一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1809   朝寝してうつらうつらの秀句かな   海人

2017年03月27日 | 

 この句を見た時、笑ってしまった。つまり、夢の中で、作者はとても素晴らしい句ができたと自句自賛し、うつつと勘違いしてその秀句に狂喜したのだ。

  ところが、目が覚めたらその俳句がどんな俳句だったのか、季語は何だったか、様々思いを巡らし、ああでもないこうでもないと、どんなに思い出そうとしてもどうしても思い出せない。・・・・・いわゆる「まぼろしの秀句」だったのである。

 思い出して駄句だとがっかりした可能性もあるが、秀句と言っているのだから、思い出せない方が面白いし余韻がある。

ゼンマイ(薇)

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1808   種薯を埋む浅からず深からず   薪

2017年03月26日 | 

(たねいもを うずむあさからず ふかからず)

「イモ」は、大きく分けると

ヤマイモ(山薯)・・・日本原産のヤマイモ。古来は、薯蕷(しょよ、やまのいも)と

           呼ばれた。自然薯(じねんじょ)ともいう。

サトイモ(里芋)・・・縄文時代に渡来した。山で育つ山の芋に対して、里で育て

                       られるので「里芋」という。

ジャガイモ(馬鈴薯)・・・江戸時代初期に伝来した。

サツマイモ(薩摩藷)・・・江戸時代中期に伝来した。甘藷(カンジョ)

などであるが、現代では、ヤマイモ、サトイモ、サツマイモ、ジャガイモ、コンニャクイモなどは、単に「芋」の字を当てる場合が多い。この句の場合は、ジャガイモかサトイモだろう。

シキミ(樒、櫁、梻 )

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1807   地を揺らし榎降ろせば初音かな

2017年03月22日 | 

 今年のウグイスの初鳴き(初音)は、かなり遅れた。5年前より一ケ月も遅かった。鳴いたのが遅いのは、死んだからではないだろうか。もしそうだとしたら、若いウグイスが新しい縄張りにやって来るのだから、当然遅れるだろう。

 そして一昨日、ようやくウグイスが初鳴きしたが、まだ満足に鳴いていないから、去年と同じウグイスかどうか分からない。同じならば、4年目だが・・・・ 

17年 3月19日

16年 3月  3日

15年 3月  9日

12年 2月21日

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1806   春寒や消へなむとする薪を継ぐ

2017年03月17日 | 

 先日、養老孟司先生がお出でになった。「先生、昔『バカの壁』を読みましたが、よく分かりませんでした」「よく、そう言われます」

 最近、テレビに脳科学者として茂木健一郎さんや中野信子さんがよく出ているが、脳科学の元祖は、やはり養老孟司先生だろう。

 「先生、バカの壁は頑丈で、私などにはとても向こうに行けそうもありませんが、もう一度読み返してみます」「・・・・・・・」

 話は変わりますが、「はやい」には、早いと速いがある。当然、「おそい」にも二つあるだろうと調べたら、やはりあった。晩いと遅い。しかし、「晩い」は、余り使われていないようである。

 早い朝「早朝」はあるが、遅い夕べ、遅い夜に匹敵する言葉はなく、「晩」そのものが「夕べ」と同義なのだ。「今晩は」この夜は遅いのか早いのか。日本語は、面白い。

キンカン(金柑)

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1805   3.11、9.11ナズナ咲く

2017年03月11日 | 

(サンテンイチイチ キュウテンイチイチ ナズナサク)

 三陸沖地震による津波の被害は、平安時代の貞観地震から平成23年の東日本大震災まで、12回あった、という。およそ100年に1度だ。直近では、昭和8年の昭和三陸地震(死者3000人)があったが、どういう訳か歴史が全く役に立たなかった。

 最近、発生が囁かれている東南海地震も、やはり100年に一度発生していて、直近では昭和19年の昭和東南海地震(死者1223名)がある。果たして次の地震に経験が役立つのだろうか。

 一方、わずか71年前日本は戦争をしていた。第二次世界大戦、太平洋戦争である。死者は、世界全体では5000~8000万人、日本だけでも300万人。

 いづれにしても、人間の歴史は繰り返している。地震は仕方ないとしても、戦争を止めることはできないのだろうか。現在、北朝鮮、韓国、アメリカ、そして日本にも戦争の危機が迫っている。

フクジュソウ(福寿草)

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1804   第246回 岩戸句会 2月

2017年03月10日 | 

蕗の薹首を伸ばして水脈送る    薪

春浅し引越しの荷に三輪車

 

日一日一日一日春の山       炎火

鶯の伊豆山神社奥の院

 

癌を抱く男の皺や春淡し      豊春

大屋敷老婦看取りや梅盛る

 

下萌えや今日こそガラス磨きせん  洋子

蕗の薹犬のコースは犬が決め 

 

包丁の切れ味試し三月菜      鼓夢 

初午や季節を詰めていなり寿司

 

ほおじろの絵手紙一筆啓上す    海人 

一連の目刺と一合徳利と

 

節分や鬼面つけた猫はしる     美部 

畔道に芽吹いた春や口苦し 

 

冷や酒に蕗味噌舐めてキリもなし  侠心

藪つばき散り敷き芥を隠しけり 

 

近道の通行止めや蕗の薹      歩智

白菜と大根仲良く陽を分かち

  

春の山うっすら桃色鳥の歌     清海

麗月に生まれし妹麗子かな

 

いつもここ傾斜ひだまり蕗の薹   余白

春うらら両親眠る墓青し

 

     

春うららピアノに合わせ歌う犬   章子      

すこしだけ大切にされ春の風邪

 

豆腐屋のとうふ寒九の水の底    稱子

行く坂は戻る坂なり寒紅梅

 

ごんごんと溝に音する蕗の薹    雲水

死と遊ぶ詩を作らせて牡丹雪

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1803   風少し月に向かって木の芽伸ぶ

2017年03月09日 | 

 教育勅語は、明治23年10月30日発布された。明治天皇が述べた教育に関するお言葉である。

 実際は、当時の明治政府が、天皇の名を利用して、国民が意のままに動くよう教育勅語を作り、全国の学校に下賜した。教育勅語に、親孝行しろ、兄弟仲良く、夫婦も仲良く、友達は信じ合え、博愛を衆に及ぼせ・・・などとあるが、本音は、特に有事の際に、お国のために働くように仕向けるため、学生たちに暗唱させたのである。

 現代に、このようなものを、教育の現場で暗唱させる幼稚園があるとは、実に驚きである。このことに最も困惑しているのは、きっと天皇陛下に違いない。

ホトケノザ(仏の座)

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1802   地を這える小草の小花春の雨

2017年03月06日 | 

 

 古来、「春の雨」は、旧暦の一月(新暦では二月)の雨をいう。現代では、初春、仲春、晩春の三春に降る雨をいう。

一方、春雨(はるさめ)は、旧暦2月末から3月(新暦では3月~4月)に降る雨で、狭い地域で細い絹糸のような雨がしとしととこまやかに降りつづく雨をいう。一雨ごとに木の芽、花の芽がふくらみ、生き物達が活発に動き出す。特に「春霖」とも言う。春雨は仲春から晩春に降り、現在の暦で言えば3月末から4月の雨である。

 さて、春の小花と言えば、第一にハコベ、そしてイヌフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、フキノトウ、ショカツサイ。唯今、我が家の庭で花盛りである。

ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)

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1801   蕗の薹首を伸ばして水脈送る   薪

2017年03月02日 | 

 

「水脈」とは、 地層中の、地下水の流れる道筋。(すいみゃく)
船舶の航行した後にできる道筋。ふなみち。(水尾・みお)
川,海,湖沼の底に、水流によってできる細長い溝で小型船の航行に適する(澪・みお)

さて、よくよくこの句を考察してみると、「水脈送る」の主語は、蕗の薹か作者か、という問題にぶち当たる。どちらともとれるから構わないが、それによって意味が全く変わって来る。

 私は,見送ったのは作者で、水脈に関しては、地上又は地下水脈①を選んだが、作者に聞くと、海を行く船舶の水尾➁で、見送ったのは蕗の薹だそうである。

ヒマラヤユキノシタ、でした。

清枝さん、教えてくれて有難うございます

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