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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「冓コウ」<同じかたちに組み立てる>「構コウ」「講コウ」「溝コウ」「購コウ」「再サイ」

2017年10月04日 | 漢字の音符

 コウ  冂部   

解字 紐を結んだ形の冉ゼンと、その上下反対の形を合わせた会意字であり、遘コウ(あう。であう)の原字。結び目が合うことから出会うことの意味とされたようである[甲骨文字辞典。]同じような形のものが上下に結ばれたかたち。この字形については諸説があり、木組み、竹組みの籠、紐結びを上下にあわせたかたち説などがある。いずれにしても、上下や左右を二つ同じような形に組んでつくった物を指す。木組み説では構コウ(かまえ)の原字。竹籠説では、篝コウ(ふせご)の原字。紐結び結合説では、結合部分で双方が「あう」ことから、遘コウ(あう)の原字となる。
 イメージは、同じ形を「組み立てる」、上下左右が「同じ形になる」、上下左右が中心で「出会う」となる。
意味 くみたてる。かまえる。 冉ゼン

イメージ

 「であう」(遘・覯・媾) 
 「組み立てる」
(構・篝) 
  左右が「同じ形になる」(溝・購・講・再)
  
音の変化  コウ:構・篝・溝・購・講・覯・媾・遘  サイ:再

であう                                コウ・あう  之部
解字 「辶(ゆく)+冓(であう)」の会意形声。冓(であう)意に辶(ゆく)をつけて、であう意味を強めた字。旧字体のため、二点しんにょう。
意味 あう(遘う)。「邂遘カイコウ」(めぐりあう=邂逅)「遘禍コウカ」(わざわいにあう)                             
 コウ・あう  見部
解字 「見(みる)+冓(であう)」 の会意形声。出会って見ること。
意味 あう(覯う)。出会う。「稀覯本キコウボン」(まれに出会う本)「覯閔コウビン」(閔(うれえる・人の死)にあう。愁いにあうこと)
 コウ・あう  女部
解字 「女(おんな)+冓(であう)」の会意形声。女と出会い縁をむすぶこと。
意味 (1)あう(媾う)。出会って縁をむすぶ。「婚媾コンコウ」(夫婦の縁組)「媾曳あいびき」(愛し合う男女がひそかにあう=逢引。相引) (2)まじわる。男女がまじわる。「媾合コウゴウ」(男女がまじわる) (3)よしみ(媾)。夫婦がたがいにいつくしむ。

くみたてる
 コウ・かまえる・かまう  木部
解字 「木(き)+冓(コウ)」の形声。木を組み合わせて家屋などをつくることを構コウという。
意味 (1)かまえる(構える)。組み立てる。「構築コウチク」「構成コウセイ」 (2)しくみ。「機構キコウ」 (3)[国] ①かまえ(構え)。準備をととのえる。「身構える」「一家を構える」 ②かまう(構う)。かかわる。相手にする。「子供を構う」
 コウ・ふせご・かがり  竹部
解字 「竹(たけ)+冓(コウ)」の形声。竹を組み立てた竹籠を篝コウという。[説文解字]は「ふせごなり。衣を燻(いぶ)すべし」とあり、香炉や火鉢にかぶせて衣を香の匂いを付けたり、衣を乾かすこと。火鉢にかぶせることから転じて、籠の中に灯火をいれて、まわりを布でおおった篝火の意とももなる。
意味 (1)ふせご(篝)。香炉や火鉢の上におおいかぶせるかご。香炉にかぶせて衣服をのせ香の匂いを移したり、火鉢にかぶせて衣服をのせ乾かす。 (2)かがり(篝)。火を中にいれ布をかぶせた竹製のかご。「篝火かがりび」(①警護のため、周囲を照らすため焚く火。②周りを布で覆った竹籠の中に火種をいれて照らす灯火具)

形声字
 コウ・みぞ  氵部
解字 「氵(水)+冓(コウ)」の形声。水を流すみぞを溝コウという。
意味 みぞ(溝)。どぶ(溝)。用水路。「排水溝ハイスイコウ」「溝渠コウキョ」(みぞ。水路)「溝板どぶいた
 コウ・あがなう  貝部
解字 「貝(財貨)+冓(コウ)」の形声。貝(お金)で買い求めることを購コウという。
意味 あがなう(購う)。買い求める。「購入コウニュウ」「購読コウドク」「購買コウバイ」(買い入れること)
 コウ  言部
解字 「言(いう)+冓(コウ)」の形声。話すほうと聴くほうが同じ理解になるよう論じること。
意味 (1)説く。説き明かす。「講演コウエン」「講義コウギ」 (2)話し合いで双方が同じ理解になること。「講和コウワ」(戦争を終結し平和をとりもどす) (3)[国]こう。寺社への参詣などのために集まる信者の団体。「伊勢講イセコウ
 サイ・サ・ふたたび  冂部           

解字 「一+冓の下半分(同じ形になる)」の会意。冓の下半分に一印を添えて、同じ物事がもう一つある、ことを示した字。
意味 (1)ふたたび(再び)。もう一度。「再会サイカイ」「再生サイセイ」 (2)くりかえす。「再三再四サイサンサイシ」「再再サイサイ

であう
 コウ・あう  見部
解字 「見(みる)+冓(であう)」 の会意形声。出会って見ること。
意味 あう(覯う)。出会う。「稀覯本キコウボン」(まれに出会う本)「覯閔コウビン」(閔(うれえる・人の死)にあう。愁いにあうこと)
 コウ・あう  女部
解字 「女(おんな)+冓(であう)」の会意形声。女と出会い縁をむすぶこと。
意味 (1)あう(媾う)。出会って縁をむすぶ。「婚媾コンコウ」(夫婦の縁組)「媾曳あいびき」(愛し合う男女がひそかにあう=逢引。相引。) (2)まじわる。男女がまじわる。「媾合コウゴウ」(男女がまじわる) (3)よしみ(媾)。夫婦がたがいにいつくしむ。
 コウ・あう  之部
解字 「辶(ゆく)+冓(であう)」の会意形声。冓(であう)意に辶(ゆく)をつけて、であう意味を強めた字。旧字体のため、二点しんにょう。
意味 あう(遘う)。「邂遘カイコウ」(めぐりあう=邂逅)「遘禍コウカ」(わざわいにあう)
<紫色は常用漢字>

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