癶 ハツ・ハチ 癶部はつがしら
解字 甲骨文字は左右の両足(止)をそろえた形。両足をそろえて出発する意となる。金文・篆文は原型を残しているが、隷書(漢代の役人が主に使用)から大きく変化し、現代字は癶の形になった。癶は部首の「はつがしら」となり、発・登などの字で用いられる。
意味 ゆく。
発 ハツ <弓矢を放ってでかける>
発[發] ハツ・ホツ・たつ 癶部はつがしら
解字 篆文・旧字は發で、「癶(でかける)+弓(ゆみ)+殳(うつ動作)」 の会意。癶の初形は両足をそろえて出発する形。「弓+殳」は弓を射る形。両者を合わせた發は、弓で矢を放って出発する形で、攻撃に先だってまず矢を放って開戦を告げる意[字統]。
新字体は旧字の發⇒発に変化する。
意味 (1)(矢を)はなつ。「発射ハッシャ」「発砲ハッポウ」 (2)たつ(発つ)。でかける。「出発シュッパツ」「発車ハッシャ」 (3)出る。生じる。「発生ハッセイ」「発想ハッソウ」 (4)ひらく。あける。「発見ハッケン」「開発カイハツ」 (5)あらわれる。あばく。「発露ハツロ」「発覚ハッカク」
イメージ
「弓矢を放ってでかける」(発・廃・癈)
矢が「とびでる」(溌・撥・醗)
音の変化 ハツ:発・溌・撥・醗 ハイ:廃・癈
弓矢を放ってでかける
廃 ハイ・すたれる・すたる 广部
解字 旧字は廢で、「广(やね)+發(弓矢を放ってでかける)」 の会意形声。弓矢の攻撃を受けた家。攻撃を受けてだめになること。新字体は廃に変化。
意味 (1)だめになる。すたれる(廃れる)。すたる(廃る)。「廃屋ハイオク」「廃墟ハイキョ」「廃人ハイジン=癈人」 (2)すてる。やめる。「廃止ハイシ」「廃刊ハイカン」
癈 ハイ 疒部
解字 「疒(やまい)+發(=廃。だめになる)」 の会意形声。治る見込みのない重いやまいをいう。常用漢字でないため、廃に置き換えることが多い。
意味 不治のやまい。「癈疾ハイシツ」(治らない病気。=廃疾)「癈人ハイジン」(疾病や傷害で通常の生活を営めなくなった人=廃人)
とびでる
溌 ハツ 氵部
解字 旧字は潑で、「氵(水)+發(とびでる)」 の会意形声。水が勢いよくあちこちへとび出ること。
意味 (1)水がとびちる。水をまき散らす。 (2)勢いのよいさま。「溌溂ハツラツ」(生き生きとして元気のよいさま=溌剌)「活溌カッパツ」(=活発)
撥 ハツ・ハチ・バチ・はねる 扌部
解字 「扌(手)+發(とびでる)」の会意形声。手の指ではじいて物がとびでること。また、指や手の動きで物をはじくこと。古くは、「扌(手)+發(弓矢をはなつ)」 で、弓矢をはなって乱世を治める意があった。
意味 (1)はねる(撥ねる)。はじく。はねかえす。「撥条ハツジョウ・ぜんまい」(はねかえる力を利用する板状や線状のもの)「撥バチ」(琵琶や三味線の弦をはじく道具)「撥音ハツオン」(日本語の「ん」の発音をいう。「ん」の字は書く時、最後に撥ねるので、ついたといわれる)「撥鏤バチル」(撥は、はねる。鏤は、ちりばめる。象牙の表面を緑や紅色などに染め、上から撥ねるように彫って模様を鏤(ちりば)め、象牙の地色を模様として浮き上がらせる技法。象牙の彫細工のひとつ) (2)治める。「撥乱ハツラン」(乱を治める)
醗 ハツ・かもす 酉部
解字 旧字は醱で「酉(さけつぼ)+發(とびでる⇒生じる)」 の会意形声。さけつぼの中で発酵がはじまること。
意味 かもす(醗す)。酒をかもす。「醗酵ハッコウ」(=発酵。酒がかもされること)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 甲骨文字は左右の両足(止)をそろえた形。両足をそろえて出発する意となる。金文・篆文は原型を残しているが、隷書(漢代の役人が主に使用)から大きく変化し、現代字は癶の形になった。癶は部首の「はつがしら」となり、発・登などの字で用いられる。
意味 ゆく。
発 ハツ <弓矢を放ってでかける>
発[發] ハツ・ホツ・たつ 癶部はつがしら
解字 篆文・旧字は發で、「癶(でかける)+弓(ゆみ)+殳(うつ動作)」 の会意。癶の初形は両足をそろえて出発する形。「弓+殳」は弓を射る形。両者を合わせた發は、弓で矢を放って出発する形で、攻撃に先だってまず矢を放って開戦を告げる意[字統]。
新字体は旧字の發⇒発に変化する。
意味 (1)(矢を)はなつ。「発射ハッシャ」「発砲ハッポウ」 (2)たつ(発つ)。でかける。「出発シュッパツ」「発車ハッシャ」 (3)出る。生じる。「発生ハッセイ」「発想ハッソウ」 (4)ひらく。あける。「発見ハッケン」「開発カイハツ」 (5)あらわれる。あばく。「発露ハツロ」「発覚ハッカク」
イメージ
「弓矢を放ってでかける」(発・廃・癈)
矢が「とびでる」(溌・撥・醗)
音の変化 ハツ:発・溌・撥・醗 ハイ:廃・癈
弓矢を放ってでかける
廃 ハイ・すたれる・すたる 广部
解字 旧字は廢で、「广(やね)+發(弓矢を放ってでかける)」 の会意形声。弓矢の攻撃を受けた家。攻撃を受けてだめになること。新字体は廃に変化。
意味 (1)だめになる。すたれる(廃れる)。すたる(廃る)。「廃屋ハイオク」「廃墟ハイキョ」「廃人ハイジン=癈人」 (2)すてる。やめる。「廃止ハイシ」「廃刊ハイカン」
癈 ハイ 疒部
解字 「疒(やまい)+發(=廃。だめになる)」 の会意形声。治る見込みのない重いやまいをいう。常用漢字でないため、廃に置き換えることが多い。
意味 不治のやまい。「癈疾ハイシツ」(治らない病気。=廃疾)「癈人ハイジン」(疾病や傷害で通常の生活を営めなくなった人=廃人)
とびでる
溌 ハツ 氵部
解字 旧字は潑で、「氵(水)+發(とびでる)」 の会意形声。水が勢いよくあちこちへとび出ること。
意味 (1)水がとびちる。水をまき散らす。 (2)勢いのよいさま。「溌溂ハツラツ」(生き生きとして元気のよいさま=溌剌)「活溌カッパツ」(=活発)
撥 ハツ・ハチ・バチ・はねる 扌部
解字 「扌(手)+發(とびでる)」の会意形声。手の指ではじいて物がとびでること。また、指や手の動きで物をはじくこと。古くは、「扌(手)+發(弓矢をはなつ)」 で、弓矢をはなって乱世を治める意があった。
意味 (1)はねる(撥ねる)。はじく。はねかえす。「撥条ハツジョウ・ぜんまい」(はねかえる力を利用する板状や線状のもの)「撥バチ」(琵琶や三味線の弦をはじく道具)「撥音ハツオン」(日本語の「ん」の発音をいう。「ん」の字は書く時、最後に撥ねるので、ついたといわれる)「撥鏤バチル」(撥は、はねる。鏤は、ちりばめる。象牙の表面を緑や紅色などに染め、上から撥ねるように彫って模様を鏤(ちりば)め、象牙の地色を模様として浮き上がらせる技法。象牙の彫細工のひとつ) (2)治める。「撥乱ハツラン」(乱を治める)
醗 ハツ・かもす 酉部
解字 旧字は醱で「酉(さけつぼ)+發(とびでる⇒生じる)」 の会意形声。さけつぼの中で発酵がはじまること。
意味 かもす(醗す)。酒をかもす。「醗酵ハッコウ」(=発酵。酒がかもされること)
<紫色は常用漢字>
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