inspiration-macrobiotique・随想古事記

マクロビオティックインスピレーション・随想古事記・日本語と歴史・バベルの塔・日々雑感

陰陽その二

2005-10-04 09:59:44 | Weblog
陰陽はどちらか一つだけでは存在しません。両方があるから、というよりそもそもの始まりである無限というものに動きが生じた時にこの世は存在を開始したのです。動いたということは一時的にバランスを崩したということです。そして次にバランスを取ろうという反応が生まれ、この世の無限の変化が始まりました。最初の動きの方向を陰といい、次に生まれた帰りの方向を陽としたのです。その膨大な繰り返しで生々流転してきた多様性の先端に現在の私達があるというわけです。

そういうわけで陰陽は必ずバランスを取ろうという内在性の力と共に現われています。例えば果物を考えてみましょう。まだ青いうちは表面の皮は硬く実も締まっています。一番外側が陰性なのですが、硬いという陽性の力をたくさん持っています。段々熟してくるうちに、風船のようにパンパンに膨らんで皮は薄くなり糖分は増えて水分も豊富になり今にも破れそうになります。それでも皮はまだ耐え得るだけの陽性を持っているのです。しかし内から内から溢れてくる陰性の力に耐え得なくなって破れておちます。その時は中心に陽性の種が大きくなっています。陽性が十分に大きくなると陰性の力も大きさを増して自分の皮も破るのです。陽性の種は内部に大きな生命の陰性の力を宿して地に落ちるのです。

この私達の世の中は、変化の連続で出来ている世の中です。それが陰陽という力の二大構成でできているというわけです。陰陽に善悪はありません。私達日本人にもなんとなく、陽は明るく朗らかで、陰は暗く湿っぽいという太陽が温和な地域に住む人間の思い込みがありますが、マクロビオティックでいう陰陽にはそういう善悪の感情はありません。強いて言うなら適度(中庸に近い)が善で、極端(極陰、極陽)が悪ですが、それも本当は感情の世界ではないのです。変化の一局面で次のステージへ進む時、例えば果物が落ちるときには極陰になるのです。私達も死ぬ時には極陰になります。

でもどんなスピードで極陰になるかという話です。私達がしたいこと知りたいことを十分にやった、わかったと満足できる時間があるかどうかです。それを選ぶのが私達の口というわけです。口は肉体のコントロールパネルです。身体の前は口、後ろは肛門です。私達の人生は全部自分の口の責任です。もっと幅を広げると七代前の先祖からの口の影響をとどめているそうです。自分と子孫のために口を慎まねばなりません。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 陰陽入門その一 | トップ | 金木犀 »
最新の画像もっと見る