四季・めぐりめぐりて

近隣の城館跡・古墳などの史跡めぐりなどをぼちぼちながらやっています

福正寺 勢至堂の狛ウサギ

2022年12月15日 | 神社仏閣


今年もあと半月。来年令和4年の十二支は「卯(う)」=「うさぎ年」

そんなウサギの狛犬(狛ウサギ)がある埼玉県滑川町月輪の 福正寺 『勢至堂』(せいしどう)を参詣してき
ました。
福正寺は、天台宗の寺院で月光山勢得院(聖徳院)と号す。福正寺の創建年代等は不詳ながら、慈覚大師
が開創したと伝わる。
勢至堂は、当地名の由来ともなった月輪殿藤原兼実(九条兼実)が建久年間(1190~1199)に当地へ下向
した際、藤原兼実の守護仏勢至菩薩を奉安するために建立したとされます。
この勢至堂は勢至菩薩をお祀りしてあるとのことで、本来、勢至菩薩は午年年まれの守り神とされるよう
です。そして、卯年生れの守護神は文殊菩薩とのことですから、なぜ勢至堂に「うさぎ」という不思議?
難しいことは分かりませんが、『月輪』という地名に大いに関係ありそうです。
下掲の勢至堂説明板にも記されているよう、月輪殿と呼ばれた平安末期の摂政関白太政大臣九条兼実との
関係。ウサギ=月輪




福正寺




福正寺山門




山門を抜けると右手に庚申塔、地蔵菩薩、如意輪観音などの石仏




山門の正面に本堂があります




勢至堂説明板
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   勢至堂
                             滑川町大字月輪
勢至菩薩は阿弥陀仏にお仕えし智恵の光を与え下さる菩薩で三夜様ともいわれている。
この勢至菩薩はその昔、月輪大納言藤原兼実公が常に尊崇礼拝していたと伝えられ、午歳生れの守り本尊として
福徳円満開運出世、又安産や火防などに霊験があるといわれる。
堂の創建は建久七(一一九六)年と伝えられ、文禄に再建され今の建物は嘉永二(一八四九)年に再興、昭和五
十年屋根等を改修現在に至る。
格天井は彩色の花鳥図で、優雅な天女と力強い龍の絵は藤原梅秀筆による。
須弥檀の四方には勢至菩薩にお仕えする卯の彫刻が施され、郷の人は兎を食べないといわれ、縁日には精進して
信仰すると伝えられる。
      磨きぬる智恵のかがみや勢至堂
        迷いを照らす 月の輪の里

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勢至堂は本堂の右斜め前に建立されています




狛ウサギ 平成17年建立のようです




阿形の狛ウサギ




吽形の狛ウサギ




吽形の駒兎の前斜めに説明板にも書かれていた歌
 『磨きぬる智恵の かがみや勢至堂 迷いを照らす 月の輪の里』
を刻んだ石碑が建立されています。




大棟の鬼には ウサギの顔 が




『勢至堂』と揮毫された扁額




「二十三夜大勢至菩薩」
裏面に  創業十年記念 昭和二年十月吉辰 入間郡坂戸町 建具蚕種 名前(判読できず)
と刻まれています




板碑 高さ約3.5m
阿弥陀一尊と御真言が彫られている

参詣日:令和4年(2022)12月14日(水)