもせず、自然界は春を迎える準備を着々と行っています。梅や万作は咲き出し、蕗の薹も地下で膨らみ始めています。「自粛など糞喰らえ。ウィルスなど糞喰らえ」と野山に出かけましょう。

 ウィルスは、低温と低湿度が大好きですから、雨は天敵なのです。ご安心ください、気温が上がり、湿度が上昇すれば、次第に新型ウィルスの感染は縮小していきます。但し、油断は大敵です。

スイセン(水仙)

コメント

2182  マスクしているのに増える新感染  与太郎

2021年01月12日 | 

 昨年、Go to トラベル、Go to イートを行ったり止めたりという、無計画で場当たり的な政策をした菅内閣。年明けの今頃になって、遅すぎる新型コロナの緊急事態宣言を出した。どうせ出すなら年末年始の前に、生活を保障する自粛給付金を付けて出すべきだった。従って、国民は保証も無しに自粛を強いる政府に不満を持っているらしく、感染を広げる若者を中心に前回のように素直に従わないようである。

特に、冬季は低温と低湿度のためウイルスの感染力が高まるし、イギリス由来の感染力の強い変種ウイルスが入っているので、これから2月にかけては感染者は減らない、逆に増えると予測されている。糖尿病などの持病があったりする人は、免疫力が低下して重症化しやすいから、感染しないよう特に注意が必要だ。

但し、良いニュースもある。

新型コロナウイルスによる日本の死亡比率は、西洋のおよそ50分の1に過ぎない。

つまり、日本を含むアジア人は、新型コロナウイルスに対する免疫を持っている。

昨年の新型コロナによる感染者、死亡者の数は、毎年のインフルエンザよりも少ない。

コメント

2181  堆肥箱に落葉集めて初仕事  雲水

2021年01月06日 | 新年

 冬は、堆肥を作る絶好の時期だ。乾いているから軽くて、作業が早く運びやすい。去年は、もう一つ堆肥箱を作ったから、天地返しがやりやすくなった。堆肥箱には、落葉・魚粉・油粕・木灰・雑草・生ごみを入れる。

 自然界の草木は秋に葉を落とし、堆肥の他に日光と水と二酸化炭素などを利用して成長してゆく。完全な循環型社会なのである。私は、そのおこぼれを貰って野菜を育てている。

コメント