一韶の俳句ブログ

詠うのは、私・人間・社会そして自然・・・俳句は映像のように17文字からどんなイメージが浮かぶか? それは読み手の問題

1974   蜩やすっからかんの薪置場

2018年07月15日 | 

 93回目の穴窯の窯焚きも、あと半日になった。薪の壁がなくなり、柱だけが残っっている。この一か月ほとんど草取りをしていない草ぼうぼうの庭が、間近に見渡せるようになった。

 薪のない素通しの壁のすぐ近くで、ヒグラシ(蜩)が鳴いている。まだ、午後3時だ。いつになく、早く鳴いている。昨夜は、数匹のヒグラシが窯場の蛍光灯にぶつかっては落ちて鳴いていた。それを掴んで闇に放った。 

「飛んで火にいる夏の虫」という諺があるが、何故虫たちは、人間の作りだした明かりに集まるのだろうか。

ヤブカンゾウ(藪萱草)

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1973   檜扇や犬に曳かれて走り出す

2018年07月13日 | 

(ひおうぎや いぬにひかれて はしりだす)  

  今年は、ヒオウギ(檜扇)の場所を変えて植えたのが良かった。7株に増えて、次々咲いて美しいが、一日でしぼんでしまう一日花。良い土に植えたものは、一メートルを超えている。

  ヒオウギ(檜扇)の黒い種子は、射干玉(ぬばたま・ぬぼたま・むばたま)と呼ばれ、和歌では「黒」や「夜」にかかる枕詞。

朝焼け

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合歓の花散り敷く庭に迎えけり

2018年07月07日 | 

 庭に合歓の木を見つけて、ほぼ18年経った。今では、太さは25センチを越え、高さは10メートルはありそうだ。有難くも、適度な木陰を作ってくれている。

 見上げれば、葉は、広々と均等に空一杯に広がっている。その隙間から、赤い花がかすかに見える。その花が、先日からの強風に煽られて、次々と地面に落ちている。鮮明な色は変わらず、踏むのをためらわずにはいられない。

ところで、今までに作ったこの合歓の木の句は、意外に少なくて以下のたった3句だった。

今年また咲かざる合歓を脅しけり

合歓の花脅しが効きて咲きにけり

合歓の花私を抱く母若し

合歓の木

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1971   穴窯に日がな籠れば初蜩

2018年07月06日 | 

 今年のヒグラシ(蜩)の初鳴きは、7月2日だった。記録を始めてから、最も早い。今年の梅雨明けは、観測史上最も早い6月29日だった。従って、ひぐらし君はその三日後だったから、梅雨明けは蜩の初鳴きの重要な参考になるだろう。

 さて、私は唯今窯詰の真っ最中。13日から窯焚きを始めるからだ。まさか、こんなに早く梅雨が明けるとは、夢にも思っていなかった。酷暑の窯焚きになるかもしれない。くわばらくわばら・・・・・

 以下、8年間のヒグラシの初鳴き日。次第に早くなっているのが分かる。

2018.7. 2

2017、7、 6

2016、7、 4

2015、7、10

2014、7、10

2013、7、 7

2012、7,14

2011、7,13

庭に、突然咲いた花、洋花ではないかと思いますが・・・・・誰か教えて

 

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夏至空の沸き立つ雲へ委ねたし  豊春

2018年07月05日 | 

  はてさてこの句、何を委ねたいのだろう、と読み手である私は考え込んでしまう。というのは、例えば、夢や希望・苦しみ・悩みなど心の問題。病気や健康など体のこと。我が身や連れ合い。恋人・父母兄弟・友人など人間のこと。人生や来し方行く末・運命・死だってあり得る。つまり、何でもありなのだ。

 この句を、意味不明と切り捨てることもできるだろうが、作者には自分で解決できない問題を抱えていて、放り出したい気分でいるのではないか。かと言って、そんな深刻な問題ではなく、楽しい気分の句であることもあり得る。つまり、読者次第で解釈は何でもありなのだ。

オオバギボシ(大葉擬宝珠)

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1970   灯取虫飲んで騒いで交差点

2018年07月03日 | 

 ワールドカップに熱狂する日本人、のみならず全ての参加国のそれぞれの熱狂する国民。革命や戦争、ゲリラや無差別テロが横行するt地球。

 渋谷の交差点に群がる若者たちの映像で見て、平和の祭典であるスポーツこそが、人類の叡智ではないか、と私には思われる。全身全霊をかけて疾駆する選手たちに、負けていても、ボール回しをしていた選手たち、本音はどうだったんだろうか。

 あと2時間余りで決勝ラウンドが始まる。ベルギーに勝って、あのボール回しを正当化して欲しいのだが・・・・・

ハマギク(浜菊)

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1970   撫子やきっと君らも一年生

2018年06月22日 | 

 私は、高校時代に最も沢山の本を読んだ。そして、乱読した様々な文学書、哲学書、宗教書から、神は存在しないし、天国も地獄も存在しない、と結論した。ニーチェは、それを「神は死んだ」と言ったはずだ。

 ところが最近になって、その考えを否定し、「あの世は存在する」ことにした。キリスト教や仏教とも関係なく、あくまで私にとっての「あの世」である。

 唯今、私は全く新しい「あの世一年生」になった気分である。

ナデシコ(撫子)

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1969   出しゃばらぬ生き方覚えた鈴蘭

2018年06月20日 | 

 一昨年、鉢で毎年咲いていた鈴蘭を花畑に下ろした。去年は咲いたのに、今年は咲かなかった。日当たりは良いし、雑草も取ったし、そして葉は立派なのにどうしてか咲かない。理由が分からない。

 一方、去年路傍で採取した赤い蛍袋は、植えた場所では全滅したが、種がこぼれたのか3メートルも離れたところに群生している。

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1968   いつはりの人ほど歌は巧みなりうち頷くな姫百合の花   直文

2018年06月16日 | 

 落合直文(文久元年~明治36年、42才没)は、明治の新時代に、古来の和歌を一般人に平易な言葉で作歌できるようにし、また貴族、老人のものであった和歌を若い人でも作歌できるように努めた。また門弟には真似することを戒め、個性をとても大事にした。(ウィキペディアより抜粋)

 真実を伝えるのに虚構を用いるのは、古来から世界中の文学者・哲学者・宗教者たちの常套手段である。そんなことは百も承知のはずの作者。だからこそ、「うち頷くな」と姫百合に呼びかけているのだろう。大学教授を勤めた作者の、学生への教育的短歌と言えるかもしれない。さて、いつはり(嘘)は是か非か?

サツキツツジ(皐月躑躅)

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1967   梅雨空や拡声器から尋ね人   炎火

2018年06月15日 | 

 実際あった話。行方不明になった認知症の老人が警察に保護されたが、身元がとうとう分からず、公営の老人ホームに入居して十数年経った。このような身元不明者が増えているという。

 家族は、捜索願を出さないで年金を貰い続け、入居費を払わず、一切の介護から解放されるという、甘い汁を吸い続けるという具合だ。

 核家族化が進み、おひとり様も増え、孤独死も増えている。この句はそんな中で、家が分からなくなって彷徨する老人を、家族が尋ね人として捜索している。

不幸中の幸い。まだまだ世の中、捨てたものではない。

ビヨウヤナギ(未央柳、美容柳)

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1966   第261回 岩戸句会 5月

2018年06月14日 | 岩戸句会

梅雨空や拡声器から尋ね人      炎火 

走り梅雨隈なく箱根八里かな 

   

黒砂に黒い穴ぼこ潮干狩       薪

忍術が書いてあります落し文

 

主もどる庭の金魚が騒ぎ出す     美部

潮干狩り瓦礫のシリアに続く瑠璃

 

潮干狩おむつの中も外も濡れ     海人

夏きざすテニスコートに白の映え

   

並び見しそれだけの事遠花火     洋子

来ぬ人を待つ愉しみの鯉幟

  

初夏や若きたなこに子の生まれ    稱子

囀りや一期一会の佳き宴

 

軽鴨の向う新居はビオトープ     歩智

殿様蛙羽織袴で登城

   

ツバメらは唾液と泥で巣をつくる   余白

琵琶の実が朝日に映える馬込かな

 

さえずりや仏細目に笑みたまふ    貞次

一爆の音のたしかな夏立てり

 

海霧ふかき船さらはれし如く消ゆ   佳津

発刊の俳句手にする五月かな  

 

薫風や術後給ふも縁かな       沙会

世界中離脱騒ぎや雨蛙 

 

空と海藍色の帯夏近し        鞠

夏近し空を独占鳶一羽  

 

潔ぎよし切子ガラスに心太      さくら

梅青しやたらに猫の出るテレビ  

 

老鶯や箱根神社の杜の中       イヨ

富士を背に芦の湖静か初夏の風  

 

やりとげた湖畔マラソン五月晴れ   貴美

 

へとへとにテニスして来しサングラス   雲水

山国に生れし男の潮干狩

キンシバイ(金糸梅)

  

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1965   梅雨台風ボーッと生きても叱られない

2018年06月11日 | 

 NHKのクイズバラエティー番組「チコちゃんに叱られる」が、実に面白い。特に、チコちゃんの「ボーッと生きてんじゃねえよ!!」のパフォーマンス、「ねえ、おかむらー」と呼びかけたり、「詰まんねーんだよ、お前らは!!」などの言い方が実に可笑しい。

 チコちゃんの表情が、人形にもかかわらずとても豊かで可愛いのは、CG(コンピューター・グラフィックス)を駆使しているかららしいが、いづれにしても、テレビ番組では、久し振りに大笑いしたような気がする。

ホタルブクロ(蛍袋)

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1964   目纏いに好かれています耳元で

2018年06月10日 | 

  目纏い(めまとい)は、糠子(ぬかご)、糠蠅(ぬかばえ)、まくなぎ、ぬかが、などとも言われている。特定の昆虫を指すのではなく,人間の眼のまわりにまとわりつく昆虫の総称で,小型のハエが多い。日本での代表的なのは,春先から森林の内外でしつこく眼にまとわりつくクロメマトイである。

  昨日、野草茶に入れるよもぎ(蓬)を庭で摘んだ。目まといは、何故人間の目の位置が分かるのか?いつも不思議に思うが、兎に角ブンブン目の前を飛んで来る。

  採集してから、夏蓬の茎は固いので茎をしごいて葉を外すが、テラスで作業の間も目の前でブンブン、耳元でもブンブン。

シモツケ(下野)

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1963   草花の黄を増やして梅雨入かな

2018年06月08日 | 

 今年の関東地方の梅雨入りは、平年より2日早い、一昨日の6月6日だった。入梅(にゅうばい)、梅雨入(ついり、つゆいり)ともいう。

 庭では、金糸梅・未央柳が咲き出した。蛍袋・野花菖蒲・雪の下・梅花空木・ドクダミが満開。ハンゲショウ(半夏生)も早々と色付き始めたが、調べたら絶滅危惧種だとか。庭では、生命力強く、増えているから土質が合っているのかも。

 今朝、南方で台風5号が発生し、日本列島に沿って接近し、日・月曜日あたりに場合によっては上陸するかもしれない。梅雨台風は、大雨になりやすいから、要注意だ。

キュウリの花

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1962   岩戸句会第五句集「何」あとがき  片岡余白

2018年06月07日 | 岩戸句会 第五句集「何」

  岩戸句会は平成8年5月13日(月)に熱海市伊豆山・IBM熱海保養所「ユトリウム」で産声を上げ、平成30年4月で22年目を迎えることができました。当日の参加者は雲水先生・水口・笠島・前村・桝本・原口・柳沢(敬称略)そして、余白の計八名であったと記録されています。

 当日は会名を決めたり、開催日を毎月の月曜日にするなどの概略が決まりました。会名も「ユトリウム句会」「老化損塾句会」などを経て、現在の「岩戸句会」になりました。

 会員の資格は、自由に俳句を楽しむ人で、テレビや人から聞いた、本で読んで得た情報から俳句を作るのではなく、自分でやったこと、見たことを中心にした写実的な俳句を作る人。

 出入りは自由、朗かで、明るく、真面目に俳句に取り組むことができる会員であってほしい、という雲水先生の思いの通り、会員の職業は多種多様で、茶道の先生・生け花の先生・絵描さん・能面師さん・経営者・サラリーマン・主婦など明朗闊達な方々で構成され、現在に至っています。

 ここまで長く句会が続きましたのは、発起人の「雲水」先生のご努力と熱意及び、俳句に対するゆるぎない信念、更に会場の提供があります。更に、先生の熱意に引けをとらない会員の皆様のご支援があった結果と思います。

 当会も会員の高齢化が進んでいますが、毎月一回の句会は熱気に包まれ、楽しく面白く、人生の機微を学ぶ場となり、高齢化の実態を忘れてしまう勢いです。句会後は恒例の懇親会があり、いろいろな話題で盛り上がり、時の過ぎるのを忘れ「岩戸窯」に泊めていただくことにもなります。

 余白如きは、句会黎明期から参加しているも、未だ「雲水先生」や会員のおメガネにかなわず「佳」の評価もない、体たらくですが、先生はじめ会員皆様の御恩情で句会の末席に置いて下さる、温かくも厳しい句会の雰囲気が「岩戸句会」の心情であります。

 この句集を、会員以外の方々がお読みくださったことに感謝を申し上げるとともに、是非お近くにお越しの時には、熱海市伊豆山七尾峠の「岩戸窯」をお尋ね下さるようお誘い申し上げます。

  第五句集「何」発刊に際して会員一同心から「雲水先生」に感謝を申し上げると共に、表紙は会員の美部さんにお願いしたことをご紹介し、お礼を申し上げます。

                  平成30年4月吉日   岩戸句会 片岡余白

ヒメジョオン(姫女苑)

 

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