一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2086  庭石の海こひしがる残暑かな   一慶

2019年08月26日 | 

 ようやく酷暑が収まってきた。とは言っても、最高温度が35度を下回り、30度ほどになった程度であるが。まだまだ残暑は厳しい。

 さて、現在の日本列島のほとんどは、元海底だったから、庭に据えられた石が残暑厳しい太陽に熱せられ暑がっていて、あの冷たい海底を懐かしく恋しがっている、というのは納得できる話だ。

  その根拠としては、大陸移動説(プレートテクトニクス理論)がある。地球は、40億年前に誕生して以来、表面の地殻であるプレートが年間数センチ移動し続けているからだ。

  大陸が移動しているという理論は、南北アメリカ大陸の東岸とヨーロッパ・アフリカ大陸の西岸を合わせると、ぴったり合うことから発見したのだという。

センニンソウ(仙人草)

 

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2085  何時逝くもよろしき齢墓洗ふ  保子

2019年08月19日 | 

(いつゆくも よろしきよわい はかあらう) 

 7月30日に公表された日本人の平均寿命は、男性81.25歳女性は87.32歳で過去最高を更新した。ところが、健康でいられる健康寿命は、およそマイナス10年だ。つまり、長生きをしても10年前後は病気や介護で不健康な日々を送らねばならないことになる。従って、「長生きはしなくていい」と、長生きを否定的にとらえる人が増えているのである。

 先の参議院選挙で、「安楽死制度を考える会」は、26万票余りを獲得した。数としては多くないが、潜在的な国民の関心の強さを示している。薬漬けの延命治療を拒否する権利や安楽死の権利を立法化しようという議論さえしない政治家の無策は、困ったものだ。

 この句のように、平均寿命を過ぎたらいつ死んでも不思議でないわけで、ほとんどのご老人は、覚悟を決めているだろう。

 しかし一方、自動車がドローンになって、自由に空を飛べるのはもうすぐだろう。IPS細胞による臓器製作が可能になって、あらゆる臓器が移植できるようになるのももうすぐだろう。AIロボットの開発が進み、重労働や単純作業から人々が解放されるのは十数年後かもしれない。ベイシックインカムが導入されて、全ての人々が貧しさから解放され、人生を豊かに暮らすのも近いはずだ。そんなことを考えていると、長生きしてそんな世界を見てみたい、と思うのは虫が良すぎるだろうか。

 保子さん、今年は台風10号の余波の大雨が、我が家の墓を洗ってくれました。

クサギ(臭木)

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2084  花木槿たとえば幼き母の写真

2019年08月08日 | 

  2~3日前、秋の蝉つくつく法師が鳴き出した。立秋だから、当然かもしれない。もう一つのみんみん蝉が鳴き出せば揃い踏みである。今年の夏は、去年と比べると涼しかった。夜、暑くて眠れないということがなかった。実に有難い。

 さて、秋の花・木槿(むくげ)は、インドや中国が原産で、日本では平安時代初期にはすでに植えられていたそうである。裏千家では、最も代表的な夏の茶花として重宝されている。又、韓国の国花でもある。

 はてさて、昨今の日韓問題が大々的に報じられているが、実に嘆かわしい。国を背負って立つと、政治家はバカになってしまうらしい。人間的、人道的、友好的、平和的、民主的外交を忘れてしまうらしい。

キンミズヒキ(金水引)

 

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2083  睡蓮や金魚言葉の泡三つ

2019年08月07日 | 

 人類は、戦争の歴史だった。宗教、哲学、文学など戦争を否定し、平和を希求する努力はなされたが、結局次々と戦争は生まれた。第二次世界大戦終戦から74年。人類は、次期戦争を回避できるだろうか。

 アメリカのトランプ、中国の習近平、ロシアのプーチン、トルコのエルドアン、北朝鮮の金正恩・・・彼らの人相は、非常に自己中心的で非人間的、そして好戦的である。さて、世界の今後はどうなるのであろうか。

 我が家の金魚たちも、世界の動向を論議しているようです。

ツユクサ(露草)

台風8号、9号、10号、三つの台風が日本近海で活動中

10号が日本列島に接近するらしい。注視しましょう

 

コメント (2)
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2082  蜘蛛の網の一本を切る蜘蛛落ちる  海人

2019年08月06日 | 

 八メートル幅の道路の真ん中から一本の蜘蛛の糸が垂れていて、左右の木立の枝にも一本ずつ繋がれ、真ん中に立派な蜘蛛の巣があり小さな蜘蛛がいた。私は、驚きと共に、どうやって巣を作ったのだろうという疑問が浮かんだ。

 一番上までは自力で登ったとしても、左右に糸を張るのは至難に違いない。可能にするのは、やはり風だろうか。海風に揺られて右の木に届き、山風に吹かれて左の木に届いたのだろうか。この句を見たとき、そんな情景を思い起こした。

 この句には、大泥棒犍陀多が、後から登ってくる罪人たちに「下りろ」と喚いたとたんに糸が切れ、真っ逆さまに元の地獄に落ちた話。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」が、底辺に流れているのかもしれない。

コマツナギ(駒繋ぎ)

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2081  あなたとは行かない来世夏椿  敏子

2019年08月05日 | 

 立秋(8日)がもうすぐだ。旧盆も近い。あの世があると信じている作者は、あなた(たぶん夫だろう)とは一緒に来世へ行かない、という。

 最近、「夫の洗濯物は、一緒に洗わない」とか「夫と同じ墓に入りたくない」という女性が増えている。そういう人たちは、子育てや生活のために、愛情もなく仕方なく一緒に暮らしているのだろう。

 離婚しても、一人になっても、たとえ働けなくても、安心して暮らしていける、そんな政治をやって欲しい。

ヒメギボシ(姫擬宝珠)

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2080  日焼けして免疫力を高めたり

2019年08月04日 | 

 人間の身体の中では毎日、がん細胞ができる。しかし、多くの人が発病しないのは、免疫細胞がガンを死滅させるために働いているから、だそうです。又、外から侵入した細菌やウイルスなどを、常に監視し撃退する自己防衛システムが、免疫です

 癌になりやすいものには、喫煙、酒の飲み過ぎ、ソーセージ、ベーコン、ハムなどの加工肉、牛豚などの赤身肉の食べ過ぎ、座っている時間が長過ぎ、太り過ぎ。殺虫剤や木材用防腐剤、など様々あるそうですが、あまり気にせず、バランスの良い食事や適度の運動、そして楽しく暮らすことが重要のようです。

 紫外線を浴びると皮膚癌になる、と極度に直射日光を嫌う人がいるようですが、私たちは自身の免疫力を信じ、適度に日光に当たる必要があります。

 又、清潔、衛生的な暮らしも大事ですが、行き過ぎると細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、却って病気にかかりやすくなるそうです。

ムクゲ(木槿)

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2079  蝉時雨「この世の果て」と歌いだす  沙会

2019年08月02日 | 

「この世の果てまで」の原曲のタイトル は、(The end of the world) で、1962年にスキータ・デイヴィスが歌い世界的にヒットした曲。直訳すれば「この世の終わり」個人的には、ブレンダリーのカバーが好き。

 さて、ここで「てにをは」の問題を考えてみよう。『「この世の果て」と』の「と」と「を」の違いである。

➀「と」では、「この世の果て」を歌っているのは蝉だけで、作者が歌っていることにはならない。

➁「を」ならば、作者が歌っていて、補足的に蝉も歌っていることになる。つまり、余命の少ない蝉の嘆きを、作者が共感して「この世の果てまで」を歌っていることになる。ということで、

蝉時雨「この世の果て」を歌いだす  が正解だろう。

ハギ(萩)

秋の七草、葛・萩・桔梗・女郎花・芒・撫子・藤袴のうち

撫子が咲き終わり、萩と桔梗が咲きだした

 

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2078  第275回 7月 岩戸句会 

2019年08月01日 | 

蜘蛛の網の一本を切る蜘蛛落ちる   海人

鳶の巣と大海原と浜万年青 

 

蝉時雨「この世の果て」を歌いだす  沙会

名も知らぬジャズにときめく晩夏かな

 

ホルムズ海峡や如何に遠花火     炎火

日焼け止め有り〼の旗雨の浜

 

羅を着て後れ毛のまとわりぬ     稱子

夏雲の風にとかれてゆくかたち

    

蓮池の心臓ぽっと開きけり      薪

七夕やAIロボは美少年

  

ぬか漬けの茄子紺光る朝の膳     イヨ

雨蛙つやつやの肌正座して  

 

麦藁にトリコロールのリボンあり   裕

片蔭に信楽の壺汗をかき

 

犬連れて夏越の茅の輪くぐりたり   洋子

夏帽の古さ気になる同窓会

 

むぎこがしテニスコートのひとやすみ 歩智

鬼百合の野面をなめるゲリラ雨

  

日盛りや留守猫床へ潜りおり     豊春

雲の峰樟の重なる伊豆権現

      

近江路は早苗手を振る安土城     余白

絶え間なく雨が身を打つ合羽通して

 

選手らに片蔭もなし草野球      貴美

カビ臭を気にしてならぬ座禅堂  

 

堀文子画集の一服サクランボ     さくら

掛軸を守り切れない晩夏かな

 

夏帯のひと色好み外出す       鞠

凛として日の本木槿闇の中

 

夏椿たとえば幼き母の写真      雲水

睡蓮や金魚言葉の泡三つ

ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)

いつのまにやら庭に咲き始めました。色が鮮やかで、気に入っています。外来種で繁殖力が強いらしいので、増え過ぎないよう気を付けたい植物です。

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