六 ロク・む・むつ・むっつ・むい ハ部
解字 小さな幕舎バクシャ(テントの家)の形。その原義で用いられることなく、その音を仮借カシャ(当て字)して数の六に用いる[字統]。
意味 むっつ(六つ)。数の名。「六(む)つ切り」「六日むいか」「六法ロッポウ」「六月ロクガツ」「六地蔵ロクジゾウ」「丈六ジョウロク」(身のたけが一丈六尺の仏像)
イメージ
「数字の六」(六)
「ニクの音」(宍)
音の変化 ロク:六 ニク:宍
ニクの音
宍 ニク・しし 宀部
解字 「宀(たてもの)+六(ニク)」の形声。ニクは肉ニクに通じ、宍は肉をうる店の意。転じて肉を表す。[学研漢和]は、六ロクは江南方言でニクと混同するとしている。
意味 (1)しし(宍)。獣類の肉。肉の俗字。「宍人ししびと」(肉類を料理する人)(2)姓。「宍戸ししど」
冥 メイ <くらい>
冥 メイ・ミョウ・ベキ・くらい 冖部
解字 篆文は、「冖(おおう)+日(ひ)+六(おおう)」の会意。六はテントの形の象形で、おおう意。これ以上古い形が分からないので、この字形に従って解字すると、冥は日が上からも下からもおおわれて暗い意となる。
意味 (1)くらい(冥い)。光がない。「冥界メイカイ」 (2)道理にくらい。おろか。「頑冥ガンメイ」(かたくなで道理にくらい) (3)あの世。「冥土メイド」「冥福メイフク」(あの世での幸福) (4)目に見えない神仏の働き。「冥利ミョウリ」(神仏が与えてくれる御利益ごりやく)「冥加ミョウガ」(知らず知らずのうちに受ける神や仏の加護。おかげ)
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「くらい」(冥・瞑・溟・螟)
音の変化 メイ:冥・瞑・溟 ベキ:幎
くらい
暝 メイ・ミョウ・くらい 日部
解字 「日(ひ)+冥(くらい)」の会意形声。冥(くらい)意味に日(ひ)をつけて、日がくらい意とした字。冥には日が含まれており、くらい意味を念押しした字。
意味 (1)くらい(暝い)。夜。「暝天メイテン」(夜のくらい空)「暝途メイト」(暗い道) (2)「暝暝メイメイ」とは、さびしいさま。
瞑 メイ・ミョウ・つぶる・くらい 目部
解字 「目(め)+冥(くらい)」の会意形声。目がくらくなる意で、目をつぶること。
意味 (1)つぶる(瞑る)。目をとじる。「瞑目メイモク」(目を閉じる)「瞑想メイソウ」(目を閉じて静かに考える) (2)くらい(瞑い)。よく見えない。 (3)目がくらむ。「瞑眩メイゲン」(目がくらむ。瞑も眩も、くらむ意)
溟 メイ・くらい・うみ 氵部
解字 「氵(水)+冥(くらい)」の会意形声。氵(水)は、ここでは海を指し、くらい地方にひろがる海をいう。中国では自分たちの地・中華に対し、そこからはずれた四方の極地を晦冥カイメイの地(くらやみの地)とする観念があった。その地に氵(水)がついた溟は、晦冥の地にひろがる果てしない水のうみの意[字統を参考]。
意味 (1)くらい(溟い)。小雨が降って暗い。遠く深く、うす暗い。 (2)うみ(溟)。おおうなばら。「溟海メイカイ」(おおうなばら。大海)「南溟ナンメイ」(南方の大海)
螟 メイ・ずいむし 虫部
解字 「虫(むし)+冥(くらい)」の会意形声。稲の葉柄や茎の中(くらいところ)に入り込んで茎や葉柄を食べる虫。
螟虫(「昆虫食彩館」より)
意味 ずいむし(螟)。くき虫。稲の茎を食う害虫。「螟虫メイチュウ・ずいむし」「二化螟虫二カメイチュウ」(年に二回発生する螟虫の二度目の虫。稲の株分けが終わり、穂の出る茎に被害を与える)「螟蛾メイガ」(螟虫が成長して蛾になったもの。苗代や田植の終わった水田のイネに産卵する。)
幎 ベキ・ミャク・おおう・きれ・とばり 巾部
解字 「巾(きれ)+冥(=冥土。あの世)」の会意形声。あの世に入った人の顔におおう巾(きれ)。
幎目綴玉ベキモクテイギョク(布の上に玉を顔の形に配置し綴りあわせ死者の顔に覆う。西周期。上海博物館蔵。写真は「ブログ上海旅行記」より)
意味 (1)死者の顔をおおいかくす巾(きれ)。「幎帽ベキボウ」(死者の顔をおおう顔かくし)「幎目ベキモク」(死者の顔をおおう巾きれ)「幎目綴玉ベキモクテイギョク」(布の上に玉を顔の形に配置し綴りあわせたもの。死者の顔に覆う。) (2)とばり。蓋う布。(=冪ベキ)
<紫色は常用漢字>
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解字 小さな幕舎バクシャ(テントの家)の形。その原義で用いられることなく、その音を仮借カシャ(当て字)して数の六に用いる[字統]。
意味 むっつ(六つ)。数の名。「六(む)つ切り」「六日むいか」「六法ロッポウ」「六月ロクガツ」「六地蔵ロクジゾウ」「丈六ジョウロク」(身のたけが一丈六尺の仏像)
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「数字の六」(六)
「ニクの音」(宍)
音の変化 ロク:六 ニク:宍
ニクの音
宍 ニク・しし 宀部
解字 「宀(たてもの)+六(ニク)」の形声。ニクは肉ニクに通じ、宍は肉をうる店の意。転じて肉を表す。[学研漢和]は、六ロクは江南方言でニクと混同するとしている。
意味 (1)しし(宍)。獣類の肉。肉の俗字。「宍人ししびと」(肉類を料理する人)(2)姓。「宍戸ししど」
冥 メイ <くらい>
冥 メイ・ミョウ・ベキ・くらい 冖部
解字 篆文は、「冖(おおう)+日(ひ)+六(おおう)」の会意。六はテントの形の象形で、おおう意。これ以上古い形が分からないので、この字形に従って解字すると、冥は日が上からも下からもおおわれて暗い意となる。
意味 (1)くらい(冥い)。光がない。「冥界メイカイ」 (2)道理にくらい。おろか。「頑冥ガンメイ」(かたくなで道理にくらい) (3)あの世。「冥土メイド」「冥福メイフク」(あの世での幸福) (4)目に見えない神仏の働き。「冥利ミョウリ」(神仏が与えてくれる御利益ごりやく)「冥加ミョウガ」(知らず知らずのうちに受ける神や仏の加護。おかげ)
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「くらい」(冥・瞑・溟・螟)
音の変化 メイ:冥・瞑・溟 ベキ:幎
くらい
暝 メイ・ミョウ・くらい 日部
解字 「日(ひ)+冥(くらい)」の会意形声。冥(くらい)意味に日(ひ)をつけて、日がくらい意とした字。冥には日が含まれており、くらい意味を念押しした字。
意味 (1)くらい(暝い)。夜。「暝天メイテン」(夜のくらい空)「暝途メイト」(暗い道) (2)「暝暝メイメイ」とは、さびしいさま。
瞑 メイ・ミョウ・つぶる・くらい 目部
解字 「目(め)+冥(くらい)」の会意形声。目がくらくなる意で、目をつぶること。
意味 (1)つぶる(瞑る)。目をとじる。「瞑目メイモク」(目を閉じる)「瞑想メイソウ」(目を閉じて静かに考える) (2)くらい(瞑い)。よく見えない。 (3)目がくらむ。「瞑眩メイゲン」(目がくらむ。瞑も眩も、くらむ意)
溟 メイ・くらい・うみ 氵部
解字 「氵(水)+冥(くらい)」の会意形声。氵(水)は、ここでは海を指し、くらい地方にひろがる海をいう。中国では自分たちの地・中華に対し、そこからはずれた四方の極地を晦冥カイメイの地(くらやみの地)とする観念があった。その地に氵(水)がついた溟は、晦冥の地にひろがる果てしない水のうみの意[字統を参考]。
意味 (1)くらい(溟い)。小雨が降って暗い。遠く深く、うす暗い。 (2)うみ(溟)。おおうなばら。「溟海メイカイ」(おおうなばら。大海)「南溟ナンメイ」(南方の大海)
螟 メイ・ずいむし 虫部
解字 「虫(むし)+冥(くらい)」の会意形声。稲の葉柄や茎の中(くらいところ)に入り込んで茎や葉柄を食べる虫。
螟虫(「昆虫食彩館」より)
意味 ずいむし(螟)。くき虫。稲の茎を食う害虫。「螟虫メイチュウ・ずいむし」「二化螟虫二カメイチュウ」(年に二回発生する螟虫の二度目の虫。稲の株分けが終わり、穂の出る茎に被害を与える)「螟蛾メイガ」(螟虫が成長して蛾になったもの。苗代や田植の終わった水田のイネに産卵する。)
幎 ベキ・ミャク・おおう・きれ・とばり 巾部
解字 「巾(きれ)+冥(=冥土。あの世)」の会意形声。あの世に入った人の顔におおう巾(きれ)。
幎目綴玉ベキモクテイギョク(布の上に玉を顔の形に配置し綴りあわせ死者の顔に覆う。西周期。上海博物館蔵。写真は「ブログ上海旅行記」より)
意味 (1)死者の顔をおおいかくす巾(きれ)。「幎帽ベキボウ」(死者の顔をおおう顔かくし)「幎目ベキモク」(死者の顔をおおう巾きれ)「幎目綴玉ベキモクテイギョク」(布の上に玉を顔の形に配置し綴りあわせたもの。死者の顔に覆う。) (2)とばり。蓋う布。(=冪ベキ)
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