改訂しました。
童 ドウ・トウ・わらべ 立部
解字 金文第一字は、「辛(針)+目(め)+人+東トウ」。このうち「辛(針)+目(め)+人」は、針で目の上(ひたい)に入れ墨をされた人で捕虜となった奴隷を意味する。東トウはこの字の発音を表す。金文第二字は、人がとれて土が増えた字体。篆文は、目がとれて「辛+東+土」(辛と東は一部重複している)となった。現代字は、辛⇒立、「東+土」⇒里、に変化した童となった。童は、入れ墨をされた奴隷であり、奴隷は結髪を許されなかったので、おなじように結髪をしない「こども、わらべ」を童というようになった[字統を参考]。字形の変化が大きいので、ごろ合わせで覚えると便利。
意味 (1)わらべ(童)。わらわ。こども。「童話ドウワ」「童謡ドウヨウ」「童顔ドウガン」「童蒙ドウモウ」(幼少で道理にくらいもの。子供) (2)しもべ。召使い。罪によって、しもべとなった者。
覚え方 あの、たっ(立)ている、さと(里)の子は、わらべ(童)
イメージ
「わらべ」(童・瞳・憧)
元の意味である「どれい・しもべ」(僮)
「形声字」(撞・鐘・艟)
音の変化 ドウ:童・瞳・僮・撞・艟 ショウ:鐘・憧
わらべ
瞳 ドウ・ひとみ 目部
正面から見た目の「6瞳孔」が瞳ひとみ(「Lidea-目のしくみ」より)
解字 「目(め)+童(わらべ)」の会意形声。南北朝時代の字書[玉篇]は「目の珠子シュシ(丸い玉)也(なり)」とする。[説文解字]は、この字を載せていないが、瞳の意味である眸ボウの説明に「目の童子也(なり)」とする。目の中の丸い玉である「ひとみ」を目の中にある童子の黒髪の丸い頭に例えている。目を正面から見た時、目の中央部にある黒目の部分が「瞳孔(どうこう)」で、いわゆる「瞳(ひとみ)」の部分である。
意味 (1)ひとみ(瞳)。目玉の黒い部分。光の刺激は、ここから入り眼球内を通りぬける。眸ボウとも書く。「瞳孔ドウコウ」(眼の虹彩によって囲まれた孔。ひとみ)「瞳子ドウシ」(ひとみ) (2)(童子の目と解釈して)あどけなく無心に見る。「瞳焉ドウエン」(あどけなく無心にみる)
憧 ショウ・ドウ・あこがれる 忄部
解字 「忄(心)+童(わらべ)」の会意形声。わらべの心をいう。心が動くさまをいい、憧憬という語で、あこがれる意となる。
意味 あこがれる(憧れる)。「憧憬ショウケイ・ドウケイ」(憧も憬も、あこがれる意。強く望むこと)
どれい・しもべ
僮 ドウ・トウ イ部
解字 「イ(ひと)+童(どれい・しもべ)」の会意形声。童は、もと「どれい・しもべ」の意であり、イ(ひと)をつけてその意味を表す。また、童子の意味でも用いる。
意味 (1)しもべ。めしつかい。「僮僕ドウボク」(めしつかい) (2)おろか。「僮蒙ドウモウ」(おろか)「僮昏ドウコン」(おろかで道理にくらい) (3)こども。わらべ。「僮児ドウジ」(こども)
形声字
撞 トウ・ドウ・シュ・つく 扌部
解字 「扌(手)+童(トウ・ドウ)」の形声。トウ・ドウは動ドウ・トウ(うごく)に通じ、手で棒などを持ち、動かして物をつくこと。
意味 (1)つく(撞く)。つきあたる。つき鳴らす。「撞鼓トウコ」(太鼓をうつ)「撞球ドウキュウ」(玉つき。ビリヤード)「撞着ドウチャク」(①つきあたる。②つきあたって、くっつく=つじつまが合わない)「自家撞着ジカドウチャク」(同じ人の言行が食い違い、つじつまが合わない) (2)「撞木シュモク」とは、①鉦かねをうつT字形の棒、②つり鐘を打つ棒。「撞木鮫シュモクざめ」(先がT字の撞木形をした鮫)
艟 ドウ・トウ 舟部
解字 「舟(ふね)+童(=撞の略体。つく)」の会意形声。ついてゆく船。ぶつかってゆく船で、いくさぶねをいう。
意味 いくさぶね。「艟艨ドウモウ」(軍艦。いくさぶね。=艨艟モウドウ)
鐘 ショウ・シュ・かね 金部
解字 「金(金属)+童(=撞の略体。つく)」の会意形声。ついて音をだす金属製のつりがね。日本ではお寺の釣鐘だが、現代中国では、時計の意でも使われる。
京都知恩院の大鐘楼(「浄土宗総本山知恩院HP」の「知恩院の建造物」より)
意味 かね(鐘)。つりがね。「鐘楼ショウロウ」(鐘つき堂)「鐘鼓ショウコ」(鐘と太鼓)「梵鐘ボンショウ」(寺院のつりがねをいう)「警鐘ケイショウ」(危急を知らせる鐘)
<紫色は常用漢字>
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
童 ドウ・トウ・わらべ 立部
解字 金文第一字は、「辛(針)+目(め)+人+東トウ」。このうち「辛(針)+目(め)+人」は、針で目の上(ひたい)に入れ墨をされた人で捕虜となった奴隷を意味する。東トウはこの字の発音を表す。金文第二字は、人がとれて土が増えた字体。篆文は、目がとれて「辛+東+土」(辛と東は一部重複している)となった。現代字は、辛⇒立、「東+土」⇒里、に変化した童となった。童は、入れ墨をされた奴隷であり、奴隷は結髪を許されなかったので、おなじように結髪をしない「こども、わらべ」を童というようになった[字統を参考]。字形の変化が大きいので、ごろ合わせで覚えると便利。
意味 (1)わらべ(童)。わらわ。こども。「童話ドウワ」「童謡ドウヨウ」「童顔ドウガン」「童蒙ドウモウ」(幼少で道理にくらいもの。子供) (2)しもべ。召使い。罪によって、しもべとなった者。
覚え方 あの、たっ(立)ている、さと(里)の子は、わらべ(童)
イメージ
「わらべ」(童・瞳・憧)
元の意味である「どれい・しもべ」(僮)
「形声字」(撞・鐘・艟)
音の変化 ドウ:童・瞳・僮・撞・艟 ショウ:鐘・憧
わらべ
瞳 ドウ・ひとみ 目部
正面から見た目の「6瞳孔」が瞳ひとみ(「Lidea-目のしくみ」より)
解字 「目(め)+童(わらべ)」の会意形声。南北朝時代の字書[玉篇]は「目の珠子シュシ(丸い玉)也(なり)」とする。[説文解字]は、この字を載せていないが、瞳の意味である眸ボウの説明に「目の童子也(なり)」とする。目の中の丸い玉である「ひとみ」を目の中にある童子の黒髪の丸い頭に例えている。目を正面から見た時、目の中央部にある黒目の部分が「瞳孔(どうこう)」で、いわゆる「瞳(ひとみ)」の部分である。
意味 (1)ひとみ(瞳)。目玉の黒い部分。光の刺激は、ここから入り眼球内を通りぬける。眸ボウとも書く。「瞳孔ドウコウ」(眼の虹彩によって囲まれた孔。ひとみ)「瞳子ドウシ」(ひとみ) (2)(童子の目と解釈して)あどけなく無心に見る。「瞳焉ドウエン」(あどけなく無心にみる)
憧 ショウ・ドウ・あこがれる 忄部
解字 「忄(心)+童(わらべ)」の会意形声。わらべの心をいう。心が動くさまをいい、憧憬という語で、あこがれる意となる。
意味 あこがれる(憧れる)。「憧憬ショウケイ・ドウケイ」(憧も憬も、あこがれる意。強く望むこと)
どれい・しもべ
僮 ドウ・トウ イ部
解字 「イ(ひと)+童(どれい・しもべ)」の会意形声。童は、もと「どれい・しもべ」の意であり、イ(ひと)をつけてその意味を表す。また、童子の意味でも用いる。
意味 (1)しもべ。めしつかい。「僮僕ドウボク」(めしつかい) (2)おろか。「僮蒙ドウモウ」(おろか)「僮昏ドウコン」(おろかで道理にくらい) (3)こども。わらべ。「僮児ドウジ」(こども)
形声字
撞 トウ・ドウ・シュ・つく 扌部
解字 「扌(手)+童(トウ・ドウ)」の形声。トウ・ドウは動ドウ・トウ(うごく)に通じ、手で棒などを持ち、動かして物をつくこと。
意味 (1)つく(撞く)。つきあたる。つき鳴らす。「撞鼓トウコ」(太鼓をうつ)「撞球ドウキュウ」(玉つき。ビリヤード)「撞着ドウチャク」(①つきあたる。②つきあたって、くっつく=つじつまが合わない)「自家撞着ジカドウチャク」(同じ人の言行が食い違い、つじつまが合わない) (2)「撞木シュモク」とは、①鉦かねをうつT字形の棒、②つり鐘を打つ棒。「撞木鮫シュモクざめ」(先がT字の撞木形をした鮫)
艟 ドウ・トウ 舟部
解字 「舟(ふね)+童(=撞の略体。つく)」の会意形声。ついてゆく船。ぶつかってゆく船で、いくさぶねをいう。
意味 いくさぶね。「艟艨ドウモウ」(軍艦。いくさぶね。=艨艟モウドウ)
鐘 ショウ・シュ・かね 金部
解字 「金(金属)+童(=撞の略体。つく)」の会意形声。ついて音をだす金属製のつりがね。日本ではお寺の釣鐘だが、現代中国では、時計の意でも使われる。
京都知恩院の大鐘楼(「浄土宗総本山知恩院HP」の「知恩院の建造物」より)
意味 かね(鐘)。つりがね。「鐘楼ショウロウ」(鐘つき堂)「鐘鼓ショウコ」(鐘と太鼓)「梵鐘ボンショウ」(寺院のつりがねをいう)「警鐘ケイショウ」(危急を知らせる鐘)
<紫色は常用漢字>
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