今年の二月(新暦では睦月)は、寒波が強く、未だに日本海地方に大雪が降り続き、太平洋側は晴天が続いている。そのせいか、今月の句会には「空の青」を詠った句が多かった。
さてこの句には、青い空を渡っているのは何か、いわゆる主語がない。省略されている主語が何かと考えてみると例えば、空を行くジェット機や動物では鴨、鶴などの「鳥類」、「白い雲」などが考えられる。又、非現実、抽象的なものともなれば、例えば作者の様々な過去の記憶が走馬灯のように思い出されているのかもしれない。この句は、それぞれの読者の経験や記憶による様々な解釈が成立するのである。
「如月が渡っている」が、一番素直な解釈かもしれないが、「如月や」と「や」で切っているから、如月ではない「別物」と考えるのが良いだろう。
又、「青き空渡る」に、本来あるべき助詞を入れてみると、「青きが空渡る」「青き空が渡る」「青きを空渡る」「青き空を渡る」など別の解釈も成り立ってくる。
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