一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

790  木枯や梃子でも動かぬ貫一像

2012年12月11日 | 

(こがらしや てこでもうごかぬ かんいちぞう) 

 熱海の海岸に「貫一お宮の像」がある。明治の文豪、尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の主人公「貫一」が「お宮」を蹴っ飛ばしているシーンの銅像である。

 大正8年、尾崎紅葉の弟子小栗風葉の「宮に似たうしろ姿や春の月」という句碑を建てたことから、近くにあった「羽衣の松」が「お宮の松」と言われるようになったとか。

 「羽衣の松」と言えば、清水の三保の松原の「羽衣の松」が元祖だから、熱海の「羽衣の松」はたぶんその拝借。「お宮の松」も小説からの拝借。しかし、時代が経つにつれそれが本物らしくなっていくから面白い。

 古事記や日本書紀だって、本当より嘘が多いのだから、「羽衣の松」も「お宮の松」の嘘も、誰にも被害のない可愛い嘘なのだ。

ヤブコウジ(藪柑子)ヤブコウジ科の常緑小低木

別名 十両(ジュウリョウ)

コメント (2)
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