一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3018  第497回 岩戸句会 11月 

2023年12月06日 | 岩戸句会

ふる里の駄菓子屋も消え鰯雲     凛 

身の軽き茶髪の庭師冬構       〃

     

冬構始まる脚立運ぶより       冬華          

新之助てふ新米を白粥に        〃

 

サッチモをバーボンで聴く寒夜かな  仁 

うとましや時雨の夜の腰の骨     〃

 

冬構伊豆の山々セピア色       豊狂

朝時雨ゴミ出し男背丸し       〃

        〃

畑道の草寝そべりて冬ぬくし     信天翁

冬ぬくし身動き軽き昼下がり      〃

 

老集う居酒屋ムード囲炉裏端     淡白           

大松の枯れ葉重なりゴザ模様      〃

 

奥付の横に旧姓一葉忌         紅 

残菊や畝の隅っこに括られし      〃

 

もの言えぬ犬の涙や山眠る       コトリ

榛の実をクシュクシュ踏んで山路かな   〃

        

初霜のたよりを聞けば冬構       みやび

あと五分ふとんをかぶりしがみつく    〃

  

立冬に夏日を記すエルニーニョ     伊豆山人 

酉の市熊手にサイフが届かない      〃

 

花八ツ手死にゆく犬の眼に泪          釣舟             

亡骸に土を掛けゆく寒さかな       〃

       

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2998  第490回 4月 岩戸句会

2023年05月17日 | 岩戸句会

ミサイルが着弾します四月馬鹿    ルパン

ピンポーン竹の子二本届きけり

  

雨に打たれ広がってゆく桜草     流水

雨やどり目玉で会釈雨蛙       〃

 

風光るサッカー少年の大リュック   マープル 

かくれんぼの鬼残される落花の中 

  

風光るダンプの前のミニバイク    豊狂  

風光る稚児舞簪揺らめきし 

    

春眠や深度三百のシーラカンス    吠沖

新緑や山も心ももふもふに      〃

 

気を付けて「ね」に心こめ花の宵   蠍 

大丈夫元気になるよしょうぶ咲く

 

春眠や待合室の老男女        心

句碑に名を刻みし母や桃の花     〃

 

蒼天へ自由奔放花ミモザ       さくら

ヨチヨチがパパ振り払って青き踏む  〃

 

空をゆくひとかたまりの花吹雪    黒薔薇  

ジャンプして陽炎に紛れこむ

          

イベントの疲れ回復菖蒲の湯     淡白

さえずりに見上げた先のツバメかな

 

桃の花童女になりし叔母卒寿     吟

嫁ぐ娘と最後の散歩桃咲く日     〃

 

清明や野道の光りひねもすを     信天翁

鳴く鳥の姿隠して若葉舞う      〃

 

年一のタラの芽サクッと揚がりけり  コトリ

釣りたての鯵を捌くや桃の花     〃

 

春暁や太陽女神訪れて        翠風

トンネルの向こうで待ってる桃の花  〃

 

昭和の日世界和せない令和かな    伊豆山人

味噌汁にふかみどりなるワカメかな  〃

 

今という時間はゼロや風光る     釣舟

空海忌モーター廻す蓄電池                   〃   

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2992 第319回 岩戸句会

2023年03月31日 | 岩戸句会

風やわらさあ春蘭を探しましょう    蠍

カステラをぶ厚く切りて花見せん

 

ものの芽や地底のマグマ母として    吟

春風も軽トラックに積み込んで    

 

ものの芽や乳呑み児胸に若きパパ    豊狂

木の芽雨榾木艶めく夕間暮

      

山椒の芽またひとりめぐり雨の朝    吠沖  

人影なきかあごめかごめ夕桜 

 

花の色常なる日々は奇跡なり      コトリ

春満月犬と私の長い影        

 

白木蓮午後五時という昏さにも     さくら

蒼蒼と田老産なる和布かな      

 

芽吹くときかすかな吐息あるような   おぼこ

つなぐ手に笑顔に花の散り止まず

 

ものの芽や子等の足音聴いており    心

フリージア一輪挿しが窮屈に     

 

歩かない老犬抱いて桜見る       マープル

踏切に鳴り出す鉦や夕桜

    

花吹雪笑顔のイカスラガーマン     ルパン

啓蟄や花壇の手入れいたしおり

 

ふらここや私心もゆーらゆら      黒薔薇  

ものの芽やほぐれほぐれて大和魂

      

ボタン押すバスの車内にバラが咲く   淡白

思い出は卒業日でのボタン取り

 

春疾風袴のすそも祝ひ舞        流水

春雨も思い出となる卒業式      

 

雄叫びのWBCや花も満ち       信天翁

花咲くを風の間に間に川の音     

 

春の夢なつかしき人に出会う旅     伊豆山人

ウグイスがベランダに来て声ならし  

 

枝垂梅酔心宴に誘われて        翠風

枝垂梅ライトアップに円舞曲     

 

青き踏む百人一首諳んじつ       釣舟

春雷や欹つ耳の二二ンが四      

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2989  第488回 多留男会 二月

2023年03月05日 | 岩戸句会

踏みしめる土の弾力ふきのとう     蠍

手のひらに豆腐切る朝春隣       〃

      

春立てり波の潮目に吹く風に      吟

あんぱんのおへその上の桜かな     〃

 

カツカツと春風を行くハイヒール    心

春めくや貧乏ゆすり見せており 

 

料峭や幕府黒松魚付林         マープル 

屋台の枘コツンと嵌める梅三分     〃

 

真夜中に氷柱は牙を研ぐらしい     さくら

生国はどの辺ですか山の独活     

 

しほらしき薄氷なすがまま光り     黒薔薇 

ぽつんと人影小路に余寒かな

 

一羽来て一羽出て行く巣箱かな     伊豆山人

陽の当たるベンチをえらぶ梅見処   

 

マフラー巻くリボン結びのお地蔵さん  豊狂

春時雨日曜朝のヴィヴァルディー 

  

梅咲いた秒針コトリと動いた      ルパン

定置網後光差しけり春の湾 

 

春がすみピンクに染めて綿菓子に    吠冲

マスクとれいいえ私は花粉症      〃

          

早春の馬込百坂風の音         淡泊

早春の池上梅園老夫婦         〃

 

冬桜友美しく身罷れり         おぼこ

夫を看るそれも幸せ春隣

 

春寒の静かなる海眺めつつ       コトリ

満開のマンサク見上げ背伸びする   

 

梅咲かば香りほどけて鳥の声      信天翁

春の雪窓辺に踊り過ぎ行きぬ    

 

春麗富士の笠雲追いかけて       翠風

青空と河津桜の朝湯舟       

 

春浅き吹く風の色空の色        流水

吹く風に背を向けて行く浅き春    

 

その喧嘩櫟が買った春一番       釣舟

そろそろと高足蜘蛛の春動く     

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2982  第317回 1月 岩戸句会

2023年02月07日 | 岩戸句会

初鏡たしかにこれは祖母の顔     吟

ひょうきんな綽名のまゝの初便り   〃

 

冬の月泣かないための赤ワイン    黒薔薇

大寒や真っ赤なビーツスープ美味

        

初詣明るい方へ歩き出す       コトリ

食べないの寒の山雀餌隠す       〃

 

戻らざる遠くの人も冬ごもり     さくら

雑煮椀具は串刺しが博多流      〃

 

熱燗をグっと飲み干し出す答え    流水

雪嶺の朝日をかえす赤き富士     〃

 

寒椿美しきまま落ちまする      おぼこ

老人が老犬を引く冬の坂

 

寒雀枯萱足場ぶらんこに       豊狂

餅焦がし顔火照すどんど焼 

   

保険証ポインセチアのわきに出す   伊豆山人

松かざり一週間の寿命かな       〃

 

寒波きし故郷の山凛として      信天翁

夕暮の畑道哀し虎落笛        〃

 

バルザックの彫像重き黒マント    マープル 

孫娘より化粧の手解き女正月 

    

冬空に一羽のカラス見張りおり    心

初明りスマホに届くうさぎ年     〃

 

初出航鴎達追いかけてきた      翠風

朝風呂や河津桜が二輪咲き      〃

 

八重の香につつまれ迎える初明り  吠冲

双六やまた振り出しで戦前に     〃

 

ゴミ箱に正月飾り虎の絵馬      ルパン

初日の出大仏様の眼の如し

       

メモ忘れスーパーうろつく夜寒かな  蠍

一字一句心をこめて寒中見舞

    

枇杷の花咲いて受粉の手を求む    淡白

銀杏の樹裸に成りて月を載す

 

山雀の糞の一滴初景色        釣舟

凸凹の沖雲に穴初日の出       〃

 

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2281  第311回 岩戸句会

2022年08月03日 | 岩戸句会

テラスで新聞昇りくる尺取虫      蠍

カクテルにストロー二本夏の宿

 

尺取虫急ぎ足するボンネット      吠冲

ゆあんゆおん蝉時雨の風やハンモック 

 

夏雲とゆらゆら電車語りけり       翠風

桜島噴火尺取り虫避難

 

片陰の若き鼾や道路工         マープル

食べおえしスイカの皮の化粧水 

 

先行きのことはさておき心天      凛

雨上がる虹を渡っておいでませ     

 

青田風山里暮らしの頬撫でる      豊狂

カタカナの賢治のポエム夏夕焼

 

さーらりと解く夏帯香わしや      黒薔薇

ウスバカゲロウ羽広げ天使的

  

朝の道夕べの道も蝉しぐれ       信天翁

帯なして故郷の山夕焼けて       

 

あさがおに直哉の想いのせて観る    船山

走湯山社紋神紋わが家紋        

 

朝顔を数えて今日の始まれり      おぼこ

叱咤激励手つなぎ散歩夏の夕

 

生ビールプリプリ蛸に誘われて      心

「意気地なし」昭和の歌謡酷暑かな    〃

 

紫蘇湯掻く酢とお見合いで赤くなり    流水

冷酒や烏賊はあぶって裂いて喰い     〃

 

着る気なく捨てる気もなく藍浴衣     さくら

忍び入るバネ仕掛けめく尺取虫       〃

 

夏の夢二万年後の哺乳類         ルパン

蝉時雨仏とけ仏とけ五三八さん

   

白南風の波高なりて小舟舞う       歩智男

熱海では知らぬ人なしジャカランタ

  

赤トンボ命受け継ぎ悠々と        淡泊

どぜう喰いに出れば仲見世供養雨

 

閑けさや内耳に止まぬニイニイ蝉     釣舟

碧空に遊びて戻る土瓶割          〃

 

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2276  第310回 岩戸句会  6月

2022年07月08日 | 岩戸句会

遠き日の破滅派いずこ桜桃忌     鯨児

十薬に梔子の香庭の面

     

畑道を雲低くして梅雨半ば      イヨ

雨止みてせせらぎ音頭蛍舞う     〃

 

納涼やしたたかに凛と咲く花よ    洋子

大粒の雨がきそうよカンナ咲く 

 

梅雨晴間月星日の出光りけり     黄玉

道をしへ仙厳園の観音岩       〃

 

手擦る蠅兵器産業見本市       炎火 

紫陽花やビルエバンスの前頭葉 

    

かの笑顔置き六月の風となり     沙会

今年又ここで紫陽花待ってます    〃

 

紫陽花や変わりゆく夫いとおしむ   稱子

合歓の花夫の笑顔のあればいい

    

暁闇の静寂を開く杜鵑        豊春

蛍火の残像追ひし子等の声 

 

風鈴屋色とりどりの風を呼ぶ     薪

夜盗虫朝のベランダ動悸打つ 

 

安曇野の風に吹かれて納涼かな    まり乎

神田川橋まん中の夕納涼

  

ノーメイク日傘とマスクで楽々    一煌

白夜光黒ビールとグラスひとつ

 

街路樹にビワ実りても手も出さず   余白

ゴミ拾い高齢男女の麦茶かな

 

青嵐青年の眼の真っ直ぐに      さくら

変わりしは我かも知れぬ四葩かな    〃

 

新茶汲む祖母いますかに真っ先に   凛

鎌倉も北鎌倉も七変化        〃

 

十薬や一輪挿しを絵手紙に      光子

河骨やぶれない姿勢受け継いで    〃

 

無人駅足音まばら夏に入る      鞠

滴りや升麻に出会う箱根路よ     〃

  

泣き崩れおり涅槃図の蛇百足     雲水

雉鳩の声のくぐもる夕涼み

ヒメジョオン(姫女苑)

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2268   第308回 4月 岩戸句会

2022年05月16日 | 岩戸句会

久かたの七尾の今朝の新樹道      凛

囀りやエリちゃんカズちゃんトモコちゃん

 

春眠や目覚めよ畑が待っている     洋子

秘めやかに山にとけこむ藤の花

 

光風や手から離れし赤風船       鯨児

今宵も雨ながめせしまの小町の忌   

 

薄氷に時流れゆく青き空        一煌

相模湾大きすぎたる春の月

 

ゾヨゾヨと覗いてるよな空豆の花    さくら

街並の朧々の小糠雨         

 

ミニスカの足の白さや春の果      豊春

目の前を過ぎる燕の白き腹 

 

寒戻る真白き峰と青空と        沙会

主なき家跡に散る桜かな       

 

ぶり返す寒さしのぐや中華そば     余白

街路樹と庭木の花の鑑賞会

 

こでまりや右へ左へ遊ぶ風       光子

れんげ草花かんむりのお姫様     

 

箱根山楚々としている豆桜       鞠

釈迦堂も摩崖仏にも花まつり     

 

夕ぐれて行く春慕う風の音       イヨ

常ならば山のあること春霞      

 

囀りや透き通った海に献茶       黄玉

東寺や夜桜心に光りけり    

 

クリームパンとろりと割れば春の果   薪 

二分の一カットキャベツの薹立ちぬ

 

ロキソニン腰に四枚山笑う       炎火 

往く春にハービーマンはいかが哉

  

海胆割って潮で洗ってスプーン     雲水

いつもの林道ふらふら歩き春惜しむ

コマツヨイグサ(小待宵草)

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2263  第307回 岩戸句会 3月

2022年03月27日 | 岩戸句会

ホワイトデー駅階段を急ぎ足       光子

クシャクシャが目クシャ鼻クシャ春来たる

 

珈琲の膨満雪崩注意報          さくら

彼岸桜見知らぬ人と立ち止まり

 

蓮華田や湿りて遊ぶ少女らは       薪

葦の角大気吸い込む鯉の口

 

木の芽風鉢植え椿名札消え        豊春

ため口のナースの肩へ朧月

 

揺するなら陽のある時に春鯰       鯨児

春愁ひ茶殻を撒きてひと掃きし 

 

さようなら握る手強き春の雨       沙会

泣きべそが袴姿で卒業す

 

いくつもの雲をくぐりて鳥帰る      凛

カーテンにワルツのやうな春の風

 

オードリーヘップバーンや春の夢     炎火

ミサイルに吹っ飛ばされた花見かな

 

鳥集う彼岸桜へ夕陽射し         イヨ

一日ごと色増すつぼみ桜かな

 

春の海日の出を迎え万物流転       黄玉

初音とも一日始まりワクワクす

 

春光となり翡翠の番翔く         雲水

巣籠りや春子の無垢の白き襞

オオアラセイトウ(別名 諸葛菜、紫花菜、花大根)

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2261   第306回 2月 岩戸句会 

2022年03月16日 | 岩戸句会

翁逝く春耕の鍬壁に立つ        豊春

辻地蔵毛糸マフラー布マスク

 

ザリザリと我先潰す霜柱       さくら

白菜をメリメリと割り厨事

 

大福の中の苺の薄あかり        凛

目覚めゆく大海原に風光る

 

タンポポのソーラーパネル発電所   炎火

枯れた草枯れない草もありにけり

 

丸窓から「おばんです」と春満月    鯨児

ひらひらと朽ちゆく国に春の雪

 

春の海密状態の魚元気         鞠

お籠りの三回接種春寒し

 

あれやこれ話半分狸汁         沙会

黄砂舞ふ世界の果ての果てまでも

 

逢えました二夜続いて春の夢      光子

風光る伊豆稲取の吊るし雛

 

春めくや若いつもりの服を買う     稱子

まんさくや義父に感謝をして足りず 

 

紅白の梅てんでんに膨らみし      裕

梅仰ぎ犬の散歩は千歳川

 

梢揺るさえずる小鳥東風の波      イヨ

静かなる巷の夕を春の雨

 

春立つと龍頭雲に乗り日の出      黄玉

佳2➀春の月レースドレスを着て踊り

 

独り居に息吹いただく蕗の薹      洋子

春隣海見入るだけの旅気分

 

単身赴任の赤鬼戻り豆撒けり      薪

霊山の馬酔木の蕾蠢けり

 

冬日ざし山王草堂野良の猫       余白

凍て路に足を取られて空を見た

 

二月尽何か切らんと刃物研ぐ      雲水

焚火からこの世に戻る半ひねり

ウメ(梅)

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2254  第305回 岩戸句会 1月

2022年02月05日 | 岩戸句会

寒林や生きとしもののある気配   稱子

湯たんぽを赤児のように抱いて寝る

 

遠火事や放火魂疼く夜       鯨児 

寒月や道行く人を石に変え

 

玄関の乱れし靴や去年今年     豊春 

仄赤き雲の広がる寒の空

  

精悍な風貌となり成人日      さくら

駅なかにピアノ響くや寒に入る

 

雪の夜は踏切の音高くして     イヨ

初雪やただ深々と夕の闇

 

冬花火果てたる闇に孤りをり    凛

雪の日の三千院が好きと君

 

冬の海月光の道佇まふ       黄玉

満月臘梅寄り添って漣

 

夫婦にも雑煮の味は郷の色     裕

福寿草箱根七里を駆け抜けて

 

初泣きは親と娘の卒業式      沙会 

書初めは行雲流水と決めにけり

 

初詣最強守り一つ買う       鞠

早春や古希の祝いの昼の茶事

 

福寿草ぷいとよそ向く犬の鼻    薪 

チーズフォンデュ泡立ちねばる女正月 

 

初雪や紅茶に一匙ナポレオン    洋子

女正月男交じえずいと楽し 

 

スマートフォン操る子の香筆はじめ 炎火

大発会オミクロン株大暴騰

 

おでん食べ身も心も通い合う    余白

雪だるま汚れ欠けてもおかしけり

 

猛襲のコロナ六波や小正月     光子

どんど焼き灰かき分けて柚子参上

 

大寒や野鳥の皿に湯を満たす    雲水

空腹を水で満たすや寒の犬

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2251   第304回 12月 岩戸句会  

2022年01月06日 | 岩戸句会

薪ストーブ令和新撰組屯所        炎火

ドラキュラも溶けゆくさだめ霜柱  

 

年用意思ひも染みる筑前煮        さくら

ロングブーツ女性車輛の闊歩かな 

 

下駄箱の木製列車冬日向         豊春 

冬ざれや茶箪笥飾る志野徳利

  

大晦日余白の多き手帳かな        光子

一人居のチャチャチャのチャッと大掃除

 

蓑虫や庭の手入れに切りをつけ      洋子 

野ぼたんや毎日咲きて毎日かなし 

    

クリスマス何度聴いてもあきぬ歌     凛

数え日や仕上げを急ぐ合唱団

 

残照の破片むさぼる鴨の河        薪 

数え日を搦め綿菓子太らせる 

 

犬死にも英霊となれり開戦忌       鯨児

風一陣茜の波や冬夕焼

 

家中の時計の針や年惜しむ        裕

数へ日や隣人もまた無精髭

 

よく売れるパン屋の横のみかん小屋    鞠

数え日の切腹最中でお茶事かな

 

朝日浴びふくら雀となりにけり      歩智

カレンダー最後の一枚寂し気に

 

短日や日の出一分遅くなり        パピ

冬花火輝き沸き上がる拍手

    

玉柘植にイルミネーション聖夜かな    余白

文士村柿熟してももぎ手なし

 

数え日の踊りおさめのタンゴかな     稱子

嫁入りの包丁健在のっぺ汁

 

数え日や思わぬ奇跡が起きにけり     黄玉

数え日や満天星と流星

 

冬ざるる地震竜巻地の果ても       沙会

夕映の冬山紅葉拝みをり

 

数え日を残し射したる朝日かな      イヨ

さざんかの花道続くを風去りぬ

 

黄を増して日に日に柚子の輝けり     雲水

朝焼けや霜にまみれし青菜摘む

初雪や窯の余熱はこころにも   雲水   

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2245  第303 岩戸句会 令和3年11月  

2021年12月03日 | 岩戸句会

つわぶきや戻らぬ人を見送りて   洋子

冬耕の男しだいに土の中  

 

日向ぼこコロッケ色の猫も来て     凛

色褪せぬ赤い糸あり時雨傘       〃

 

五十年世のこと忘れ浮寝鳥     鯨児

野山の色それを肴に入り日酒       

 

冬の海めぐみちゃんとその母のこと  さくら

冬うらら少女の声の男の子       〃

 

冬めくや逢初橋を通るたび       裕

鳴き上手熱海湾にも浜千鳥       〃

 

どうしても三辺余る炬燵かな     光子

一斉に軽きステップ木の葉雨      〃

   

山寺の梢にぶらり烏瓜        イ ヨ

あたたかの十一月や深呼吸       〃

 

沈む日の光集めて木の葉雨      沙 会

マフラーも包みおほせぬ想いかな    〃

 

虹色の夕日海注す冬初め        鞠

初冬の朝焼けの中小舟引く       〃

 

秋の海瑠璃色映る極楽よ       黄 玉

幸せに涙が滲む木の葉雨        〃

 

錦秋や山に浮き立つ崖の家      豊春 

秋深し校舎裏より細き声

  

サンドウィッチの鋭三角形天高し   薪  

牛糞乾く野原飛び交う秋の蝶 

 

黒板の小枯しの音消し残る      炎火 

竹ぼうき細みとなりぬ木の葉雨

   

お重詰め招福おせち愛犬用      パピ 

二人では広すぎる家毛糸編む

   

 

ガーリックバター馥郁小春パン    雲 水

百三十七億年や神の旅         〃

 

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2234   301回 9月 岩戸句会

2021年10月16日 | 岩戸句会

飲むほどに肴は焼いた唐辛子     沙会

唐辛子舌をちゞめて蕎麦啜る 

 

荒畑にメタリックの艶唐辛子     豊春

秋夕焼おさげ姉妹のランドセル

    

秋風や開いた烏賊の洗い張り     炎火

エンディングはGの音の法師蝉

   

針のせてちょっとマイルス灯親し   鯨児

夢の瀬に小さき物音小鳥くる

 

曼珠沙華一糸一滴輝けり       黄玉

露草と蜜蜂を撮る私がいる

 

暮れのこる南蛮辛子馬籠宿      薪         

鎮魂の海仄白き無月かな   

 

満月に吸い上げられて逝きし人    洋子

味噌汁を深く味わう秋の朝  

 

新涼や朝の広場の太極拳       凛

あのことは無駄じゃなかった唐辛子

 

ピーヒョロロ二羽で呼び交ふ秋の海  パピ

金秋やイルカのようにパラリアン 

      

灯火あり草の中から虫の声      歩智

天国と地獄同時の唐辛子

 

地図にない小径に高き葛の花     さくら

保線区の鉄塔点検秋暑し

 

丁寧な草刈り後や彼岸花       光子

夜なべする昭和の母の背中かな 

 

朝獲りの今宵に刻む唐辛子      イヨ

故郷の段々畑曼殊沙華

 

大島のぼやけて見える敬老日     裕

唐辛子立ち喰蕎麦に山と盛る

 

天高し凱風快晴今日の富士           貴美

逢えなくて月仰ぐ今日は仲秋

 

コロナ中魔除けで飾る唐辛子     鞠

秋海棠銀の露玉ちりばめて

 

天からも地からも降れり虫しぐれ   雲水

焼酎の氷コロンと良夜かな

タムラソウ(田村草) 

 

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2227   第300回 岩戸句会 8月

2021年09月03日 | 岩戸句会

校庭のタイヤの遊具やんま来る    薪

白内障術後きらきら夕の虹 

     

夢覚めて独りの闇や鉦叩       凛

還らざるものを想いて星仰ぐ

 

枝豆に少々という塩加減      さくら

汗散らし突き上げガッツポーズかな

 

蟋蟀や積んどく本とキイボード   豊春

吾子の如犬抱く男ちちろ鳴く 

        

鬼灯の豊かな実り店先に      イヨ

夕暮の鐘の音遠し盂蘭盆会

 

指先に心を込めて大根播く     洋子         

ねじれても寄り添っている水引草   

 

蝉しぐれ少し黙ってくれないか    裕

降るような秋蝉に耳盗まれて

 

立秋や女は南へ男は西        鯨児

猫じゃらしくすぐったくて逃げる雲

     

雨上がり月の匂ひの晩夏かな     沙会

夏が過ぎ風清かなる夕の暮   

 

バラバラ事件の被害者あぶら蝉   炎火

八月や今や先制攻撃論

 

誰彼と話したくなる鰯雲       光子

無花果を見つけ迷わずレジかごへ

 

僧侶の棚経もなく盆過ぎる      鞠

涼月のすべて浄化を願いけり

 

海の風純白の百合届けたい      黄玉

全力のクロウリハムシと初対話

 

ガラス戸を拭き秋空も磨きけり   歩智 

ビルの間に橋架け進むインパルス 

  

夏の犬首に氷のう乳母車      パピ

川端に早一輪の彼岸花

   

邯鄲をはらからとして余りあり   雲水

落蝉の細かな波紋止みにけり

コバギボウシ(小葉擬宝珠)

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