南比企窯跡群を構成する窯跡のひとつである『新沼窯跡』(しんぬまかまあと)を訪ねてみました。
同じ斜面に作られた窯跡数は26基を数え、今のところは国内最大級の窯跡とのことです。
名 称:新沼窯跡(しんぬまかまあと)
時 期:奈良時代
遺 構:奈良時代(窯跡26基、溝4条)
出土物:奈良時代(須恵器、瓦、瓦塔)
平安時代(須恵器)
指 定:ー
所在地:埼玉県比企郡鳩山町大字泉井字新沼
新沼窯跡は、昭和34年(1959)立正大学の調査で2基の窯跡が発見され、武蔵国分寺創建期の瓦を生産し
ていた窯跡として知られていたようです。平成22年(2010)からの発掘調査で、新たに24基の窯跡が確
認され、あわせて26基の窯跡の存在が確認されたとのことです。出土品の中には、古代の郡名を記した
「郡名瓦」が数多く含まれていたようです。
平成24年(2012)3月17日には、発掘現場見学会が行われて、発掘された窯跡の姿や発掘出土品も見られ
たようです。
それからすでに10年弱を経過し、現場は既に埋め戻されており今更という思いでしたが、窯跡には表示
がされているとのお話を某博物館の方に教えていただきましたので、それならば場所の確認だけでもと
訪ねてみた次第です。
Googleの航空写真による位置表示 「天沼」、「新沼窯跡」の文字は加筆
亀小(亀井小学校)通りから、天沼方向を
「新沼窯跡」への標識や案内板等はありませんので、場所については予め調べておきました。
『天沼』(溜池)
天沼の横を通って山の反対側に向います
左奥には墓地、右側の石段の先も墓地ですのでその間の道を進みます
右方向にカーブしています 道なりに
竹林を伐採した場所が見えてきました ここが新沼窯跡のようです
「鳩山窯跡群」と書かれた掲示板が建っていますが、残念ながら何も書かれていませんし貼り紙
等もありません
この斜面に26基の窯跡を確認したとのことです
今は埋め戻されてしまっていますので窯跡を観ることはできませんが、竹を置いてある所が窯跡。
全部の窯跡に竹を置いたらかえってわからなくなってしまうので数か所にしたものと思料します。
表示に使われている竹は大分朽ちていますので埋め戻したころに置いたものでしょう。
下から見ますとこんな感じですが、この形が窯跡というわけではないことは素人にも分ります。
ここにも竹をを置いて位置表示してあったのかもしれませんが?
反対側から
斜面下
ここにも複数の窯跡があったようです
横から
(ネットで見つけた)「平成24年3月17日 発掘調査見学会資料」によれば、この地表が露わにな
っている部分で16基前後の窯跡が確認されたようですが、あとの10基前後はどこに?
竹や雑木が生い茂っている場所にあったのか?
ここからではちょっと分りません
回り込んでみるとロープが張られていましたが、ブルーシートが残っている発掘跡らしきものが
見えました。多分、ここに横一列に10基前後の窯跡があったのではないかと考えられました。
発掘調査から10年以上経過していますから、発掘時は伐採した雑木などが成長して覆っても不思
議ではありません。
斜面の上から 今もこのように綺麗に整備されて保存されています 関係者の思いが伝わります
以上、勝手な推測で書いてみましたが、間違いがあっても大目に見て下さい。
なお、「新沼窯跡」で検索していただければ、発掘現場や出土品の写真が見られるサイトが複数あ
りますのでそちらを参考にして下さい。
散策日:令和3年(2021)12月9日(木)・10日(金)