一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1515   秩父路の水子地蔵や鯉幟   稱子

2015年05月31日 | 

  水子とは、中絶・流産・死産などでこの世に生を受けることの出来なかった子供のこと言う。本来は、生まれて1年以内に死んだ嬰児や死産した胎児を指し、子供は7歳まで神の子として死んでも葬式はしなかったり、無縁仏扱いにされていたそうである。

  秩父三十一番札所の古刹、曹洞宗・鷲窟山・観音院には、18,000体のお地蔵さまがあるという。同じ水子でも、望まれていたのに流産や死産だったのと、望まれずに中絶されたのとでは、天地の差がある。

 毎年、この世にどの位の中絶があるのか、どのくらいの体外受精などの不妊治療があるのか・・・・・調べる気にならない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1514   青虫か芋虫かメイワクシロヒトリ

2015年05月29日 | 

  マユミ(真弓)の木にシャクガ科らしき幼虫が大発生。全ての葉を食い尽くし、クモの糸のような中に数匹がうごめいている。最近、クモの糸の家を出て、糸にぶら下がって地面に降りてくるようになった。気持ち悪いのなんの。インターネットで調べてみたら、どうやら外来種の「アメリカシロヒトリ」のようである。その数無数。近くのマユミ以外の草木は、今のところ一切影響ない様子。

  但し、幼虫は小鳥たちの絶好の餌になるようだし、葉を食べつくされたマユミももう一度葉を出すらしい。蝶や蛾の幼虫を、毛虫、青虫、芋虫などと呼ぶようだが、アメリカシロヒトリにはどれもぴったりしない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1513   卯波立つ安徳天皇未だ六歳    沙会

2015年05月28日 | 

  安徳天皇の父は高倉天皇、母は平清盛の娘の徳子(建礼門院)。平家物語によると、満1歳4か月で即位し、歴代最年少の数え年8歳(満6歳4か月、6年124日)の時、壇ノ浦で祖母・二位尼(平時子)に抱かれて入水、崩御したという。陰暦3月24日(陽暦4月22日)のことである。平清盛の築いた日本初の武士政権は、清盛の死によってわずか20年余の短期間で滅亡し、源氏による鎌倉政権へと移ってゆく。

 さて、卯波は、陰暦卯月(4月)に立つ波のこと。卯の花の咲く時期で、陽暦では5月頃に当たる。

 もう一つ、原句は「まだ」とひらがなであったが、「未だ(いまだ)」にした。「まだ6歳」と「未だ6歳」では、意味が違う。この場合は、「未だ」であろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1512   藪っ蚊や妻にかくれて煙草吸う   友行

2015年05月26日 | 

  去年、デング熱のウィルスを媒介するヒトスジシマカ(一筋縞蚊)が、代々木公園に出て有名になった。どうやら、ヤブカ(藪蚊)と同類らしい。

 さて、自宅でさえの室内で吸えない愛煙家達。夜の屋外で吸うので、ホタル族とも言うらしい。禁煙したはずが再び吸い出したのであろう。気弱な亭主は、堂々と煙草を吸えない哀れな夫たちである。更に哀れなことに、藪っ蚊に襲われるのだ。私の想像では、こういう連中は、日本にたぶん数十万人はいるに違いない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1511   万緑にトンネルを開け都会の灯

2015年05月24日 | 

 東京、横浜方面を一望するため、10年前は自分で木に登って枝打ちした。しかし、独りで梯子を固定したり、重いチェンソーを持って木に登り枝を払うのは結構大変なのだ。

 怪我でもしたら元も子もないので、今年は植木屋に頼んで切ってもらった。自分でやるのもそれなりに楽しいが、お金を払って経済を回すのも悪い考えではないと思う。

 さて、開けてもらったトンネルから、湯河原、真鶴、相模湾の向こうの横浜のランドマークタワーや、東京スカイツリーまで見通せるようになった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1510   年頃となりし娘や桐の花

2015年05月22日 | 

 女子が生まれると桐の木を植える,と聞いたことがある。桐は成長が早く、20年もすると桐の箪笥が作れるらしい。本当かどうか知らないが、箪笥は無理でも文机や小物入れなら作れるだろう。

 当時、私も植えようと考えたが、とうとう桐が手に入らなくて諦めた。今思うと、その気になればできないはずはなかった。娘に申し訳ないことをしてしまった。だから、行きそびれているのかもしれない。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1509   葉陰にて壺中の天や赤金魚

2015年05月21日 | 

 先日植えた睡蓮が河骨と共にもう咲き出した。その葉陰に隠れ休む赤金たち。調べてみると、キンギョ(金魚)は、フナの突然変異の中から、橙色のヒブナを人為的に選択し、観賞用に交配を重ねた結果生まれた観賞魚、だそうである。だから、河川には住んでいないわけだ。

 いづれにしても、ほとんどの金魚が水槽の中で一生を送るわけだが、寿命はおよそ10~15年。ギネス記録では45年というから驚く。又、体長は30センほどまで成長するらしいが、記録では体重3キロ、体長59センチというからすごい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1508   夏なのに夏めくとはこれ如何に

2015年05月20日 | 

  「春めく」、「夏めく」、「秋めく」、「冬めく」という季語がある。確かに「今日から夏ですよ」という意味の暦の上の「立夏」は、気温が低く、まだまだ夏らしくないかもしれない。それがある時ある日、「夏になったことを体感する」

 しかし5月は、多少気温が低くても、草木は芽吹き新緑の季節となり「初夏・しょか、はつなつ」と言われる立派な「夏」なのである。例え、雪が降ったって、立夏以後は夏だし、「夏の雪」だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1507   薫風の箱根噴火を兆しつつ

2015年05月19日 | 

 北米プレート、ユーラシアプレート、太平洋プレートが重なりあい、更にフィリピンプレートに乗っかって日本列島にぶつかったらしい我が伊豆半島。

 最近の予測では、富士山の噴火や東南海地震もあるかもしれないと言われている。その予兆とも言える箱根の噴火が迫っているらしい。つい最近、ヒマラヤの大地震もあったし、一体どんなことになるやら、この先見当も付かない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1506   睡蓮の苗を植えけり金魚鉢

2015年05月17日 | 

 毎年、睡蓮の苗を買って咲かせてはいるが、熱帯性のためどうしても越冬させることができない。晩秋に発泡スチロールの箱に入れて室内に置いても、やはり枯れてしまう。

 という訳で、今年も紅白2株を購入して、それぞれ別の鉢に植えた。葉も花も小さいからミニ睡蓮のようである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1505   卯の花腐し排水口の芥取り

2015年05月16日 | 

  五月の雨は、卯の花腐し、筍流し、筍梅雨、茅花流し、走り梅雨などとも呼ばれる。先日は、台風6号がやって来たし、晴天も多いが今年の5月は結構雨が多い。

 山地の舗装道路には、各所に排水口があるが、大雨が降ると集まって来た雨水が落葉や花屑も集めて排水溝を塞いでしまうので、雨水が道路に溢れる。その詰まったゴミを除き、雨水を通してやるのが私の雨の日の仕事。

 カッパを着て、犬を連れて、雨の中の作業が私は好きだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1504   近頃の日記空白雪解富士   公平

2015年05月15日 | 

 「今日の富士山」の写真によると、雪がかなり解け進んでいて、将に「雪解富士」である。この雪山の解け具合が模様となって、その雪の模様を農作業の指針としていた時代があったという。表富士の農男、裏富士の農鳥である。

 さて、日記が空白である理由には、①毎日、同じことの繰り返しで、書くことがない。②毎日、忙しすぎて書く時間がない。③作者は、三日坊主だから

 この句の季語が、「雪解富士で」あってみれば、農作業が忙しくて・・・・という②番であろうと私は想像する。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1504   あの人もこの人も居ず桜散る   時子

2015年05月14日 | 

 この句は、5月11日の読売俳壇に投稿し、掲載される前の原句。実際は、選者によって

あの人もこの人も居ず桜咲く

に添削され掲載されていた。確かに、現在に的を絞り、このように明るくした方が引き立つかもしれない。その点原句の「居ず・散る」の淋しさの重なりは、くどすぎるのかもしれない。

 しかし、よくよく内容を考えてみると、桜は咲いて散るのであり、時間的に「散る」には「咲く」が内包されている。つまり、①花見を一緒に楽しんだあの人たちがいない。②花見にもいなかったが、桜散る今もいない。

 つまり、「桜散る」の方が、解釈の幅が広がるのである。ここで、良し悪しを論ずるつもりはないが私は、添削する必要はなかった、と思う。

この花の名前知らんか親ツバメ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1503   大百足兵どもがゴミの跡

2015年05月11日 | 

(おおむかで つわものどもが ごみのあと)

 先日のニュースで、長崎市の軍艦島(正式名称・端島)を含む「明治日本の産業革命遺産」を、世界文化遺産に登録するよう勧告した、という。

 さて、見学していた観光客が「兵どもが夢の跡、ですね」と言っているのを聞いた友人がすかさず叫んだ。「兵どもがゴミの跡、じゃないか」

 いずれにせよ、現在あの廃墟に多くの観光客が訪れ、経済効果が年間65億円もあるというからすごい。又、遺産には、伊豆韮山の反射炉なども含まれていて、やはり多くの人々が訪れているらしい。富士山、富岡製糸場なども世界遺産に登録された途端に多くの観光客で溢れているらしいが、まあ、日本人が罹りやすい一時のハシカのようなものでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1502   初夏や少年走らす撮影隊

2015年05月10日 | 

 先日の夕方、いつもの犬の散歩道をふさいで、2~30人で撮影が行われていた。スタッフが、「申し訳ありません。2分ほど待っていただけませんか」「一体、何の撮影なの」

「テレビ朝日のドラマ、アイムホームです」「私は家、という意味のアイムホームなの」「はい、そうです」

 撮影現場では、白いシャツを着た小学生くらいの一人の少年が、森の中へ走って行く。後ろで誰かが「一生懸命走って」などと命令していた。あじゃあじゃ、少年俳優も結構大変なんだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする