80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

房総横断大人の遠足

2023-03-05 02:36:16 | 実物・資料系(現在)
今日は久しぶりにリアル鉄をしてきました。千葉県を走る小湊鉄道といすみ鉄道の2大非電化ローカル私鉄を乗り通して房総半島を横断してのですが、主目的は乗り鉄ではなく、以前にも訪ねたことがある保存車両のワンダーランド「ポッポの丘」の再訪です。ちょっと気になる車両が新しく仲間入りしたというので観察してきました。


いかんせん本数の少ないローカル線で、特に小湊鉄道は途中折返しが多く終点の上総中野まで行ける列車は限られるので、少し早めに家を出て午前8時半前には内房線の五井駅に降り立ちました。今日はレンタサイクルも使うので体力温存のため東京駅から快速のG車を奮発しました。模型は毎日見ていますが209系の実車を見るのは久しぶりです。



快速電車が走り去ったあと、目の前に広がる五井機関区にたたずむ小湊鉄道の車両群を目の当たりにして気分は一気にヒートアップします。“ディーゼル王国・千葉”は令和の今も健在でした。奥から順にキハ40首都圏色、「里山トロッコ」用客車、キハ40小湊標準色、キハ40JR東日本東北地域本社色、生え抜きキハ200の面々・・・。



大原まで乗り通すことができる「房総横断乗車券」1,730円也を購入してホームへ。まず目に入ったのは恐らく既に除籍済みであろうキハ200。塗装も剥げてかなりくたびれたキハ202、203、206の3両がモーターカーを間にはさんで側線に置かれていました。このうちキハ202はすでにエンジンが降ろされていました。キハ40が活躍を始めた今、姿を消すのも時間の問題でしょう。



折り返し8:52発の上総中野行となる列車が入線。キハ201+207の2両編成です。キハ40の運用は決まっていないようで、まあどちらが来てもいいかなとは思っていましたが、今度いつ来られるかわからないのでキハ200に乗っておいたのは正解でしょう。



トップナンバーキハ201に乗り込みます。オールロングシートですが、中央に立ち上がる排気管や床の円陣点検蓋などレトロな雰囲気満載です。なんと発車後のアナウンス前に「アルプスの牧場」が流れて涙腺崩壊。。



それにしてもすごい鉄道です。まるでコンバータ油をかき混ぜてるだけかのようにユルユルと加速したかと思うと小舟のように左右に揺れながら少しずつ歩を進めます。どの駅も時が止まったかのようなストラクチャーばかり。50分ほど走ったところで里見駅に到着。少し停車時間があるというのでホームに出てみると、なんと車内販売ならぬ車外販売が行われていて弁当や飲み物に人だかりがしていました。この列車の後にはトロッコ列車も来るのでそうした需要も見込んでいるのでしょう。



五井を出てから1時間20分で終点の上総中野に到着。何もない静かな山間の小駅です。ちょうどいすみ鉄道の車両も到着して乗り換えが行われます。乗ってきたキハ200は10分ぐらいでそそくさと五井へ折り返していきました。昔と違ってどのローカル鉄道もダイヤがスリム化されてしまい、終点でゆっくり撮影することが難しくなってしまいました。



ここから、いすみ300形302号車で大多喜へ。大多喜にはいすみ鉄道の車庫があって、これから急行運用につくキハ52が暖機運転中でした。奥の瓦屋根は大多喜城の大手門。大多喜は「房総の小江戸」と呼ばれる城下町ですが、今回は残念ながら時間切れで回れませんでした。



大多喜駅舎。丸ポストの右側に材木のようなものが立てかけてありますが、よく見ると竹に細かい穴を開けた中に電球を仕込んだイルミネーションになっています。この「竹灯籠」は冬季の風物詩とのこと。ぜひ見てみたいですね。ここからは駅前の観光協会でレンタサイクルを借りてポッポの丘へ向かいます。



走ること約20分、田んぼ越しに高台の上にある車両が見えてきました。前に来た時と変わらぬ風景ですが少し車両の色があせた?
前回の訪問時の投稿は以下でご覧いただけます。
TKG!
続・ポッポの丘



場内は上下2段に分かれています。これは駐車場のある下段の様子ですが、車両の置き方が前回と変わっていて、千葉都市モノレールの車両が売店になり、新たに加わったクハ103などが向きを揃えて中央に展示されていました。



丸ノ内線の400形。だいぶ塗装が傷んでいますが健在で安心しました。左は新たに展示に加わった京急旧1000形のカットボディ。塗装をやり直しているようです。この京急もそうですが、ポッポの丘にはオーナーが集めた車両以外にも、場所貸しの形で保存会などが所有する車両が多数展示されていて、それぞれの会員や支援者などが補修を行っています。



新たに加わったクハ103-525でこれも塗装をやり直しているようです。このクハ103は、左に少し写っているクモニ83006とともに以前東芝府中事業所で試験車として使われていたもので、現存する500番代クハとしては唯一のものだそうです。所々に青いドアが見えますが、新製配置された京浜東北線時代のスカイブルーに塗られるのでしょうか。



これも新たに加わった保存車で長野電鉄の1000形1003号車のカットボディです。実はこの車両こそが今回の房総横断遠足の目的地なのです。少し前の投稿で富山地鉄のモハ14750形イイネという記事を書きましたが、「運輸省規格型車両」ということ以外は寸法の入った形式図もなく詳細が不明でした。ところが長電モハ1000形・1500形とウリふたつで、しかも辛うじて解体を免れた1000形のカットボディがポッポの丘にある!という情報を小耳に挟んだので採寸に来たというわけです。詳細は別記事に書きたいと思います。



そしてなんと鉄道車両だけでなく三輪トラックまで展示されていました!!泣く子も黙るマツダT1500オート三輪です。個人所有の車だそうでナンバーもついていました。何となくですが次に来たらボンネットバスあたりが置かれている未来が見えます。笑



今回の訪問で印象的というか気がかりだったのは、ほとんどの車両が前に見た時よりも経年劣化で塗装剥離が進んでしまった感があることです。この「鉄顔」コレクションも、とくに右端のクハ111-1072や左から2両目のクハ183-21はかなり劣化が進行しているのが分かります。



一方、DE10と24系寝台は補修が行われて美しい姿が蘇っていました。



どこまで支援につながるか分かりませんが今回もTKG・玉子かけご飯を食し、赤卵を土産に買ってきました。ここに集められた車両が末永く輝いていてほしいものです。



ひと通り見学を終えて大多喜駅に戻ると、車庫にはキハ20 1303(いすみ300形の色変え版)がスタンバイ中でした。急行に使われるキハ52は土休日しか走らないため、「平日にもキハに乗れる」がコンセプトだそうです。



で、こちらが本家本元のキハ・・・キハ52 125です。ちょうど大原から急行で下ってきたところを撮ることができました。反対側には「夷隅」のヘッドマークが付いていたのを撮り損ねたのが心残り。。



今日は乗り、撮りともかなり満足のいく釣果となったので、あとはまったり大原へ出て「わかしお」で帰るだけだ・・・と思ったら、やってきた大原行は単行で、ここに観光客と高校生が入り混じってたいそうな混雑でした。当方、ある思惑があって最後部の貫通ドアの窓にオデコを付けてカメラを構えます。



思惑とは、2つ隣の国吉駅構内に、かつて久留里線を走っていたキハ30が保存されているとの情報を得ていたので、国吉駅発車時に撮ろうという魂胆だったのですが、なんと引退したキハ28が手前に置かれていて撮れませんでした。。まあキハ28の元気な姿を拝めたからいいですが・・・。また改めてリベンジすることにしましょう。



大原からは接続よく東京行の「わかしお」に乗車でき、日が落ちる前に帰宅できました。また気候が良くなったら、今度は養老渓谷や大多喜城などの観光を絡めて訪問したいと思った次第です。



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