求と救の解字をやり直しました。
求 キュウ・もとめる 水部
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/71/fba702fc10af05bb5ef4ac6e16340f47.jpg)
本当は根の部分を強調した植物
解字 甲骨文字は、根の部分を強調した植物の象形。[甲骨文字小字典]は、奏ソウの甲骨文字は両手に根の部分を強調した植物(求)を持つ形で捧げる意味があるとし、求の単独字は、自然神や祖先神に佑助(たすけ)などを求める祭祀儀礼に用いられ「もとめる」意味があるとする。金文は、上部が傾き、篆文はさらに下の根の部分がハが重なった形になり、現代字の求になった。
この字の音符字に「裘キュウ・かわごろも」があるため、多くの字典は求が毛皮を表すと考え、つりさげた毛皮のかたち[角川新字源]。頭や手足のついた動物の毛皮[漢字源]。獣皮をはいだ形[字統]としているが、裘キュウの甲骨文字(本ページの一番下)は衣の外側に毛がついた形で表され求の字は使われていない。
意味 (1)もとめる(求める)。ねがう。「求婚キュウコン」「希求キキュウ」「探求タンキュウ」 (2)さがしもとめる。「求職キュウショク」「求人キュウジン」
イメージ
「もとめる」(求・救・逑)
「キュウの音」(球・毬・裘)
音の変化 キュウ:求・救・逑・球・毬・裘
もとめる
救 キュウ・すくう 攵部ぼくづくり
解字 金文第一字は「求(もとめる)+攴(うつ)」の形。攴ボクは枝状のものを手にもち、たたく・うつ意。援助を求める相手に対し、その敵を攴(うつ)こと。第二字は「求+戈(ほこ)」の形で、武器の戈カを用いて、援助を求める相手に対し、その敵と武器で応戦して救うこと。金文の意味は、援助・救護する意になっている[簡明金文詞典]。戦国期は第一・第二字とも金文と同じ。篆文は戈がない「求+攴(うつ)」に一本化され、現代字は攴⇒攵に変化した救になった。意味は、すくう・たすける意だが、もとの意味は敵に攻められている相手をすくう・たすける意、現在は困難な状況にある人に力を添えて救助する意となった。
解字 すくう(救う)。たすける。まもる。「救助キュウジョ」「救急キュウキュウ」「救世主キュウセイシュ」「救援隊キュウエンタイ」
逑 キュウ・つれあい 辶部
解字 「辶(ゆく)+求(もとめる)」の会意形声。自分の理想の異性を求めて行くこと。その結果、出会い、つれあいになること。また同音の鳩キュウに通じ、あつまる(鳩合キュウゴウ)意もある。
意味 (1)もとめる。あう。「逑取キュウシュ」(もとめる) (2)つれあい(逑)。たぐい。「好逑コウキュウ」(よい配偶者)「逑耦キュウグウ」(配偶)「逑匹キュウヒツ」(配偶) (3)あつまる。
キュウの音
球 キュウ・たま 玉部
解字 「王(玉)+求(キュウ)」の形声。玉ギョク(美しい石)は、古代中国で礼服を着用する時に腰に帯びた佩玉ハイギョクを象った字で、装飾として吊るされた宝石類を指した。(音符「玉ギョク」を参照)佩玉にはさまざまな形があるが、まるい形の玉ギョクを「キュウ」といい、当初は璆キュウと書いたが、のち、同じ発音の求キュウの字を当てた「球」が作られた。まるい玉の意から、まるい形をしたものを指すようになった。
意味 (1)たま(球)。丸い形をしたもの。「地球チキュウ」「球根キュウコン」「気球キキュウ」 (2)まり。ボール。「球技キュウギ」「卓球タッキュウ」「野球ヤキュウ」
毬 キュウ・まり 毛部
解字 「毛(毛皮)+求(=球。まり)」の会意形声。中に毛などを詰め、毛皮で覆ったまりが原義。毛が外に出るイメージから、松ぼっくりや、毬栗(いがぐり)の意味にもなる。日本では芯になる物に毛糸をぐるぐる巻いたマリをいう。
意味 (1)まり(毬)。けまり。「打毬ダキュウ」(騎馬の人が毬を毬杖ギッチョウで打ち、穴の中にいれる競技)「手毬てまり」(手でついたり投げて遊ぶ毬) (2)まるいもの。「毬果キュウカ」(マツなど針葉樹の球形または円錐形の果実(松ぼっくり)をいう)「毬藻まりも」(毬のようになった淡水藻) (3)いが(毬)。栗などの実を包む、トゲの生えた外皮。「毬栗いがぐり」(いがに包まれた栗の実)
裘 キュウ・かわごろも 衣部
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/f1/68d2624cca6d0cc970e06d37b7db78ed.png)
解字 甲骨文は、衣の下部(えり)に毛が描かれており、この衣が毛皮の衣であることを表す。金文・篆文から、衣の中に求キュウが入り、毛皮の衣がキュウという発音であることを示す。現代字は「求+衣」の裘となった。
意味 かわごろも(裘)。毛皮の衣。「裘葛キュウカツ」(冬に着る毛皮の衣と、夏に着る葛(くず)で織った着物。転じて、一年間をいう)「裘葛を易(か)える」(冬の毛皮と夏の葛衣を易(か)える=一年がすぎる)「狐裘コキュウ」(狐の毛皮の衣)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
求 キュウ・もとめる 水部
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本当は根の部分を強調した植物
解字 甲骨文字は、根の部分を強調した植物の象形。[甲骨文字小字典]は、奏ソウの甲骨文字は両手に根の部分を強調した植物(求)を持つ形で捧げる意味があるとし、求の単独字は、自然神や祖先神に佑助(たすけ)などを求める祭祀儀礼に用いられ「もとめる」意味があるとする。金文は、上部が傾き、篆文はさらに下の根の部分がハが重なった形になり、現代字の求になった。
この字の音符字に「裘キュウ・かわごろも」があるため、多くの字典は求が毛皮を表すと考え、つりさげた毛皮のかたち[角川新字源]。頭や手足のついた動物の毛皮[漢字源]。獣皮をはいだ形[字統]としているが、裘キュウの甲骨文字(本ページの一番下)は衣の外側に毛がついた形で表され求の字は使われていない。
意味 (1)もとめる(求める)。ねがう。「求婚キュウコン」「希求キキュウ」「探求タンキュウ」 (2)さがしもとめる。「求職キュウショク」「求人キュウジン」
イメージ
「もとめる」(求・救・逑)
「キュウの音」(球・毬・裘)
音の変化 キュウ:求・救・逑・球・毬・裘
もとめる
救 キュウ・すくう 攵部ぼくづくり
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解字 金文第一字は「求(もとめる)+攴(うつ)」の形。攴ボクは枝状のものを手にもち、たたく・うつ意。援助を求める相手に対し、その敵を攴(うつ)こと。第二字は「求+戈(ほこ)」の形で、武器の戈カを用いて、援助を求める相手に対し、その敵と武器で応戦して救うこと。金文の意味は、援助・救護する意になっている[簡明金文詞典]。戦国期は第一・第二字とも金文と同じ。篆文は戈がない「求+攴(うつ)」に一本化され、現代字は攴⇒攵に変化した救になった。意味は、すくう・たすける意だが、もとの意味は敵に攻められている相手をすくう・たすける意、現在は困難な状況にある人に力を添えて救助する意となった。
解字 すくう(救う)。たすける。まもる。「救助キュウジョ」「救急キュウキュウ」「救世主キュウセイシュ」「救援隊キュウエンタイ」
逑 キュウ・つれあい 辶部
解字 「辶(ゆく)+求(もとめる)」の会意形声。自分の理想の異性を求めて行くこと。その結果、出会い、つれあいになること。また同音の鳩キュウに通じ、あつまる(鳩合キュウゴウ)意もある。
意味 (1)もとめる。あう。「逑取キュウシュ」(もとめる) (2)つれあい(逑)。たぐい。「好逑コウキュウ」(よい配偶者)「逑耦キュウグウ」(配偶)「逑匹キュウヒツ」(配偶) (3)あつまる。
キュウの音
球 キュウ・たま 玉部
解字 「王(玉)+求(キュウ)」の形声。玉ギョク(美しい石)は、古代中国で礼服を着用する時に腰に帯びた佩玉ハイギョクを象った字で、装飾として吊るされた宝石類を指した。(音符「玉ギョク」を参照)佩玉にはさまざまな形があるが、まるい形の玉ギョクを「キュウ」といい、当初は璆キュウと書いたが、のち、同じ発音の求キュウの字を当てた「球」が作られた。まるい玉の意から、まるい形をしたものを指すようになった。
意味 (1)たま(球)。丸い形をしたもの。「地球チキュウ」「球根キュウコン」「気球キキュウ」 (2)まり。ボール。「球技キュウギ」「卓球タッキュウ」「野球ヤキュウ」
毬 キュウ・まり 毛部
解字 「毛(毛皮)+求(=球。まり)」の会意形声。中に毛などを詰め、毛皮で覆ったまりが原義。毛が外に出るイメージから、松ぼっくりや、毬栗(いがぐり)の意味にもなる。日本では芯になる物に毛糸をぐるぐる巻いたマリをいう。
意味 (1)まり(毬)。けまり。「打毬ダキュウ」(騎馬の人が毬を毬杖ギッチョウで打ち、穴の中にいれる競技)「手毬てまり」(手でついたり投げて遊ぶ毬) (2)まるいもの。「毬果キュウカ」(マツなど針葉樹の球形または円錐形の果実(松ぼっくり)をいう)「毬藻まりも」(毬のようになった淡水藻) (3)いが(毬)。栗などの実を包む、トゲの生えた外皮。「毬栗いがぐり」(いがに包まれた栗の実)
裘 キュウ・かわごろも 衣部
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解字 甲骨文は、衣の下部(えり)に毛が描かれており、この衣が毛皮の衣であることを表す。金文・篆文から、衣の中に求キュウが入り、毛皮の衣がキュウという発音であることを示す。現代字は「求+衣」の裘となった。
意味 かわごろも(裘)。毛皮の衣。「裘葛キュウカツ」(冬に着る毛皮の衣と、夏に着る葛(くず)で織った着物。転じて、一年間をいう)「裘葛を易(か)える」(冬の毛皮と夏の葛衣を易(か)える=一年がすぎる)「狐裘コキュウ」(狐の毛皮の衣)
<紫色は常用漢字>
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