風やわらさあ春蘭を探しましょう 蠍
カステラをぶ厚く切りて花見せん
ものの芽や地底のマグマ母として 吟
春風も軽トラックに積み込んで
ものの芽や乳呑み児胸に若きパパ 豊狂
木の芽雨榾木艶めく夕間暮
山椒の芽またひとりめぐり雨の朝 吠沖
人影なきかあごめかごめ夕桜
花の色常なる日々は奇跡なり コトリ
春満月犬と私の長い影
白木蓮午後五時という昏さにも さくら
蒼蒼と田老産なる和布かな
芽吹くときかすかな吐息あるような おぼこ
つなぐ手に笑顔に花の散り止まず
ものの芽や子等の足音聴いており 心
フリージア一輪挿しが窮屈に
歩かない老犬抱いて桜見る マープル
踏切に鳴り出す鉦や夕桜
花吹雪笑顔のイカスラガーマン ルパン
啓蟄や花壇の手入れいたしおり
ふらここや私心もゆーらゆら 黒薔薇
ものの芽やほぐれほぐれて大和魂
ボタン押すバスの車内にバラが咲く 淡白
思い出は卒業日でのボタン取り
春疾風袴のすそも祝ひ舞 流水
春雨も思い出となる卒業式
雄叫びのWBCや花も満ち 信天翁
花咲くを風の間に間に川の音
春の夢なつかしき人に出会う旅 伊豆山人
ウグイスがベランダに来て声ならし
枝垂梅酔心宴に誘われて 翠風
枝垂梅ライトアップに円舞曲
青き踏む百人一首諳んじつ 釣舟
春雷や欹つ耳の二二ンが四